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ゲヘナの鋲

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ゲヘナの鋲

ゲヘナの鋲とは、プラハ帝国の皇帝が代々継承する国宝であり、地獄を封印する魔道具。

概要

ゲヘナの鋲は、スラダ大陸南西部の国家プラハ帝国において、皇帝が代々継承する国宝の魔道具である。妖精郷が不浄大地の封印を目的として制作し、暗黒暦1541年に当時の国王ローランへ貸与された。

本来の用途は不浄大地の領域を地獄として封印することにあり、現在ではその亜空間から不死属系魔物を召喚する軍事兵器として運用されるほか、皇帝が重罪人を地獄に封じる極刑地獄送りにも用いられる。

経緯

ゲヘナの鋲の起源は、神聖暦前251年頃にスラダ大陸南西部で発生した不浄大地にさかのぼる。不浄大地は、不死王ゼノン・ライフの覚醒とともに不死属系魔物の発生源となった地域であり、神聖暦244年に不死王が討伐されたのち、制御者を失った領域は拡大を続けた。

長い時の中で周辺の人間国家が対策に苦慮するなか、暗黒暦1541年、冥王シュウ・アークライトが不浄大地の解決に乗り出す。魔神ルシフェル・マギアは、不浄大地を封印して自在に解放できる鍵を人間に預けることを提案。冥王もこれを承認し、妖精郷において高度な魔術技術が総動員され、不浄大地そのものを制御する魔道具としてゲヘナの鋲が制作された。

同年、当時のプラハ王国国王ローランは鋲を妖精郷から貸与され、不浄大地の封印に成功した。ローランは、この力が人間に与えられたものではなく、神が人間の振る舞いを見極めるために預けた試練であると理解し、その思想は後の皇帝にも受け継がれることとなった。以降、鋲は歴代のプラハ帝国皇帝に継承されている。

鋲は皇帝自身の手で軍事兵器としても用いられ、暗黒暦1560年のフレーゼ防衛戦では、不死属軍勢の召喚により連合軍を撃退する戦果を挙げた。

構造

ゲヘナの鋲は、黄昏色をした短槍の形状を持つ魔道具で、外装には高耐久性と魔力伝導性を兼ね備えた魔術金属オリハルコンが用いられている。魔術媒体には黒魔晶が組み込まれ、魔晶回路と呼ばれる術式固定構造を形成している。

魔晶回路は発動可能な魔術を固定する代わりに、術式容量・応答性・精密性を大幅に向上させる機構であり、加えて黒魔晶特有のブラックホールフェイズシフト現象により、魔道具自体が魔力を常時生成する。このため、使用者の魔力消費は極めて少なく、低負担の運用が可能である。

鋲には、獄炎魔法と不浄大地そのものが封じられており、これらの要素が複合的に作用することで、地獄の亜空間を安定的に維持・操作する能力を持つ。

機能

  • 亜空間生成・固定化
    時空間魔術によって広大な亜空間を生成し、獄炎の性質を利用して空間構造を固定することで、維持コストなしに同一空間を恒常的に保持する。
  • 獄炎制御
    亜空間に封じられた獄炎を、槍の穂先から直接放出または飛翔させて操作できる。放出した獄炎は任意操作または安全措置によって回収可能であり、対象を捕縛した場合にはそのまま亜空間へ転送する。
  • 亜空間転送
    捕縛した対象や物質を獄炎とともに亜空間へ送り込み、封印状態に置く。また、亜空間から不死属系魔物を現世へ転送できる。

能力

  • 不浄大地の恒久封印
    鋲が保持する亜空間によって、不浄大地の拡大を停止させ、外界から隔離する。
  • 不死属軍勢の召喚
    不浄大地と獄炎が融合した亜空間(地獄)から、獄炎に守られた不死属系魔物を大量に召喚できる。倒された不死属は地獄へ還元され、再び新たな個体へ転生するため、実質的に無尽蔵の戦力供給が可能である。
  • 魂の封印
    捕縛対象が生命体の場合、そのごと地獄に封じ、現世への再出現を阻止できる。この性質は、皇帝が重罪人を極刑に処す際にも用いられる。

運用

ゲヘナの鋲はプラハ帝国の皇帝のみが使用でき、監視機関や外交的制約は存在せず、運用は皇帝の自制に委ねられている。しかし、歴代皇帝は初代ローランの「これは人間のものではなく、神の試練である」という認識を継承し、女神セフィラの存在も抑止力となってきた。
平時には、重罪人を地獄へ封じることに用いられる。

軍事的使用例

ゲヘナの鋲が軍事的に使用された例は限られており、以下の記録が知られている。
  • 暗黒暦1541年:不浄大地事変
    初代ローランによる初使用。不浄大地の封印を達成し、以降の拡大を阻止した。
  • 暗黒暦1560年:フレーゼ防衛戦
    初代ローランによる。プラハ王国が奇襲包囲を受けた際に使用され、不死属軍勢の召喚によって連合軍を撃退した。
  • 暗黒暦1809年:ルーイン蜂起事件
    三代目皇帝イシュヴァルは、ルーイン蜂起と封魔連合王国の侵攻に際し、女神セフィラすら忌避する怪物タマハミが現れ、秩序の魔女アイリスが介入する事態となったことを受け、即位92年目にして初めて使用した。
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