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性能諸元 |
全長 |
3.00 m |
全幅 |
1.56 m |
全高 |
1.60 m |
重量 |
2.98 t |
変速装置 |
クラッチブレーキ方式 |
速度 |
54 km/h |
燃料積載量 |
100 L |
行動距離 |
約30 km |
主砲 |
40mmR80戦車砲 |
副武装 |
- |
装甲 |
正面 5mm 側面 5mm 後部 5mm 砲塔正面 5mm 砲塔側面 5mm 砲塔後部 5mm |
エンジン |
空冷直列6気筒ドロヅネ90型エンジン |
乗員 |
2名 |
生産数 |
306両 |
ドロヅネ1型豆戦車、(現代中央リナエスト語:Roczgä.Škovpetzi.1.0.Skeysdo Vitua、ドロヅネ・スコビェーツィ・バン・ニェープ・シェウシュノ・ヴィトゥア)はドロヅネ社が開発した豆戦車。
ドロヅネ1型と命名されてはいるものの、
ドロヅネ試作1型戦車の直後に設計された戦車ではなく、本車両は
2型初期型、
マーカリ初期型、
ドロヅネ7型装甲戦車先行生産型の後に設計された二人乗りの豆戦車である。
ユエスレオネ連邦軍に制式採用され、
ヴィトゥア(Vitua / チェックサム)の愛称が与えられた。
概要
ドロヅネ社は
ドロヅネ2型軽戦車で
マーカリ中戦車の開発で成功を収めた。
これを受けてユエスレオネ連邦軍は
ドロヅネ試作1型戦車に搭載されていた
ドロヅネ90型エンジンの優秀さに着目し、ドロヅネ博士にこのエンジンを搭載した軽戦車の設計を打診した。
ドロヅネ博士はエンジンが優秀さをアピールするために徹底的な重量の削減を行い、かつてないほどまでに軽量化された「
豆戦車」の開発に着手した。
設計
完成したドロヅネ1型豆戦車は重量3t未満という徹底的な軽量化が図られた。
全周の装甲は5mmであり、燃料積載量は100L。
車内はドロヅネ試作1型戦車の頃から手狭と言われていたものからさらに車内スペースを削減した。
脱出ハッチは車体前面の一つのみであったが、車長がコマンダー・キューポラから脱出することを考えれば人数分のハッチが設けられていた。
主砲は40mmR80戦車砲を搭載していた。弾薬積載量は40発で、こまめに補給を受ける必要があった。
生産時に軽量化のために機銃が設置されなかったが、対歩兵戦闘能力を補うためほとんどの1型豆戦車は現地で8mm機関銃が1~2挺設置するなどして補強された。
自慢のエンジンは車体が軽すぎることで回転数が高くなる癖があったものの、平地で54 km/hという快速ぶりであった。登坂能力も非常に高く、35度の急斜面すら登れるほどだった。ただし高速で不整地に突っ込むと軽い車体ゆえに地形の起伏でジャンプしたり木に衝突したりして乗員に危険が生じることがあった。
足回りはマーカリ中戦車の影響を受けており、起動輪以外の転輪(走行輪、遊動輪、返し輪)を同一の直径、厚さ、枚数、間隔にして共通の部品にして生産性の向上を図った。履帯幅は36cmであり、履帯の厚さはドロヅネ社の汎用設計よりも薄い6cmであった。
評価
100Lの燃料積載量は行動範囲が約30km程度であることを意味し、市街戦や十分な兵站線を維持している状況下のみの運用を想定しており、長距離での運用には全く適していなかった。
車内スペースの削減によって車内はすし詰め状態であり、実際に搭乗した戦車兵からの評判は悪かった。
主砲の40mmR80戦車砲は55mm程度の貫徹力しかなく、軽戦車であることを考慮しても火力不足であった。同時代の中戦車の前面装甲はほとんど貫通することができず、側面装甲でさえもシビアな角度と距離が要求された。
試作5号車
走行試験中に急斜面からジャンプした衝撃で
乗員が頭部を強打して気絶。エンジンも損傷した。
車内快適性や衝突事故の危険ゆえに現場からの評価は悪く、また補給や運用の面でも限られるために軍上層部からの評価は低かったものの、ドロヅネ90型エンジンの出力と信頼性の両立は一定の評価を得ており、また偵察用としては有用であったと見なされた。
ドロヅネ1型豆戦車は機甲戦力の中核を担うことはなかったが中戦車・重戦車が生産できない連邦各国へ輸出・販売され、訓練用・偵察用車輌として戦闘に投入された他、戦車設計の参考として利用された。
関連項目
最終更新:2023年09月27日 07:37