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魔晶

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魔晶

魔晶とは、魔石の仕組みを模倣して人工的に生成された魔術媒体であり、電子技術と結びつくことで神聖暦後期の人類文明の基盤を成した物質である。

概要

魔晶とは、魔石の魔術構築機能を模倣して人工的に生成された物質である。神聖暦246年頃、妖精郷の主導で設立されたハデスグループによって開発された。

外部から入力された電子情報を魔力情報へと変換し、内部に封入された術式群を組み合わせることで任意の魔術を自動的に構築・発動できる。この特性により、魔術を人間の思考力や魔術師の技能に依存せず制御することが可能となり、魔術と電子技術を融合させた魔晶技術の基盤をなした。

技術的基盤

魔晶は、魔術を構築するための術式群を高密度に封入した人工物質である。

外部から入力された電子情報を魔術情報に変換し、内部の術式を組み合わせることで任意の魔術陣を構築・発動する。

この仕組みは大きく三層に分けられる。
  • オペレーティングシステム
    魔晶に内蔵された基本制御機構であり、電子情報を受け取り、それに対応する魔術陣を組み立てる。
  • 計算魔術
    電子計算機から入力された複雑な計算式を、魔術的処理によって解析的に解き、結果を返す。
    これにより、人間や電子計算機では扱いきれない高度な計算処理を可能とする。
  • 最終出力
    実際に発動する魔術を担う段階。攻撃魔術や観測魔術、通信魔術など、入力に応じた多様な現象を直接行使する。

黒魔晶

黒魔晶とは、魔晶に封入する魔力と術式を極限まで高密度化し、ブラックホール相転移現象を応用することで生成される上位形態である。神聖暦300年頃、妖精郷によって実用化され、ハデス財閥を通してディブロ大陸遠征に初めて投入された。

第15階梯クラスの魔術を汎用的に実行できる計算能力を持ち、通常の魔晶では不可能な規模の術式運用を可能にする。また、ブラックホール相転移によって、高次元にある根源量子を同調させ魔力へと変換するため、事実上無尽蔵の魔力容量を持つ。

生産は極めて困難であるものの、神呪弾黒竜をはじめとした黒魔晶を搭載した兵器は従来の魔晶技術を凌駕する性能を示し、終焉戦争におけるスバロキア大帝国の技術的中核を成した。

魔晶技術

魔晶を基盤とした技術は、魔術と電子技術を融合させた新たな体系として、人類社会のあらゆる分野に急速に普及した。

最初の製品は「ソーサラーリング」であり、腕輪型端末に術式を電子情報として格納し、魔晶に入力することで誰でも高度な魔術を行使できるようにした。アプリケーションの発展に伴い、通信・地図表示・仮想ディスプレイなどの機能を備え、神聖暦後期の人間社会における個人向け万能ツールとして定着した。

産業分野では、魔力を動力とする機械や工作装置の制御に魔晶が導入され、従来不可能だった精密加工や自動化が進展した。発電所においても魔術が組み込まれるなど、社会インフラの根幹そのものが魔晶技術に依存するようになった。

また、普及期から終焉戦争終結までの間に、個人武装から大型兵器に至る多くの軍事装備が魔晶を組み込んで製造されるようになった(→「魔晶兵器」参照)。

歴史

発明と普及

魔晶の起源は、神聖暦104年に月光会の教祖ガイストが実用化した魔石および賢者の石に遡る。冥王シュウ・アークライトはこの技術を接収し、神聖暦244年、王の魔物を材料とした賢者の石を基盤に「マザーデバイス」と呼ばれる中枢装置を造り上げた。ここから人工的に魔石の機能を再現する構想が具体化し、魔晶として結実する。

神聖暦246年、妖精郷から人間社会に送り込まれた魔物たちが主導して「ハデスグループ」を設立すると、魔晶を応用した最初の製品「ソーサラーリング」が市場に投入された。これは腕輪型の端末に術式を電子情報として格納し、魔晶に入力することで誰でも高度な魔術を扱えるようにしたものである。第一次ディブロ大陸遠征で性能が証明されると、各国軍に急速に普及し、魔術の機械制御は標準となった。

その後も改良は続き、神聖暦286年には魔力蓄積機構を備えた「ソーサラーデバイス」が登場する。通信や地図、仮想ディスプレイといった機能を持ち、軍事のみならず日常生活にも浸透した。神聖暦300年頃には、魔晶は生活・娯楽・軍事を支える基盤となり、それなくしては文明が成り立たない水準にまで依存が進んでいた。

だが流通するすべての魔晶は、冥王のマザーデバイスを親機とする子機にすぎず、その内部には人類には検知も対策も不可能な「裏口」が仕組まれていたのである。

発展と終焉

神聖暦300年、黒魔晶が実用化されると、同年に始まった第二次ディブロ大陸遠征を通じて、軍事方面での魔晶技術の活用が本格化した。特に、第11階梯以上の魔術を銃器によって誰でも行使できる禁呪弾や、永久機関から得られる無尽蔵の魔力を用いて自律的に魔物を攻撃する殲滅兵は、従来では不可能な規模の戦果を挙げた。

やがて神聖暦320年に勃発した終焉戦争では、魔晶技術を用いた兵器が国家間で大規模に投入され、戦闘の激化により複数の国家が滅亡する事態となった。さらに神聖暦322年、西方都市群連合に属していたハデス財閥は、魔晶に仕込まれていたバックドアを通じて「悪魔の口」作戦を実施。神聖グリニア側の魔晶デバイスはすべて機能を停止させられた。

その直後、ディブロ大陸に生息していた王の魔物が人類国家を蹂躙し、混乱は決定的となる。ハデス財閥も残存する人類側のデバイスのネットワーク機能を停止したうえでスラダ大陸から撤退した。こうして人類は魔晶技術を完全に喪失し、それまでの高度情報化社会はもちろん、産業・医療・通信といった人類文明の根幹が一挙に崩壊することとなった。

暗黒時代

暗黒歴に入ると、魔晶技術を継承したのは、開発元である妖精郷と、独自にリバースエンジニアリングを進めていた恒王ダンジョンコアのみとなった。

恒王は自身の目的を遂行するために人類を駒として利用し、預言石や迷宮神器といった魔晶を組み込んだ魔道具を密かに流通させた。一方の妖精郷もまた、それに対抗する布石として宵闇の魔剣や不浄大地を封印するゲヘナの鋲を開発し、新たに魔晶回路と呼ばれる技術を実用化していった。

こうして暗黒歴における魔晶技術は、人類社会の基盤を支える技術から遠く離れ、二体の王の魔物の思惑を背景に、人類へと限定的に投下される超常の魔術道具としての性格を強めていった。
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