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AC6/世界観考察(人物・企業・組織)

非常に多くのネタバレが含まれるため閲覧注意。
※このページには、公式設定ではない情報、推測、想像が含まれています
考察は考察と割り切ってお楽しみください。


人物

C4-621

  • シリーズ伝統の無名人物であり、経歴、年齢、容姿、性別、声質や口調など全てが不明。
  • トレイラーやオープニングでの「機能以外は死んでいる」「脳を焼かれた独立傭兵」発言や、全身を黒い包帯のようなものでグルグル巻きにされ点滴と鍼だらけでベッドに固定されていた光景から、発売前には「今作の強化人間は生体CPU扱いなのか…?」や「歩くこともままならないほどの状態でコクピットに収まっているのでは?」と思われるほどであった。
    • 包帯グルグル巻きに関しては、621個人がとんでもない重傷を負っていた、あるいは休眠保存処置などの例外的なものだったようだ。アーカイブ「STVの画稿」を見ると分かる通り、他のAC乗りは強化人間であっても皮膚などは普通の外見を維持している。
    • ガレージではコア上部のハッチと思われる位置が開閉していたり、コア付近に伸びる足場が確認できるため、流石に帰還したら機体から降りて生活している模様。新着メッセージはガレージ内の端末で椅子に座って確認していたりするのかもしれない。
    • 喋らない点については「怪我の影響で発声やコミュニケーション能力にもダメージを受けているのでは」や「過去のACの主人公のように元から無口で必要最小限の会話しかを行わない人間だったのでは」と想像されている。
    • シリーズ伝統の「戦闘モード起動」「通常モード移行」はACの制御システムの話だったが、今作では621本人が制御システムから「通常モード移行」を宣言されている。
      • この制御システムは密航ムービーなどの描写から脳深部コーラル管理デバイスの搭載AIである可能性が高い。戦闘モードが接続したACを自分の身体のように動かすモードで、通常モードが自分の肉体を動かすモードだろうか?
  • C4-621という名前について、「C4」は第四世代の強化人間を表す記号で、「6」はAC6、「6+2+1=9」でACを象徴するナインボールを意味する9が含意されている!と盛り上がるファンもいたが、公式の回答としては「偶然」だったらしい。
    • 他にも621(ロクニーイチ)という呼び名を621(six two one)と英語に読み換えると、6-to-1というスラングによく似た響きになる。このスラングは「2つのものを選ぶことに差は無く、どちらを選ぼうとも構わない」といった意味になるため、621に大きな選択が委ねられるAC6のストーリーを示唆しているなどと深読みするファンもいる。もちろん公式な設定が出ている訳ではないが。
    • こじつけようとすれば6が2個と1個で666(いわゆる獣の数字、作中でも害獣呼ばわりされている)とか、6×2+1=13(G13を拝命)とか、意味深な数字がいくつか作れる数列である。
  • ストーリー開始前の傭兵としての実績は不明だが、序盤ミッションで「手慣れている」と言われ、ウォルターが悲願達成の手駒に選ぶぐらいなので、しばらく彼の下に居てかなりの実績を上げていた可能性は高い。いくら元から腕利きだったとしても、流石に包帯グルグル巻き再起動状態からいきなりルビコン送りにしたとは考えづらい。
    • メタ的な要素を多分に含むと思われる台詞だが、3周目開始時のウォルターは「お前には十分な経験がある この惑星にも、すぐ適応するだろう」と語っている。
+ 余談
  • 621がルビコンで使用することになる名義、「Rb23 Raven」であるが、Rbは元素記号表で「ルビジウム」を表す。ルビジウムは、「地殻に23番目に多く含まれている」「空気中で自然発火する」「水(Water)と反応して水素を発生させ、水素の引火に必要な熱も発生させるため、爆発を引き起こす可能性がある」という性質があり、ウォルター(Walter)と関わりを持ち、「レイヴンの火」ルートでコーラルを焼くことになる621がこの名義を手に入れたことも何か意味するところがあるに違いないとフロム脳を逞しくしている人も。
  • パーソナリティーが完全に不明な上、意外なほどに周囲の人物との絡みがあるせいか、プレイヤー側のSNS普及と相まって外見の二次創作が活発なのも特徴。ハードSF風の武骨漢、傷だらけの儚げな美少女、猟犬だから62イヌなど、振り幅も凄いことになっている。
  • ウォルターは621への報酬として「コーラルを見つければ大金が稼げて、身体を治療し人生をやり直せる」と言うが、これが621の自発的な望みなのか、ウォルターがモチベーションのために用意した方便なのかは定かではない。
    • 解放者ルートの企業に操られ朦朧としたウォルターがうわ言として上記の言葉を発する。ウォルターの方便だった場合、621よりも誰よりも、そうあってくれと願ったのはウォルターなのだろう。
    • 過去作の主人公達が「生き延びようと戦っているうちに壮大な最終目標にぶち当たる」のに対して、621は失ったものを取り戻すという、ある程度ハッキリした目標は持っていたと言える。言わば「復活のための傭兵稼業」だが、リリースエンドではまさかの新しい存在として世界に顕現することになる。
    • 燃やし尽くすつもりのウォルターがコーラルを金に換える気がないのは明らかだが、彼の遺したメッセージからして、傭兵稼業の報酬はピンハネしたりせず621のために保管されているのだろう。いくつかのミッションでは労災の支給や報酬の補填がなされており、このあたりも彼の人情家としての側面が垣間見える。

ハンドラー・ウォルター

  • 本作のストーリー開始以前から、強化人間独立傭兵を率いる「ハンドラー」として知られていたようだが、詳しい来歴は不明。
    • 「ハンドラー」が傭兵経営者の通称なのかウォルター個人の通り名なのかは劇中では明示されていないが、実動部隊の「ハウンズ(猟犬たち)」やエンブレムのデザインからして、個人の通り名なのだろう。
    • 本来の目的や「犠牲を払ってルビコンまで漕ぎ着けた」といった旨の発言から、傭兵部隊の経営そのものが今回のルビコン侵入と「火を点ける」ための布石であった模様。
  • 交流のある人間からは傭兵選びの目利きやマネジメント能力をかなり評価されている。621に休養の必要性を説いたり「旧世代型にも尊厳はある」といった言動から、冷酷なだけの人形使いといった人物ではない
    • その一方で、配下の傭兵の消耗が激しい事で有名らしく、新入りの621が警告されたり苦労人扱いされる一幕も。これが、今までの傭兵経営でそうした事が何度もあったからなのか、トレーラーで描かれた619らハウンズ3機を失った作戦が有名だからなのかは不明
    • ウォルター個人が冷酷な人物でないとしても、最終目的であるコーラル焼却を達成するためなら配下を死地に向かわせるぐらいには冷徹になる覚悟を決めた人間ではある。621を斡旋した闇医者(?)が先に引き渡していた619の安否に言及しつつ「在庫処分」と言っている所を見るに、「行き場のない旧世代型強化人間を安く買い叩いては使い潰している」といった悪評が流れていたのかも知れない
  • 確定ではないものの、種々の情報から、ナガイ教授の口述筆記に登場する「第1助手の息子」が長じたのがウォルターではないかと推測されている。
    • 強化処置などによる肉体年齢はともかく、実年齢で考えてもギリギリ「第1助手本人」という可能性もあるが、アイビスの火で死んでいないこと、息子の避難先が木星でウォルターも木星にいたミシガンと旧知の仲であること、妻を実験台にしたり「精神混濁」と言われるほどおかしくなっていたという人物像がウォルターと一致しないことなどから、第一助手説には無理があると言わざるを得ない。
  • 彼がルビコンに渡ってきた時期について明確な言及は無い。ただ、ミッション「密航」は明らかに621とその乗機ACのみが着陸しており、ストーリー開始時点で621のそばにいたとは考えにくい
    • ストーリー開始後に密航してきたとすれば、タイミングとしては「野暮用」で不在だった頃だろうか。
    • ストーリー後半になっても、個人的依頼や日常会話レベルのやり取りですらわざわざ通信回線を通してメッセージで伝えてくる。前線にいる621とは基本的に別行動を取っているのかもしれない。
    • 通信にタイムラグがない(=光の速さで数秒以上かかる距離がない)ため、ミッション「密航」よりも先にルビコン入りしていた可能性もある。
      • ただし、AC6世界の物理法則が我々が生活する世界と似たものであるのかについてはかなり議論の余地があるように思われる。超光速航行が可能であるとか、あるいは情報の伝達速度に上限がないとかそうした本質的な違いがあってもおかしくないような描写は多々存在する。ゲーム上の都合と言われればそれまでだが
  • ウォルターは終盤にてアーキバスに捕われ消息不明となった後、「ルビコンの解放者」ルートでは最終局面にて621と敵対する。その際の機体は技研製のAC「IB-C03 HAL 826」。
    • 企業の意志など意に介さない人物であるにも拘わらず、企業のために621を殺すという不可解なセリフがあることから、何らかの洗脳処置を施されたこと自体は間違いない。一方でその洗脳が完全ではないとみられる台詞も多く、同じ場面で例えば「友人達の遺志」のためにも621を倒すといった発言がみられる。同じチャプター5のミッションではスネイルが「あなたのハンドラーも反抗的」という旨の発言をしており、洗脳がうまくいかなかった可能性を示唆している。
    • なぜアーキバスが安全な手駒の自社AC乗りではなくウォルターを技研の強力なAC「IB-C03 HAL 826」に乗せたのかは不明。
      • 貴重な技研製でデータの塊でもある機体を戦闘に出すこと自体がリスクを伴うし、使い捨てて良いぐらい解析などを終えていたなら認証ロックなども解除されていただろう。
      • 実はウォルターが凄腕のAC乗りで、有人機のHALを最大限活用させ621に対抗しようとした…と考えるにしても、中途半端な洗脳では解けて離反されるリスクもあるため、どういう過程でHALに乗り込み現れたのかはハッキリしない。
      • この時点のアーキバスはヴェスパーも艦隊もバルテウスも喪失して戦力は実質ゼロだが、スネイルは死に際に「最後の…プランを…」と遺している。タイミング上、予め用意できここで投入可能な「プラン」とやらに該当するのはウォルターを乗せたHALしか存在しないため、処置が不十分でもいいからと最後の悪足掻きかつ621への嫌がらせで強引に投入させられたか。
    • 一方「賽は投げられた」ルートでは自らの意思で出撃する。戦闘を見る事は出来ないが最終ミッションで破壊された機体が映し出されており、こちらでもHAL 826を駆っていた模様。
  • ウォルターはなぜ高度なAC操縦技術を有しているのか?
    • 上記のようにウォルターは本編内でもAC操縦と全く無縁という訳ではないだけに留まらず、「賽は投げられた」ルートで交戦したオールマインドからも「手強い」と評されている。
    • 一方、ウォルターは声質から壮年以上の年齢であるばかりか、ストーリートレーラームービーにおける本人と思しき人影は明らかに杖をついており、とても自らACを駆って戦える身体には見えない。おそらく搭乗や脱出の際にも支障が多いであろう。
      • えっドルマヤン!?…まぁ帥父はポジション的にカルトの教祖バトルものの仙人みたいなもんだし…(震え声)
      • 本編のどのルートにおいても終盤にならないとACに搭乗しないことには、この年齢的・身体的な理由が考えられる。洗脳か自発的な意思かはともかく、いずれも自らの生還を度外視してACで戦わざるを得ない状況ではある。
      • 具体的な設定が生きているかはともかく、ACシリーズにおけるМTは「マッスル・トレーサー」の略である。もともと強化人間手術や神経接続などがなくても筋肉や神経伝達の動きを読み取って操作できるメカと解釈される事が多く、ACもその発展系なため、操縦桿やペダルといった手足の力を求められる操作が要らない可能性はある。
    • 二次創作的なものだが、周囲の反応や傭兵経営のノウハウ、強化人間の目利きなどから、元々ウォルターは傭兵や企業部隊などでМTやACに乗った経験があり、第一線を退いた後オーバシアーとしての目的も兼ねて独立傭兵部隊の経営を始めたのではないか…という経歴を空想する人もいる。AC乗りの傭兵部隊って元手とんでもなくかかりそうだしね
      • ウォルターの乗機HAL826を構成するパーツにはNGIやWLTという品番がついているが、これは「NGI=ナガイ教授」「WLT=第一助手(ウォルターの父親)」ではないかと推測するプレイヤーもいる。そうだとすれば、ウォルターは父親が開発に関わったACに乗っていることになる。現実での半世紀前、1970年代と言えば巨大ロボットアニメが始まった年であり、父親や祖父が作ったロボットに乗るという設定の主人公も多かった。そうしたロボットアニメに親しんだ層からは、設定的なオマージュなのではないかという声も。
        • 全体的にメカ感が強く落ち着いたカラーリングの機体が多い今作だが、HAL826は全身を血のように濃い赤で塗られ、どこか有機的な造作の頭部など変則的な意匠の機体である。「一機しかない特殊な専用ロボット」というあたりもロボットアニメオタクの心をくすぐる所か。
  • 「STKの遺稿」のメモには「少年 目の奥に光」とある。これが比喩表現でなく本当に目が光っていたとすると、コーラル研究に取り憑かれた第1助手が妻子を実験に供した結果、息子のウォルターのみが成功して生き延びたものの、眼球を通して脳のコーラルが発光している…という事なのだろうか。他の旧世代強化人間に目の発光などは言及されないため、単に意志の強さを表現しているだけとも取れるが。
    • ウォルターが何らかの旧世代型手術を施され、ゆくゆくはHAL826に搭乗させられる予定だったと考えれば、「手術によってHAL 826の操縦適性とエアを知覚する素質が備わり、後者はアーキバスにナニカサレタことで発現した」というところだろうか?
  • ウォルターの「友人(たち)」とは何者なのか?
    • コーラル探索に関して「友人」という第三者が依頼してきたかのように話すが、エアによれば彼がそのような人物とやり取りしている痕跡は無いという。
    • 集積コーラル到達後のメッセージで、コーラル焼却という悲願について「俺が、死んでいった友人たちから受け継ぎ」と明言している。「オーバーシアーとして活動する中で亡くなった先人や同僚達」と取るのが普通だろう。ウォルターが結社に参加した時期は不明だが、危険や困難を伴う活動だったのが想像できる。
    • この時点ではオーバーシアーとしての身分を隠していたカーラも「友人たち」という表現を使うので、彼らの間では「組織の仲間」を指す隠語や符丁なのかもしれない。会話の調子を見る限り、オーバーシアーの存在を明かせず621に対して「友人の依頼」という安易な嘘をついた(つかざるを得ない立場)のウォルターを茶化しているだけのようでもあるが。
    • どういった人生を送ってきたかは判らないまでも、621やミシガンなど身近な人間への情が深いウォルターだけに、志と覚悟を共にした「友人たち」もまた強く気にかけていた存在なのだろう。
    • 621に「何か」が手を貸していることを察してか「あいつにも(お前にも)友人が」と称したが、それが変異波形のエアだと感知したのは開放者ルートの最後などに限られる。621が幻聴に対処する方便だと思ったり、任務の中で私的な協力者や仕事仲間のようなものができたと思っていたのだろうか。
    • 「遺志を継ぎコーラルを燃やす」という選択は、多くの人命や環境をも巻き込む悽絶なものであり、何よりコーラルという知能のある生命体を虐殺する行為でもある。ウォルター自身はその実行に覚悟を決めていた訳だが、集積コーラル目前では621へ「俺に従え」と言いかけたのを打ち消して「お前自身に従え」と説き、道を違えるルートでも「あいつは選択した」と、異なる選択や未来があることは少しも否定しない。
      • それどころか自らと異なる道を示す者を望んでいるようでさえあり、「点火」に対して単純な義務感や正義感で突き進もうとしていた訳ではない様子を見せている。
      • 「ルビコンの解放者」ルートの最終局面にて、意識が混濁してもなお621の未来を気にかけ、621の「友人」が何者かを知り、621の選択の意味を理解したウォルターは、たとえ自分の悲願が潰えたとしても、彼自身と621それぞれの人生に「意味が与えられた」ことに満足していたのかもしれない。

ハウンズ(C4-617~620)

  • ハウンズのミッションについて。
    • ウォルター麾下のハウンズだが、物語の開始時点では621を残して全滅しているようである。その原因であろう、ストーリートレーラームービーにおける強化人間C-617達ハウンズの作戦は何のために行われたのか。
    • 621が医者から受け渡されるシーンがあるため、オープニングミッションである「密航」よりも以前であると思われる。
    • ハウンズを迎え撃った巨大兵器は封鎖機構のカタフラクトである為、必然的にハウンズは封鎖機構の基地を襲撃したと思われる。作中でハンドラー・ウォルターはこの作戦の成功により、621の密航が成ったとシンダー・カーラに語っていた。
    • 「密航」のムービーでは衛星砲の直撃を受けたにもかかわらずシャトルの外郭が損傷した程度で中の621は無事だという描写があった。作中では威力が減衰するであろう大気圏内への狙撃でもドーザーのMTを易々と破壊し、成層圏外ではザイレムの艦橋を撃ち抜く描写があった為やや不自然ではある。この事からハウンズの作戦は621の密航の為に衛星砲の制御を狂わせる、あるいはエネルギーを供給を断つためだったのではないかと推測する人もいる。
      • しかし、前述のようにルビコン3到達以前に行われたミッションだとすると、ルビコン衛星砲の動力源や照準システムが別の惑星に置かれているという、かなり不可思議な構造を無理やり仮定する必要がある。
      • ハウンズが襲撃したのは、ルビコンに向かおうとする密航者を航路途中や中継惑星で阻止するための迎撃システムであり、そこに621を通す穴を開けるための作戦だったのではないかと言う考察もある。ただし、AC6の恒星間航行技術が謎なため、迎撃という形での封鎖ができるのかは定かではない。
  • 何故C4-617から”連番で”621までの5名を起用したのかは謎。617~620が作中以前に色々と活躍を遂げた事は、ミシガンやカーラ、スッラ等の台詞が示唆している。
    • 世代を表すらしきコードを含む点や、オールマインドもリストを把握している点から、このナンバーはウォルターや施術者が管理用につけたのではなく、強化人間全員の通し番号の模様。秘匿目的の闇手術や人体実験といった未登録行為を排除できるとも考えづらいが…。
    • 4連続、場合によってはそれ以上の番号がウォルターの下に集まっているため、理由があるとすればウォルターが「617〜621を連番で買う」と指名したか、残っていたのをまとめ買いして配下にした事になる。
    • 指名と考えると、なんらかのグループが同時に強化手術を受けたものの売れ残り、ウォルターがそのグループの事情や実績を汲んで買った事になる。元から優秀な部隊だったのでウォルターもそれを見込んだといった背景が想定できるが、それなら「いい在庫処分」呼ばわりされるような売れ残り方をしているのは不自然ではある。
    • まとめ買いだと考えると、連番のまま売れ残っていた「旧式の在庫」を、まだ使い道はあると目利きした上で連続的に買い入れたことになる。全員をしばらく育成運用した中で特に優れていた621をルビコン行きに選抜したとすれば、過去や背景を変に創作しなくても連番である事情は成り立つため、「前歴のみでいきなり621一人に全賭けして実戦での確認もせずルビコンに送った」と考えるよりは自然になる。
      • 「アイビスの火以前からルビコン周辺星系で活動していた」とされるスッラは、かなり以前に618と交戦し殺害している。スッラが遠くの他星系にまで出張し襲ってきたというなら話は別だが、ウォルターの手駒がルビコン星系に侵入、あるいは周辺星系に踏み込んだのは621が最初ではなく、そこから一定の時間が経っているようだ。
      • この点でも、ハウンズや621がしばらくの期間はウォルター指揮下で活動していたことや、最初から621一人に賭けたのではなく選抜や挑戦を経ていたとも考えられる。

エア

  • バルテウス戦の開始直後に621の「脳波と同期」すると宣言してからサポートを始める。人間側の機械技術では脳波から思考や情報を読み取ったり伝達するのは一手間かかるが、Cパルス変異波形は「波形情報として存在が始まった」が故に、脳波に直接アクセスする方が通信機器などに介入するより楽なのかもしれない。おかげで通信ログは一切残らないのだが。
  • 死亡した人間の意識がコーラルの流れの中に散逸することもあるようで、彼女の思考パターンが人間に似過ぎているのは、特定個人のゴーストに近い存在か、不特定多数の故人の集合意識的な存在だからという可能性もある。
  • BGMや効果音を下げてボイスだけを拾うと彼女に限り「ピピピ…」という電子音のようなエフェクトが乗っている。これがイグアスが言うところの「耳鳴り」として聞こえる模様。彼がミッション【コーラルリリース】において「耳鳴りの正体」を認識できていたのはエアが実体(機体)を伴ったお陰のようだが…。
+ 余談
  • レイヴンの火とルビコンの解放者での違いの謎
    • この2つのルートにおいて彼女の行動、そして情報導体としての脅威度が「レイヴンの火」ではまるで違ってきている。かねてより彼女のハッキング技術は、相手のセキュリティなど無人の広野を行くがごとく無いに等しいものだったが、レイヴンの火ルートではそれをいかんなく発揮し物語開幕で稼働していた惑星封鎖機構の残った封鎖システム衛星砲を乗っ取るまでに至っている。
    • この方法は先にルビコンの解放者を行っていたプレイヤーに衝撃と疑問を抱かせ、また三周目まで終えたプレイヤーにも疑問が残った。なぜこのルートではエアは衛星砲をハッキングする道筋ができているのだろうかと。621と普段は行動を共にしているエアだが、621とは交信をしているに過ぎず彼女自身は情報の海ならば大概どこにだって行ける。だが他2つのルートにおいてザイレム撃墜をするならば衛星砲を乗っ取ってしまえば良いので、このルートだけエアが思いつきだけでは行き着くことができない衛星砲にハッキングの出来る何かが関わっていることになる
    • 仮説としては、このルートだけ存在するアイビスシリーズIB07-SOL644で衛星砲に辿り着き直接ハッキングを仕掛けたことが考えられる。彼女は決戦前、ステーション31にはおらず、衛星砲に立っておりそこから飛び立ちこちらに降りてくる。そもそもこの白い機体、アーキバスが技研都市掌握の際接収したと見られるが、なぜかアーキバスは使ってこない上にオールマインドでさえデータにすら残していない。エアに知られたら戦力差がやばいので徹底的に隠蔽したか壊したか
      • この機体はアーキバスに接収されたはずだが、無人なので起動すればキュベレイよろしく甚大な被害を受けると見たか、解放者ルートでさえ出てこない。もう一つの可能性としてオールマインドに秘密裏に回収されていた疑惑がある。今回の仮定はそちらとする。そしてそのキーマンとなるのがオキーフだ。ここも仮定だが彼はオールマインドを裏切り機能停止に追い込んだはいいが、ザイレムが浮上してしまい手が出せなくなったので、エアにこの機体を明け渡したのではなかろうか。
      • ザイレムの経緯を考えると、技研機体がザイレムに保管されていても不思議ではない。また、エアが操縦できたというだけで有人機か無人機かも不明なので、無人機であればプロテクトの関係でカーラ達に捨て置かれた理由も付く(アイビスシリーズと同じと仮定して)。しかしオールマインドがザイレムに持ち込んでいた可能性も実はゼロではない。というのも、休眠状態の621をザイレムで保管していた疑いがあるからだ。ザイレムが実はオールマインドの拠点だとしたら機体の保管場所と621の覚醒地点の両方に説明がついてしまう。ここまで言っといてなんだが、そうなると最重要拠点ごと奪われたということになるのでまあ正直いくらなんでもここまでポンコツということは無いだろう。でもそう考えるとギリギリまで621を起こさなかった(起こせなかった)理由とかいろいろに説明がついてしまうあたり納得のAMである
  • 強化人間は脳内にコーラル管理デバイスを埋め込まれており、人間の精神=脳と考えるのであれば、強化人間の精神の一部はコーラルによって構成されているとも言える。621とエアの交信が成立したのは、互いの精神の構成物質にコーラルという共通点があった為であると解釈することも可能かもしれない。

シンダー・カーラ

  • アイビスの火を生き残ったと自称し、「灰被りの(Cinder)」カーラと名乗る。半世紀も前の厄災を経験したにしては、見た目が非常に若々しいとのこと。
    • 想定される年齢に対して、現在もACに乗りRaDの頭目として活動しているのをエアも訝しんでおり、科学や医療の進歩したAC6の世界においても不自然なことのようだ。
    • 現実の物理法則のもと光速近くで宇宙航行をした場合、いわゆるウラシマ効果で航行者だけ時間の進みが遅く若いまま…という展開はSFで有名なパターンだが、カーラに関してはそうした話が一切なく、「本当に灰かぶりなら高齢で当然」という扱いなので、AC6の世界では医療にせよ物理にせよ、そのような「不自然に若い外見が保たれる現象」は推理の選択肢にすら上らない扱いの様子。
  • 技研の内情を知り、オーバーシアーに属する観測者でもあることを踏まえ、アイビスの火の後にコーラル観測の任をナガイ教授から託された第2助手なのではないかという推測もある。
    • STVとSTKの画稿データを見ると、カーラであろう人物はひっつめ髪に眼鏡のような影が見える細身の女性であり、第二助手らしき人物の後ろ姿も同じ髪型かつ顔の横に眼鏡のツルらしきものが見える。くだけた感じの姿勢と立ち姿など、似た印象を与える描き方になっている。
    • その極めて高い技術力も、技研で培った知識と経験の賜物と考えれば納得がいく。
    • ナガイ教授の口述筆記の殆どが技研と関わりが深い場所にある中で、(3)だけがRaDの縄張りにあるというのも暗示的である。因みに口述筆記(3)では第一助手の息子と第2助手について初めて言及している。
      • その筆記の中でナガイ教授は第1助手の息子=『鉄のような少年』に『玩具を作るのが得意』な第2助手をあてがうことで『笑ってくれると良い』と願っているが……。
      • 一般的な感覚で考えると第1助手の息子は当時10代、第2助手はキャリアも考慮して当時20~30代程度であろうか。相対的に見てもこの二人の年齢差にはやはり違和感があるが…。
    • ただし、コーラルとの共生の可能性を見いだせる技研の論文「コーラルリリース」を知らない上に、ナガイの口述筆記を読む限りでは急な氾濫事故でやむを得ず行われ、大量の被害を出した「アイビスの火」を、そのまま再現したに近い第二の火しか選択肢を持たないのはなぜかという疑問も残る。
      • コーラルリリースは「宇宙規模のコーラル汚染」が発生する上、集積コーラルの真空開放によって重力異常が起きるとすればルビコン星系自体もただでは済まない可能性が高いため、内容を知った上でなお選択肢に入れていないのではないだろうか(ザイレム制御修正の時のチャティの伝言では「その選択は笑えない」と述べており、リリースで何が起きるか把握していたように取れる)。
    • シースパイダー戦冒頭に「連中(技研)は研究に取り憑かれた狂人の集まりだった」というカーラの台詞があり、善良な科学者であるナガイ教授までひとまとめにして狂人呼ばわりしているように見えるが、技研は多数のC兵器を建造し、ウォルターが唾棄するようなコーラル技術をいくつも開発してはルビコン外部に広めた組織である。上司であろうナガイを黙らせて助手一人が出来るような事ではないため、第一助手の価値観や研究開発を組織的に後押しした技研を「狂人の集まり」と罵倒するのは不自然ではない。
    • また、この時点ではカーラは技研出身者(あるいは関係者)であることを伏せている立場である。つまり、技研の内情を知らない外部の人間からの発言という体で考えれば違和感はなく、これらの描写は第2助手説を否定する材料にはならないだろう。
    • 第2助手説と切り離して考えても、カーラ自身が兵器の開発や制作を上機嫌で楽しみ、愛するそれを売り捌くようなタイプの技術狂であるため、自嘲含みの発言としては別に変でもない。
  • RaDの愛称は、弱いのに"無敵の"ラミー、虚言癖持ちの"正直者"ブルートゥ、カーラの前では喋らない"おしゃべり"スティックと、本人の意志自認はともかく言動とは逆になっているという特徴がある。
    • 彼女が第二助手本人だとすると、アイビスの火時点では第一助手の息子とともにルビコンを離れていた可能性が高い。そのため「避難して灰をかぶっていないのに“灰かぶり”を自称する嘘つき」という形になる。
    • 逆に第二助手でなければ「当時を知らない若造が50年前の災害に遭ったと嘘をついている」形で、どちらでも嘘が成立するため、この点で彼女の正体を推測するのは不可能となっている。
  • 「シンダー・カーラは第2助手本人ではなく、アイビスの火を経験していないのでは」という説も考えられる。
    • 作中で不老技術の説明が一切無い。
      • 強化人間技術や各種ムービーに映る人工冬眠と思わしき描写から、RaDの頭目となる3年前までの間冬眠していたと考えることも出来るが、そういった技術があると明言はされていない。
        • 3周目においてAMが621をザイレムで寝かし付けるシーンがあるが、「恒星間入植船に備え付けられた寝かし付ける装置=コールドスリープ装置」と考えることもできる。そして、カーラがザイレムについて詳しい点と合わせて「アイビスの火をザイレムのコールドスリープ装置でやり過ごした」という可能性もあるかもしれない。
      • 「シンダー・カーラ」という名前が襲名制であり、第2助手が初代・現在のカーラは二代目以降…という仮説も可能性として考えられなくはない。
    • この説は「STVの画稿(2)」の記述がネックとなる。AC6のアーカイブは「作中設定に関わるフレーバー要素」が極めて大きく、「どこかで見たことがあるような気がする」には必ず何かしらの意味が込められていると判断していい。そのため、STVはRaDとは無関係のどこかでシンダー・カーラあるいは彼女に似た人物を見たと思われる。
      • STVと何らかの関りがありそうなSTKが、半世紀前に技研の技術者であった第2助手を描いており、その絵をSTVが見た事がある場合「どこかで見た事があるような気がする」と考える理由になる。
      • カーラ≠第2助手であり容姿が似ているという条件では、現在のカーラは第2助手によく似た娘という説や第2助手のクローンという説も考え得る。
  • 技研製のC兵器であるシースパイダーやアイスワームを知っており、特にアイスワームについては防壁のメカニズムを解説できる程度には知識を有している一方、シースパイダーが飛ぶことは知らなかったかのような反応を見せている。
    • シースパイダーの詳細を知らなかった件については解釈が別れるところだろうが、ドーザーよりも情報を得やすいだろうヴェスパー部隊の隊長格であるラスティがアイスワームを知らなかったことから、最低でもカーラが技研関係者であることは間違いないだろう。
      • シースパイダーが飛行しだした際の「おいおい、飛んだよビジター」のセリフは驚き慌てているというより、呆れたような半笑いになっている。カーラは危機的状況でも笑っている性格だと言えばそれまでだが、この時点の彼女はオーバーシアーの身分を隠しているので「飛ぶのを知らないフリをしている」「別の部署が開発したもので、本当に飛んだのを目の当たりにして呆れている」という表現でも成り立つ。
  • 2周目以降出現するチャプター2「機密情報漏洩阻止」で先にイグアスを倒してから所属不明機体を全滅させてクリアすると、カーラが「所属不明機体(ゴースト)の迷彩をどこかでみたことがある」という内容の特殊な台詞を言う
    • カーラが所属不明機体の迷彩をどこで見たのかは不明だが、ウォルターからの情報提供(「映像記録:BAWS第2工廠」、621のBAWS第2工廠での映像記録など)などが無難な可能性だろう。
    • 上記以外にも所属不明機体とカーラの関係性を匂わせるものとして「観測データ:変異波形反応」「観測データ:見えない領域」「観測データ:強制執行システム」が存在する。この情報ログは全て所属不明機体から入手でき、高度に暗号化されていたが「何者か」に解除されている。作中でオールマインドの暗号化を突破できると明確になっているのはカーラ1人である
      • もし暗号化を解除したのがカーラなら、ウォルターの情報収集の早さに納得がいくが、変異波形を予測できてないなど対応に疑問が残る。そもそも時系列的に考えると621エンフォーサー撃破→レーザー解除までの間にカーラが暗号化を解除したことになるため状況的にも厳しい。
      • ならば暗号化を解除したのは封鎖機構のAIだろうか。
    • ゴーストと同様の機体がザイレムの高位レベル防衛装備として配備されている。こちらにステルス機能はないがこの派生機種としてゴーストが存在しており、それをカーラは見聞きしていたのかもしれない。
    • デジタルアートブックによるとゴースト、もしくはこちらの原型機は技研製とみられるので、ステルス技術も技研によるものと考えるのが自然だろう。
  • ブルートゥから取り戻したオーバードレールキャノンを使ってアイスワームのシールドを剥がしているが、カーラがこの巨大なレールキャノンをそもそも何に使うつもりで作ったのかは定かでない。ACと比較してもその巨大さから建造には相当な資材と費用がかかったものと思われ、更に射撃時は宇宙港を賄えるレベルの大規模エネルギー供給を必要とする。ただの趣味ではなさそう。
    • 集積コーラルを発見したらこのレールキャノンを撃ち込んでコーラルを燃やす気だった、アイスワームのようなC兵器の出現を予期して準備していた、封鎖機構の衛星などを落とす気だった、本当にただの趣味など、フロム脳のエネルギータービンを回しているプレイヤーも多い。
    • ただ、C兵器対策などが目的だったなら相当に重要な代物であり、アイスワームの出現までカーラ自身が「掛け値なしのクズ」とまで言い切る様子のおかしい人にパクられたまま放っておくのはヤバ過ぎる。レールキャノンの立場には謎が多い。
      • ブルートゥがレールキャノンとともに隠れていたグリッド012はアーレア海を挟んだ対岸の汚染区域にあり、遠征した上に海を越えて運ぶ必要があるのでカーラ達も奪還が難しかったのだろうか。ブルートゥがこの距離を持ち去っていったのか、RaDの支部だったグリッド012ごとレールキャノンを乗っ取ったのかは不明。
      • ゲーム上では大した強さでないにしろ、罠や奇襲などを好むブルートゥは守勢に回ると厄介な相手であるため、火力支援型のチャティや余りにも最強過ぎるラミーだけでは奪還の戦力が足りなかったのでは?という推測も。チャティの報告からすれば、カーラはウッキウキでレールキャノンの整備に取り掛かっていたようなので、彼女にとっても取り返す価値はあったのだろう。

V.Ⅰ フロイト

  • 「ACでの戦闘を優先し、己の生死よりも勝負に情熱を燃やす」「スタンダードなアセン」「主人公を見下さず感心する」等々、シリーズ歴代ランク1、というかラストレイヴン以前の旧作シリーズにおけるアリーナトップランカーのオマージュの塊ともいえる。
    • ミッションでも戦える孤高の求道者という意味ではLRのジナイーダのようでもある。勿論全てが似ている訳では無いが、紹介文等で語られる対AC戦の実力と比較してアセンブルがミッション重視のものである点は共通する。あちらの本気モードは一世代フライングしたネクストさながらなので手強さは桁違いだが
    • ミッション「企業勢力迎撃」にて621と対峙した際には621の戦いぶりを見て「お前の戦い方 まさに猟犬という感じだ」「この高高度で鳥じゃないのが面白い」と評するが、2周目以降出現するミッション「新型機体鹵獲阻止」にて、621の戦いぶりは先にミドル・フラットウェルより「羽ばたくような戦い」「まさにレイヴンを名乗るに相応しい」と評されてもいる。見る者によって抱く印象が変わるのは興味深い。見た感想と実際に戦った感想はまた違うとも言えるが、地を駆ける猟犬と天を舞う鳥という対照的な感想を与えるのは621の戦いぶりに変化が起こったということだろうか。アセンを変えただけかも知れないが
      • 通常は地よりも天(空)の方が位の高いものとして扱われるが、同じパイロットの戦いぶりを見て地のイメージを持ったのならばフロイトがフラットウェルよりも技量に優る事の表現とも取れるか。
    • 或いは、フロイトから見て621が高空でも地を駆ける猟犬の様に戦うように見えたのであれば、「鳥じゃないのが面白い」というセリフは「鳥でないのに空を自由に駆けている」という意味でその技量を賞賛したとも受け取れよう。
    • 尚、ゲームなので当然と言えば当然だが、プリセットから呼び出したロックスミスでミラー対決してもセリフは変化しない。その場合、「そういう動きもあるのか」という感想が別の意味でしっくり来る聞こえ方になる。
  • 「作戦成功率94.7%」という数字について、当wikiの 初代ACミッション一覧 で上から数えて19番目のミッション「埠頭倉庫警備」で護衛対象のパーツを奪ってミッション失敗になればミッション成功率が18/19=94.7%となるという説がある。
    • 実際には期限切れで消えたり二者択一があったりと一覧の順に引き受ける事はできず、このミッションの時点でこの達成率をゲーム中で再現するためには受注順を上手く調整する必要がある。
    • また初代アーマードコアのミッション達成率は小数点切り捨てのためこの場合画面に表示される成功率は「94%」となる。
  • 映像記録:部品性能試験にて無人ACの相手をしたと思わしき機体が地表に立っているが、これは彼ではないかと言われている。実際ロックスミスを同じ角度から見てみると確かにシルエットは似ている。
  • 「強化人間部隊ヴェスパー」という組織名称に反することなどを理由に、フロイトも実は強化人間ではないかとする考察もあるが、基本的には作中の説明文を素直に受け止め真人間であるとみる説の方が有力。
    • 仮に真人間であることが問題視されたとしても、実力でトップを張っているフロイトに物申せる人間はいないだろう。また、それこそラスティのように自分は強化人間であると「自己申告」されてしまえば、それ以上深く追求することもできないと思われる。

V.Ⅲ オキーフ

  • V.IIIであるオキーフだが、彼の顛末は1~2周目、3周目だとまるで違う。1~2周目だと動向が分からないまま終わり、3周目でようやく顔を出したと思ったらなんとオールマインドの諜報員でもあった。彼がいつからオールマインドの諜報員であったかは定かではないが、経歴にあるアイランド・フォー動乱からならば、オールマインドはかなり昔から暗躍していたことになる。
  • オールマインドの目指す第一条件、バスキュラープラントの大気圏外建設を担当させるのはアーキバスで、アーキバスが有利になるよう動いていたことから、その裏工作の担当がオキーフだった可能性もある。
  • 3周目の分岐ミッションでは、オールマインドからこのオキーフの抹殺を依頼される。オールマインドが言うには「事故として処理する」形にするそうだが、この後のミッション「失踪」の時のペイターの言から、事故として処理できずに(処理せずに?)621の仕業とあっさりバレていたことが判り、オールマインドのぽんこつ杜撰さが指摘される一因となっている。依頼の衝突などによる予期しない戦闘も「事故」ではあるため、首謀者がオールマインドだとバレないようにするという意味なのかもしれないが。
    • この件に絡むオールマインドの真意は不明だが、依頼を聞くかぎりはオキーフが企業側に寝返ったのが原因らしい。このミッションで見えるオキーフの姿勢は「リリースには協力しない」であるため、厳密に言えば「企業についた」というよりは「反オールマインドになった」からのようである。
    • 1~2周目でオールマインドの手出しがなかったことを状況証拠として、「2周目まではオキーフの裏切りなどがオールマインドの動きを妨害したから」ではないかと考えるプレイヤーもいる。
      • オールマインドからの通信は、1周目だと地中深度3封鎖システム破壊の段階でのアリーナSランク解放通信が最後、2周目だとアイスワーム撃破後のインテグレーション解放(先代レイヴンの機体)が最後となっている。物語の動向が劇的となるザイレム浮上のチャプターから、オールマインドの動きが全く見えなくなるのを、「オキーフが何かやってオールマインドを行動不能か干渉不能にした」と仮定する説である。
      • ミッション中のオキーフは、621が刺客として現れたのを「贅沢な人選だ」と笑い、それを聞いたエアは「これまで何度も刺客を送られ撃破してきた」と解釈している。オールマインドは暗殺を何度か失敗していたようだ。
      • オールマインドの独白的な情報ログを不明機体から回収出来るが、そのいずれも既に暗号化を解除されたものである。これが誰によって解除されたのか、またこれらの機体を誰が破壊したのかは全くの不明だが、オキーフがオールマインドの素性を探っていた結果ではないかと考える人もいる。
        • ウォッチポイントと地中探査のゴースト残骸は封鎖機構に撃破され情報を吸い出されたと解釈できそうだが、ブルートゥ排除で拾える「観測データ:見えない領域」のゴースト残骸(無茶苦茶変な場所にある)はいったい誰が破壊して暗号解除したのか謎。
    • オキーフの機体名「バレンフラワー」の意味は「徒花」。結実することなく咲いて散る花。彼自身の裏方工作員としての悲哀を込めた名前とも取れるが、上記の説を前提に「オールマインドの計画を結実させない」という意味だと解釈する人もいる。だとすると機体名を決めた頃には既にオールマインドの工作に関わり、なおかつ裏切る気だったという壮大な話になってしまうが。
  • 「先に行くぞ… ラスティ…」
    • 撃墜時のこのセリフは諜報員という同じ立場のラスティを思っての最後の言葉か。あるいはもしかしたら彼は隠れたルビコン解放戦線側だったのかも知れない。
    • ちなみに企業勢力AC(レッドガン部隊、ヴェスパー部隊)でBAWS製武器を使用しているのはラスティとオキーフの二名のみ、何らかの関係が伺える。

V.Ⅳ ラスティ

  • 初対面から主人公を「戦友」と呼び友好的なラスティ。その正体はルビコン解放戦線から企業へと送られている密偵というのが有力な説だが、いくつか奇妙な謎も残している。
  • 強化世代が「自己申告」
    • アリーナ解説におけるラスティの強化人間手術は「自己申告によれば第8世代」と、わざわざ疑わせるような書き方になっている。
    • もちろん、思わせ振りなだけで特に意味はなく本当に第8世代という可能性もあるが、これに乗って疑ってみるならば、ラスティは「第8世代以前の旧型」「第9世代以降の新型」「そもそも強化人間ではない」のどれかであり、嘘をついているか、オールマインド(アリーナ部門)が確証を持てる事実を把握できていない事になる。
      • 体外コネクターなどの機器が存在しない無強化や、コーラル技術の有無で根本的に仕組みが違うであろう旧世代なら体調管理などの際に即バレるはずなので、意図的な嘘ならば周囲のアーキバス関係者一丸となって嘘をついている。
      • 9世代以降なのにわざわざ古く申告しているにしても理由が判らないほか、やはり機器の違いなどでバレそうではある。
      • スネイルの強化アップグレードなども把握しているオールマインドがラスティだけは曖昧というのも、単なるドンマイ案件ではなさそう。後々裏切るオキーフによる反オールマインドの隠蔽工作なども考えられなくはないが、何のためにそんな事をするのかと考えると辻褄が合わない。
      • 逆にオールマインドが何かを隠そうとしていると考えても、わざわざアリーナ参加者の目に触れる場所に「自己申告」などと怪しげな記述を載せる意味が無い。黙っておけばいいだけである。
    • 表向きのラスティの経歴は「シュナイダー社による人材公募プログラム」を経た後、入隊前には手術を終えていた事になっている。社内公募でどこかの部署から希望転属という形だったのか、外部から中途採用の形だったのかはハッキリしないため、誰がいつ強化手術をしたのかは情報不足で判らない。ちなみに「ラスティは現地のルビコニアンだった」という言及はなく、基本的に劇中の彼は「解放戦線シンパだが素性は不明」である。
      • 公募前から強化人間だったなら、メンテナンスなどのためにも入社の時点で調べられて手術世代は明確になるはずで、そもそも社外で強化手術を受けた人間というだけでかなり素性を怪しまれる事になる。新世代手術がアーキバス以外にできるのかも明確ではない。
      • 公募後にシュナイダーかアーキバスで施術したなら、それはそれで「世代の情報が自己申告のみ」というのはおかしい。
    • 組織的な嘘と仮定すると人事部門に影響力があるとされるフラットウェルの関与も疑われるが、そうだったとしても「世代をごまかす」という行為に何の意味があるのかが浮かんでこない。
  • メタ的に考えるとテキスト内の説明でわざわざ明記していることから、「本当は第8世代ではない」と考えるのが自然だろう。そうなると世代を偽る「何らかのメリット」あるいは「必要性」が存在し、また何かしらの手段であるいは元から世代を偽ることができる状況だと考えるほかない。

  • 何故ラスティは主人公の正体を知っていたのか?
    • ラスティは初対面の時点で主人公を「ハンドラー・ウォルターの子飼い」と称する。ウォルターも「お前の正体に気が付いていた」と警戒しているが、この時点でラスティが主人公の正体に気が付いているのは奇妙である。
    • この時点での主人公は独立傭兵「レイヴン」のライセンスを騙って活動をしており、封鎖機構などからも勘違いを受けている。しかし壁越えはまだ物語の序盤であり、封鎖機構との接触もそれほど多くない。
    • 企業側もそれは同様で、実際ミッションを斡旋するG6 レッドなどは常に「独立傭兵レイヴン」呼びである。壁越え前のウォルターとの会話でスネイルは「あなたですか、レイヴンとかいう独立傭兵の代理人は」と発言している(ウォルターも「知己を得て光栄」などと言っていることから初対面と思われる)。ハンドラー・ウォルターという存在自体、ヴェスパー部隊に認知さえされていない状態だったにもかかわらず、ラスティは621の正体に感づいていたことになる。
    • 後半ではV.Ⅰフロイトが「ウォルターの猟犬とやるのは初めてだ」と発言する。物語後半であるためすでに情報が周知されていた可能性もあるが、フロイトは「ウォルターの猟犬」という存在自体を以前から知っていたかのような言い回しである。
      • ミシガンやスッラなど、一部の者にウォルターの目利きは確かに評価されている。戦闘狂であるフロイトが以前からそれを知っていた可能性もあるが、残念ながら作中の描写が少ないため憶測の域を出ることは無い。
    • ラスティ同様開放戦線に所属するリング・フレディも「偽りの名義で何をするつもりだ」と発言することから、「レイヴン」の名義が偽物である事は開放戦線経由で知った可能性もある。
      • そしてリング・フレディは「悪いが消えてもらおう、帥父がそうお望みだ」とも発言する。これは純粋に暗殺依頼を受けただけとも、「レイヴン」の正体に気づいたのはドルマヤンだとも取れる。
      • 上記のリング・フレディの発言だが、3周目にてドルマヤン撃破後には「帥父には全て見えておられるようだった。お前の、お前たちの正体がな」と変化する。ドルマヤンは一体どのようにして621の正体に迫ったのだろうか。
      • ただし同じく解放戦線のミドル・フラットウェルは621に依頼した、あるいは協同で戦ったミッションでは相手が「621ではなく本物のレイヴン」であるかのような発言をしている(その名に違わぬ羽ばたくような戦いぶり~他)。ラスティは密偵としての活動上ドルマヤンよりもフラットウェルと近しいと思われるのだが、フラットウェルが621の正体を知らないとすると尚更ラスティがどこで把握したのか謎が深まる。
      • フラットウェルに関しては、ウォルターの猟犬という正体を把握した上であえて本物のレイヴンとして接した(気づいていないフリをした)、とも考えられるか。後に味方として引き込む腹積もりでいるなら偽りの名義だなどと同志たちにわざわざ触れ回る必要は無く、その名にふさわしい実力さえあれば良い。飼い主であるウォルターの思惑を横に置けば、の話ではあるが……まさか惑星丸ごと焼くつもりだとは思わないだろうし
    • 海外フォーラムでは「ラスティの正体はストーリートレーラーで一人、生体反応ロストではなく、ロストとされた617ではないか」という推測も出されている。ゲーム世界観外の情報になるが、ヴェスパー部隊が人体の一部をエンブレムにしている中で、ラスティだけが犬のエンブレムであること、そして彼らの名前はアート関連であり、ラスティの名前は「Rusty, Number 617」という犬の絵画から取ったのではないかという推測が元となっている。
      • この絵画は「横向きの犬」が描かれた作品で、エンブレムを連想させる構図になっている。作者レオン・ケリーの愛犬ラスティを描いた無数の素描からなる作品群で、同様に「Rusty, Number 619」も存在する模様。荒くも洗練された素描は、STVの画稿を彷彿とさせる絵柄でもある。
      • モチーフとの関連などは単なる偶然とも考えづらく、「これも巡り合わせだ」という言葉が意味深なものになる。しかしラスティが617だとすると、経歴やルビコニアンとの繋がりなど多くの要素で不自然な部分が出てくる。また、あくまでモチーフからの着想であるため、劇中の情報に基づく考察とは言えない面がある。
      • 仮に彼が617であったとするならば、ウォルター麾下のハウンズとしてミッションに参加、ミッションを成功させウォルターがルビコン3に入り込む足掛かりとなるが、617は未帰還→何らかの経緯で解放戦線に参加、実質トップのフラットウェルからスパイに使われる程の信頼を得る→フラットウェルの息がかかるシュナイダーを経由、あるいはそのような偽装のもとにアーキバスに入社し、実力を示し、ヴェスパー部隊隊長まで上り詰める、という経緯となる。
        • 端的に言えば、彼の経歴は「ウォルターがルビコンに入る足がかりを作ってから、実際に621を送り込むまでの間」に全てが築かれたことになる。それだけの時間があったかどうかがこの説の最大の焦点であろう。
      • ちなみに解放者ルートの動力ブロック破壊でも「ラスティの機体反応が…消失…!?」と生体反応には言及されていない。
+ 余談
  • 複数の仮定と空想を組み合わせてラスティの前歴を説明できないか試みるフロム脳プレイヤーも出ているが、今のところ具体的な根拠はないため折りたたみで区別する。
    • 「戦友」や英語版の「Buddy(相棒)」という言い方から、617は621と共にルビコン侵入チームとして組むはずだったが、前日譚のミッションでロストしたため621は単独密航になった→ラスティは617の代役である→だから「(617の)戦友(になるはずだった621)」と呼んでいるんじゃないかという説。そもそも「617と組む予定」「ラスティが617の代役」という部分は示唆的な情報さえ無く、かなり飛躍した話になるが。
    • ラスティはどこからウォルターの事を知ったのか
      • ラスティはジャガーノート戦において621を「さすがはウォルターの猟犬」と好意的に評価している。ラスティ以外で「ウォルターの猟犬=優れたAC乗り」と認識している描写があるのはカーラ、ミシガン、スッラ、V.I フロイトである。
      • フロイトとラスティはヴェスパー部隊の同僚なので、フロイト経由でラスティも知ったとする説。アリーナの説明を見ると、フロイトはアイランド・フォーの動乱で活躍したことが分かる。この動乱でウォルターの猟犬が活動していて、フロイトが「ウォルターの猟犬は優秀な傭兵」という話をヴェスパー内に広めたとするもの。ただしアイランド・フォー動乱にウォルターの手駒が参加したという情報は一切無い。また、他の隊員に隠して新入りのラスティにだけ好評価を伝えた、あるいは「部隊内最強」であるフロイトの情報をなぜかラスティ以外の隊員が信じなかった、といった更に別の仮定による補強が必要となる。
      • V.III オキーフも、アイランド・フォーの動乱にて諜報活動を担ったエージェントだと明言されている。オキーフは「賽は投げられた」ルートのチャプター4「ヴェスパー3排除」にて、撃破時にラスティと深い関わりがあったと捉えることができる台詞を言うため、オキーフ経由で知ったとする説。これもフロイト経由同様に「アイランド動乱にウォルターの手駒が参加したなら」という情報なしの仮定を必要とする点や、他のヴェスパー隊員が知らない、信じていない理由が不明という問題点がある。
  • ラスティの狙撃の技術
    • アイスワーム掃討戦にて、彼はオーバードレールキャノンの砲手を志願している。「狙撃の腕には自信がある」そうで、実際その腕は百発百中の確かなもの。だが、これは本作のACの設定を考えると違和感のある発言である。
    • そもそも本作のACはコア理論の台頭により「近接至上主義」が敷かれており、実際にACの武装からスナイパーライフルを始めとする遠距離武装が軒並み姿を消している。まして彼のAC「スティールヘイズ」はゴリゴリの近接軽量機体であり、狙撃のその字もないような戦闘スタイルである。彼が狙撃を請け負うと聞いて、意外に思ったプレイヤーも多いだろう。
    • ACの操縦とは全く関係なしに狙撃の腕がいいだけということも考えらえれる。が、それだと少々突拍子の無い話のようにも思える。
    • 「スティールヘイズ」の腕部は射撃武器適性に特化し反動制御を切り捨てているというスナイパーライフルさえ存在していれば相性が良かったであろう代物。ラスティもそれに合わせた強化処置を受けていたと考えられなくもないが…。
      • 見方を変えれば、そのような腕部性能ゆえに狙撃のような精密な射撃を要求されるということなのかもしれない。
    • そもそもオーバードレールキャノンはAC手持ち武器どころか封鎖機構の強襲艦並み、あるいはそれ以上に巨大な砲。しかも望遠スコープなどが必須であろう遥か彼方を吹雪の向こうから撃っており、AC操縦における射撃技術や生身で狙撃銃を扱う技能、視覚が優れているかといった「狙撃の腕」が砲撃精度に影響するかどうかさえ怪しい代物である。ラスティの前歴が艦砲手や砲兵出身という情報も一切無いため、劇中の要素だけで言えばやはり不思議さが拭えない発言ではある。
  • ラスティは「先走った」のか
    • 「未踏領域調査」にて、アーキバス(というよりスネイル)は主人公とラスティに同じようなミッションを依頼し、お互いを抹殺対象とすることで共倒れを図った。この時ラスティは主人公に挑んでくるが、2周目以降ではミドル・フラットウェルが「先走るな!」との言葉とともに乱入してくる。
    • ラスティが解放戦線の密偵であり、主人公の事を抱きこもうとしていたのであれば、ここでV.IV ラスティとして衝突してくる行為には違和感がある。この行為が「先走り」なのだとして、ラスティは主人公に挑むことで何をしようとしていたのだろうか?
    • 同じく2周目で戦闘エリア前に追加される残骸から拾えるログ「帥叔への報告」は、報告を伝える前に戦死した解放戦線の伝令が残したものとされ、ファーロンからの技術支援合意とエルカノの新型機開発が間に合いそうなことをラスティやフラットウェルに伝えれば「二人が潰し合うことはない」と無念がっている。
      • この「二人」の片方はラスティだとして、残りが621なのかフラットウェルなのかは解釈を分けうるが、どちらだったと考えても「新型機が開発できたらラスティはアーキバスの命令を無視できる=開発できるまではアーキバスの仮面を被っていなければならない」という状況だったと推測できる。
    • 621側としては「不明機とか言ってるけどラスティじゃん?なにかの手違いでは?」とアーキバスに一報入れるぐらいはしても良い状況だが、ラスティも621(のハンドラーであるウォルター)も察しが良すぎて上司や依頼主への確認もなく戦闘に入っている。ラスティへの命令が「勝手に突入した独立傭兵の撃破」である以上、その機体が621だったからと見逃したら明らかに反抗の意思ありと受け止められるため、上記の「新型機開発まで」の制約でまだV.IVの仮面を脱げないのであれば、アーキバスに「突出し過ぎた個人」と目を付けられた621の勧誘は諦め、命令に従い戦うほか無いということか。
      • フラットウェルは「先走るな!」の後、ラスティに向かって「そいつ(621)は使われるだけではない」と語りかける。新型開発の情報を手に入れたかはともかく、「621は企業側を離れて味方に引き込める可能性があるから先走って戦闘するな」とラスティを止めに来たようだ。それならもっと説得して止めれば良いはずで、すぐさま一緒になって621にドカドカ攻撃を加えてくるのは酷い話だが。
      • スネイルに疑われ621と食い合う任務を割り当てられた時点でアーキバスへの潜入活動自体が潮時ではあったのだが、「V.V排除に関わったフラットウェル機がラスティ機と協力している」となれば最早言い逃れはできない。フラットウェルとしては、ラスティの潜入を打ち切ってでも加勢し、621に落とされないことを優先した形か。
    • 開放者ルートでラスティの識別信号を確認したアーキバス艦の乗員は「地下で死んだはずだ」と驚いているため、ラスティはこのミッション後すぐに死んだふりをして開放戦線へ逃げ込んだ模様。つまり621もアーキバスに「撃破した」と嘘の報告をしたか、そのまま黙ってバックレたようだ。自分も狙われているため逃げるのは当然だが、よくミッション報酬が振り込まれたものである。
    • ラスティは各ルートにおいて621の背景や背負うものの欠落と重みについて頻繁に言及しているが、このミッションの中だけでも、相手が621だと気づいた瞬間に「突出した個人はもはや不要ということか…」と苦々しくも納得したような独り言を漏らす。更に「踊らされるつもりもないが、(621と戦うのは)いずれ避けて通れない」「理由なき強さは危うい」など、621の強さと無節操な立場が計画やパワーバランスを崩す危険性はラスティ自身も認めている。共倒れ狙いの偽ミッションを寄越したアーキバスは気に入らないが、制御不能な不確定要素として621を排除すること自体は否定していないのである。これに上記の新型開発までの制約も含めて、渋々アーキバスに従った体裁を取りつつ独断で621の排除を図ったのであれば、フラットウェルから見れば「先走った」行動だと言える。
  • 「壁越え」での動き
    • ミッション「壁越え」にて、ラスティは壁の背後から解放戦線の戦力を叩き、壁の上で621と合流している。ラスティはルビコン解放戦線の密偵と考えられているが、にもかかわらず彼は壁越えに協力していることになる。
    • これは彼の立場を考えれば仕方のないことでもある。ヴェスパー部隊に所属し、確かに遂行されなければならない作戦で解放戦線に利を与えれば必ず目を付けられてしまう。ミッション「戦闘ログ回収」にて彼の通信ログにも残っていた通り、目的が達せられるまでは隠し通さなければならなかったのだろう。
      • この密偵としての動きは解放戦線側にも伝わっていなかったようである。同ミッションにて回収できる通信ログ「敵機との通信試行」からは、その正体に気がついた兵士の困惑が見て取れる。
      • 但し不可解な点として、詰まる所解放戦線内部においてラスティは相当に有名な人物だった事になる。AC乗りとしてそれほど名の知れた人物がアーキバス内部に入り込むなんて、流石にハードルがとんでもなく高いと思われるがオキーフがフォローしていたのだろうか。
      • もっとも、アーキバス潜入以前のラスティがそもそもAC乗りであったとは限らない。例えばアイスワーム戦の折に言及された狙撃の腕を、それこそジャガーノートあたりの砲手として遺憾なく発揮していた、などという可能性もあるか。AC乗りとしての凄まじい技量には尚更説明がつかなくなるが。
    • また、このミッションの残骸の1つはどうやらジャガーノートのようだ。ラスティは壁の裏に配備されていたジャガーノートを単機で撃破し、621と合流してさらに戦闘を続行したようだ。彼の機体構成を考えれば凄まじい継戦能力である。
      • 621と同様に補給シェルパを使っただけかもしれないが。
  • ラスティの生死
    • 「レイヴンの火」ルートでは確実に戦死しているが、残る2ルートの生死は確定していない。「ルビコンの解放者」ルートでは、通信中に彼の乗機の信号が途絶してしまう。おそらくラスボスに攻撃されたのだろう。だが本作は「撃墜・撃破=確実な死」ではなく、何人かの傭兵が脱出に成功している。加えて彼の乗機にはターミナルアーマーが登録されている (クリーナー戦や艦隊戦で使用した可能性もあるが、補給した可能性もあるため不明)。音声記録のみではこれ以上の推測はできないため、こればかりは次回作か設定資料集を待つ必要がありそうだ (「賽は投げられた」ルートでは終盤に出番がなく、より生死が不明となっている)。

G5 イグアス

  • 多重ダム襲撃で621と出会ったことをきっかけに、621に対して強い対抗心を持つようになるイグアス。そんな彼は、ルートによって強大な敵となり立ちはだかってくる。
  • オールマインドとの繋がり
    • 「賽は投げられた」ルートにてオールマインドに取り込まれ立ちはだかるイグアスだが、実は別ルートでも仄かにオールマインドとの関わりを見て取ることができる。
    • 1周目、「地中探査 - 深度2」にて登場するイグアスだが、この時乗機ヘッドブリンガーの腕が04-101 MIND ALPHAに、左肩武器が45-091 ORBT(エネルギーオービット)に換装されている。何れのパーツもオールマインド製である。さらにブースタの炎も青色であるため、ジェネレーターもアーキバス製に載せ替えられている。
      • そもそもここでのイグアスの登場だが、どうも様子がおかしい。先行していたベイラム部隊の通信が途絶えた場所に彼だけが残り、周辺にはベイラム部隊MTの残骸が転がっている。これでは彼が友軍であるはずのベイラム部隊を迎撃していたようにしか見えない。
      • 近辺には複数の補給シェルパの残骸がある。イグアスはここで補給を繰り返しながら戦闘していたのだろうか。
    • ここでの発言も奇妙である。「てめぇを殺して地上に戻る」「物騒な穴倉生活にはウンザリ」とまるで長期的にこの深度にいたように発言しているが、彼がこの深度に突入したのは621がネペンテスを破壊する前、つまり直近である。
      • 「地中探査 - 深度1」のブリーフィング画面にて、先だって突入したベイラム部隊の中にG3 五花海、G5 イグアス、G6 レッドの3機が確認できる。この時のヘッドブリンガーはまだ装備を変えておらず、イグアスがこの突入の後にオールマインド製パーツに付け替えていたことが窺える。
      •  ミッション「レッドガン部隊迎撃」ではMT部隊のメンバーから「負けが込んで逃げだした」と言われている。ベイラム側でも把握できない形でのロストということで、やはりオールマインドによって拉致されていたと考えるべきだろう。
      • 「待ってたぜ、野良犬」の発言から621が訪れる事も知っていた。オールマインドから「621を倒したら地上に返してあげる」と唆されていたのだろうか?
    • 2周目、同じ「地中探査 - 深度2」ではイグアスは登場せず、代わりにAC:デッドスレッド(コールドコール)が登場する。この時、イグアスがいたはずの場所にはオールマインド製のゴーストが撃墜されており、ログ(STVの画稿)を所持している。
      • そもそも2周目では「機密情報漏洩阻止」にてイグアスと遭遇することとなり、この時点で尋常ではない数のゴーストが投入されている。3周目ではエアがゴーストの暗号通信を解読し、「リリース計画の危険因子」という内容であった事を明かす。だが、オールマインドからすればイグアスも621もリリース計画には必要不可欠な人材であるはずなので、ここで危険因子として処理しようとするのは奇妙である。
      • あるいは「機密情報漏洩阻止」でゴーストが敵対行動を取ったが故に、単純な脳筋イグアスは地中探査-深度2で接触してきたゴーストを条件反射で撃破してしまったのかもしれない。
    • また、当の「賽は投げられた」ルートの「集積コーラル到達」にてスネイルと三つ巴の戦いとなる際にも、ヘッドブリンガーは上記のオールマインドカスタムとなっている。この時のイグアスは「あいつらの言った通りだ」と、何者かによって621の居場所を示唆されていたことを匂わせるが、この後の展開と機体構成からしてこれもオールマインドによるものだったと考えられる。(アーキバスが侵攻する中で地表に戻れたとは考えにくいので)イグアスは深度2で失踪してから技研都市に至るまでのどこかでオールマインドに取り込まれていたのだろう。
      • ここで彼に撃破されると耳鳴りが一層酷くなる様子が見られ、さらには頭痛まで訴える。これまで耳鳴りを訴えた際の様子と違い、明確な苦痛を感じている様子である。念願の勝利ではあるが、この後のイグアスを待ち受ける運命を考えると薄ら寒いものがある。
    • イグアスがオールマインドと接触したタイミングは、どのルートでもチャプター4「地中探査 - 深度1」の手前(ネペンテスをかわしたベイラム部隊が深度2に到着した後)であると考えられる。ブリーフィングで表示されるヘッドブリンガーが既存のフレーム構成から変化していないためである。
      • チャプター4以前の時点でオールマインドと協力関係にないとすれば、チャプター2「機密情報漏洩阻止」の際にゴーストに襲われたのは「621排除のとばっちり」だったとも考えられる。が、オールマインドは「特別な強化人間リスト」を所持していたためイグアスを死亡させるとも考えにくい。あるいはここで621によってイグアスが殺害されることを食い止めたかったのかもしれない。
        • このミッションのゴーストは普通にイグアスの方も攻撃しており、621からイグアスを守るためというのは疑問が残る。
      • 以下は各ルートで想像される流れ。
        1周目のイグアス:壁越え→アイスワーム撃破で621との力量差を見せ付けられ嫉妬、接触してきたオールマインドに協力し「地中探査-深度2」で621と交戦するも力及ばず死亡。
        2周目のイグアス:上記壁越えとアイスワームの件に加えて、ダム襲撃と機密情報漏洩阻止で2度も621に敗北。力量差を考慮しコールドコールに暗殺を依頼、それすら退けられ以後は詳細不明。
        3周目のイグアス:上記に加えて621がリリース計画の協力者となったことで集積コーラル到達のALTミッションが発生、スネイルとの3つ巴の戦いで肉体は死亡。その後オールマインドと一体化し、「コーラルリリース」にて直接対決。
        • 2周目以降で621が集積コーラルALTに進まなかった場合のイグアスの末路は完全に不明である。「レッドガン部隊迎撃」時のモブ台詞からイグアスがベイラムから離脱したのは間違いなさそうだが、オールマインドと協力したかは定かでない。AMにつこうがつくまいが関係なく、621が捕獲されている間にあっさりアーキバス勢に落とされていたのかもしれない
        • 2周目はルート次第(ALT多重ダム襲撃で応じない方を選択?)ではコールドコールが登場せず、1周目と同じ流れになる。「取引に応じる=リリースルート」を想定しているのかもしれない。
  • 壁越えの不参加(?)
    • 多重ダム襲撃にて初登場となるイグアスは、レッドガンズの壁越えへのアサインについて鼻高々に話す。周回で分岐のあるミッションだが、どちらのルートを選んでもミッション後の通信で壁越えについて言及している。彼の壁越えへの熱意は相当なものであり、首級を上げる気満々といった様子である。
    • にもかかわらずイグアスはベイラム部隊の壁越えに参加しなかった事がわかる。撃墜されたヴォルタのログ曰く「うまくサボった」とのことだが、直前の言動を考えると乖離した行動とも取れる。
      • なおこのヴォルタのログ曰く、ベイラム本社はミシガンの意を汲まずヴォルタを使い捨てにした様子である。仮にイグアスがこの場にいたとしても、ヴォルタ同様圧倒的な正面火力に撃墜されてしまった可能性が高い。本当にこれが「サボり」なら、イグアスはうまく死を回避したことになる。
    • そもそもこの一連の通信は重大な情報漏洩である。ミシガンからも激怒されていたが、この作戦限りな雇われ傭兵に教えて良い内容ではない。壁越えを名誉と捉えていたイグアスを不参加にさせ、意に沿わない待遇を与えた懲罰と考える事もできるが…
      • ベイラム上層部がイグアスを外すよう命じたとすると、物量に物を言わせる方針なのにわざわざ頭数を減らすような対応をするのかという疑問が残る。
      • ミシガンがケジメをつけさせた、あるいは上層部に使い潰されるのを危惧してイグアスだけでも助けようとしたと考えても、これだと相棒のヴォルタだけを更に危険な状況に送る形になってしまう。連帯責任を取らせ二人とも謹慎といった手も無くはないはずで、やはり疑問が残る。
      • 3周目の展開を考えると、オールマインドの介入の可能性が考えられる。バスキュラープラントの件もあってアーキバス優勢に進めたいAMがベイラム上層部経由でレッドガンの力を削ぎにかかったとしたら得心がいく。恐らくAC戦だとレッドガンでヴォルタが一番強いし
    • もともとハイリスクな壁越えから逃げる腹積もりで、部外者の621に話を漏らしてわざと懲罰を受けたのかも知れない。それならばヴォルタの「うまいことサボった」発言も説明はつく。壁越えの意気込みはミシガンの性格を読んだ逆張りの演技をしていたことになるが、これだと表面的なキャラクターとやや乖離した態度に見えるし、一人逃げ出してヴォルタを見捨てた形になってしまう。
      • この場合、アイスワーム戦ブリーフィングの「俺は見てることにするぜ」は、本気の保身だったとも、「ミシガンの性格からして最前線メンバーにさせられる」という流れを狙ってわざと消極的なことを言ったとも取れる。そう考えると、もともとイグアスは無謀そうな作戦から逃げ出す性分だったが、それでヴォルタを見捨てたことを気に病んだままアイスワーム戦を迎え、しかし活躍したのは621だった…という流れで壁超えもワーム殺しも持っていかれて対抗心が増したのだろう。野良犬に憧れてしまったのは、もしダムで逃げるように動かなければ、自分はヴォルタと共にあの壁を越えたのだろうかという未練故だったのかもしれない。そう考えると「俺とお前で……何が違う!」という仕切りに叫ぶセリフと最後の苛立ちと憧れを零すセリフが感慨深くなるかも知れない。
    • あるいは、そもそもイグアス自身も壁越えへ参加していたと仮定するのも一興か。
      • この場合、おそらくベイラムお得意のMT部隊をイグアス&ヴォルタが率いたと推測できる。アーキバス主導の壁越え時に既に点在していたMTの残骸、スネイルのブリーフィング内容、解放戦線兵士の発言を総合すると、ベイラム部隊と解放戦線はかなり激しい攻防を展開したようだ。そしてベイラム勢は敗れた。ヴォルタがガトリング砲台より遥か奥で撃破されていたこと、(どちらの所属かは不明だが)奥で4脚MTが複数撃破されていることから、ベイラム勢(の一部)は、突出し過ぎた可能性が高い。
      • ここで冒頭の過程「イグアスが壁越えに参戦していたら?」が生きる。ヴォルタとイグアスの機体では明らかに前者のほうが総AP量・耐久性・総火力どれも上。であれば、ヴォルタは包囲されたMT部隊を逃がすための殿(しんがり)となった可能性があるのではないだろうか (ヴォルタがなぜ壁内部への入口とは真逆の位置で撃破されたのかも、これで合点がいく)? そしてイグアスは、背中を相棒へ任せ、退却するMT部隊を指揮した……。上記の推測なら、イグアスの積極的な発言はそのままの意味で通る。ヴォルタの遺言も、相棒が殿という貧乏くじを逃れた安堵。あるいは若干の羨望を含むとも解釈できる……かもしれない。
    • 経緯は何であれ相棒を喪ったイグアスだが、「機密情報漏洩阻止」では「ちょっとした小遣い稼ぎ」をしている。
      • ドーザーの雇われなど、明らかにレッドガンとしての正規の仕事ではない。この時点でイグアスが完全に独断で行動しているのが見て取れる。「アイスワーム撃破」でG5として登場するので、この時点で完全に袂を分ったわけではないのだろうが、ヴォルタの死に荒れての無断出撃、そしてミシガンがそれを黙認or発覚後折檻、という流れも考えられる。
  • 最終決戦における謎の挙動
    • 「賽は投げられた」ルートのラストでオールマインドと一体化したイグアスは随伴機を連れた上で機体を乗り替えて立ちはだかってくるが、2体目のAPを50%まで削るとポリゴンのような網目の入った謎の球形フィールドを展開して、オールマインドの操るシースパイダー型随伴機とエアがコーラル制御している技研ACの両者を行動不能にする。通常のECMを貫通する変異波形のコーラル制御や通信(イグアス視点では「耳鳴り」)に干渉妨害する技術はここでしか見られない。
      • このフィールド展開と同時にイグアスの通信からはノイズが消え、「耳鳴りも鬱陶しい声も消えた」と、オールマインドとの統合をも振り払い一個人として挑んできたように見える。また、ここでイグアスに倒されると「俺もそのうちに消える」と言うため、オールマインドからの切断は致命的な影響がある様子。

G6 レッド

  • 隠者と死神
    • ハークラーより上のナンバーを持ち、外部への依頼仲介人を務めるなどそれなりの役職を与えられつつ、新人ぽい若さも感じさせるレッド。621との絡みも多い彼だが、そのナンバーに関してあれこれ思議されている。
    • 彼の機体名ハーミットは「隠者」という意味を持つ。これは彼のエンブレムに描かれたヤドカリの英名「ハーミットクラブ」から取ったものと思われるのだが、同時に「タロットカードの9番」という意味がある。
    • タロットカードの9番は「隠者」のカード。理想の追求や、高い精神性を暗示するものである。少年のころからミシガンの背中を追い求めて成長した彼を象徴するようなカードである。
    • 隠者のカードは「9」。レッドのナンバーは「6」であるため一見関係が無いように思えるが、タロットカードにはカードの上下が逆さまになると持つ意味も逆さまになるというルールがある。
      • 逆さまの隠者は孤独思い込みを意味する。賽は投げられたルートで単独行動を行い、最後はG13を死神と称して襲ってくる彼の運命を示しているかのようである。
      • また、9と言えばACでは意味深な数字。基本的には最強を意味する番号。タロット的に考えるなら上下が逆なので最強の逆、つまり最弱である。
        • 実際彼のアリーナランクはレッドガンでは最も低くFランク。彼より下はインビンシブル・ラミーとインデックス・ダナムだけ。
        • ログしか確認できないものの、レッドよりナンバーが下のG7ハークラーはアリーナランクD。
    • また、彼はG13を「死神」と称す他、「そのナンバーは縁起が悪い」などと発言する。タロットにおける13番は「死神」のカードである。分かりやすく不吉なイメージを持たれる1枚であり、破滅ゲームオーバーなどを暗示している。
      • ただし、死神は他にも新しい世界生まれ変わりなどの意味も持っている。コーラルリリースを成す621を象徴するが如き内容。
    • そうでなくとも西洋圏では13は忌み数として不吉なイメージを持たれている。ミシガンでさえも621を「G13を付けながら生き延びている」と評していることからもそれは窺える。本来このナンバーは金策で散々狩りつくされるでおなじみのテスターACが受け取るはずだったという説があり、もし本当にそうであれば不吉なナンバーというのも納得である。
      • 尚、西洋圏における「13を忌数とする風習」は主に【13番目の席に座るユダ】に由来するのだが、そういう意味では(ルート次第ではあるが)結果的にレッドガンを壊滅に導く621は、Gナンバー13を名乗るに相応しい存在なのかもしれない。
      • 余談だが、ACVに登場した主任の機体「ハングドマン」もまた同様にタロットカードがモチーフであった。

スッラ

  • オールマインドとの関わり
    • ウォッチポイントの番人として立ちはだかるスッラ。作中では多くは語られないが設定上のキーパーソンと言ってもよく、アリーナではスッラとの対戦時にオールマインドの通信が乱れる独自の演出がある(この不穏な演出に対する説明は3周目のEDまで行っても何もない)、周回によってセリフが周回に寄せたような内容に変わるなど、謎の多い(=フロム脳が活性化される)人物である。
    • 武器やフレームにオールマインド製のものを使っていることや、3周目ではオールマインドの所属不明機体をお供に連れている事から彼がオールマインドの刺客である可能性を感じられる。
    • 彼が登場するミッションにおいて、ウォッチポイント・デルタにおける変異波形の観測を報告するアーカイブが隠されている。その中でコーラルリリース計画の第3条件に向けて「老兵」を使う提案が言及されているあたり、強化人間と変異波形の同調の為にエアにあてがわれる予定の人材だった可能性が高い。
      • また、スッラの装備はパルスガンに直撃補正高めのバズーカ、削りのミサイルと明らかにバルテウス特化のアセンが組まれている。交信後のバルテウスの襲撃も織り込み済みだったのだろう。
      • ヴェスパー3排除のブリーフィングで見られる強化人間のリストでも、彼の型番が特別な強化人間として赤字で表示されているのが確認できる。つまり、本来のコーラルリリース計画における中心となるはずだった人物。結果的には621がその役目を果たす事になる。登場人物の項にある、名前の元ネタとされるルキウスの立場を考えると作中での役割は興味深い物がある。
  • 周回での変化
    • スッラは登場するルートによって言動や状況に大きな変化がある。能動的な選択肢のあるミッションと違い、スッラを取り巻く状況そのものが変化していると考えられる。
    • ALTミッションでの「ウォッチポイント襲撃」ではスッラが登場する場面で4機のゴースト(オールマインドのステルス機)が配備されており、スッラも621を「危険」だとして並々ならぬ様子を見せる。
      • ウォルターとは浅からぬ因縁があるようで、彼が用意した強化人間を殺した事もある様子。通常時は殺した強化人間の番号を忘れていたが、周回では「618だったか」と番号を思い出している。
    • 周回ごとに621の設定は微妙に異なる。3周目の621はウォルターから既に十分な経験があり、ルビコンにもすぐに適応できるという評価を受けており、実際に「武装採掘艦護衛」ミッションでC兵器の大群と遭遇、これを全て破壊している。3周目のALTミッションでスッラの護衛に4機ものステルス機体がつくのは621の戦力を評価してのもので、スッラの言動が変化するのも同様に、621の変化に起因するものと考えられる。
    • 通常撃墜後、ウォルターに対し「ウォッチポイントはやめておけ」と警告を放つが、ALTミッション時のみ621を指し「その猟犬はやめておけ」と警告する。
      • ALTミッションではオールマインドにより目をつけられた621をふるいに掛ける、あるいは始末するため所属不明機も手渡されていると考えられる。所属不明機の制御はスッラが握っていることからオールマインド側からの協力であり、不明なままでの助勢であればイグアスのような反応があっておかしくないはずである。
      • スッラとウォルターの間には因縁があるようだが、ALTミッションにおける最後の言葉はウォルターに対する「助言」のようにも感じられる。通常ミッションでの発言「ウォッチポイントはやめておけ」は、制御装置を破壊すればバルテウスが現れることを知っていたため「その猟犬は死ぬことになるぞ」という意味で発したと考えられる。ALTミッションでの発言「その猟犬はやめておけ」は、621がバルテウスを撃破する未来を予見したが、しかし旧型強化人間と変異波形の遭遇が結果的にオールマインドに利用される可能性をも察知したからではないだろうか。
      • ハンドラー・ウォルターへの発言についても、通常ミッションではあくまで皮肉に留まるだけであったのに対し、ALTミッションでは始末すると発言していることから、オールマインド側から殺害を依頼されている可能性が高い。この事からコーラルリリース計画ないしはオーバーシアーの情報も渡されていて「その猟犬はやめておけ」なのかもしれない。
  • ウォッチポイントで何をしていたのか
    • ウォッチポイントでまるで護衛のように現れた彼だが、あそこに彼がいたことについては本当にウォッチポイントの護衛が目的なのだろうか。惑星封鎖機構には撃破されたことについても一切触れられていない上、通信もしていない事から無関係だと思われる(惑星封鎖機構の組織的事情から多様なコードを用いた相互通信は必須なため)。
      • だとすると護衛としてあそこにいたとしては不可解な為、別の考察で推察されるように目的があったと考えるのが妥当だろう。それに加えて彼がウォッチポイントに常駐していたのならアセンが明らかにバルテウス特化な点やウォルターが彼に対して無警戒だったことなど腑に落ちない点が多い。あの場所へ別ルートから621同様に侵攻してきた可能性も考えられる。
      • 細かい事情は周回で変化するが、621がエアと遭遇したことを考えると3周目のオールマインドの発言からも、他の考察で上がっているようにエアの確保のために「たまたま訪れていた」可能性が高い。オールマインドの指示で襲来したならば、惑星封鎖機構の警戒網を独自に抜けて潜入することもできただろう。ステルス機であるゴーストはべつの場所では普通に発見されて情報も開示されているが
        • 三周目については本当に待ち構えていた可能性は高い。ゴーストの配置は明らかに待ち伏せのスタイルでご丁寧にスッラは射線から外れている。オールマインドが621の実力を知って、同時進行を察知した上で護衛を付けたと思われる。
      • ウォルターのかつての猟犬である618を殺害していることや他のナンバーがいることを知っていること、そんな関係でありながらスッラがウォッチポイント・デルタに居たことにウォルターが心底驚いている様子なことや、彼ほどの傭兵が居座っているのなら621に対して事前に何の警告していないことは不自然なため、ウォルターにとっても想定外だったと推察できる。
    • しかしウォッチポイントに対してウォルターが関心を持っていること(相変わらずだなと表現している)ことから、かつて二人が遭遇したのもコーラルを探る為のウォッチポイント探索だということがうかがえる。ウォルターもオーバーシアーとしての行動でしかウォッチポイントにアクセスする理由は無く、スッラもウォッチポイントにはオールマインドから指示されていた(独立傭兵として依頼無しにコーラルを探る理由は無いはず)ので、長期に渡って各地のウォッチポイントを巡っている可能性もあり、今回の遭遇は本当に偶然なのだと思われる。

オーネスト・ブルートゥ

  • 本作屈指のネタキャラ奇人であり、プレイヤーに強烈なインパクトを与えることになるブルートゥ。一見すると謎らしき謎はない人物に思えるが、彼の行動にも一部不可解なものがある。
  • 何故カーラを裏切ったのか?
    • ブルートゥがカーラの怒りを買い、殺害を依頼された理由でもある、資金と技術の持ち去りおよびレールキャノンの窃盗。彼はこれらを手土産にジャンカー・コヨーテスへと渡ったようだが、何故このような行動に及んだのかは作中で説明されていない。
      • パルスプロテクション持ちのトイボックスを独自に保有していたり、RaD製МTをベースにした特攻型特化型のパンチャー&キッカーを運用しており、設計図や製造マニュアルなどを盗み出した様子。
      • 特にレールキャノンは大掛かりかつ価値のあるものなのだろうが、その割に崩壊しかけたグリッドの下層に、半ば遺棄されるような形で置かれていた。ブリーフィングでこのグリッドは「開発初期に設計された」と説明されており、崩壊の原因も単に経年劣化やアイビスの火が原因であると思われる。周囲の崩壊具合からしてまともな搬入・搬出の方法があるとは思えず、レールキャノン自体も錆びついてしまっており、少なくとも、何かに使おうとして盗んだようには見えない。
      • また、ACのサイズから考えてもこのレールキャノンは非常に巨大であり、これほどの大きさのものをおいそれと持ち出す事ができるとは考えにくい。あるいはコヨーテスへの離反の際に協力者がいたのかもしれないが。
    • よってブルートゥはレールキャノンを盗み出したものの、キャノンとして使いもせず売却や分解もせずそのままの状態で保管していたことになる。かと言って「カーラに使わせないため」という目的なら盗んだ後は保管せず壊してしまっても良いはずで、彼の言動そのままに支離滅裂な扱いをしていると言える。
      • 彼は乗機ミルクトゥースやレールキャノンなどを妙に擬人化し、「ミルクトゥースも…レールキャノンも啼いている…親元を離れ、カーラを恋しがっていたのでしょう」などと宣う。これに対するカーラの回答は「かける言葉もないよ」。ブルートゥ自身も機械技術に思い入れはありそうなので、ミルクトゥースやレールキャノンは彼にとってコレクションのようなものなのかもしれない。
      • 実はこの点に関してはカーラにも似通った部分があり、自分が作った兵器群を子供たちと称したりしている。カーラはブルートゥの発言に対して常に辛辣だったが、ここでの返答の際だけは気まずそうな声を漏らしている。「我が子」レールキャノンを取り戻せずにいたことに、うしろめたさでも感じているのだろうか?
    • カーラの側近として振る舞ったあとで裏切ったり、「ご友人」を「もてなす」事にこだわるなど、ブルートゥは対人関係あるいはそれを弄ぶことに執着している面があり、そのために迷惑行為を繰り返すタイプなら、レールキャノンの窃盗は目的ではなく手段に過ぎなかったのかもしれない。レールキャノンも、「ご友人」であるカーラとの思い出、あるいはカーラを出し抜いた記念として、自分が手元に置いて当然の品のような扱いか。
      • その割に、621がカーラの通信とともに現れた際には「やはり取り返しに来た」ではなく「おや?」とでも言いたげに意外そうにしていて、「親元を離れ啼いている」という発言と微妙に矛盾する。これらがカーラへの挑発のつもりなのか、分裂的な言動なのか、根本的に所有権や相手の感情といった対人関係の概念がおかしいタイプのジャイアン狂人であるのかはともかく、常人には図り難い思考回路で動いているのであれば、その動機を考えること自体が無意味なのだろうが…それがコーラルドラッグによる酩酊のせいなのか、彼自身の性質や来歴によるものなのかも謎である。
    • カーラが技研関係者であり、「コーラルを燃やす」危険性を持ったオーバーシアーの一員であることにも勘付き、ルビコニアンであるブルートゥは再度ルビコンが燃やされる事を妨害するため行動を起こした…とフロム脳にコーラルをキメているプレイヤーもいる。
      • ブルートゥ率いるコヨーテスは封鎖機構に恭順して戦力まで提供しており、確かにその点ではルビコンにおける戦乱の解決やコーラル封印を望んでいる側のようにも見える。かつてルビコンを焼いた技研の関係者が何やらデカブツを作っていることに危機感を抱いて、レールキャノンを持ち去ったり、封鎖機構の武力行使に乗っかってRadへの攻撃に参加したのでは…というものだが、レールキャノン窃盗から封鎖機構と接近したタイミングなどが不明なほか、間近にいたカーラを直接傷つけていないことや、上記のようにレールキャノンを壊さず保有し続けるといった言動と一致しないほか、ブルートゥ自身はカーラ個人を危険視するような言葉は一切吐いていないため、具体的な描写や根拠は無い。
  • COMボイスとブルートゥの関係性
    • 621が搭乗するACのCOMボイスは、ブルートゥと同じく安元洋貴が演じている。一つの作品内で声優が兼役をすること自体は別に珍しいことではないのだが…実は英語版においてもCOMボイスとブルートゥの担当声優は同じである。
    • ただ単に日本版と英語版で配役を揃えたという可能性ももちろんあるが、ブルートゥの場合はこの配役について以下のような考察をすることもできる。
      • 621のACのCOMボイスがブルートゥの声をサンプリングしたものである可能性。621の初期機体はRaD製であり、その機体を提供したであろうウォルターはRaDのカーラと繋がりがある。つまり、RaD離反前のブルートゥの声を使って作られたCOMボイスが未だに使用されているということ。もしこれが事実だった場合、621は常にブルートゥの声と共に戦ってきたことになるわけだが…… ご友人…♡
      • ブルートゥは常にACのCOMボイスを使って喋っていた可能性。つまりRaD製のCOMボイスがブルートゥの声と同じなのではなく、ブルートゥがボイスチェンジャーなどを使いCOMボイスに偽装して喋っていたということ。もしこれが事実だった場合、音声と不鮮明な画像でしか登場人物の姿が想像できないAC6において、ブルートゥ本人の肉声では一度も喋っていないということになる。いかにも正直者(オーネスト)らしい振舞いである。

「レイヴン」

  • 本作のキーパーソンであり、主人公のライセンスの持ち主「レイヴン」にはいくつかの謎が残る。
  • なぜ「入れ替わり」が容認されているのか?
    • 「レイヴン」は、匿名性などを保つため傭兵ライセンスをロンダリングする形で何人もが入れ替わり続けているというが、これはエアがちょっと調べた程度でわかるほど有名な話である様子。ライセンス管理者のオールマインドが気付かないとは考えにくい。
    • 当代レイヴンのアリーナランクは妙に低く、その割にレイヴン専用パーツを含む乗機ナイトフォールは「表舞台に出ない伝説的独立傭兵のもの」としてANALYSISアリーナに隠しているため、やはり時々で中身が入れ替わっていることは把握していそう。
    • 傭兵支援機構としてのオールマインドから見れば、自身が定めたライセンス認証制度をぶち壊しにする不正行為であり、入れ替わりを野放しにしている以上は何らかの目的か、レイヴンとの繋がりがあると思われる。
    • 「レイヴン」が属するブランチは「チームでありながら中の人が入れ替わり続けるため受けるミッションの傾向がバラバラで、傍目には手当たり次第に依頼を受ける集団」である。オールマインドの手駒として見た場合、これにはAMの意に沿った何の利益があるのか理解できないミッション(ルビコンの封鎖機構に手を出すなど)を行わせても「あの連中ならそういうこともあるだろう」で流され、背後関係を気にされない利点があると思われる。傭兵支援システム自体にそのような「匿名の集団の活動内にAMの意図を混ぜておき、発覚しないように各勢力を誘導する」意図があったとすれば、ブランチと「レイヴン」はその縮図なのかもしれない。
  • レイヴンは何故撃破されていたのか?
    • 物語の始まりにて撃墜されている「レイヴン」もといナイトフォールだが、あれほどの腕の持ち主が汚染市街に展開されるような戦力に撃墜されるとは考えにくい。後のミッションのいくつかではこの「レイヴン」が撃墜されていた場所を訪れることになり、ACの残骸だけが綺麗に回収されているのがわかる。
      • 「レイヴン」と輸送ヘリの残骸の近辺にはライトのようなものが建てられていてヘリを照らしている。墜落で土が抉れたところにまで立ててあるのでおそらく偶然ではない。あきらかにこの墜落について何らかの調査が行われていた様子だが、ヘリからはまだ炎が上がっているので直近の出来事であることはわかる。
    • 3周目にて登場するミッション「強制監査妨害」にて登場する惑星封鎖機構の特務部隊。彼らのセリフから、封鎖機構はこの時点で「レイヴン」は死亡したものと認識していたことがわかる。
      • 「片方は素性が割れました。独立傭兵です。識別名は『レイヴン』」「あのレイヴンなら死んだはずだ。もう片方は?」
    • 封鎖機構は「レイヴン」の死を断定していた。それはつまり、形はどうあれ封鎖機構は汚染市街におけるレイヴンの撃墜を認識していたことになる。封鎖機構がレイヴンを撃墜したのか、それとも間接的に残骸を発見したのかは定かではない。
    • そしてその後のミッション「特務機体撃破」にて登場したカタフラクトのパイロットは、少しだけ異なるニュアンスの発言をしている。
      • 「優先排除対象…レイヴン まさか貴様が戻ってこようとはな」「あれだけの情報をリークしたのだ そのまま隠れ去るものと思っていたが」
    • 「戻ってくる」「隠れ去る」という言葉から明らかなように、この時点では惑星封鎖機構の認識でも「レイヴン」は生存していると考えられていることが分かる。「特務機体撃破」は海越えのシースパイダー撃破や「無人洋上都市調査」でのSGヘリ撃破の後に来るミッション。ここまでの情報から、封鎖機構も独立傭兵レイヴンの活動再開を認識していたのかもしれない。
  • この地点の「レイヴン」の残骸については情報が少なく、撃墜自体も621が訪れるより前の出来事であるため憶測を立てることしかできない。現在まで考察されているいくつかの可能性を以下の余談にまとめている。
+ 余談
  • レイヴンというコードネーム自体が特定の個人を指すものではないという情報から、あの残骸は先代のレイヴン等、実際に対峙した「レイヴン」とは別人である可能性も。封鎖機構のヘリも巡回に来る地点である事から、身を隠すためにあえて発見される前提で残骸を残していた、など。
    • また、他の残骸は近くに銃跡が合ったり戦闘の形跡があるのに対し、戦闘の形跡が存在せず近くに輸送機が墜落しているため、輸送機ごと撃破された(そして脱出した)という説もある。ACVのRD戦を意識しているのだろうか。あるいは輸送中のACが破壊されてしまっただけで、そもそも「レイヴン」はこの残骸に乗っていなかったのかもしれない。
  • 「ブランチの入れ替わりの瞬間」という説もある。ブランチは「入れ替わり続ける4人のメンバーからなる」とあり、撃退された機体から「レイヴン」がライセンスを引き継ぐ形で受け継ぐ予定だったが、先に621がそれを回収してしまったというもの。
    • ただしこの説だとSTVの画稿やコーラルの情報リークなどの内容とは矛盾してしまうため、若干のこじつけ感は否めない。またキングが621に圧されている場合「この強さ……初めてあいつとやり合った時の……!」と賞賛を送っているのでやはり同一人物か?
    • やはり単純にレイヴンの機体が搭載された輸送機を優先排除対象として封鎖機構が破壊したと考えるのが良いかもしれない、封鎖機構のヘリがわざわざ汚染地域に出向いた理由は輸送機破壊がレイヴンかどうかの確認、しかし確認寸前に621に遭遇し撃破される。レイヴンはそもそも機体に乗っておらず襲撃された為にやむなく脱出、後日ブランチが機体回収時にライセンス強奪発覚、調べた結果621が企業もしくは解放戦線の協力関係とわかり企業と封鎖機構のぶつかり合いがあるであろう旧宇宙港へ、もしくは解放戦線の防衛拠点のダム襲撃で誘き出しレイヴンとしての力を見定める。こんな流れだったのかもしれない
    • ミッション「特務機体撃破」でカタフラクトの敵パイロットから以下のような台詞が聞ける。
      • 「優先排除対象…レイヴン まさか貴様が戻ってこようとはな」「あれだけの情報をリークしたのだ そのまま隠れ去るものと思っていたが」
      • ここで言う「戻ってくる」とはおそらく「(他の惑星からルビコン3へ)戻ってくる」という意味。「隠れ去る」という言葉から明らかなように、この時点の惑星封鎖機構の認識でも「レイヴン」は生存していると考えられていることが分かる。したがって、残された残骸は「レイヴン」が隠れ去るための目眩ましや時間稼ぎとして残されたにすぎない、と少なくとも作中で惑星封鎖機構は判断していることが推測できる。
  • 何故「レイヴン」はコーラルの情報をリークしたのか?
    • 「レイヴン」はルビコン3でコーラルが再び観測されたことをリークし、星外企業がルビコンに出張ってくる切っ掛けを作った張本人であることがわかっている。
    • それ故に封鎖機構からも「封鎖による秩序を壊した張本人」として優先排除対象として目を付けられている。実際問題、この行為はルビコンにおけるコーラル争奪戦争を煽っただけであり、「レイヴン」に大きな利があるとは到底思えないような行為である。
      • 単純な話だが、レイヴンは独立傭兵であり、活動圏であるルビコン3が騒乱状態になれば仕事が増えるという当然の利益は予測できる。レイヴンの人物像は明らかになっていないが、ルビコン3が荒れるほどに腕試しや金儲けや売名といった世俗的な目的は果たしやすい環境が生まれる。
      • レイヴンと深い関わりを持つブランチは「ハクティビスト集団」とされており、要は政治的な目的のために機密情報の暴露などを狙う集団である。現実だとハクティビストはネットワークハッカー集団であることが多いが、ブランチはACによるデータ強奪なども手掛けているのだろう。つまりコーラルに直接の興味や営利はなく、情報封鎖という行為と、それを行う封鎖機構そのものを「自由意思を妨げる悪」とみなして攻撃しているとも考えられる。そうだとすれば自分の名義を奪い、自分以上の強さを持つ主人公の進む先を「見届ける」ことを選択する理由にもなるだろう。
      • 「レイヴン」には過去作のプレイヤーのセルフオマージュという側面が強く、過去作のレイヴンはどの作品でも、「一傭兵として任務をこなしていたら秩序を司る組織に目をつけられてしまい、自衛のためにやむなく対立して結果的に秩序を破壊する」という流れを起こす存在だった。今作のレイヴンも、傭兵として仕事をする内にコーラル再湧出の事実に気づいてしまい「情報を暴露する」という依頼を請ける決断をしたか、封鎖機構を相手にこの先生きのこるため、「秩序の破壊」に突き進んだのかもしれない。
    • 依頼をこなしただけという観点からすると、オールマインドが怪しいと考える人も。オールマインドにはルビコンでコーラルリリースを起こすという目的があり、そのために「ルビコンを封鎖機構一強ではなく企業など複数勢力を介入させてAMが介入しやすい状況にする」役を割り当てられたのが「レイヴン」だったのかもしれない。スッラなどのように直接的な手駒ではないものの、過去作のラナ・ニールセンのようなことをオールマインドがやっていたのではないかという想像である。
      • 仮にオールマインド含む「何者か」の依頼だったとして、ビジネスライクにこなしていただけなのか、賛同者として積極的に動いてきたのかは想像する他ない。
      • 真レイヴンのデータが「オールマインドと深く関わらないと出てこないインテグレーション・プログラム」の最上位に登録されていたことも協力関係を疑わせる。シャルトルーズやキングのようなブランチの腕利きはアリーナ上位に登録されているが、ランクFの木っ端でしかないはずの真レイヴンを更に上位扱いにした上で「表舞台には現れない伝説的独立傭兵」と書いているのは、AMがブランチの仕組みを把握していたからではないだろうか。
  • 何故「レイヴン」は旧宇宙港の勢力を襲撃したのか
    • アーキバスが掌握し、封鎖機構が奪還しようとしていたバートラム旧宇宙港。しかしこの場所にいた両方の勢力が「レイヴン」の手で撃滅されている。この時「レイヴン」は、621を待ち伏せていたようである。
      • オペレーターが621を「目標」と言い切っていることからこれはほぼ間違いないと考えられる。だが、そうであればわざわざ旧宇宙港の両戦力を撃破するなどという手間を挟む必要はなく、いくらでも安全に待ち伏せる方法がある。このことから、「レイヴン」にとっては621だけでなくこの場にいたすべての勢力が破壊目標だったと考えるのが妥当である。
      • 「何者かの依頼を受けていた」とも考えられるが、この時点でのレイヴンは621によって傭兵ライセンスを奪われている。つまり彼は正規の依頼を受けられる立場になく、仮に依頼があったとしても個人的なものであろう。だがこれほどの勢力を相手に単機での戦闘を挑ませるというのは半ば無謀であるようにも思える。
      • 封鎖機構の艦隊はコーラルリリース計画の邪魔者であるため(宇宙に出られる艦隊を放置しておくとバスキュラープラント建造に支障が出る)、オールマインドが艦艇と「艦艇を維持する拠点」を両方潰しておく目論見込みで「レイヴン」に依頼を出したのかもしれない。「レイヴン」側に自分の名前を騙っている621が来るという情報を提供すれば乗ってくるのは確実だろう。
        • 旧宇宙港と多重ダムのミッションどちらの場合でも「レイヴン」のオペレーターは主人公のことを「強化人間C4-621」と呼びかける。「レイヴン」でも「ウォルターの猟犬」でもなく「C4-621」という強化世代のナンバリングを含む呼称を知る人物あるいは組織はルビコンでは極めて限られているはずだが、オールマインドが情報を流していたとすればオペレーターがこの情報を知っていても不自然ではない(ウォルターは通信で度々「621」と言うが、「C4-621」と世代付きで言ったことは一度もない)。
  • 「ブランチ」の招集
    • 「レイヴン」はブランチに所属していたと考えられている。ブランチ所属のキング、シャルトルーズが登場するミッション「多重ダム防衛」にて、彼らの関係性が窺い知れるのだが、この時聞けるいくつかのセリフから、彼らが何者かからの依頼を受けてこの場所にいたことがわかる。
    • シャルトルーズと交戦する際「お出ましね」と621の登場を予見していたような態度を見せ、キングは「今回は『ブランチ』の仕事でもある」「この強さ、『ブランチ』に招集がかかるわけだ」などと発言する。
    • 「ブランチ」の招集、という発言からも、何者かが彼らに依頼して621の排除に踏み切ったのは明白である。ブリーフィングによると多重ダム襲撃のために彼らを雇ったのはアーキバスであるようだが、撃破された時のキング・シャルトルーズのセリフを鑑みると、この作戦はあくまで建前であった様子である
      • キング「あいつが出るまでもなかったか。帰るぞ、シャルトルーズ」
        シャルトルーズ「元々の作戦は?」
        キング「目的は達した。これ以上は意味のないことだ」
    • そもそも多重ダムはベイラムによって一度襲撃されて大きな損失を被っており、この作戦もルビコン全土の実効支配へ向けての布石であるという。そんなミッションに、ランク上位の独立傭兵であるキングとシャルトルーズの雇用は余りにも過剰戦力である。にもかかわらず、アーキバスは彼らを雇用したことになる。
      • これが621を誘い出すための罠だと考えようにも、そもそも解放戦線が621に依頼を飛ばすとも、そして621がそれを受けるとも断言することなどできないはずである。ひとまず621を吊り上げるための作戦を展開し、本当に621が現れたら「レイヴン」が出撃するという算段だったと考えることもできるが、残念ながら確証を得られるほどの情報は存在しない。
      • 戦闘開始直後、シャルトルーズは「仕事を続けて」と言い、キングは「ブランチの仕事でもある」と答えているため、独立傭兵としての依頼はブランチとしての仕事とは別口だった事がうかがえる。上記のやり取りから、シャルトルーズは傭兵仕事の完遂にも責任感を持っているのに対し、キングの態度には温度差がある。
      • 作中でウォルターが中央氷原やウォッチポイント・アルファの先行調査を企業から取り付けている描写が存在することから、ある程度名のある独立傭兵なら交渉次第で自ら依頼を選べる可能性がある。とすると「レイヴン」(またはそのオペレーター)が「ブランチ」を招集し、「ブランチ」がアーキバスから建前の依頼を取り付けたとも考えられる。
  • 搭乗機「NIGHTFALL」
    • 本作の表紙を飾り、様々なトレーラーでも印象深く登場し、事実上本作の顔となっているナイトフォール。しかしその機体フレームの大部分は、なんと初期機体のままである。
    • ジェネレーターとFCSは換装されているものの、ブースターは初期のまま。この構成で宇宙港の勢力を単機で撃退というのは尋常ではない。
      • 更にアナウンストレーラーではあの時点で何故か右腕武器がない上にハンガーでライフルを保持している。使い切ったか持ってなかったかは謎のまま
      • 他の要素や密航で推察するならば右手に持っていたのはマシンガンのMG-014 LUDLOWか、各企業の参入時期が明確になってないのでメリニットはこの時点で販売されてない可能性が高い
      • そんなナイトフォールを構成するパーツは、その大半が戦闘用ではない。同じブランチのメンバーであるキングやシャルトルーズが様々なパーツを活用している事を考えると、やや違和感がある。
      • 一応頭部パーツは完全戦闘向けにリビルドしたようではあるが、それなら他のパーツもいくらでも改造はできたのではなかろうか……。
    • ナイトフォールの素ともなる初期機体は、621だけでなく617たちも武装を変えて利用している。RaD製のこの機体は「惑星探査機」として流通しているほか、武装МTまで流通する闇市さえあるため、ACを買おうと思えばありふれた機種なのかもしれない。
      • ストーリートレーラーで621が保管されていた闇医者の施設(間違いなくルビコンではない)にも強化人間の動作テスト用だったのか初期ACフレームのコアと頭と肩部分のみが置かれていた。

帥父ドルマヤン

  • どうやって621の正体を知ったのか?
    • ルビコン解放戦線総司令である帥父サム・ドルマヤン。彼は1周目の時点で「独立傭兵レイヴン=621がウォルターの猟犬」だと把握しており、同時に621を「ルビコンの脅威」とみなして排除しようとしてくる(側近を暗殺に向かわせたり、ルートによっては621を倒すべく自ら出撃するなど)。彼がそれらの情報をどうやって知り得たのか、いつそれらを知ったのかについては多くの謎が残されている。
    • チャプター順で整理すると、ドルマヤンはチャプター1の2周目以降ミッション「捕虜救出」で解放戦線に帰還する(この時救出されたツィイーが同時期の「戦闘ログ回収」でACに乗って登場するため、1周目のドルマヤンも621以外の手を借りて同様に救出されていたと考えられる)。
      • ただし、捕虜救出ミッションで聞けるドルマヤンの台詞は「自分達の救出を支援したレイヴン=621=ウォルターの猟犬」と気付いておらず、「ブランチに所属する本物のレイヴン」だと思っている節がある(意思の表象うんぬん)。救出ミッション後のアーシルの通信からすると、ベイラム捕虜収容所で手荒な扱いを受けて曖昧な虎眼先生状態だったのかもしれないが。
    • チャプター3の「執行部隊殲滅」でドルマヤンは側近のリング・フレディに621排除を命じて暗殺に差し向けている。この時フレディの台詞から「偽りの名義」「ウォルターの猟犬」などレイヴン名義の621の正体を把握していることが覗え、また621がドルマヤンに「ルビコンの脅威」と認識されていることがわかる。
      • 救出時点では「レイヴン」の正体を把握していないように見えるドルマヤンが、いつウォルターの猟犬(621)がレイヴンを詐称していると認識したのかは定かでない。
    • チャプター3の3周目以降ミッション「無人洋上都市調査ALT」ではドルマヤン自身が621排除のため登場する。ここでの台詞からドルマヤンは「621が変異波形と交信していた自分の同類」であるが故にコーラル開放を起こしかねない脅威とみなしているようだが、彼がなぜ621とエアの交信を把握しているのかは不明。複数周回してきたプレイヤー視点では既知の情報だが、この時点ではそもそも621すらエアが何者かを知らない(エアが自らの正体を明かすのはチャプター3ラストの「アイスワーム撃破」)。

  • セリアとの交信
    • 文書データ:ドルマヤンの随想録から、彼が「セリア」と言う名のCパルス変異波形と交信を行っていたことがわかっている。彼女については情報ログ、およびドルマヤンのセリフからしか語られないため、大部分が謎に包まれている。
    • そもそもCパルス変異波形との交信がどのように、どういった条件で行われるかについては現在でも憶測の域を出ない。脳内にコーラル管理デバイスを埋め込まれた旧型強化人間だからこそ交信できたとも考えられるが、ドルマヤンが強化人間であるという記述は作中には登場しない。
    • 一般の人間が知りえない技研のコーラルリリースに関する研究論文を知っているなど、ドルマヤン個人の力を超える「何か」が介在しているように見えることは明らかなのだが、ブルートゥのようにおかしな言動と高い知識や技術力を両立したドーザーが実際に存在するため、プレイヤーはともかく劇中の人間の視点からすると、それが「セリアという個を持つコーラル変異波形なる存在の助力」であることを客観的に確認する術は何も無い。
      • ドルマヤンがどの程度までセリアのことを公言していたかは定かではないが、口外していなかったなら知識などはドルマヤン自身の見識やハッキングなどで手に入れたものと見なされ、彼のカリスマ性の一助になっただろう。逆に公言していても、周囲からすればトランス状態での神がかり的な言動と見ての信奉か、技能や知識とは別のドーザーらしい戯言として切り捨てるかのどちらかである。フラットウェルは開放戦線の幹部でありながら後者の代表的な人物と言える。
      • コーラルを意志ある生物と見て「共生する」という教えは解放戦線内に深く浸透しているが、解放戦線のメンバーも本当にコーラルが生き物だとは思っておらず、ドルマヤンの言葉は人生観から来る例え話のようなものと思っている節がある。上述のフラットウェルもドルマヤンの意思から離れて新しい風を待ち望んでいるとされ、ドルマヤンを討った筈の621を「ただの使われるだけの犬ではない(から争うな)」と言ったりしているため、ドルマヤンの事を「コーラル変異波形との接触者」という特殊な存在ではなく、組織の旗印以上には見ていなかったようだ。
    • エア「ドルマヤンは青年期をドーザーとして過ごしたと記録にあります。わたしたちの交信に類する変性意識体験があったのかもしれません」
      • 変性意識状態とはいわゆる瞑想状態・トランス状態の事で、意識を失っているわけではないが、日常で目覚めている状態とは異なる意識の状態を指す言葉。コーラルを服用し、その酔いの中で何かを体験したという事を指すのだろう。古代のシャーマニズムに見られた、薬物を用いての霊的交歓に近いイメージである。
      • だが、仮に「コーラルを薬物として利用してトランスすれば変異波形と交信できる」とすると、同じようにコーラル中毒のドーザーは全員が変異波形と交信できるという事になってしまう。仮にできていたとして、傍から見たらパチパチ弾けて脳みそ幸せな奴である。
      • エアは「621の脳波と同期」して交信=情報伝達を行っている。しかしエア本人の言によれば「長い間、誰にも知覚されなかった」とのことなので、変異波形の側がいくら交信を望んでいても、人間側に何らかの条件が整わない限り同期は成立しないようである。
      • 仮にドルマヤン以外にも変異波形と接触したドーザーがいたとして、変異波形からすればトリップ状態でまともに話が通じず知覚してもらえない、周囲の人間からすれば普段の言動から「またコーラルキメておかしなこと言ってるよ…」ぐらいの扱いで無視されていた可能性もなくはない。ドルマヤンが交信できたのはうまく脳深部にコーラルがキマり、かつ他のドーザーのように支離滅裂ではなかったからなのかも知れない。
      • 621がエアと接触した時は、ほぼ致死量のコーラルを浴び、意識が散逸しかけた状態だった。この「死ぬギリギリのラインまでコーラルの群知能に意識散逸を起こしたが、生き残って意識を取り戻した」が条件の可能性もある。
    • エアの「青年期はドーザー」という言から、今のドルマヤンはコーラルドラッグから足を洗ったとも取れる。脳深部のコーラルが薄れていくにつれ、セリアの声は遠ざかっていったのだろうか。
    • 随想録(1)ではセリアは登場せず、ドルマヤンはコーラルを祝福としている。(2)ではすでに声を見はじめて久しいようで、コーラルを資源として使いつぶそうとする人間を恥じるドルマヤンに、セリアが気にするなと語り掛ける様子が見て取れる。
      • 随想録(4)ではセリアがドルマヤンの内側で囁いていると明言されている。やはり変異波形との交信はその本人しか認識できないのかもしれない。これは「621の脳波と同期」したエアと同じ交信手法を取ったため他人には認識されない状態だったとも考えられる。そのため、ザイレムで621を襲撃した際には「“おそらく”お前はコーラルの声を見るのだろう」と確信がないながらもウォッチポイントデルタでコーラルに大量被曝した621がコーラル変異波形と交信できていると判断している。
  • 621をザイレムにて襲撃した理由の考察
    • ミッション「無人洋上都市調査」のALTミッションでは回線に割り込んできたオールマインドが直接ドルマヤンの排除依頼を行い、さらにここで初めて「識別名レイヴン 強化人間C4-621」と呼びかけてくる。(以降の直接依頼ミッションでは「強化人間C4-621」と呼ばれ続けるようになるため、オールマインドはここで621をリリース計画に引き込む決心をしたのかもしれない。)
    • ドルマヤンは621を自身と同じくコーラルの声を視る者と扱っており、それだけではただの同じ視座を持つ者でしかなく、襲撃するには弱い。
      • ウォッチポイント襲撃はウォルターの個人依頼(オーバーシアーによる集積コーラル探索)なので、防衛していた封鎖機構と、途中で交戦したスッラの依頼主=リリース計画の第3段階実現を狙っていたAM以外は何が起きたかを知る立場にない(それ以外の勢力はベリウス北西ベイエリアで起きたコーラル局所爆発=地形が変わる大事故の方に気を取られ、ウォッチポイント襲撃に目が行っていない可能性が高い)。またこの時「ウォッチポイントで変異波形が確認されている」という情報を持つのはオールマインドのみ(観測データ:変異波形反応)。解放戦線に所属しているドルマヤンには、この情報を知り得る機会はほぼないように見える。
    • チャプター1終了時点で「レイヴンを騙っているのはウォルターの猟犬621」「ウォッチポイント・デルタで何が起きたか」という情報を621自身とオーバーシアー関係者以外に把握しているのは、ライセンス復旧とウォッチポイント襲撃の双方に関わったオールマインドしかおらず、また、ドルマヤンの思想(コーラルをルビコンから出してはならない)は特に秘密にしているわけではなく、コーラル解放に否定的なのも随想録から読み取ることができるはずである。ドルマヤン当人の戦闘能力が高いのも周知の事実(少なくともオールマインドはアリーナ上位の実力と認識している)。
    • 可能性としては2つ。
      • スッラを撃破されたオールマインドがウォッチポイント襲撃後に「計画のイレギュラー要素を排除するため、621の素性と変異波形との交信の可能性をドルマヤンに伝えてけしかけた」。621がコーラルと交信している強化人間だと知ればドルマヤンの思想的に「(コーラル解放を選びかねない)ルビコンの脅威」とみなすのは確実だろう。とはいえ、AMは作中でかなり秘密裏に動いている。なぜドルマヤンに直接伝えたのか、ケイトをけしかけてはいけなかったのかなど疑問は残る。
      • ルビコン解放戦線にはラスティを始めとして各企業及び様々な組織にスパイや同志がいる。その中で北西ベイエリアの消失とウォッチポイントデルタへの621の襲撃を結び付けた(もしくはウォッチポイントデルタの逆流現象を観測した)情報のリークがあったのかもしれない。変異波形が発生して621と共にあるかはわかっていないが、大量のコーラルに被曝した際にセリアとの交信を得たであろうドルマヤンにしてみれば、「おそらく」という前置きは必要ながら予測できた事だろう。
    • 1~2周目では忠実な側近(リング・フレディ)を使って621排除を目論むも失敗。3周目では序盤でC兵器すら退けた621の実力から部下の手には負えないと判断した当人が出撃してきた。かつてセリアという変異波形は「コーラルリリース」を通してコーラルと人との共生を得ようとしていた。しかしコーラルリリース計画は、真空状態で爆発的に増殖するコーラルの性質を使い、全生物を高濃度コーラルに被曝汚染させる事で、「意識散逸の発生を抑制できるコーラルに親和性を持つ生命体のみが生き残る」計画だった。少数の特権的な生物のみを生かし、他全てを虐殺する計画は、どうしてもドルマヤンは選ぶことが出来なかった。彼は621が交信しているのがセリアもしくはセリアに類する思想を持つ変異波形である可能性を鑑み、災いの芽を摘もうとしたのではないだろうか。
      • 撃破時及び被撃破時に聞くドルマヤンの独白はもしかしたら独白だけではなく、もはや交信してくれなくなって久しい「セリア」への呼びかけだったかもしれない。
      • 一方、オールマインドが嗾けたと考えた場合でも、両者に明確なつながりが無くてもオールマインドにはドルマヤンを確保しておきたい理由はある。AIである為にCパルス変異波形とは交信できない様子なので、自身のシステムに取り込める交信可能な強化人間を保有する必要があったが、ドルマヤンは天然ものながら交信が可能。自ら随想録をACに残したりしているほどなのでオールマインドからしてみても候補に入っていてもおかしくはない。しかしいざ打診しても当の本人がリリースには否定的な様子なため、621に排除を依頼、ドルマヤンにはCパルス変異波形に交信可能な人物がいるとして621に嗾けたのではないか。
        • トリガー候補と考える場合「オールマインドがドルマヤンを取り込むことができるのか」が疑問かつ難点になる。彼は半世紀前に脳がコーラル漬けだったおかげでCパルス変異波形と交信できた実績こそあるものの生身の人間である可能性が高く、強化人間のような機械と接続して情報を吸い出す手段がない。リリース計画の鍵となるのが「特別な強化人間」に限られているのはこのあたりが理由ではないだろうか。

  • ドルマヤンの絶望
    • ドルマヤンはAC6のストーリーにおける前日譚で中核を成す人物の一人だ。捕虜救出作戦で彼が繰り返し口にする「全ては消えゆく余燼に過ぎない」という言葉は、声も含めて彼の深い絶望を物語っている。前述の通り、ドルマヤンはセリアの「コーラルリリース計画の実行」を拒絶した。これは、ドルマヤンの随想録(1)~(5)で語られている時系列から考察するに、コーラルの火が起きる前だと推測できる。
      • その場合、流れとして
      • 1.セリアと出会う→2.コーラルとの共生を模索する→3.セリアがコーラルリリース計画を発見→4.内容を知ったドルマヤンがそれを拒否→5.アイビスの火
      • であると考えることが自然だ。結果、彼は志と同志を自らの選択によって同時に失ってしまい厭世観に苛まれている。捕虜救出作戦の終盤、彼がこの言葉を口にした際にアーシルが口ごもって話題を切り替えているが、老境に至り、もはや気力も尽きた中で残ったものがこの発言である。彼の絶望は計り知れない。レイヴンを「意志の表象」つまり「自ら選び取る行為のシンボル」としながら、そしてコーラルが再発見されて星外企業が進出し、自分の選択の結果失ってしまったと思っていた志をもしかしたら今度こそ守れるかもしれない現状でも、彼はそこに前向きな気持ちを持てないでいる。その姿は、解放戦線の幹部をして、もはや無用と見做され始めている。


STVとSTK

  • アーカイブにていくつかの素描を残す画家、STVとSTK。アーマードコア全シリーズでも珍しい生身の人間たちについて描写しているのだが、その作品と彼らの素性にはいくつもの謎が残されている。
  • いったいどういう関係なのか
    • STVは今でも活動している覆面戦場画家で、なんでも「人が描くことに拘った最後のひとり」だという。この世界では絵描きの大半がAIを利用しているのだろう。
    • 対するSTKは「アイビスの火に巻き込まれ死亡したとされる巨匠」とのことで、これが事実であれば半世紀前に活動していた人物という事になる。
      • STKの遺稿によると、STKの作風は多くのAI画家に取り込まれたとのこと。
    • この事から彼らを同一人物として見るのはかなり無理があるのだが、それにしては2人の画稿の作風は酷似しているように見える。アルファベット3文字の名前や、RaDを描いたと思われる「STVの画稿(2)」の「どこかで見たことがあるような気がする」というメモなど、何やら二人の繋がりを匂わせる要素が数多く存在する。
      • この画稿(2)に残されたメモと、STKの遺稿に描かれた第二助手と思わしき人物を指して「カーラ=第二助手」と仮定することで、「STK=STV」であるとする説がある。ただし上記の通りSTKは既に死亡したとされており、半世紀もの時間が経っていることもあってやや不自然ではある。ただし、カーラはアイビスの火から生き延びたと主張していて、今も見た目が若々しいため、不可能とは限らない。
      • そもそも単純に「どこかで見たことがある」というメモ書きはSTKの知らない画稿か作中の遺稿をSTVが入手しておりそう書いただけとも取れる。
    • 後継を目指す血縁者や弟子、アートスタイルのフォロワー、リスペクトした画号を名乗っているなど、可能性はいろいろと考えられるが、具体的な情報はない。
      • STVメモには、フィーカを奢ってもらった、スネイルらしき人物にインタビューを断られたなどのエピソードがあることから、少なくとも人間として実在しており、「人の画家に見せかけたAI」といった線は弱い。AIが手記まで捏造出力しているとしたら不気味な話だが。
        • STV画稿はその全てがオールマインド無人機から発見されているが、「各所で暗躍するゴーストの背後には画家=人間がいる」という体の偽装工作なのかもしれない。とはいえこの時代はAI画家がむしろ主流になっているらしいので偽装として有効なのかは疑問ではあるが。
      • 二人共メモに体験談のようなものを添えており、取材などで実際に見たものを元にして描くスタイルと思われるが、STKは精神混濁した第一助手、STVは企業AC部隊への取材、殺し屋の取引現場、匿名性を重視しているはずのブランチなど、なかなか難易度が高いものを取材したり目撃したりしている。
      • 「お爺さん」「女の人」など、STVのメモは丁寧語や走り書きというよりは朴訥な文体で、どことなく裸の大将みたいな雰囲気もある。

企業・組織

この世界で生きる人々

  • ルビコニアン
    • ルビコニアンとはルビコンの土着民族を指す言葉のようだが、これが本当に初めからルビコンで生まれた人間なのか、それとも最初期にルビコンに移り住んだ人々を指すのかは不明。
      • 「画像データ:STVの画稿(1)」がルビコン解放戦線を描いたものだと考えられる。右上にいる座っている老人がサム・ドルマヤンで、傍に居るのが男娼リング・フレディかと思われる。我々と同じ地球由来の人類に見える。
    • 恒星間入植船ザイレム(後の洋上都市ザイレム)がルビコン3地表に存在しており、そこから惑星全土に拡散した植民者の末裔を意味するのが一般的な「ルビコニアン」と考えるのが妥当なところだろう。文化や言語も地球由来のものが目立つ。
      • 一方でエアが自称する「ルビコニアン」は地球人類とは無関係のコーラル生命体のことで文字通りのエイリアン(異星生物)。この用法で使っているのはエアだけ。
  • RaD
    • 本編の3年前にシンダー・カーラが参画して実権を乗っ取ってからは下記のオーバーシアーの表の顔になっているが、それ以前はドーザー内の技術キチ集団が商売をやっていた程度のもの(ルビコン解放戦線のストライダーを改修してアイボールを付けたのは「ドーザー」だがRaDとは明言されていない)。名前の付け方からC-2000、C-3000系統のフレームがかつてのRaDが開発製造していたもので、S-5000系がカーラ参画以降の開発だろうか?
  • オーバーシアー
  • コーラルの増殖状態を監視し、もし破綻の兆候が見えたなら、再び「火」を起こし焼き尽くす事を誓った人々の結社。その母体はルビコン調査技研の生き残りメンバーであるらしい。
    • 元々バスキュラープラント要する技研都市なんて途方もない規模の設備があったくらいなので、ルビコン調査技研はアイビスの火を生き延びた者も多数いたと思われる。名前の出ないまま力尽きた者も多くいただろうし、ハンドラー・ウォルターやカーラが背負っている燻りは劇中で読み取れる以上に重いのだろう。
    • コーラルが増えすぎることで起きる破綻を防ぐとしているが、コーラルリリースについては予測理論の段階であるため、念の為の予防的な側面が強い。一方で本ページのコーラルの項目にもある通り、汚染性の物質であることを確信できるだけの情報は持っているようなので、主に防ごうとしていたのは、こちらの汚染問題だったと思われる。結果的に、リリースに関しては「起きる前に潰す」という形になったが。

  • ブランチ
    • アーカイブ「STVの画稿(6)」はブランチについて語っていると推測される。
      • 明確にブランチの構成員と判断し得るキャラクターは作中だと下記のシャルトルーズと合わせて二人しか登場しない。上記アーカイブによると一人はオペレータらしい。
      • STVの「4人目には結局会えず」との言葉があるが、同アーカイブのACの絵から4人目は「レイヴン」、3人目は「レイヴン」のオペレータでほぼ確定だろう。
    • チャプター3多重ダム防衛で「レイヴン」のみを撃破後にこちらが撃墜されると「ブランチ」が歴代「レイヴン」の為の集団であることを匂わせる。一方、「レイヴン」が来る前に621が撃破された際のセリフからは、彼らの目的が解放戦線に対する襲撃ではなく、始めからレイヴンを騙る621であったことが窺える
      • 「ブランチ」とは「翼」のための止まり木であり、例え「翼」が敗れたとていずれ新たなる「翼」が現れるらしい。「レイヴン」のみが敗れた1周目で空気だったのはその辺りの事情だろうか
      • 同ミッションで多重ダムに配置された解放戦線側の戦力は小規模どころではなく、戦いと呼べる物すら起こっていない。彼とシャルトルーズが手際良く殲滅したのだろうか?
      • 解放戦線を狙えば封鎖機構や企業勢力を次々に蹴散らし脅威度が高まり続けている621が出張ってくるだろうと予想し、企業側にとっても大きな障害になっている621を高位ランカー二名と「レイヴン」によって確実に排除しようとしたとも考えられる。苦しい立場にある解放戦線は、自分達が標的にされれば単機でも依頼完遂が見込める621に頼るだろうと推測したのかも知れない。
    • ウォッチポイント襲撃ステージで、砲台近くのピロティ部分に擱座していたACから確保できる情報ログ「通信記録:独立傭兵の情報共有」によると、ブランチの4人は封鎖機構の監査部隊の動向を気にしていたようだ。また「アーキバスとベイラム以外の星外企業がルビコンに進駐してくる可能性」も探っていたと考えられる。
    • ブランチの4人は本編開始前から惑星封鎖機構に様々な妨害や破壊工作を行っており、封鎖打破を目論むルビコン解放戦線側にはある程度好意的な感覚で見られていた節がある(ドルマヤンやフラットウェルの台詞)。なお封鎖機構が撤退するチャプター4以降は空気。
    • キングの乗機とシャルトルーズの乗機、その名の前後を取って組み合わせると、オールドファンには懐かしい都市の名が浮かび上がる。プレイヤーはその都市で、企業ではなく傭兵からの依頼で企業の暗部に立ち向かう事となった。その立ち回りはブランチの活動にも通ずるものがあり、意図的なセルフオマージュの一環なのかも知れない。
+ 余談
  • 「レイヴン」「止まり木」「入れ替わり」などのワードから、かつて存在したアーマード・コア専門ファンサイト「Ravenwood」の存在を連想する者もいる。
    • ACファン創作コミュニティとして最大級の規模を誇っていたが、セキュリティ上の都合から惜しまれつつも2016年5月31日をもって閉鎖した。
    • 直後に事実上の後継コミュニティ「BLADE & GRENADE」が有志によって設立され、Ravenwoodと入れ替わる形でACファンの止まり木としての地位を確立している。

オールマインド

3周目以降のネタバレを多く含むため注意
  • 全ての傭兵のための支援システム。ポジションとしては初代ACのレイヴンズ・ネストから続く傭兵組織にあたる。
    • ただし本作の舞台であるルビコン3は惑星封鎖機構によって立ち入りが禁じられており、他作品のように公的な立場のある組織かどうかは不明。だがウォルターが密航者には身分証が必要と、このオールマインドのランク圏内のライセンスを欲していたことからそれなりの立場のある組織だと思われる。
  • 3周目以降解禁される「賽は投げられた」ルートでの中心人物。BAWS第二工廠含め各地で襲ってきていた所属不明機体も、彼女(?)が送り込んでいたものであることが判明する。主人公が関わる事のない1周目・2周目の世界でも、濁り水はゆっくりと流れていたのである。
    • 実は1周目・2周目の世界だと彼女のコーラルリリース計画は失敗に終わっている。
    • メタ的にはそもそも1周目・2周目の世界ではオールマインドは暗躍などしておらず、ただの傭兵支援プログラムでしかなかったという見方もある。が、そうなると上記で触れた所属不明機が本当に所属不明になってしまうため、単に失敗しているものと思われる。
      • ただし3周目の「ザイレム制御修正」においてこの依頼を失敗するとレイヴンの火ルートと同じ状況になるが、オールマインドは負け惜しみかは定かではないが「次の機会は有る」としてミッションはここで終わる。実際アイビスの火で燃やし尽くしたはずのコーラルは復活している。もしかするとオールマインドは増えるに必要な最低限のコーラルをどこかに保管しているのかもしれない。
    • また、RaDの技術奪取のどさくさに紛れて、621をリリース計画の危険因子として処理しようとしていた。トリガーをイグアスにするつもりだったのかは知らないが下手すればリリース計画が破綻しかねない動きなのだが代案はあったのだろうか。
      • 普通に進めていたら2周目の時点でデータ取りは十分にできていたはずなので、621もイグアスも倒してしまいさえすれば取り込んで統合できると考えたのかもしれない。
  • 「取り込む」の意味すること
    • オールマインドは直訳で「すべての心」といったところ。彼女に取り込まれたイグアス曰く「大勢いる」とのこと。レイヴンに殺害された「残りカス」の多くがオールマインドに統合されているらしく、どうやら強化人間の意識は死後オールマインドに取り込まれる可能性がかなり高いようだ。
    • オールマインドはアリーナにて「インテグレーションプログラム」を実行し、戦闘技能やデータを「取り込んで」いる。これは文字通りの意味であり、実際に死んだ人間の意思や思想を取り込んでいるわけではなく、データとして回収して構築していると言った方が正しい。
      • インテグレーション(Integration)とは、異なる複数のものを組み合わせること、すなわち「まとめること」を意味する。戦闘データを統合し続け、ある種の集合知として再出力する。まさしく「取り込む」という言葉を体現している。
      • イグアスが放つ「教えてくれよ どれだけ殺すつもりだ…?」というセリフをよく聞くと、複数の声が重なった音声であることがわかる。イグアスの後ろにある声は、このルートでは姿を見せないラスティの声に酷似している……。
        • この声が取り込まれたラスティであった場合、ラスティはオールマインドにデータを取り込まれる程度に注目されており、さらに621が眠っていた間に被撃破=死亡していることになる。ザイレムが飛行中なので撃墜するためルビコン解放者ルートと同様にスティールヘイズ・オルトゥスで出撃してきてウォルターのHALに落とされたのだろうか?
      • 昨今(2023年9月時点)話題となっている生成AIなども実は同じことをしている。おびただしい数の情報を学習し、それによって最適化したものをプログラムから出力する。そうして出来たのがマインドαなどの実験機体なのだろう。
      • 強化人間のように「知覚を拡張してACを第2の肉体として認識できるようになった」者達であればAC操作の際の情報の出入力も多くなるため、オールマインド視点では常人よりも強化人間の方が解像度の高いデータを取得できると考えられる。
      • 621が「ウォッチポイント襲撃」でコーラルの中に意識が散逸する前に目覚めるようエアに促されたことから、コーラル技術を使用した旧世代型強化人間については意識をそのまま取り込んでいるのかもしれない。そうであればアリーナにおけるスッラ(彼のデータと対戦出来る段階で彼本人は死亡している)との対戦時にアナウンスに不自然なノイズが発生するのも本人の意識が取り込まれている故と説明はつけられなくもない。
        • オールマインドが「コーラル上の情報にアクセスできる」かは確定していない(直接コーラルにアクセスできるならエアと621に頼る必要自体ない)。強化人間もインテグレーションプログラムを実行させてデータ取りを行いアリーナ用に「スッラのようなもの」を出力したが、イグアスと同じように再現人格の我が強くノイズ混じりになったとも取れる。
    • 最終目的の達成を狙うにあたり、オールマインドはリリースを見届けようと熱圏ステーションに現れた621に対し「あなたの役目は終わった」と宣言して攻撃を仕掛け、戦闘中には「計画達成のために取り込ませてもらう」とも言っているが、この行為にどのような意味があるのか考えるとかなりの謎である。
      • なにせリリースルートの621はオールマインドの言葉に従って「安全な場所での保護」のため大人しく休眠状態に入り、一度その手中に収まっているのである。肉体的な殺害やデータ解析によって一方的に取り込めるなら、この段階でやりたい放題のはずだが、休眠中に621がナニカサレタ様子はない。
      • 「621本人やエアの意思による合意が必要条件なので、無意識な休眠中には取り込めない」と仮定しても、拒絶され襲いかかるならともかく、その前に説明や説得、あるいは嘘でも引き込むための交渉などを一切発していないのは不自然である。これはエアに対しても同様。
      • 自発意志や合意が必要なら、戦闘で撃破して無理矢理に取り込もうとしたラストミッションの行為がそもそも成立しない。
      • 戦力として温存するため休眠させておいたと考えても、イグアスのように取り込んでからACを操作させ戦力にすることはできたはずなので、やはり「休眠させ、休眠中に手を出さなかった」ことが謎になる。
  • 特別な強化人間リストについての謎
    • 作中オールマインドが提示する特別な強化人間と思しき人物へ赤字でマークされたリストを提示するのだが、そこには第1世代(スッラ)、第2世代にマーキングはなく(これはオキーフが該当していたろうが彼はコーラル代替技術である第9世代再手術を受けたので恐らくマークが外されている)、第3世代に一人、第4世代に621とイグアスだろう番号にマークがされている。なぜか条件の内にあるであろう第5、6世代はリストの提示がなく(同時に該当人物もいない)、また第3世代もマークがされていることから重要人物のはずなのだが作中においては第3世代に該当する人物がいない。
    • 交信していた人物としてドルマヤンが挙げられるが、ルビコン解放戦線はその面々が一人の密偵を除いてルビコニアンで、企業内のように強化人間手術を受けている節がないので根拠が薄い。この第3世代に当たる人物が誰であるかは全く情報がないため候補を挙げることすら困難である。
      • とは言え技研の倫理観ガバガバ具合から考えれば適当な現地民を攫って強化人間実験に用いていて、その内の一人が若かりし頃のドルヤマンであると言う可能性はゼロでは無いのだろうが。
    • 主要人物の誰かと仮定すると、ラスティ、先代レイヴンなどが考えられるが、前者は自己申告によれば第8世代なので該当しない。人格もかなり安定していて、耳鳴りなど旧世代を示唆する描写もない。強化世代を偽っているなら体調を管理しているアーキバスでさえ騙されていることになり、かなり大規模な隠蔽工作を含む話となるはずだが、劇中にそうした話は出てこない。では先代レイヴンかというと、こちらはあまりにも謎が多いため手がかりすら無い。
      • 同じく可能性は薄いがオーネスト・ブルートゥの破綻した人格が、強化人間技術初期の「不安定な世代の強化人間施術」の代償と考えるのであれば無くもなさそうだが。
      • 同様に人格が破綻している借金王ノーザークも怪しいと言えば怪しく、ログハント対象の『金ランク』である上に討伐報奨金が設定されていたりと只のクズ扱いではない。
+ 余談
とても細い線だと、撃破時にオペレーターが反撃を促すもそうせずそのまま倒れたことにオペレーターは息を詰まらせ「そう……見届けようというのね。この翼が、彼らをどこに運ぶのかを」と名実ともに「レイヴン」は621へと継承される。普通ならばこのセリフの「彼ら」はハンドラーウォルターと621なのだが、オペレーターは最初に621を「ハンドラーの走狗」と形容しており、ウォルターと621の関係自体に否定的なためセットに扱うとは考えにくい。もしこのセリフが、寡黙な「レイヴン」が最後の通信でオペレーターにエアの声が聞こえていてそれを見届けようということであれば「彼ら」は621とエアなのかもしれない。
  • 「ゴースト」に関する謎
    • オールマインドが運用するステルス無人機ゴースト(攻略本によると型番はIA-27で、技研系MTの可能性が極めて高い)はルビコン各所で暗躍し情報収集を行っており、621が直接交戦する以外にもステージ上でログデータを持った残骸として遭遇することが多い。この中には「データ暗号化を『何者かが解除した』状態」のものがあり、その暗号データ中のコメントはオールマインド自身によるメモ的なものだと思われる。これに該当するのは「観測データ:変異波形反応・見えない領域・強制執行システム」の三つだが、その中で「観測データ:見えない領域」のみ「誰がゴーストを破壊してデータの暗号化を解除したのか」がはっきりしない。
      • 他の二つはウォッチポイント・デルタと地中探査-深度3というそれぞれ封鎖機構のお膝元ステージに存在することから、ゴースト撃破も暗号化を解除したのも封鎖機構とそのAIであろうと推測はできる。
      • しかし観測データ:見えない領域のログを持つ残骸が存在するのは「オーネスト・ブルートゥ排除」でジャンカー・コヨーテスがたむろしているグリッド012の崩壊部分なのである。残骸自体も凄まじく変な場所にあるのだが、他のログと同じように潜入中に破壊されたゴーストが拠点を支配する勢力にデータ暗号化を解除されたと考えようにも、ラミーに蹴散らされる程度のお間抜け集団コヨーテスにそれが可能とは考えづらい。
      • またデータの内容も奇妙なものである。ウォッチポイントの残骸は変異波形、深度3では強制執行システムとそれぞれステージに深く関わる情報が含まれているが、汚染区域のグリッド012で発見されたゴースト残骸のログには「中央氷原の観測不能領域」のことが書かれている。なぜこのゴーストは(同じ大陸ではあるが)グリッド012とは無関係の情報を抱えていたのだろうか。
      • オールマインドの手駒であるゴーストが、なぜグリッド012などというコーラルには直接繋がらなさそうな場所に潜入していたのかも謎である。カーラが作りブルートゥが奪ったレールキャノンに興味を持って調査に来た可能性もなくはないが、レールキャノンの存在はブルートゥ排除のブリーフィングまで明らかになっていない情報なので微妙なところ。
      • 最もグリッド012にはブルートゥ含めてログハント対象が五つも存在しているので、何らかの「ゲーム本編には関わらない秘密」があるのかもしれず、暗号化解除も「ブルートゥがハッキングの達人である」可能性を否定しきれない。少なくともカーラとチャティの目を盗んでレールキャノン等と言う、コッソリ運び出すには無理がある物品を抱えてグリッド間を移動する手腕の持ち主ではあるのだから。
  • コーラル輸送阻止の謎
    • チャプター3で海越えを果たした621達は突如、エンゲブレヒト坑道旧時代情報探索ミッションが選択ミッションになる形でこのコーラル輸送阻止がオールマインドより依頼される。内容としては企業に持ち逃げされるコーラルを計画の阻害因子になりそうだから撃墜して欲しいとのことだが、なぜこんなミッションをオールマインドは依頼したのか。グラフがおかしい、そもそもグラフが間違ってるは言わない
      • 額面通りに受け取るならほんとに計画の邪魔になるからだがそこは置いておくとして、一説によると母体から離れたコーラルの繁殖行為を阻止するためとも言われている。ちなみにだがこのミッション、実はヘリの他にコーラル貯蔵タンクがあり、それを破壊すると追加報酬が貰えたりする。壊さなくていいのかこれ
      • あるいは旧坑道に行ってほしくはない裏の理由でもあったのだろうか。旧時代の情報の中に知られたくない何かがあったのか?
      • ブリーフィングの説明を素直に受け取ると、企業に十分な量のコーラル試料が送られて「コーラル研究解析の進展」がなされてしまうことを問題視しているようだ。解析が進んだ結果バスキュラープラントを建造中止するような流れが起きないようにサンプル輸送を妨害したのではないか。つまり企業にはコーラルはあくまで燃えるとちょっと危険だけど超絶便利な燃料資源だと思ったままでいて欲しいということ。解析で技研のナガイ教授と同様の結論コーラル破綻で宇宙ヤバイに行き着いたら流石に利益追求最優先の企業でもバスキュラープラント建設は二の足を踏むだろう。しかしこの説明だと、どの周回でもバスキュラ―プラントは増設されているので、もう少し違った理由があるのかも知れない。
        • 複数周回で開放されるミッションは「同じようなイベントが開放前の周でも起きていた」傾向がある(解放戦線の捕虜救出とG2ナイルの死亡は621が参加しなくても発生している)。これはオールマインドから暗号化通信で来た直接依頼なので、他の周回ではケイトが本気出して全機撃墜するのが既定路線だったが、賽投げルートに入った場合は621と交信しているコーラル(エア)に「コーラルの同胞を犠牲にしてでもリリース計画に関わりたいのか」を問い、共犯者にさせる踏み絵としてわざとヘリの大半を621達に破壊させた、とも考えられなくはない。
  • 最後の機体と動力源
    • 3周目、ラスボスにしてオールマインドが全ての集積した技術の集大成として出してきた機体、機体名はなくただALLMINDとして記載され機体自体はエアがボスを務めたIB07-SOL644を黒く塗り巨大化したような機体で起動時、青い粒子が僅かに紫に光る。この機体、でかい図体の割にエアと似たように高速機動が可能だがSOL644のように質量を持った残像機体の形をしたコーラルを複数操って攻撃してくるような異常さは無い。
      • エアのSOL644は技研都市のCEL240と同じく「鳥のような飛行形態に変形可能」だが、オールマインド(イグアス)のこの機体は高速移動こそ行うものの変形はしない。ジェネレータにコーラルを使っていない疑惑も合わせてルビコンのどこかで発掘回収したアイビスシリーズを改造した機体なのだろうか。
    • 機体からコーラル反応があれば真っ先にエアが感知しているはずだが、動力源は今作のカラサワこととんでもびっくり銃KRSVのENとプラズマを合わせた新世代型ジェネレータだろうか?
      • 未使用データらしき字幕には「極限状態における人間の脳波は統合することでコーラルの近似となる」と書かれているまさかの謎オカルトパワー。イグアスがエアのECHOや随伴機を吹っ飛ばしたのも「疑似コーラル化した脳波で干渉したから」ということか。つまりカミーユの「ここからいなくなれ!」
    • もう一つの可能性として、技研都市の地下深くにはミールワームが自生していたがこのミールワーム、コーラルを主食にしているはずなのだが体色は青緑色に発光しており興奮すると、コーラル反応を起こして自爆する。長い年月蓄積したコーラルは色を変化させるのだろうか?その場合、オールマインドの機体の発光も同色で、図体もでかい機体でありながらアイビスシリーズと同じ高速機動ができるほどのエネルギー源としては妥当である。
      • そもそもコーラルリリースを目指すオールマインドにとって、コーラルの損失は望ましいことではない事が輸送阻止ミッションでの発言から明らかになっている。であればコーラルを動力源として扱うのは、彼女にとって忌避すべき行為である可能性が高い。コーラルジェネレーターを使用していたドルマヤンに対し「ルビコニアンの言う共生はコーラルの抑圧と搾取に過ぎない」と断言した部分からもそれは窺える。命運を決する戦いでも、コーラルを武器として扱うことは出来なかったのではないだろうか。
      • 一方で母集団から離れたコーラルは切り捨てるしかないともオールマインドは発言している。武装採掘艦護衛でC兵器を手駒にしていた疑惑もあり、兵器に加工済みのコーラルは既に切り捨て対象な可能性は大いにある。
  • オールマインドがエアという名前を知っていたことについて
    • Cパルス変異波形と強化人間を交信するためにウォッチポイントを襲撃したと思われるオールマインドだが、結果的に621とCパルス変異波形が交信したことは分かっても「エア」という名前を知る機会は無い。
      • 621とエアの交信を盗聴していた可能性があるものの、交信は喋る必要があるだろうか。そうであれば621はウォルターから独り言を言っていると見做されることもあるだろうが、そういった場面は無い。
    • オールマインドもCパルス変異波形だという説がある。
      • AIのチャティが抑揚のない音声なのに対し、オールマインドは時折感情によって抑揚のある喋り方になる。特に戦闘中にイグアスへ話しかけている際のオールマインドは、普段のAI然とした話し方とは違い人間的である。
      • AIとCパルス変異波形はどちらもネットワークに繋がった電子機器を操作出来る。ただし、Cパルス変異波は存在を信号として検出こそできるが、なぜかモニターやスピーカーといったマンマシンインターフェースを操作して声や文章を出力する事を一切行っていない。ここは普通にメッセージ通信を入れてくるオールマインドと異なっている。
      • なおCパルス変異波形同士なら知覚可能かについては、エアが他のCパルス変異波形を知覚していないため定かではない。
    • G5 イグアスは耳鳴りという形でエアの声が一方的に聞こえておりオールマインドに取り込まれて以降も耳鳴りが続いている。先に取り込んだスッラなどの強化人間を利用する形で621とエアのやり取りを部分的に傍受できていた可能性はある。ただし、イグアス同様スッラにとっても耳鳴りとしか聞こえないとも考えられる。
+ オールマインドの正体に関する仮説の一覧
  • オールマインドの正体に関する仮説の一覧(本編に描写が無いので憶測に近いもの)
    • セリア説
      • ルビコンの火から半世紀以上経っているため、大規模な傭兵運営システムの構築が出来たことや、技研製パーツを提供すること、コーラルリリース計画を知っていて事前に準備をしていたことなどの説明が可能になる
      • 一方で「オールマインドがセリア=Cパルス変異波形であるなら、何故第3条件としてエアを取り込む必要があったのか」「コーラルリリースでのエアに対する『あなたの同胞も我々を受け入れるでしょう』という発言に違和感が生じる(彼女自身がCパルス変異波形なら『あなたの同胞』ではなく『我々の同胞』と言うのでは?)」などの疑問点が残されている。
      • Cパルス変異波形が「コーラルに依存しない情報媒体に移行できる」のであればセリアを原型とした波形が機械ハードウェア上で走るAI的存在になった、と考えられなくもないが作中でそのような描写がないので実行可能か不明(賽は投げられたエンドもどういう状況なのか不明瞭)。ただこの場合、機械的ハードウェアに宿った変異波形は「コーラルに依存していない」がために集積コーラルへのアクセス能力を持たず別の変異波形が必要になるという説明はつけられる。
    • 技研AI説
      • セリアはコーラルリリースを手掛かりとして掴んでおり、すなわちそれ以前から計画が存在していたことや強化人間を必須条件とするなど計画そのものに第1助手の関与が疑われることを根拠とするもの。技研製パーツの提供やC兵器を保持していた理由付けにはなる。
      • また、オールマインドの発言(特にミッション「コーラルリリース」での発言)は、彼女が人間でもコーラル(Cパルス変異波形)でもない可能性を匂わせている。AIであれば、その可能性とも整合性がとれる。
      • 一方で、「技研が旧作の管理者のようなAIを作っていたことを窺わせる情報が見当たらない」「コーラルによる破綻に備えてアイビスシリーズを用意していた技研が、同時にコーラルリリースを推進するAIを開発した理由が不明」「技研(人間の集団)が開発したAIにしては、人間よりもコーラル側に寄った発言が多いのは何故なのか」「AIがCパルス変異波形であるエアの存在を、名前込みで認識できるのだろうか」などの疑問点もある。
      • 上記の理由から技研製AIというよりカーラにとってのチャティのように精神混濁に陥った第1助手が個人で製造したAIが暴走していると見る説でもある。
    • 人造コーラル説
      • コーラルはおそらくサンゴ(の英語)を元にしたと考えられるが、サンゴには造礁性、非造礁性のものがある。非造礁性の赤サンゴは古来より宝石として取引されてきた(ルビコン川があるイタリアも赤サンゴの輸出を行っていた)。一方で造礁性サンゴは宝石としては使われないが、ブラックライトを当てると緑の蛍光色に光る(体内に共生する藻が原因)。つまり元ネタ的には赤のコーラル、緑のコーラルどちらも存在する。
      • 造礁性、非造礁性の違いは共生関係にある藻の有無である。非造礁性のサンゴは藻を持たない。一方で造礁性のサンゴは藻を持つ。
      • オールマインドが人造コーラルの中から生まれた人格、つまり「コーラル(Cパルス変異波形)に近い存在だが、コーラルそのものではない」存在、言うなれば疑似Cパルス変異波形なのだと仮定すれば、独力でコーラルリリースを起こせないことにも、イグアスたちを取り込めたことにも説明がつく。コーラルそのものではないからこそ、リリースの”号令役”にはなれないので代役としてエアを求め、コーラルに近い能力でイグアスたちを取り込んだのだろう。もしかするとオールマインドに登録した時点で、「死後、その人格がオールマインドに吸収される」という契約書にサインしている状態となるのかもしれない。
        • 人造コーラルというものの存在を仮定するなら、作ったのはやはり技研だろう。特に、技研製の武器であるMOONLIGHTにはML-REDSHIFTという何から何まで酷似したコーラル属性武器があり、AURORAのエネルギー波のエフェクトはNGI 006(コーラルミサイル)のものに酷似している。しかもどちらもオールマインドの機体と同じく、緑色の光を放っている。もしかするとこれらの武器には、人造コーラルが用いられているのかもしれない。またこれらに比べると少し無理があるかもしれないが、 技研製コーラル照射装置のWLT 011とオールマインド製のKRSVには、どちらも二段階チャージ機能があるという共通点がある。ひょっとしたら設計の参考にでもしたのかもしれない。
        • エアが「Cパルス変異波形」と呼称されるように、Cパルス=コーラルのパルスではなく、オールマインドはパルス技術で再現された「パルス変異波形」とでもいうべき存在なのかもしれない。
        • 彼女の存在について口述するものがないのは、ひょっとすると、彼女の母胎となった人造コーラルを作ったであろう技研にとってさえ、彼女が生まれることは想定外だったからなのかもしれない。技研関係者のウォルターが621の説明を「幻聴」としか判断せず、カーラもそこについて特に何も言わなかった=二人揃ってエア(Cパルス変異波形)の存在を事前には全く察していなかった以上、技研は変異波形が生じるという事まではわかっていたが、Cパルス変異波形というものの存在がどのようなものだったかを突き止めていなかったと判断するのが妥当である。この仮定が正しいとするなら、技研は恐らく「たまたま人造コーラルを作っただけ」で、誰も「そこからさらに、疑似Cパルス変異波形なんてもんが生まれる」とはそもそも思えなかったのだろう。
        • そして、技研関係者が意図せずして生み落とし、誰からも存在を知られなかった「コーラルもどき」が彼女で、彼女自身がその出自に孤独感とコンプレックスを抱いていたなら、その行動原理にも察しが付く。創造主たちの仮説を実現してみせることで己の存在意義を証明し(あるいはリリースによって自分もコーラルの中に融け込み、コーラルの中に散逸しているかもしれない創造主たちと邂逅し、自分を認めてほしかったのか?)、オリジナルとなったコーラル=エアを支配下において自分のコンプレックスを乗り越えたかったのだろう。
        • ケイト・マークソンのときのように自分で戦わず、我が強く下手をすれば裏切られるかもしれない(というか実際そうなった)イグアスをわざわざ前面に出して最終決戦に臨んだのは、誰かへのコンプレックスという一点で彼と馬が合い、そして何より621の……自分の存在を認めてくれた友人のオペレーターとして戦うエアと、「同じ土俵で戦って勝つ=自分の優位性を完全な形で証明する」ことが目的だったのかもしれない。つまり、彼女はエアに嫉妬していたのではないだろうか。自分と似ているくせに、自分と違って偽物じゃなくて、自分と違ってひとりじゃないエアに。まさしく、イグアスが621に対してそうだったように。
    • セリアが急場で作った人工知能(転写データ)だよ説
      • これは、ドルマヤンに対する辛辣な対応を補完する説である。あとポンコツ具合についても推測に推測を重ねる形にはなるが、アイビスの火の原因となったコーラルの異常集約と相転移の兆候がセリアによってもたらされた場合。
        • 協力者を失ったセリアは、しかし賽を投げさえすれば後は流れに任せられると考えたか、コーラルリリースを発動させようとする。しかし論文を読んだだけだったため、準備の段階でさっさと技研に気付かれてしまい、48時間もの時間を与えてしまう事になり、結果としてリリースは失敗に終わる。コーラルリリース計画の内容から察するに、そもそもアイビスの火が生じた時点はコーラルが枯渇しつつあった時期(ミッション:脱出 冒頭のウォルターが提示したグラフより)であり第一段階の集約が一番難しかったのではないだろうか。お前このころからポンコツかよ/頑張ってバスキュラープラントにコーラルを集めて増殖させようとしたものの、なかなか集まらなかったと考えられる。もしくは賛同してもらえると信じていたドルマヤンに拒絶されていっぱいいっぱいになってしまってたのかもしれない。それで大惨事になった上にセリアを間接的に殺してしまったドルマヤンの気持ちは察して余りある。「全ては消えゆく余燼に過ぎないのだ」とか言って全部投げ出したとしても別に不思議ではない。
        • しかもナガイ教授の口述筆記から察するに、その際変異波形である自分もバレてしまっているようだ。コーラルリリースはトリガーとなる変異波形を中心にコーラルに指向性を与え、増大したコーラルを高密度に圧縮したエネルギーを使って、一斉に解き放つもの(Cルートのブラックホールのような描写。超新星爆発のような仕組みに見える)。
        • このままでは焼き尽くされて失敗する事を技研の動きから察したセリアは、コーラルとは別のエネルギー(EN兵器に使われるようなエネルギー)に自分の波形を転写させ、技研のAIに偽装して惑星封鎖機構のサーバーに放出したのではないだろうか。しかし転写した所でデータの柔軟性はコーラルに遥かに劣り、能力も低かった。手元にあった情報は「あれだけ気遣うようなフリをしてたくせに結局都合のいいエネルギーとしか私たちを見てなかったのねドルマヤンの裏切り者」、っていう恨み節とコーラルリリース計画の進め方、そしてコーラルリリース計画の素晴らしさ、つまり生きる目的。
        • ドルマヤンを通してルビコニアンをくさした時、まるで自分がコーラル側であるような言動をするのは、セリアの転写データだから。とはいえ数段劣る電気データとしての自分では、コーラルに指向性を与えることができないので、変異波形として発生したエアをトリガーにしようとした。
        • ぶっちゃけそうするとお前自分が住んでいるAMサーバー コーラルに乗っ取られるんじゃね?とか思うが、ただただポンコツなのかコーラルに自分を再転写する仕組みを開発してあるか(現状でやらないのは多分セリアのデータ容量的に輸送機何十機分何百機分みたいな莫大なコーラルが必要だから)、それともAIであるため、命題を満たすことこそ至上としているか・・・。後者の場合エアを排除する理由がないので、前者の転写に莫大な容量が必要だが、再転写する技術はある、と考える方が自然か。
        • 人格を持つ波形データの転写であるため最初っから自我を持って生まれたものの、そもそも規格外品に収められてしまったためコンフリクトが多く、結果ミスも多い。
        • さらには存在が発覚すれば封鎖機構にエラーとして削除されてしまったりコーラルに近づけなくなったり、改変されたりしてしまう可能性も想定するならば、表舞台に立てない理由もわかる。惑星封鎖機構の封鎖が緩んで、各企業が思い思いに動き回るようになった621の密航後だからこそ、表舞台に多少出られるようになった(不特定な損害を621などの密航者のせいに出来るようになった)。
        • そうはいっても依然として目立ったら危ない立場にいたため、基本的にタグ付けされていない無人機を派遣したり依頼の形で間接的に対応させたりと、裏方仕事をしていたのではないだろうか。
        • この説の場合、基本的にAMの動きは縛りプレイに縛りプレイを重ねているのですぐ詰むし不測の事態に陥りやすい。特にオーバーシアーの面々が生きている段階でコーラルを燃やす方向にどんどんルートが進んでいってしまうため高確率で無理ゲー(Cルートはその無理ゲーを621というワイルドカードで逆に無理矢理実行した)。
  • ルビコン調査技研との関係
    • オールマインドの正体が「何」なのかは脇に置いて、劇中の活動から彼女はルビコン調査技研に関連する情報や機器について、技研関係者が設立したオーバーシアーよりも詳しく把握している節がある。列挙すると以下の通り。
      • コーラルリリース計画:
        • 技研の論文が大元なのは言わずもがな。
      • アイビスシリーズを含むC兵器群:
        • IB-07 SOL644の黒い独自改修機(非コーラルジェネレータ仕様?)、シースパイダー独自改修機(左に同じ)、二脚MT型C兵器にヘリアンサス型自律破砕機はすべてルビコン調査技研が大元。エアに乗っ取られたがエフェメラのコーラル武器満載仕様なども保持していた。
          半世紀前に技研都市を確保した惑星封鎖機構がシースパイダーやアイスワーム、エフェメラをそのまま現物利用しているにすぎない事からすると、オールマインドは技研しか運用していなかったはずのコーラル利用機材に詳しすぎる。
      • ルビコン調査技研絡みの兵器・機材:
        • アリーナやログハント等で「製造元が既に存在していないはずの技研製品」を独立傭兵に提供できる時点でまずおかしい。どっから出してきたそのコーラルジェネレータ。
        • オールマインドが初期から多用するゴースト(ステルスMT)は「(技研が建設したことになっている)洋上都市ザイレムで侵入者排除のため出てきた抗原MT」に酷似しており、この機体をベースにしたものである可能性が高い。
          ゴーストは特典デジタルアートブックで「背景がルビコン調査技研のエンブレム」のページにシースパイダーやザイレム防衛無人機と一緒に描かれており、開発が技研絡みなのは間違いないだろう。
        • ウォッチポイント・アルファ各層に配備されている角張った無人二脚MT(深度3の原子炉内にいた上位機種含めて)は同型機が技研都市でも稼働しており、元は技研の無人MTだったものを封鎖機構が鹵獲またはリバースエンジニアリングして運用しているのかもしれない。技研都市でこのMT群と交戦していた元G3五花海は「技研のガラクタ」と表現しており、封鎖機構の製品ではないと認識しているようだ。
          失踪ミッションの際にこの無人MT群はオールマインドに制御を乗っ取られている。制御していたであろう強制執行システムが破壊されたとはいえ、惑星封鎖機構がウォッチポイントでのみ使っていて表に出していない(他勢力にとっては未知のはずの)機材をそう簡単に乗っ取れるものだろうか?
    • 仮にAIや意識を機械に転写した何者かがオールマインドの元になったと考えた場合でも、ここまでルビコン調査技研に紐付く情報が揃っていると「ルビコン外で成立した存在がコーラルに目を付けた」と考えるのは難しいものがある。
    • エアがエフェメラを奪ってすぐにステーション31に到着できたことや、リリース計画発動時に間髪入れずC兵器群を投入できたことから、オールマインドはルビコン3上のどこかに「調査技研の製造施設や倉庫」を最低でもひとつは確保隠匿しており、そこでゴーストや技研製品の製造、加えてC兵器の研究開発と独自仕様への改修を行っていたのではないだろうか。
  • 組織構成員、生産工場の謎
    • オールマインド製の機体パーツ、武器、ステルス機体の存在から、どこかにこれらの生産整備を担っている工場があるはずなのだが、作中にそれを示唆する存在はまるで出てこない。一体どこから機体や武器を生産しているのだろうか。
      • レーザーオービット45-091 ORBTの説明には「オールマインドの神経工学部門」という言及があるため、少なくとも対外的には人間が役割分担して働く部署を持つ組織と認知されているのが判る。これが偽装工作なのか、本当に「オールマインドちゃん」を経営者として、事情を知らない人間を傭兵支援組織として雇用したオールマインド(株)みたいな集団がいるのかは不明。
      • 有人組織の部分が小規模な研究試作工場を所有していたり、ドーザーなどに発注をかけたパーツを組み立てている可能性もあるが、明示的な情報は無い。
      • AMオリジナルのフレームや武器はそういった外注も込みの手法で製造していそうだが、ルビコンのどこかに「表向きオールマインドと関係ないはず」のステルスMTなどを作る隠し施設を隠し持っていたのかもしれない。
      • ルビコン謹製の技研アイテムはともかく、それ以外のオールマインド製品は星系外で製造したものをこっそり密輸していたりするのではないか。
      • ザイレム抗原機体とゴーストは外見や機能がそっくりであり、実はザイレムがオールマインドの本拠地だったりしたら大笑いなのだが、オールマインドに「誰にも手が出せない場所で保護」されていたはずの621が目を覚ましたのは飛行中のザイレム艦上ど真ん中であり、「奪われた制御を取り返せ」という言動などから本当にザイレムだった可能性も無くはないおうちをハッキングされ宇宙に飛ばされ慌てて621を叩き起こしたオールドンマイちゃんになってしまうが
        • 攻略本のミッション攻略情報から、似ているどころではなく「データ上もゴーストと抗原機体は同一」なのが判明した(ザイレムの抗原機体はプラズマ鞭を持った近接型IA-27)。ステルス機能もこの抗原機体が元から持っていたものだと考えられる。
        • 仮にザイレムがオールマインドの重要拠点だった場合、そりゃ1周目2周目で出てこないわけである。かたや惑星ごと大炎上の火元、かたや強制墜落の憂き目に遭っており、中の有形無形の資産はお釈迦になっている可能性が高い。とはいえザイレム制御修正の際の台詞から他にも拠点はありそうだが。
    • 惑星封鎖機構LCの狙撃銃とゴーストの狙撃銃が似ているとして封鎖機構との繋がりを推測する向きもあったが、特典のデジタルアートブックで確認できるLCの右手武器とゴーストの右手武器はまったく別物で、おそらく無関係。
    • インテグレーションプログラムの文面では、通信の時の丁寧口調とは違った文体で「この機体は壊しておくべきだ」とった文章が見られるため、通信に現れるオールマインドとは別の何者かの存在を仮定する仮説もある。
      • ただし、通信時との違いは文体だけであり、通信上のオールマインドも独白に相当する台詞では丁寧語を使わない事があるため、文体の差が他勢力との繋がりや第三者の存在を明示する証拠とはならない。
      • アリーナ制覇時のメッセージや、賽は投げられたルート最終戦中、隠しボイスなどでは情動を思わせる声音の変化が見られるため、通信における無感情な丁寧語はビジネスライクな使い分けに過ぎず、機械的に固定された性質という訳では無い模様。ケイト・マークソンがオールマインドの演技だと見た場合でも、語調などを使い分ける程度の嘘は容易につけるようである。なら声質も変調とかボイスチェンジャーとか使いなさいよって話だが…
    • 惑星封鎖機構とオールマインドが裏で繋がっているという陰謀論もあるが、所属不明機体から回収できるログから分かるように、オールマインド側は惑星封鎖機構の動向を把握できていない上、Chapter3までは惑星封鎖機構一強、かつウォッチポイント・アルファの場所も知っていて情報もコーラルも独占状態という有利極まる状況を少しも利用していない点が不自然となる。そもそもオールマインドとしては封鎖を維持する意味がないため、封鎖機構の存在そのものが無意味な遠回りになってしまう。
    • オールマインドが手駒として動かせるのは隠密用のゴースト(ステルスMT)や少数のC兵器、取り込んだ強化人間が何人かとケイト程度で、バスキュラープラントを自力再建するレベルの生産能力は持っていない様子。逆に言えば、大きな建造能力を持つ企業や組織と直接の連携はしていないという事だろう。
    • 「コーラル輸送阻止」ミッションにおいて輸送ヘリを逃がすとケイト・マークソン(九割方オールマインド当人)が取りこぼしを撃墜していることになっているが、奇妙なことにこのミッションではケイトのACは登場せず「作戦領域を離れたヘリが勝手に炸裂する」描写になっている。マップ範囲外からレーザーもしくはプラズマの火線をつける程度は問題なくできそうなので、この描写は意図的なものの可能性がある。
  • このように物語の中枢をなし、黒幕とも言えるオールマインド。しかし……
+ 以下、与太話
オ ー ル マ イ ン ド ぽ ん こ つ 説
  • 上記考察を丁寧に読んでいくと分かる通り、紐解くにつれてこのオールマインド、次々と抜けた部分が露呈していくのである。
    • 過去作の冷徹な管理AIを知っているユーザーほど身構えるかと思うが、考察が進むにつれどんどんと失態が露呈していくことになる。やがてSNSなどでまことしやかに囁かれ始める。もしかしてこのAI、めちゃくちゃぽんこつなのでは……と。オールドンマイ。
  • 別ルートでの話
    • オールマインドが物語の黒幕として登場するのは3周目、「賽は投げられた」ルートに入ってからのこと。ここまで2つのエンディングを突破してきたプレイヤーが、陰に存在していた真実、本当の陰謀を紐解いていく……という展開のように見えるのだが、そもそも最初の2ルートでのオールマインドは普通にリリース計画に失敗している。
    • その失敗の仕方も、「レイヴンの火」ルートではせっかくアーキバスに集めさせたコーラルを焼き尽くされているし、「ルビコンの解放者」ルートでは計画に必須となる特別な強化人間すべてを取り逃がし、そしてどのルートでもオキーフには裏切られている疑惑があるしで散々なもの。せっかく問題を解決しようとしても全部621に潰されている始末。
      • 結局リリース計画が実行できたのは目の上のたんこぶだった621を味方に引き入れることができた3周目だけであり、残りは計画に気付いてすらいない621のせいで詰んでいるという有様。なぜこれで計画が上手くいくと考えていたのか……。
      • 計画に必須の特別な強化人間だが、プレイヤーの化身たる621はともかく、スッラはチャプター1で必ず退場、オキーフもどのルートでも裏切っているとすれば使えない。残るはG5イグアスのみだが、1周目ではオールマインド製パーツを与えたものの地中探査中の621を待ち伏せして返り討ちにされ、2周目ではベイラム脱走後行方不明になっている。このあたりでオールマインドがやる気を失ってリリース計画を諦めたので1~2周目ではザイレム浮上後もまったく動きが見られないのかもしれない。
  • 様々なポンコツ疑惑
    • そもそもシステムであるオールマインド。情報の漏洩やハッキングなどもってのほかのはずなのだが、アリーナ音声は勝手に書き換えられるし、各地で撃破されたゴーストに情報は置きっぱなしだし、ザイレムに送り込んだモジュールやら手先やらの制御を奪われるし、最後は引き入れたイグアスに制御を乗っ取られる。
      • なお2周目以降限定にはなるがカーラの不正アクセスによって621の登録情報を抜かれてメッセージまで飛ばされている疑惑がある。
      • イグアスの件だけは彼の異様な精神力が成したこととも言えるがそれ以外はオールマインドのやらかしである。ザイレムの制御を奪われた後は621を慌てて起こし「5分で制御奪い返して」という無理難題を押し付けてくる。そもそもザイレムを浮上させるな
      • たしかにこっちにはスーパーハッカー顔負けのエアがいるが、それにしたって普通システム存在がハッキング部分を担当するだろうにまさかの鎮圧担当の力押し、しかもウォルターの言からオーバーシアー抹殺に用いた機体は最終決戦に持ち出してきた黒い決戦機体の疑いがある。(あれは技研の機体……いや!という発言からところどころHALやIB07-SOL644の機体を流用したような機体ゆえにそう思ったのだろう)
      • 手慰みにNESTを解放されANALYSISの秘匿データを盗み見たうえで621とのアリーナデートまで堪能し、「コーラルリリース」ではECHOを持ち出されるなどエアのハッキングをまるで阻止出来ていない。ザイレム突撃阻止の手腕においても物理ハッキングと衛星砲ハッキングで格差を見せつけられており隠し玉であったIB-07:SOL 644を奪われた疑惑まで存在するなど搾取もいい所である。
      • おまけにチャプター3開始時にはANALYSISでウォルターの機体であるHALの所在を掴んでいた(この時はまだ技研都市への内部に進むためのレーザーは残っていたはずなのだが別口のルートかそれとも保管場所が別のところにあったかは謎である。ヘリアンサス型や高速機動MTタンクを調達しストライダーを襲った疑いの具合と言いその手段は判然としない)。だがその機体を研究目的か利用するために残したかは不明だが、壊さなかったためにウォルターたちオーバーシアーへ手に負えない戦力を渡してしまう愚の骨頂となってしまった。本当にシステムかお前。まだ封鎖機構AIのほうが機械的だぞ
    • また情報伝達にも難があり、企業が掌握したコーラルの量を説明するために621にグラフを見せるのだが、全体の1.6%の解説のために円グラフを用意している上にそのグラフも間違っているというやらかしっぷり。グラフの角度を調べた有志によると2.6%になってしまっているらしい。加えてこのミッション、輸送ヘリとは別にコーラルの貯蔵されたタンクがそこかしこにあるのだが、それは破壊しなければならないターゲットにもされずただ追加報酬だけの扱いで別に壊さなくてもクリア可能という始末な上に存在すら気づかずに終わった621も数多いるだろう、おまけに壊して何かセリフを言ってくれるわけでもない。この依頼本当に阻止するべきだったのか
    • 「賽は投げられた」ルートではオキーフ暗殺を依頼してくる。オールマインドが言うには事故として処理する形にするそうだが、この後のミッション失踪の時のペイターの言から事故として処理できずに621の仕業とあっさりバレている。
    • 加えて1、2周目でオキーフに3周目同様に裏切られている可能性が高く、オールマインドの抹殺の常套手段はゴーストによる不意打ちであるのだが、オキーフの頭装備は再スキャンまでの待機時間が短く連発が効くゴースト殺し。つまり不意打ちは遠距離からしか不可能。そしてその頭装備の名前は「MIND ALPHA」。裏切られるわけがないと思っていたからかオールマインドのまさかの墓穴である。
    • オールマインドは組織構成員こそ不明であるものの、協力者は物語中三名はいると見られ、それぞれオキーフ、途中から干渉されたイグアスそしてスッラがいるのだが、一人目は裏切り、二人目は途中まではいいものの最終的に制御不能に、そして一番協力的に見えるスッラなのだが、実はこいつも死に際にウォルターへの助言をしている節が見られるなど体よく利用していて計画には非協力的だったのではないか疑惑がある。(実際流れ的にあり得ないだろうがウォッチポイントを諦め別の手段を模索していた場合、オールマインドはこの時点でほぼ打つ手なしである)これで中身セリアかコピーした存在なら関わった人物全員にNOを突きつけられた哀r愉快なことになってしまう
      • 推測かつ作中で何の言及もないため信憑性は薄いが、ルビコン解放戦線に身を寄せている独立傭兵の六文銭も実はオールマインドの協力者(かつC3世代の特別な強化人間)だったが、解放戦線のツィイーに一宿一飯の恩義で絆されてオールマインドを見限っていたので本筋に関わってこなかった説がある。根拠はマインド系パーツとAM製トンチキ武器の使用のみなので可能性としては弱い。
  • 品番もろ被り問題
    • オールマインドといえば数多くのパーツの生産元でもあり、癖が強いながらも強力なパーツが多い。それ自体は素晴らしい事なのだが、よりにもよってパーツの品番が一部もろ被りしている。
    • 問題となっているのは肩武装、JVLN BETAとORBT。全く性質の異なるパーツなのだが、品番は両方とも「45-091」となってしまっている。
      • 品番は商品管理のために絶対必要なもので、数多くのパーツを管理しパーツショップも運営するオールマインドからすれば、在庫管理のためにも絶対に必要なものであるはず。それがもろ被りしているというのは、商品管理はどうなってしまっているのだろうか……。
  • 隠す気ゼロのケイト
    • オールマインドと深い関わりがあるとされている独立傭兵ケイト・マークソン。一体何者なのか……などと疑問に思う余地はほとんどなく、声は同じだし機体はMIND ALPHAだしエンブレムのシルエットもそれっぽいしで露骨に隠せてない
    • コーラル輸送阻止ではエリア外で621の撃ち漏らしを処理しているとのことだが、5機逃して処理させるとミッションクリア時にケイトから「退屈しない作戦でした」という嫌味のメッセージが入る。この時、なぜかオールマインドが621に話しかけてきた上でその要件を中断し、「ケイトからの伝言」として伝え始めるため、わざわざ嫌味を言おうとしたがケイトの演技をし忘れたので慌てて取り繕ったドジっ娘のようにも見えてしまう。何か意図があったとしても「気付いて欲しがっている」みたいに見えるため、抜けたイメージを持たれやすい。
      • プレイヤーがわざと5機まとめて見逃したならともかく、断続的に1機ずつ取り逃がした場合、落とすのはそんなに難しくないだろ…と操縦の腕前を心配されたりもしている。
    • そもそもオールマインドの計画は秘密裏に行われているものであり、どのような形であれ計画が露呈することは避けたかったはず。ケイトという存在は3周目まで登場しないのでここはうまく隠せていた…と思いきやBAWS第2工廠のMTにはきっちり撮影までされてしまっている。もう少し慎みを覚えるべきである。
  • AIにしては単純なミスが目立ちすぎ、Cパルス変異波形にしてはエアと比べて電子戦に弱すぎるなど彼女?の縦横無尽な活躍にはオールマインドの正体を巡る考察勢達も頭を悩ませている。これで1、2周目に動いていなければ隠された黒幕、条件が揃わなかったから静観していただけと一応の黒幕の面目を保てたのだが、グリッド135大豊部隊殲滅での隠しゴースト、BAWS第2工廠、イグアスへの干渉としっかり動いている形跡があるため中途半端に臭わせているのが逆に残念感を醸し出してしまった。
  • アリーナといい隠されたシステムネストといい初代ACのレイヴンズネストを彷彿とさせる存在なのにこの間抜けっぷりを見ると、むしろハスラー・ワンが修正しに来るレベルである。こんな有様なのに人外であることだけはほぼ確定ってどういうことだよ…
  • 信じられないことにこれ以外にもやらかしはわんさかと出てくる。物語の理解を深めるための考察のはずが、現在は他にどんなやらかしをしているのかと探し回る人さえ現れている始末。新たな視点で見直されていくオールマインドの未来はどっちだ。
  • 一応彼女?の名誉(…?)のために書いておくと、人間臭くポンコツで残念でしかもそれが天然なAIというのは完璧なAIよりもはるかに作るのが難しいと考えられるため、そういう意味では本作に登場するAIの中でぶっちぎりの完成度を誇るのは間違いなくオールマインドである。問題は完成度と性能が反比例していることである。
なんだかもうよく分かりません ありがとうございました

惑星封鎖機構

  • たびたび621の前に立ちふさがる惑星封鎖機構。「惑星封鎖」を行っている巨大組織で、恒星間航行が一般化した世界観をある意味で象徴する存在でもある。
    • ルビコン3以外でも封鎖活動を行っているようで、コーラル持ち出し対策のためだけに組織された訳でもないらしい。犯罪集団、資源、病原体、外来種など、宇宙旅行時代に行き来を制限すべき物事は意外と多いのかもしれない。
    • 常に「コード」で行われる会話や妙に抑揚のない声など、封鎖機構の人員に機械的な印象を抱くプレイヤーもいるが、こうしたやり取りは警察消防などでは一般的に行われるものである。逆に言えば、こうしたマニュアル化が進んでいる点で、「惑星封鎖」が恒常的な業務としてずっと行われて来た事を示しているとも言える。
    • とあるアーカイブには「封鎖機構はAIに人間が使われている」という冗談じみたドーザーの雑談が記録されている。続けてチャティに言及して「自分たちも変わらない」というような事を言っているため、「使われている」とは「AIに使役されている」ということだろう。基本的にAIが絶対的な立場というあたりは、過去作の地下世界などを連想させる。
    • 惑星封鎖を乱した元凶と見なす「レイヴン」(を騙る621)と相対した時や、戦闘で追い込まれると惑星封鎖機構の面々も感情を露わにする事が多い。
      • エンゲブレト坑道で621がコーラルの逆流に巻き込まれた際、到着した増援はコーラル奔流で坑道自体が危険な状況にあったためコード31C(被害甚大)を送信したが、システムに侵入者排除続行を命じられたのか「この状況で続行だと?(意訳)」と愚痴をこぼしている。「いのちだいじに」命令はあんまり出ないのかもしれない
    • 「レイヴン」が安否不明からオールマインドのライセンスを復活させ、活動を再開したことにはまったく気づいておらず、戦闘で遭遇するまで死んだか逃亡したかと思っていたらしい。
      • このことから、封鎖機構は傭兵支援システムを閲覧できないように関連ネットワークから締め出されているようだ。抜けているような所ばかり目立つオールマインドだが、セキュリティはかなり硬かった模様。
      • 燃料基地襲撃で拾える「通信記録:執行部隊の情報伝達」から見て、惑星封鎖機構は「ブランチ」の消息についても把握できていない。「与する勢力を好き勝手に変えながら破壊行為を行う」独立傭兵の商売がら、所属する傭兵の居場所などの情報は全力で他勢力から秘匿されていると考えられる。

  • 「システム」とは何だったのか
    • 彼らにとって絶対の命令系統である「システム」だが、なぜかルビコン3の地下に存在している
      • 所属不明機が所持していた情報ログ:
        強制執行システムがルビコン地中に置かれていたとは 制圧艦隊の襲来が早かったわけです
        しばらくは観測者たちの動向を注視しましょう 併せてアーキバスにも間接支援を
    • ミッション「地中探査-深度3」にて、レーザー障壁の動力源である高炉破壊の後にこのシステムは621を襲撃してくる。
      この時襲撃してくるのは技研の無人ACで、撃破後の様子や他にそれらしいコンピューター機器などが存在しなかったことを鑑みると、強制執行システムはこの無人ACか高炉そのものに埋め込まれていた可能性が高い。撃破後にシステムの通信が乱れている点、ミッション後の「621を道連れにしてでも倒そうとしたか」という見立てからもそれがうかがえる。
      • 封鎖機構は独自に開発したLCやHCなどの機体を使用しており、ACを使わない。強制執行システムがこの無人ACに組み込まれていたのだとしても、あるいはシステムは高炉の中で無人ACは防衛者でしかなかったのだとしても、この機体は作中唯一の封鎖機構側のACと言う事ができる。
    • ルビコン封鎖を担当する現地指揮官なのか、「封鎖機構」全体の総指揮システムなのか、詳しいことはわからないが、撃破後に代替システムの投入などは行われていない。同等のものが複数あったり、すぐ予備に替えられるような物ではない模様。
    • このミッション後のカーラは、強制執行システムの破壊によって「惑星封鎖にも風穴が開くかもしれない」と発言している。地中探査前に入る前、アイスワームを撃破した時点で惑星上の封鎖機構は企業合同との決戦に敗れ撤退しているため、これは宇宙空間の封鎖が破れることを指していると思われる。
      • アーキバスのバスキュラープラント建造も、ザイレムの浮上も、惑星封鎖用の衛星砲が機能しなくなったからのようなので、強制執行システムが衛星砲も制御しており、それが停止するという見込みからの発言と考えれば辻褄が合う。
      • 「かもしれない」と観測口調なので、少なくともカーラはシステム搭載機の撃破=星外の封鎖機構まで完全崩壊するとは捉えていないことがわかる。また、エンディング後に廃星の声明を出したりと惑星封鎖機構は権威ある組織として活動し続けている。
      • 攻略しづらい地下要塞とはいえ、組織全体の総司令官を最前線の一つに置いておくのはいくらなんでも不自然なので、劇中の「システム」はルビコン星系担当の地域指揮官役と考えるのが妥当か。企業勢力に敗北し地上戦力が撤退した後も現地に残され抵抗を続けている点からも、総司令官クラスであるとは考えにくい。
      • 上記のログから、リアクションタイム短縮を優先して現地に配置した模様。もともと場所を秘匿され、守りも強固で複合砲台の設置なども済ませていた地下施設の最深部を要塞代わりに立て籠もるのが一番安全だったと考えられる。
    • これは完全な蛇足だが、時強制執行システムは621を「脅威レベル9」と断定している。過去作ファンならこの意味がよくわかるだろう。
      • システム、および封鎖機構はしきりに「排除」を口にする。AIによって制御されたAC、地中深くの高炉を目指し最深部を破壊するという流れ、そして「排除」など。本ミッションだけで数多くのセルフオマージュを見て取ることができる。
  • 技研との関係性
    • 上記のシステムとも関連することだが、封鎖機構はルビコン調査技研と深い関わりを匂わせる要素が数多く存在する。
    • ミッション「地中探査 - 深度2」のボス、試作無人兵器「エンフォーサー」。エアの解析によると、設計要件はウォッチポイント重要区画の防衛、および侵入者の確実な排除であり、この事から「この先には封鎖機構が秘匿したがっていた何かがある」とのことだった。
      • 秘匿したかったものが強制執行システムであると考えることもできるが、あくまであの場所に強制執行システムがいたのはその下にあるレーザー障壁の防衛であると考えられる。何より、破壊された強制執行システムが「技研…市封鎖に対…る深刻…脅威と…定」と言い残している。であれば封鎖機構が秘匿したがっている何かとは、その先にある技研都市であると考えるのが自然である。
    • そもそも封鎖機構は、621を排除するため頻繁に技研のC兵器を使用している。出てくる度にカーラやラスティが驚いているため、正規の公的手続きで接収したのではなく、制御系統や権限を解析した上で秘密裏に保有していたと考えるのが妥当だろう。
      • 技研都市やコーラルを管理しC兵器までも運用できる技術力があった封鎖機構であるが、コーラルの正体や相変異、コーラルリリースといった可能性と危険性について把握していたのかは謎。研究施設や格納庫などにあったであろうC兵器を押さえているのに、ナガイ教授のログや研究資料は一つも発見していないというのも不自然ではあるが。また、企業との決戦に負けて撤退したあとは増援による反攻作戦なども行っておらず、宇宙規模の危険性に対して危機感の温度差にも謎が残る。
      • 反攻が行われる気配が無かったのは、アーキバスは多くの封鎖機構戦力を鹵獲していたため、それに勝てるだけの戦力を集結させるのに時間がかかったのだとも考えられる。また、コーラルリリースに関しては現象が観測されたわけでもない仮説上のものでしかなく、十分な資料が無かったりAIが不確定情報として切り捨てていたとしてもそう不思議ではない。
    • シースパイダーやアイスワームに無人ACエフェメラの武装など「技研が製造したC兵器の現物を再利用」した例は多いが「封鎖機構独自設計のコーラル利用兵器」は登場していない。技研都市跡のヘリアンサス型に関しては、封鎖されたエリアで勝手に活動を続けていた野良車輪骸骨の可能性もあるが…。
    • カーゴランチャー防衛に執行部隊ではなくわざわざC兵器のシースパイダーを投入しているが、これは強襲艦隊とHCなどがルビコン3に来る前のこと。SG部隊の戦力が通じない621相手の緊急手段だったのだと思われる。
    • ウォッチポイントの封鎖やBAWS第2工廠の井戸を潰そうとするなど、ルビコニアンからしてみれば生存を脅かす容赦無しの弾圧者である一方、コーラル兵器の投入にはかなり抑制的であり、レーザーで封鎖した先の技研都市には無人機だけ置いて自分たちですら立ち入っていないなど、コーラル利用に対する姿勢はかなり潔癖。企業が政治的・金銭的根回しなどで活動を妨害するでもなく正面から喧嘩を売らざるを得ない存在であるあたり、政財界の影響から高度に独立した組織なのかもしれない。
      • 利益最優先のメガコーポまみれの世界観であるため、治安維持組織が特定企業に肩入れするとグダグダになるのは容易に想像がつく。「システム」というAIに判断を丸投げしているのは人間的な脆弱性(関係者への収賄や弱みを握るなど)から発生する汚職の防止が目的なのだろう。

BAWS第2工廠の謎

  • Chapter1の終盤に訪れることとなるBAWS第2工廠。ミッション「BAWS第2工廠調査」では多数のゴーストを相手し、3周目に登場する「強制監査妨害」では封鎖機構の戦力を迎撃することになる。
  • オールマインドの襲撃
    • ミッション「BAWS第2工廠調査」はルビコン解放戦線からの依頼。突如として通信が途絶した工廠を調べてきてほしいというもの。現地に向かえば数多くのゴースト、つまりオールマインドの戦力が待ち構えている。配備されたゴーストの数、映像記録:BAWS哨兵の最期に映るマインドアルファらしきACなど、この工廠がオールマインド戦力に襲撃を受けたのは明白である。
      • 映像記録:BAWS哨兵
        そうビクビクするな。BAWSは星外企業にもMTを提供している。この工廠が目を付けられることはない
        なるべく多く売り付けて資金をエルカノに回すんだ。それが俺たちルビコニアンの生きる…
        どうした? 通信が途切れ…
    • BAWS第2工廠はエルカノに資金供与し、ルビコン解放戦線に協力していたようだ。エルカノはのちにファーロンからの技術提供を受け、スティールヘイズ・オルトゥスを完成させている。この事からエルカノ、そして資金提供を行うBAWSは解放戦線寄りの企業であり、「顧客を選ばない」という態度は隠れ蓑であることがわかる。
      • ただしBAWS全体が解放戦線に協力しているのか、それとも第2工廠だけがそうしているのかはわからない。少なくとも第2工廠の協力は確実で、解放戦線が調査を依頼してきたのにはそういった背景があるのだろう。
      • BAWSからエルカノへの資金供与は完全に秘密裏というイメージを持たれがちだが、ジェネレーターHOKUSHIのような共同開発製品があるため、この2社は表向きにも明確な協力関係にある。資金供与も共同プロジェクトや共同開発といった正規ビジネスの体裁で会計してしまうといった手口はありうるだろう。こうした金の動きとその目的を現場の警備員まで知っているのだから、経営上層部が知らないとは考えづらい。
      • 現行MTシェアの独占率を考えると、BAWSは企業群の中でも一大勢力。なのに自社工廠の異常には一切触れずに独立傭兵に依頼などもしていない。雇う資金力くらい余裕で有る筈なのに、わざわざ繋がりをバラすようなリスクを冒し解放戦線が調査依頼を出して来るというのも謎である。工廠全体の管理を開放戦線に明け渡していたなら、まずはつながりがバレないよう彼らのМT部隊やACが調べに行く事もできたはずで、そうしなかった理由もよくわからない。
  • なぜ強制監査が行われたのか
    • ALTミッションで第2工廠を襲うのはゴースト部隊ではなく、強制監査を目的とした封鎖機構の監査部隊。しかも彼らはLCを含む執行戦力であり、それらが撃破されたとなるとエクドロモイにカタフラクトの特務部隊まで投入してくる。明らかに強制的な介入とBAWS側の抵抗を前提にした大掛かりな鎮圧部隊である。
      • ケイト「近く制圧艦隊がルビコンに来るでしょう。これはその先遣部隊…」
    • ケイトの言葉が正しければ、このミッションで訪れていた特務部隊は制圧艦隊の先遣として第2工廠を訪れていたことになる。特務部隊は後詰めとして待機しており、監査部隊も「今回の監査は優先遂行プログラムだ」と発言しているため、いきなり全力で工廠を潰す作戦だった訳ではなく、あくまで監査という目的があったのは間違いない。しかしその肝心の「監査の目的」は劇中では明示されない。
      • 裏で開放戦線とつるんでいるものの、表向きのBAWSの動きは、コーラル再湧出で動乱状態の惑星ルビコン3において全勢力へ無節操に兵器をバラ撒いて戦乱を煽りまくっているも同然という、武器商人として見ても無茶苦茶なもの。しかも星外企業ですらBAWSの兵器に頼っている現状では、戦闘の規模が拡大する最大の元凶ですらあり、むしろ封鎖機構が助走つけて殴りに来ないほうがおかしいレベルである。監査でBAWSを締め上げ兵器の流通を阻害すれば、各勢力の戦力も弱体化しルビコンの治安が大きく改善されるのは目に見えているし、兵器で武装した大企業を強制監査するとなれば重武装で現れたことにも説明がつく。ついでに、武器商人としても明らかに度を越した商売に、なにか裏があるなら暴いてやろうという所か。
      • コーラルとその情報の封鎖という観点から、シンプルに「井戸」の存在を感づいたか疑うかして、「コーラルに関しての監査」を計画したという可能性もある。
    • 「賽は投げられた」ルートでは一転、オールマインドは封鎖機構の強制監査から第2工廠を守っている。
    • ミッション「強制監査妨害」はケイト・マークソンという独立傭兵からの依頼という形が取られる。このケイトという人物とオールマインドの繋がりについては割愛するが、現状の情報からはケイト=オールマインドという説が有力である。
    • ブリーフィングにてケイトは「BAWSは監査を独立傭兵の突発的な襲撃として処理したがっている」と語る。
      • BAWSの防衛戦力が全く見られないことから、第2工廠はこの時点でオールマインドが陥落させていると考えられる。
      • LC部隊まで投入されている大規模な監査部隊を独立傭兵の襲撃と誤認した、という申し開きは無理筋感が否めないので、ブリーフィングでのケイトの説明は「封鎖機構の監査を、独立傭兵(ケイト・621)の突発的な(工廠・監査部隊に対する)襲撃という体で処理する」とも捉えられる。BAWSの防衛戦力が確認できないのも、表向きは封鎖機構と事を荒立てたくないからと考えると不自然では無い。
    • オールマインドの視点で考えると、封鎖機構に第2工廠の正体がバレるのは都合が悪かったのかもしれない。彼らがエルカノに資金提供していた事実が明るみになれば、BAWSは中立という体を守れなくなってしまう。
    • 武装採掘艦護衛ミッションでのC兵器の出現情報による封鎖機構の警戒、それらを撃破したライセンスを復旧したばかりの傭兵へのオールマインドによる試金石…といった、複合的な要素が考えられる。おそらく、通常ルートでは監査こそあれど、大規模なものは行われなかったのだろう。
  • 「井戸」の存在
    • 劇中勢力でも唯一、「コーラルの井戸」を保有していたことが明確に描写されたのがBAWSである。
    • 文書データ:枯れゆく井戸
      ガリアで見つかった井戸も じきに枯れそうだ
      コーラルは昔のように多くは採れない ようやく採れても企業に掠め取られる
      • ウォルター:あの「井戸」は放っておけば枯れていく
    • 「井戸」はコーラルを収集するための一般的な方法の1つであるようだ。ルビコンの地下水にはコーラルが混ざっており、井戸はそれを抽出するための設備なのだろう。
    • ミッション「コーラル輸送阻止」でもわかる通り、オールマインドはコーラルが企業勢力の手に渡る事を極力避けようとしている。それはルビコニアンに対しても同様で、コーラルが人の手に渡る事を阻害し続けている。
      • オールマインド的には、星外企業が横流しコーラルをサンプルに解析を進めてしまうとバスキュラープラント建設を断念する可能性があったので実力阻止したのだろう。つまり第2工廠がゴーストやケイトによって壊滅したのは、エルカノに提供する資金確保のため「星外企業にコーラルを売り付けた」行為こそが原因だったのかもしれない。
    • 1~2周目と3周目ではオールマインドの目的が違うからだろう。1~2周目は井戸を潰す目的で、3周目は井戸の情報を餌に惑星封鎖機構に恐らくリークし、レイヴンこと621の脅威度を測るための当て馬にした疑いがある。ケイトの突然のセリフ「……大きすぎる」は歴代シリーズファンならニヤリとするセリフであろう。後々のイグアスのことといい、オールマインドはダブルスタンダードなやり口が多い。
      • 3周目でも「BAWSのコーラル井戸(解放戦線の重要な補給線)を排除する」目的は果たされていると考えられる。特務部隊が排除されたことを受けて第2工廠には封鎖機構から更なる増援が送り込まれた可能性が高いが、オールマインド的にそれらを撃退してやる義理はない。

ストライダー護衛の謎

  • 解放戦線への関与を強めたエンディングも見終えて3周目から加えられるこの選択型ミッション。これまで621が撃破していたストライダーを逆に護衛することになるのだが、ミッション開始と同時に襲われておりそのまま撃破されてしまう。
  • 襲撃していたのは技研都市でしか確認されていなかった高機動型C兵器。追撃でヘリアンサス型に高機動型のおかわりまでいる始末である。護衛と聞いていたプレイヤーへ初見殺しを放ってくる上に、これらと極力戦わずにいたプレイヤーも強制的に戦わされることになるため、3周目の難易度を警戒するプレイヤーも多かったであろう。
    • この「時期に合わないC兵器群」を誰が差し向けたのか具体的な情報はなく、犯人は以下の消去法からすると恐らくはオールマインドだろうと考えられているが、不自然な点も多い。
      • この時点で技研都市に到達していない企業勢やドーザー連中はC兵器を手駒にできないため、容疑者から外れる。
      • 惑星封鎖機構はC兵器という手段と、コーラル採掘を阻止するという動機の両方が揃っている。一方で、ストライダーによる採掘活動が問題であるなら、アイボールで武装する前に法的正当性を掲げて堂々と「執行」してしまえば良い話で、SGの戦力で足りないならBOWSを査察した時のように執行部隊を呼んで正規の手段で叩き潰すこともできる。重要施設をいきなり襲撃されたシースパイダーの時とは明らかに状況が異なっていて、切羽詰まっている訳でもないのにわざわざC兵器まで起動して奇襲するのは他の動きと比べても不自然である。
      • 加えて、惑星封鎖機構が武力行使に本腰を入れるようになるのは技研都市の眠る中央氷原への侵入が始まってからである。また、解放戦線が企業のコーラル探しを妨害していたほうが都合がいいという面で、ここで突然に解放戦線の戦力だけをC兵器まで使って切り崩すとなるとかなり大げさではある。
      • リリース計画を狙うオールマインドは企業をコーラル集めに利用しており、その足を引っ張る解放戦線は邪魔者なため、「企業への間接支援」として解放戦線の戦力を削る動機はある。ただし、身分を隠せるゴーストやケイト、協力者経由の依頼などではなくC兵器を使った理由と、根本的な問題としてどこからC兵器を手に入れたかが謎になる。
      • 仮にC兵器は持っていたとして、レイヴンのライセンスを盗んだ621絡みであったと仮定しても、各周回は独立した物語であり、オールマインドから見たこの時点の621は「強くてニューゲーム」ではなく「ちょっと腕の良い新参者」に過ぎない。この時点からトリガー候補として目を付けている可能性はあるが、上記の手段ではなくわざわざC兵器を投入して排除や品定めを行うのは不自然な過剰反応と言える。
      • 傭兵登録が無く身分が怪しいという点であまり表に出せないケイトはともかく、オールマインドお得意のゴーストが投入されていない点も不自然。MTに守られた工廠を一晩で落とせるぐらいには強く、防衛の主力をアイボールでの遠距離迎撃に頼るストライダーはステルス機能で距離を詰められるゴーストと相性の良いターゲットなはずである。このタイミングでゴーストがオールマインドの手先だとバレた例もないため、投入しない理由が無い。621を危険視してC兵器を突っ込ませたと考えても、奇襲できるゴーストより希少で目立つ、しかも手加減できるとは言い難いC兵器を敢えて先に出している点や、スッラのように連携させずC兵器一本で行く理由が無い。
  • このようにオールマインド犯人説にも不自然な点はあるため、冗談半分にだが運悪く野生のC兵器に襲われた可哀そうなストライダーという説も唱えられている。
    • 地表エリアに野生のC兵器が存在するという前提が必要ではあるが、犯人はオールマインドであり、実行戦力として野生のC兵器を刺激し誘導して来たのではという説も。
      • 野生のC兵器がいたとすれば、それらも「孤立したコーラル」にあたるので、コーラルリリースの際に掃除せねばならない。リリースのためあらかじめ監視して分布を把握していた野生C兵器をオールマインドがストライダー排除に利用したとすると、動機がありつつ入手経路も説明はつく。

技研都市の謎

  • 作中の最終盤に訪れることなる巨大都市。様々な記述から物語における最重要組織であり、物語の起点であるアイビスの火の発生源である可能性がある。
    • 技研都市のビル上に残っていた旧世代ACの持つ情報ログには、技研所長と思しき自分の音声で「残り12分 やるべきことは全てやった アイビスの火を見届けるのは私ひとりでいい」といった内容が残されている。これをもって技研都市がアイビスの火の発生源であると推測することもできるが、情報ログを取得できる場所はその情報ログが記録された場所と必ずしも一致しないこと、「やるべきこと」の内容やそのために具体的に取った行動が明確ではないこと、発生源であるはずの技研都市がかなり原形を留めていること等から、断定には至らない。
    • バスキュラープラントの残骸から、アイビスの火が起きる前は技研都市付近からコーラルを大気圏外に送り出していたであろうことや、エンゲブレト坑道などでもコーラルの採掘が行われていたものと推定される。このことから、ナガイ教授はルビコン全土のコーラル採掘地点や輸送のため集積されていた地点にアイビスシリーズ及び「アイビスシリーズの子機として制御可能なC兵器群」を送り惑星全土で一斉着火したと考えられる。坑道奥深くにエフェメラの残骸が残されていたのはこのためだったのではないだろうか。
    • アイビスの火からたった半世紀しか経っていないにもかかわらず、なぜこれほどの巨大都市の所在が不明だったのかも謎。
      • ウォッチポイント・アルファ周辺はアイビスの火の影響で「観測不能領域」が発生しているとされているので話の都合的にバレなかったのかもしれない。
      • 情報ログ「観測データ:見えない領域」のテキストが考察のヒントになりそうである。惑星封鎖機構はAIの判断に絶対服従している組織なので、ホストAIが「封鎖の原因である技研都市には絶対触れるな」という判断を下し、「観測不能領域」を利用・もしくはそれ自体を捏造して存在を隠蔽してきたのかもしれない。
  • 何故技研都市は燃え残り、さらに地下へと埋没しているのか
    • そんなアイビスの火の発生源たる技研都市は、なんとアイビスの火を燃え残っただけでなく地下に埋没している
    • この都市が一体どれほどの深さにあるのかはわからないが、ウォッチポイントアルファの探索から始まり最終的に非常に長い竪穴を3回も降下した末にようやく到達できる。その空間は凄まじく広大であり、かつ上空は地上の太陽と変わらない強い光で満ちている。遠方にはバスキュラープラントの残骸が見て取れるが、後にアーキバスが再建したものを鑑みると大気圏の遥か外まで伸びるほどの超巨大建築であり、それがまるごと埋まっているということは本当に異様なまでの広さである。
      • 一体どのような経緯で地下深くへと埋没したのかは不明。単純な地盤沈下で片づけるにはあまりにも範囲が広大、かつ落下距離も長すぎる。地盤が激しくカチ割れているため凄い崩壊があったことは示唆しつつ、都市の建造物や道路の大部分が原型をとどめていることから、空洞内へ急激に落下した訳ではない。地上で見られるような車両も普通に残っている。
      • エンゲブレト坑道やウォッチポイントなど、コーラル関連施設は地下へ深く掘り下げる構造であるため、この都市もコーラル研究を目的に最初から地下深くに建造されたのではという推測もある。最初から埋もれた状態で隆起や崩落が起きたなら、ステージ内のような光景もあり得るだろう。中央氷原には宇宙港が複数存在し、大陸間輸送カーゴランチャーによる物資供給先でもあることから、アイビスの火以前は技研都市のある氷原こそルビコン3の中心地の可能性もある。
      • しかし、最初からウォッチポイント・アルファより深い深度に都市を作っていたとすると、地表との上り下りには相当な規模のロルドの大昇降機エレベーターなどが必要なはずで、そういった設備は確認されていない。画面右端がメートル表記なら、ウォッチポイント第一層のネペンテスがあった地点では海抜マイナス12kmとかいう狂気の数字になっている。ルビコン3には地熱がないのだろうか?
  • 技研都市の街並みの謎
    • そんな技研都市だが、よく観察してみると地上の開発都市とは少々趣が異なる。ビル群などは地球でも見られるようなありふれたものだし、ザイレムや地上ではデジタル化していた道路標識なども錆びた金属製である。吊り橋や鉄骨の様相なども、どこかヨーロッパの古風な街並みを彷彿とさせる。植民船であるザイレムより技研都市が大幅に古いとは考えにくく、技術格差というよりは単にデザインコンセプトの違いなのかもしれない。
      • 技研都市は入植者達が入植船ザイレムから地表に居を移した最初期の拠点、または研究キャンプのようなものだったと考るプレイヤーも。ザイレムのように宇宙船動力を利用した潤沢なエネルギー供給などが期待できなかったため、宇宙時代にしてはローテクなのかもしれない。
      • しかしそうなると、半ば浸水しているとはいえ居住スペースとして活用できそうな範囲は十分に存在していたザイレムを、利用するでも隠滅するでもなく隠して保存していたのが謎になるが。
    • トレーラーではグリッドを燃やし尽くしなぎ倒していく様が描かれるアイビスの火だが、技研都市の大部分は燃え残った様子で、バスキュラープラントも原型をしっかりと留めている。その一方、メーテルリンクらと交戦するエリアには灰色の結晶のようなものが大量にこびりついたビルがあり、灰が焼き付いたような光景になっている。
  • なぜ昼夜の概念があるのか
    • 上記の通り異様なまでの深さに存在している技研都市だが、ミッション「脱出」でもわかる通り、地中だというのに昼夜の概念が存在している。埋没したバスキュラープラントの高さを考えれば非常に広い空洞だが、いくら上への空間が広いとは言え違和感がある。
      • 氷原の下にあるとはいえ、光が透過して来るような程度の厚みしかない氷が外部からの探査や侵入を阻むとは考えにくく、そもそも先述の竪穴の深さを考慮すれば薄い氷の下であるはずがないので説明のしようがない現象である。
      • 本来分厚い氷を貫通した光は青くなる。アイスランドに実在する氷の洞窟などで確認できる現象で、厚い氷の層を通った光は青色以外の光を吸収されてしまうのだという。だが、技研都市に届いている光はどちらかといえば陽光そのままの暖色で、かつ氷を貫通しているとは思えないほどハッキリとした光である。

コメント

  • 『ハンドラーウォルターの子飼~』『偽りの名義で~』『見せてもらいましょう~』なんかの不可解な台詞は、先に予告編を作ったときに耳障りの良い台詞を使ってしまって本編になんとかねじ込んだ結果だろう。 -- (名無しさん) 2024-07-15 14:51:40
  • 単に自分が理解しきれてないだけでしょ -- (名無しさん) 2024-07-19 21:56:51
  • 解放戦線は独自ルートで621の素性を探ってたと考えるほうが自然だろうな。そもそも本家レイヴンが企業をルビコンへ引き込んだから、本家レイヴンは解放戦線にとって100回殺しても飽き足らない仇。そのレイヴンが活動を再開したと聞いたら、まぁ目敏いフラットウェルやドルマヤンあたりは警戒するだろうて。そして解放戦線経由でラスティにも情報が伝わった可能性は高い -- (名無しさん) 2024-07-22 00:26:32
  • やらかしたこと見る限りはそうなんだけど、どうも作中で、解放戦線が本家レイヴンを敵視するような描写って無いような……無くない?あるいはルビコニアンにとっては封鎖機構の方が問題として大きくて、星外企業を引き込んだ現状については悪いことばかりでもない、とか……?(BAWSが商売してるくらいだし) -- (名無しさん) 2024-07-22 02:31:40
  • 解放戦線はレイヴンが企業をルビコンに引き込んだ事知らないんじゃないかなぁ… もし知ってたらレイヴンの名前で活動してる傭兵に依頼なんか出さんと思う -- (名無しさん) 2024-07-23 16:17:48
  • レイヴンがそもそもの元凶なのも今のレイヴンが偽物なのも知らずルビコンの解放者として祀り上げてるってのもひどい話だな……! -- (名無しさん) 2024-07-23 17:20:06
  • ↑利用出来るものは何でも利用してるからね。 まあ、あのルートもどうせ解放戦線で内輪揉め始めて共存どころか争奪戦になるのが目に見えてるからねぇ… -- (名無しさん) 2024-07-28 16:25:21
  • 逆に、解放戦線がレイヴンにコーラル情報のリークを依頼(?)した、ってのはどうだろ。星外企業を呼び込まないことには封鎖機構による弾圧に耐える地力はルビコン企業には無いし、シュナイダーやファーロンに関しては味方として引き込むことに成功してる。フラットウェルあたりならやるんじゃなかろうか。寝言ですむにゃむにゃ -- (名無しさん) 2024-07-31 22:52:57
  • ラスティの言っていた「突出した個人」ってラスティ自身の事だと思ってたのですが違うのですか? -- (名無しさん) 2024-08-03 18:34:45
  • あれは621の事だと思うよ直前までウォッチポイントアルファでの露払いの依頼を単騎でこなして来たわけだし。あとラスティも立場勘づかれて捨てられるのはわかってるだろうけど自分を突出した個人と言うかな?って気もする。 -- (名無しさん) 2024-08-03 18:42:09
  • ↑3 それなら最初からフラットウェルのツテ使って直接企業に情報流すでしょ -- (名無しさん) 2024-08-03 18:59:07
  • ブルートゥはどうやってあんなデカブツレールキャノンを盗んだんだよ。 -- (様子のおかしい人…素敵だね) 2024-08-19 00:40:06
  • ↑あれ単にキャノンだけ盗んだんじゃなくてブロック丸ごとぶっこ抜いた感あるからなぁ…  -- (名無しさん) 2024-08-19 22:51:10
  • ハンドラー・ウォルターの生身が、どうしてもヘルシングの老ウォルターを連想してしまう。アセンブルやヘリの手配とか交渉テーブルの振る舞いとかから連装したわ -- (名無しさん) 2024-09-06 06:55:04
  • WLT-999連装ウォルター -- (名無しさん) 2024-09-16 01:53:04
  • スネイルはレイヴンやウォルターを知らなかった。と言うより知ってたけどわざわざ口に出して反応しなかった。の方がしっくり来る気がする「 -- (名無しさん) 2024-10-10 21:40:21
  • ラスティは果たして続編に出るのかね?人気キャラだし解放者ルートは死亡確定してないからって言ってる人大勢いるけど、そのまんま出す程フロムは優しくないって分かってるのだろうか… -- (名無しさん) 2024-11-19 08:10:42
  • ↑あれ正直単に人気キャラだから生きててほしいっていう我儘だから -- (名無しさん) 2024-11-19 14:58:51
  • 明確なレイヴンの火ルートは実はウォルター生きてるとかカーラは衝突寸前に実は脱出してるとかも似たようなものだろな -- (名無しさん) 2024-12-02 16:47:09
  • 621×エアとドルマヤン×セリアの他に第一助手×オールマインド(のベースになった変異波形)で3ペアだったんじゃねえかなぁ -- (名無しさん) 2025-04-22 22:18:29
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最終更新:2025年04月21日 13:00