帝国

シャイヴァ



事象地平戦線アーディティヤに登場する国家。
正式名称は「カイラス朝シャイヴァ帝国」で、作中では単に“帝国”と呼ばれる。

「正しい死」を奉じる巨大宇宙国家。第四劫暦において宇宙の覇権を争う三大国家(三界一如(トリムルティ))の一つ。
連邦(ブラーフマナ)教圏(トリヴィクラマ)とは三竦みの関係にある。

国状

国家元首は皇帝ミラレパ・カイラス・イーシュヴァラ
自由と規律を尊び、己の行動に責任を持つのが人の条件だとする考えを有する。
主星かつ首都はカイラーサ。人口は直轄地だけでも500億人以上。

帝国軍は己を律して祖国に尽力するという気風を持つ。
自由とは矜持。規律とは歴史の継承。先へ進んでいく意志のリレーが、真に無謬なる不死性を編み上げる。物質的な永遠を求めていては精神が停滞し、継承が起きようはずもない。故に死とは“義務”である。
人一人の器には限界がある以上、同じ世代がいつまでも居座るなど愚かを通り越して害悪の極み。より良い未来へ至るため、古くなった者らはバトンを渡して速やかに去らねばならない。

帝族

国体を築き上げたカイラス・イーシュヴァラの血族。帝室紋章かつ国章は三叉戟。帝国で帝族は現人神に等しい。
現在の帝国には13人の皇子がいる。皇子の中にも序列があり、次期皇帝に最も近いのは第一皇子。

皇子
名前
第一皇子 ゴーラクシャ
第三皇子 キンカラ
第四皇子 トリシュラ
第六皇子 スマルタ
第七皇子 イシャナ
第九皇子 テルミヌス

皇子が所有する軍は帝族の槍として限定的な独自行動権を有する。故に皇子の下であれば辺境軍と親衛軍でも名目上は対等。
皇帝その人を除いて彼らを指揮できる者は、個々の皇子しか存在しない。

正田卿によると、連邦の五大貴族とテルミヌスのライバル皇子(ゴーラクシャトリシュラ)は黒白のアヴェスターでいう七大魔王のポジション(中ボス)とのこと。

歴史

第四劫暦800年頃に後の初代皇帝となる連邦の軍人カイラス・イーシュヴァラが、連邦の闇を見続けたことでダクシャの思想に反旗を翻し、その戦いの果てに樹立された。
連邦の大貴族から信用を得ていたカイラスは戦争状態の教圏と水面下で通じており、連邦の貴族が一つ減ろうとした頃に教圏と反逆を開始し、連邦に勝利。シャンカラ家の富を全て奪ったカイラスはシャイヴァ帝国の皇帝を名乗るようになり、三界一如が形成された。
反逆から7年、帝国と教圏は連邦の領土を大幅に大幅に切り取るまで勝利を重ねたが、国の体制を立て直した連邦を前に返り討ちになってしまう。
戦争の落とし所を探すことも、ダクシャの怒りを買ったカイラスの血族には意味がなく、カイラス本人だけでなく次々と親類縁者が殺害され帝国も敗北目前となった。
しかし帝弟ルドラ・イーシュヴァラがカイラスの最後の子を守るために10年もの間奮戦、帝国本土の体制が盤石になるまでの時を稼ぐことに成功する。
結果としてこの戦争の中で帝国は劫波の製造技術を得ており、これで劫波の数は全部で三つとなる。
が、ルドラの何もかもを破壊すると言わんばかりに、ルドラが統治するルドリヤは100年ほどかけて擦り潰されていくことになる。
900年頃、星霊大祭にてルドリヤを生贄として帝国の独立が認められたことで三界一如も完成した。

1185年のルドリヤ戦役においては、ルドリヤに正規軍一個師団を差し向けるが壊滅し、親衛軍すらルドリヤ戦群の前に敗れる。

関連組織

帝国において由緒正しい部隊は400年前の建国戦争で活躍したシャイヴァ十神将の名が冠されている。

帝国親衛軍

8つの部隊(元は10の部隊だった)が存在している帝国の主戦力。親衛軍は帝国における最高戦力。

その他


関連人物

  • ルドラ・イーシュヴァラ
絶楯の異名を持つ、三界一如完成の立役者。初代皇帝カイラスの弟で、ルドリヤ星を統治していた。
連邦によってカイラスが暗殺された後、兄の残した子を守り帝国が持ち直すまでの時間を稼ぐことに成功する。
本編の十数年前にルドラの血を引くルドリヤ王家の末裔とされるシャチという人物がいた。

  • シャイヴァ十神将
帝国建国戦争で活躍した英雄で、親衛軍などの主だった組織の名称は彼らの名前が冠されている。
ルドラ、シャルベーシャ、ナタラージャ、ガンガーダラといった者達が名を連ねる。

  • バガヴァン・ギーター
サーヴィーテルミヌスの曽祖父。80年前にあった連邦と帝国の戦争における英雄。
サーヴィーが生まれる数年前に癌を患い以降全ての治療を拒んだ。全身の九割を癌細胞に侵されて肉塊としか言えない状態になっているが、彼は若い家族に不死者の末路を伝えることをあえて選び壊葬すらしていない。不死者としては異端な選択だったが、その姿がサーヴィーに人としての価値観を決定させた。
死を尊ぶ帝国においてはバガヴァンの選択は蔑まれるものであり、晩節を汚した扱いになっている。

関連の土地・

帝国の主星かつ首都。帝国の劫波はこの星に存在するとされている。

かつては連邦の領星だったが現在は帝国領。しかし時輪石の大鉱床が見つかったことで連邦と帝国との間で戦争が発生する。

かつて初代皇帝の弟ルドラの統治していた星。しかし三大国家の緩衝地帯になり、現在はルドリヤ戦役を経て星が消滅している。

  • スラビ
人類の始祖の一つカーマ族の母星。とうの昔に資源は食い尽くされているが、近年劫波結集の地として再開発が進められている。
撹拌が起きた時代には大陸間航路が確立され、当地の歴史上最大規模の血が流れた。記録ではドゥルヴァーサスという人物が先住民の虐殺を行ったことが残っている。

  • アンビカ
帝国の食糧庫と言える星。星霊大祭時は第三皇子キンカラが守護していたが、アビチャリカによって地表が跡形もなく焼き尽くされた。

  • FZCQ-20358
帝国の宙域を掠め飛ぶ非周期彗星。ルドリヤ戦群の拠点。

帝国の聖地。


備考

シャイヴァとは「シヴァ神の信徒(宗派)」を意味する。
破壊と再生の神シヴァを最高神として崇拝するヒンドゥー教の有力な一派。シヴァにはイーシュヴァラ(大自在天)というバラモン教の最高神を示す言葉などが別名として取り込まれている。


関連項目



  • 皇帝と帝国の設定を見れば見るほど、アンギラス家・ファラーダ家にとって不倶戴天の敵なんだよなぁ。しかもこの2家は正田のお墨付きで当主イカれてるらしいしな -- 名無しさん (2022-05-11 22:07:15)
  • 思想自体は一見主人公側みたいな感じだけど、死とは義務であるって一文だけで不穏すぎる -- 名無しさん (2022-05-12 02:49:14)
  • 「死とは義務」と聞くとアポトーシスを思い浮かべるが、考えてみると生命体=神の細胞という神座世界観で言えば、第零天は神の全細胞が癌化してるようなものか -- 名無しさん (2022-05-12 13:06:40)
  • 細胞死も老化も進化の過程で有用だと判断された結果生まれた機能ではあるしな。今までの癌扱いされた自滅因子や司狼の無効化能力って実は真逆の正常化させる立場だったりするのか(だから解脱した真人間=正常な細胞には効かない) -- 名無しさん (2022-06-08 22:57:30)
  • 一応帝族になる可能性もあったシャチさんルドリヤ首脳部が変な事しなかったらワンチャンあったかもだが、末裔だとバレた時点で三大国に利用されてた感はある 帝国が帝族として受け入れてたら、みんな一緒に良い暮らししてたのかもだが -- 名無しさん (2022-06-13 12:47:09)
  • ゴーラクシャさんは割といい感じに迎え入れてくれそうな感じだったなあ…あの人良い感じの人だったから悲惨な事にならないで欲しい -- 名無しさん (2022-06-13 20:03:55)
  • 部下だけ見ると高慢な人らでかませになりそうな気もするが頑張って欲しい>ゴーラクシャ -- 名無しさん (2022-06-14 10:40:13)
  • まぁ、連邦だとダクシャ、アンギラスとファラーダの当主って名前の上がる連中に当たるのが、帝国だとテルミナス、ゴーラクシャ、第四皇子だろうからな。本格的な最終戦争まで生き残りはするやろ -- 名無しさん (2022-06-14 13:31:28)
  • 第四皇子はテルミナスの言ってた「姉上」なんだろうか -- 名無しさん (2022-06-14 15:08:19)
  • 皇子が三人ぐらいダクシャの課したノルマ消化で壊者りそうだが、テルミナス、ゴーラクシャ、第四皇子の内誰かくらいはやられるのかそれともまだまだ生き残るのか -- 名無しさん (2022-06-20 20:39:41)
  • 三連続で誤字られるテルミヌス殿下 -- 名無しさん (2022-06-20 20:51:34)
  • ぶっちゃけ皇子13人もいるからな。しかもテルミナスより下が4人も。まぁ心情考えると、武名の為に強い皇子を狙う、ダクシャの意を汲んでとにかくカイラスの一族殺すとも取れる、逆に帝国は幼い皇子には強い護衛つけてそうな印象もあるな。3どころか大量に退場するかもしれん -- 名無しさん (2022-06-20 20:55:01)
  • 帝国にも最強ポジションの人はいるのかな、サーヴィーが最強という訳でもない気がするが  あとテルミヌスの言ってた姉上も早く見てみたいな -- 名無しさん (2022-07-09 07:25:05)
  • 正田卿からも、一見帝国は善だけど……ってあるから、かなりイカれた連中がばんばん他の皇子の派閥から出てくるんだろうなあ -- 名無しさん (2022-07-18 23:15:20)
  • ゴーラクシャとトリシュラが五大貴族に並ぶ中ボスだろうけど、帝国側みたいな正統派の良い奴がボスって正田作品だと初めてかもな?まぁ、善人風の尖った馬鹿って可能性はあるけども -- 名無しさん (2022-07-24 07:52:14)
  • 一見真っ当な思想に見えて「年寄りは若者の為にバンバン死ぬべきだ」なんてモンかもしれないしな -- 名無しさん (2022-08-06 13:53:51)
  • ゴーラクシャとトリシュラ以外にやべーのはいるのかな -- 名無しさん (2023-04-22 13:12:21)
  • ゴーラクシャとトリシュラの他に一人くらいはやべーキチった皇子がいそう  それはそうとトリシュラのビジュアルが早く見たい…!9章~12章辺りで見れそうだろうか -- 名無しさん (2023-04-22 23:13:22)
  • 皇帝ェ… -- 名無しさん (2023-05-13 18:44:52)
  • ナレ死… -- 名無しさん (2023-05-18 12:04:10)
  • 仕方のない事だが未登場時点で酷い目に合うトリシュラさん まあなかった事になったようだが -- 名無しさん (2023-05-27 09:18:29)
  • ゴーラクシャにウグラスラの侵攻を防ぐ気がないため、皇帝のナレ死はどのルートでも共通の模様。不憫… -- 名無しさん (2023-05-27 11:29:49)
  • 初期の頃は何回か防ごうと試してはいそうだけど早々に切り上げてもいそう -- 名無しさん (2023-05-27 18:43:01)
  • 星霊大祭に自分で参加してみたら死んだんだろうな・・・ -- 名無しさん (2023-05-27 18:55:14)
  • ゴーラクシャの様相見ると、星霊大祭制しても上手くいかなかったもありそうだが。205ループだから、そこまで総当たりでパターン熟知してるわけではないんだろうけど -- 名無しさん (2023-05-27 19:33:31)
  • 回帰のこと子供時代に匂わせたら即連邦と教圏とかが劫波の餌にして最速帝国終了みたいなルートもありそうで嫌だわw -- 名無しさん (2023-05-28 08:53:13)
  • トリシュラというどっかで見たことある第三目とどっかで見たことある腕の多さだ(白目) -- 名無しさん (2023-06-09 19:35:06)
  • イシャナも何かしら知ってるんだろうか -- 名無しさん (2023-06-09 19:59:22)
  • 永劫回帰のゴーラクシャ!滅尽滅相のトリシュラ!破壊の愛のテルミヌス! -- 名無しさん (2023-06-09 22:46:37)
  • シャルベーシャもシヴァの化身らしいが、ナラシンハ止めたり神話的にはすごそう でもなんかこういう精鋭部隊がちゃんと活躍できるのかなあとなる -- 名無しさん (2023-06-16 22:31:02)
  • ダメ皇子やってた前の周回とは、部隊の中身全然違ってそう -- 名無しさん (2023-06-16 23:27:40)
  • シャイヴァ八神将もここから出ては来るんだろうなぁ。帝国だとイシャナはネームドで出番ありそうだが、部隊長みたいなのも出てくんのかなぁ -- 名無しさん (2023-06-17 01:59:09)
  • シャルベーシャもナタラージャに負けないぐらいの戦力はちゃんとありそうかなあ -- 名無しさん (2023-08-18 20:48:20)
  • 「ここでこの行動を取ると後々優秀なユニットが部隊に入ってくれるんですね~」みたいな事してそうなゴーラクシャとシャルベーシャ -- 名無しさん (2023-08-19 09:20:42)
  • 疲れからかナタラージャの部隊章がとにかく明るい全裸ポーズに見える -- 名無しさん (2023-08-19 23:02:24)
  • 草 -- 名無しさん (2023-08-20 07:32:52)
  • 見返すと、第一親衛軍=獅子、第二親衛軍=死の舞踏(ダンスマカブルトーテンタンツ)のDies系なんよな。ゴーラクシャの私設暗躍部隊とかで蛇の名前冠した部隊やらいそう -- 名無しさん (2023-08-21 11:07:16)
  • ↑3トリシュラ「安心してください、剥いでますよ」 -- 名無しさん (2023-08-22 20:27:21)
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最終更新:2024年03月19日 08:16
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