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豊穣の祈り
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魔族篇 4章までのネタバレを含みます。
概要
発祥
のちに噂を聞きつけたプラハ王国王子ローランはウルヘイスを訪れて、同地の女神として君臨していたセフィラと出会う。二人は友誼を結ぶとともに、王国を強くし、信仰を広げる契約を交わした。不老長寿となったローランの治世で、祈りを捧げて実りを受け取るという形での豊穣の祈りと、妖精郷および冥界の存在がプラハ王国へと浸透した。
暗黒暦1541年、不浄大地が氾濫し、隣接するアルザード王国が窮地に陥った。プラハ王国はこれの救援に駆けつけ、ゲヘナの鋲でもって不浄大地を鎮めた。この伝説と、豊穣の祈りや妖精郷伝説などが集合し、今日にプラハ帝国で伝わる豊穣の祈りが確立した。
神話体系
神格
- 豊穣の女神セフィラ - 祈りに応じて土地を潤し、生命を育む豊穣神であると同時に、精霊秘術を通じて人々に加護を与える守護神でもある。
 歴代プラハ帝国皇帝とは代々に友誼を結び、不老長寿の加護を授ける。
- 冥王アークライト - 死後の魂を冥府へと導き、休息ののちに再び現世へ転生させる冥界の神。
- 秩序の魔女アイリス - 魂が滅びに瀕したとき、それが生前に敬虔だった者であれば、冥王に取りなしてその救済を願うとされる。
- プラハ帝国皇帝 - 女神の加護を受けた裁定の王。
 罪深き者にはゲヘナの鋲をもって裁きを下し、魂を地獄へ封じることで秩序を守る。
三界
- 冥界 - 死後の魂が辿り着く冥王の世界。魂は冥府で浄化され、現世で次の生を受けるため準備を整える。
- 地獄 - 罪深き者が落ちる世界。魂は等しく冥界へ向かうが、裁定の王の沙汰を受けた者はこの地へと堕とされ、永劫の苦しみを受ける。
- 妖精郷 - 神々の住まう島であり、幸運をもたらすとされる妖精たちの世界。
教義
この信仰において、神々は人間の上位に立つ支配者ではなく、世界の法則として働く自然的秩序の一部として位置づけられる。信徒は神の意志に従うのではなく、その法則のもとで正しく生きることを理想とする。豊穣や加護は神々によってもたらされるが、その恩恵は人間の営みに左右される。労働を惜しめば実りは得られず、備えを怠れば外敵に抗うことはできない。
儀礼
プラハ帝国の首都アンブラには、女神セフィラが直接加護を与えたセフィロトの樹が植わっており、その枝から削り出された女神像や祭具に向かって祈ることで、信徒の魔力が女神を通し大地へと還元される。この儀礼によって土地が肥沃になり、作物の実りが増すとされる。
また、月初めには全国規模で豊穣祭が催され、人々は街や村の祭壇に集い、祈りと供物を捧げることで女神への感謝を示す。
組織
代々の皇帝は女神に仕える存在ではなく、互いを対等な友として遇する立場にある。この方針は、初代皇帝ローランが唱えた「神と王が並び立つ国家は分裂を招く」という思想に基づくもので、以後、プラハ帝国では皇帝が信仰の象徴であり、同時に統治者でもあるという形が維持されている。
精霊秘術
教派
- サンドラ帝国
 暗黒暦1595年頃に始祖吸血種カーミラによって伝えられた。その具体的な受容形態は明らかではないが、プラハ帝国と同様にセフィロトの樹から削り出された女神像や祭具が用いられており、軍事的な戦力として精霊秘術が利用された。このことから、炎帝ヘルダルフの公認のもと、一部の国民が女神セフィラを信仰していたとみられる。
 一方で、サンドラ帝国では炎帝を絶対視しており、女神セフィラと個人的な友誼を結ぶプラハ帝国皇帝の存在を認める余地はほとんどなかったと考えられる。このため、サンドラ帝国内の豊穣の祈り は、それらを意図的に欠いた独自の教派として展開していた可能性が高い。
 サンドラ帝国は暗黒暦1809年に滅亡し、その領域はのちに聖レベリオ=アスラン王国へ編入された。その後、豊穣の祈りがどのように変容したかについては不明である。
宗教対立
- シュリット神聖王国および聖教会豊穣の祈り は一貫して邪教として扱われている。もともと両勢力は、スラダ大陸西部における宗教的・政治的影響力をめぐって対立関係にあった。
 暗黒暦1560年、プラハ王国の王子フレーゼが聖教会の預言によって聖守候補に指名されたことを契機に、シュリット神聖王国とプラハ王国との間で戦争が勃発した。この戦争はプラハ王国の勝利に終わったが、同国が戦闘において不死属系魔物を運用したこと、また豊穣の祈りにおける神格の一部が冥王アークライトをはじめとする王の魔物に由来していたことが、聖教会による宗教的断絶を決定づけた。
 以後、聖教会は豊穣の祈りを邪教と位置づけ、両宗教の間には長期にわたる対立と緊張が続いている。
