アイリスの魔術 - 【非公式】冥王様が通るのですよ！Wiki

アイリスの魔術

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本項では、時の魔女アイリス・シルバーブレットが扱う魔術について記述する。

改変魔術

アポプリス式魔術を改変し、特定の用途に特化させたもの。

• 雷威槍(グングニル) - 37話に初出。
  積乱雲を形成して雷を落とす風の第11階梯《龍牙襲雷》をベースに、雷の収束率を向上させて貫通力を高めた魔術。
  元となった魔術は発動の過程で積乱雲を形成する必要があるため、実際に効果を及ぼすまでに遅延があるのが欠点だった。
  しかし、アイリスは自身の固有時間操作の魔装によってその工程を加速させ、発動速度の遅さを改善している。

• 颶號槍(トリシューラ) - 180話に初出。
  積乱雲を形成して強力な下降気流を生み出す風の第13階梯《地滅風圧》をベースに、下降気流を収束させて槍を形成させた魔術。
  収束された暴風は凄まじい圧力によってプラズマ化しており、破壊力が大幅に増大している。
  本来であれば時間がかかる積乱雲の形成過程は、アイリスは自身の固有時間操作の魔装によって短縮されている。

魔装魔術

アイリスが持つ固有時間操作の魔装を組み込んだ魔術を便宜的にまとめたもの。

• 超越雷光(オーバーライト) - 141話に初出。
  対象の過去に向けて、風の第3階梯《雷撃砲》を放つ魔術。
  時間を司る魔装によって過去を遡って攻撃を送り込み、命中という結果が現在に反映されることで因果関係を超越するため、回避不能である。

• 時空乱流(マーブル・テンプス) - 162話に初出。
  時間の流れを局所的に乱すことで、生体機能や術式行程を破綻させる魔術。
  指定範囲の空間を格子状の小領域に分割し、それぞれに加速・減速を交互に与えることで、時間の流れを局所的に乱す。
  この干渉によって、効果範囲内は領域ごとに異なる時間進行を受けることとなり、体内循環など時間整合性を必要とする生体活動は致命的な破綻を起こす。魔術においても、自然な時間基準を前提とした術式は環境情報を正しく取得できず、発動に失敗する。

• 縮退結界 - 294話に初出。
  時空を湾曲して境界面を重ね合わせた結界を形成し、内部からの脱出を不可能にする魔術。
  固有時間操作を扱うアイリスの魔装を応用し、指定範囲内の三次元空間を物理的に閉じた系として構築する。
  この空間内から外部へ出ようとすると、空間の構造が反転して作用し、対応する反対位置へと強制的に戻される。
  また、一般的な転移魔術は、空間座標同士をつなぐために空間の連続性を必要とするが、この結界では空間そのものが外部と断絶しているため、内側からの転移による脱出は成立しない。
  一方で、結界の外部は通常の空間構造を維持しているため、外部からの侵入や光の透過は可能である。
  さらにこの結界は、境界面に対して透過情報を設定できる応用性を持ち、たとえば「特定の魔力情報のみを通過させる」といったフィルタリングが可能である。

• 無間虚式(むげんきょしき) - 322話に初出。
  時空間の極小点を完全停止させ、空間ごと対象を崩壊・消失させる魔術。
  この魔術は、空間を支える魔力の振動を完全に停止させることで時間を凍結し、空間における連続性を断絶させる。断絶された空間は時空構造に深刻な歪みをもたらし、その歪みは一瞬で臨界に達する。
  やがて空間を維持するよりも破棄するほうがエネルギー的に優位となり、空間そのものが三次元世界から切り離されて、周囲を巻き込みながら爆縮する。
  これにより、対象は時空の孔へと呑み込まれ、物質・エネルギー・魔力すべてが抹消される。

• 量子幽壁(クオンタム・フラクト) - 328話に初出。
  量子揺らぎに干渉して外部からの接触そのものを確率的に回避する結界を張る魔術。
  術者の体表に量子スケールの時間結界を展開し、接触しようとする指定対象の量子を一瞬だけ時間逆行させることで、接触を再試行させる。これを繰り返すことで、最終的に「接触しない」という確率選択がなされるまで対象の接触を拒絶する。
  量子単位での反応のため防御性能は極めて高く、魔法による現象にも対抗しうる。
  自身の活動に必要な空気中の酸素や熱などのエネルギーを通過させつつ、魔力や毒素のみを遮断するといった細かい選択も可能である。

• 虚孔(アビス) - 440話に初出。
  虚数時空を広げて、対象を虚空へと放逐する魔術。
  時間の最小単位である量子時間の隙間に存在する虚数時間を仮想的に観測し、そこから逆算した虚数空間を展開し、対象を通常時空から切り離して放逐する魔術。
  放逐された対象は、空間的にも時間的にも認識不能な座標に置かれ、虚数時空を操れない限り通常空間に戻ることはできない。