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聖教会

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魔族篇 4章までのネタバレを含みます。
聖教会

聖教会は、シュリット神聖王国を発祥とするスラダ大陸の宗教。

概要

聖教会は、星盤祖(マルドゥーク)の託宣を基盤とする信仰であり、人類を導き魔を討つことを使命とする宗教組織である。その信仰圏はシュリット神聖王国を中心に、スラダ大陸北部一帯に広がっている。

教会は、預言を伝える宗教機関としての側面と、聖石寮を通じて武力を行使する実践機関としての側面を併せ持つ。聖石寮による魔物魔族の討伐活動は、信仰の証であると同時に、各国の防衛・開拓における中核戦力でもある。

その活動はヴェリト王国や聖レベリオ=アスラン王国など同盟諸国の建国にも直接寄与しており、聖教会は宗教的権威と軍事的実効力の双方において、スラダ大陸北部の秩序を支える要として機能している。

歴史

発祥と確立

聖教会の起源は、暗黒暦1300年頃に起きたシュリッタット事変に求められる。当時の西グリニアでは、皮膚病患者や犯罪者を強制労働させる制度が存在したが、次第に運用が濫用され、冤罪による追放が相次いだ。その中の一人、アズライールは腐敗した旧来の魔神教を否定し、信仰と秩序を取り戻す新たな枠組みとして聖教会を名乗った。

反乱は敗北に終わったものの、地下迷宮を経て辿り着いた土地に聖都シュリッタットを築き、アズライールを最高神官とする教会制度を整備した。星盤祖(マルドゥーク)の預言を受け取り、それを社会へ伝える仕組みが整ったことで、教会は被追放者の共同体から人々を導く宗教機関へと変貌した。

のちに、星盤祖の託宣に導かれて来訪したスレイ・マリアスが聖石寮を創設すると、教会の役割は一層明確になる。聖教会は預言をもとに方針を定め、人々を教化し、洗礼によって得られた聖石を管理した。聖石は信仰の武力的実践である魔物討伐などに用いられ、聖石寮がこれを担った。

こうして預言・教化・洗礼の基本性質が確立し、今日の聖教会が形成された。

長期抗争

暗黒暦1350年の魔神戦役を端緒として、聖教会は恒常的な魔族との抗争に入った。聖石寮は人的損耗に苦しみ、七代目聖守を巡るプラハ王国との対立では敗北し、長期にわたり聖守不在期を迎える。さらに、赫魔の群れや吸血種が支配するサンドラ帝国の台頭も重なり、東方への勢力拡大が求められた。

+ 以下、魔族篇 4章のネタバレを含みます。
暗黒暦1598年、聖教会はヴェリト人と同盟してヴェリト王国を建国し、さらに1800年頃には聖レベリオおよびアスラン王国の復興を支援して同盟体制を再構築した。これにより、スラダ大陸北部から東部にかけて安定的な影響圏を築くことに成功した。

しかし、暗黒暦1836年の二代目魔神討伐戦で、「魔神を討った者が次の魔神となる」という事実が明らかになる。以後、聖教会は解呪研究という新たな使命に直面するが、暗黒暦1999年、研究の成果も虚しく、ネオンとルークが三代目魔神として解放され、都市アーランドが壊滅した。この事件は、聖教会の信仰と体制の両面に大きな転機をもたらし、教会の活動は新たな局面へと移行した。

教義

聖教会は星盤祖(マルドゥーク)を信仰し、人類社会を導いて魔物などの脅威から守護することを教義の根幹とする。

星盤祖は力あるいは運命として解釈され、その意志は魔力という形で現実に干渉し、託宣によって人類を導くとされる。

教会の使命は、星盤祖の声を直接受け取り、その言葉を世に示し、時に武力をもってその力の実在を証明することにある。

魔神教との類似性と相違点

聖教会は西グリニア魔神教から分派しつつ、その組織的腐敗を否定する運動として成立した。したがって、その教義の下地はさらに遡れば神聖グリニア魔神教に源流を持つ。上位存在の意志に従って人類を導き、外敵を排除するという構造は共通しており、両者の類似はむしろ必然といえる。

一方で、魔神教が神の祝福として崇めた魔装は、聖教会においては徹底的な洗礼によって否定され、社会からも信仰からも忘却された。

また、信仰対象もルシフェル・マギア(エル・マギア)からダンジョンコア星盤祖(マルドゥーク))へと転じており、その変容は単なる分派を超えた宗教的再構築といえる。

異教への対応

聖教会は星盤祖(マルドゥーク)を唯一の信仰対象としながらも、他の霊的存在を全面的に排斥する立場ではない。

ヴェリト王国の信仰する始原母の儀式は公的に容認されており、その恩恵として授けられる祝福(ベルカ)聖石寮でも実用的な異能として利用されている。

一方で、特定の王の魔物を神格化する豊穣の祈り(セフィラ・キエナ)は、信仰体系の根本が相容れないことに加え、過去の対立の経緯から邪教的儀礼として明確に退けられている。

組織と儀礼

教会

シュリット神聖王国の各都市には教会が置かれ、その多くには歴代の聖守など偉人の名が冠されている。また、聖教会と同盟関係を持つ国家にも同様の教会が存在するとみられ、信仰圏はスラダ大陸北部全域に及ぶ。

聖教会が明確な総本山を持つかは定かでないが、発祥地であるシュリット神聖王国の聖都シュリッタットに所在する聖アズライール教会は、信仰の象徴であり主要儀礼の中心地とされる。同教会には唯一の預言石の間が存在し、最高神官がこれを管理して星盤祖(マルドゥーク)の託宣を受ける役割を担っている。

聖石寮

聖石寮は、聖教会の教義を実践するために設けられた対魔戦力である。

教会にとっては信仰を現実へと還元する手段であり、聖石寮にとっては存在意義と戦力の源泉として教会の支援に依存する。

両者は理念と機能の両面で密接に結びついているが、制度上は独立した組織として運営されている。(詳細は「聖石寮」を参照)

洗礼

聖教会では、信徒の子供が十歳になるまでに教会で洗礼を受けることが義務付けられている。儀式の際、魔装の才を持つ者はその力が抽出され、聖石が生成される。洗礼によって得られた聖石の具体的な扱いは不明だが、最終的には聖教会の管理下に置かれる。

また、移民や外国人は、居住地の外国人教会に通い、税を納めたうえで洗礼を受けることで、初めて正式な信徒として認められる。
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