//もう少し、公平な感じで加筆してみました。これもまた「サムスピ」の世界を表現する方法の一つとして考えられた物であり、初代からもバッサリと真っ二つといった表現もあった訳で。 &font(b,i,30,black,red){ー 絶 命 勝 利 ー } 『[[サムライスピリッツ]]零SPECIAL』にて採用されたシステム。 文字通り相手を絶命させる――すなわち、決めた瞬間に勝利が確定する技。 しかし、使用条件はなかなか厳しい。 その条件とは +自分が一本取った状態で、相手の体力が境地ゲージを下回っていること&br()(相手が「無の境地」未発動、発動中、発動後のいずれでも可) +「怒り爆発」状態であること +武器を持っており、地上にいること 「無の境地」や「怒り爆発」についての詳細は[[こちら>サムライスピリッツ]]を参照。 性能は全キャラ共通で、発生が若干遅い代わりに出掛かり完全無敵の短距離突進技。 この突進は「無の境地」によるスロー化の影響を受けないので、相手が境地発動中に反撃として使うことも可能。 突進がヒットするとBGMが変わり、キャラごとのトドメ演出へと移行する。 絶命奥義の真価は「無の境地」ゲージの変換効率の良いキャラに対して発揮される。 [[右京>橘右京]]や[[半蔵>服部半蔵]]などの変換効率の良いキャラは、大体3ラウンド目になると境地ゲージが6割近く溜まっている。 そして上記キャラなどは境地中に崩せる性能を持っていて、崩されると7割~8割は平気で飛ぶ。 つまりは相手のライフが6割を切ると、無の境地で即死させられる危険性がある。 その対抗手段として崩された瞬間に怒り爆発を行うことで、相手の無の境地が終了するの間 絶命奥義をちらつかせての駆け引きが出来る。 上記の通り発生は遅いが、突進直後1キャラ分移動する前後までは全身無敵なので相手も迂闊に技を振れなくなる。 せっかくライフの7割分も溜めた境地ゲージが仇となって、絶命奥義で即死するのはもの哀しいものがある。 ちなみに絶命奥義の条件を満たしているときに相手がジャンプすると、 [[水邪]]や[[劉雲飛]]などの空中で技を出して着地ずらしを出来るキャラ以外には絶命奥義が&bold(){確定}する。 爆発されたらバッタ厳禁。 ただし、相手が境地ゲージの変換効率の悪いキャラだったり、2ラウンド目時点の場合だと 絶命奥義が使用可能圏内になってはいるが、相手の残り体力が&bold(){2~3割程度}なんて事もザラだったりする。 この場合、奥義とか使うまでもなくサムスピ的には&bold(){既に一撃死圏内}である。 ディップスイッチをいじれば初期境地ゲージ9.9割やら即死する一閃やらというものも可能だが、 もちろん実戦ではそんなこと不可能である。 余談だが、上記の各種DIPを使用し怒り爆発条件無制限、無の境地条件無制限とした場合、 怒り爆発中に境地を行うと爆発の効果が無くなる。 逆に境地中に怒り爆発を行うと境地はそのままに爆発の効果も上乗せできる。 一撃必殺技と言うよりは、『[[痛快GANGAN行進曲]]』の「ガンガン必殺技」や『超鋼戦記キカイオー』の「ファイナルアタック」のような トドメ専用の[[魅せ技>ロマン技]]に近いかもしれないが、ハイレベルな真剣勝負でも稀に絶命奥義で大逆転、ということが起こる。 ただしCPU戦ではこれか一閃をボスに決めないと次のボスが出てこないままバッドエンド直行となるため、 グッドエンドを見たいならやる必要がある。 ([[天草>天草四郎時貞]]→[[斬紅郎>壬無月斬紅郎]]→[[我旺>兇國日輪守我旺]]→[[ミヅキ>羅将神ミヅキ]]と出るので3回決める必要あり。ミヅキのみは何でも良い) 無の境地からの一閃でもいいのだが、こちらの方が圧倒的に簡単。 ただし、我旺のみ絶命奥義に対して明らかにガードするAIをしているので、投げをすかして決めるなどの工夫がいる。 そもそも、零SPは普通にフィニッシュしても真っ二つになったりするので結局変わらないとも。 全体的に&bold(){グロい}。しかも対象は男女問わず。 (ただし他キャラに比べ[[ナコルル]]等一部の女性キャラは不自然にガードが固く、 多少ではあるが開発側も下記のような事態を考慮していたものだと考えられるが…) その演出は[[食う>妖怪 腐れ外道]]、[[血の雨を降らせる>水邪]]、[[影に引き込んで首だけ放り捨てる>首斬り破沙羅]]、[[馬乗りになって心臓を一突き>ナコルル]]等、様々である。 //グロ度が低いものもあるにはあるが、その辺はむしろ昔の必殺技の使い回しで出来が悪……ゲフンゲフン |※グロ注意&br()&nicovideo(sm4209){280,180}|※修正された結果。あまり変わってない?&br()&nicovideo(sm1913816){280,180}| ---- //この辺りが、『零SP』が黒歴史扱いされる要因なのは間違いないだろう。 『零SP』はバランス的にはシリーズ最高傑作とまで言われているのだが、この表現の話題が一人歩きし、 肝心のゲーム部分より有名になってしまった。 そもそもサムスピは初代からして胴体が真っ二つになるような「刀で斬られた表現」があり、 『天草降臨』では見方によっては絶命奥義よりも過激な後述の「断末奥義」も存在する。 『零』では斬殺KOが無くなったことで物足りないという意見があり、『零SP』では胴体切断、斬殺KOが復活、 更に条件を厳しくし、あくまで「魅せる」に徹したこの絶命奥義が採用された。 しかし、その表現がやりすぎだと叩かれ、家庭用で発売されたNEOGEOロム版では完全カット、 後に続く斬殺や血しぶきエフェクトもカットされた『天下一剣客伝』と繋がっていく。 尚、[[侍魂公式サイトの紹介>http://samuraianiv.snkplaymore.co.jp/title/samurai-spirits9/index.php]]ではこのシステムの紹介はなく一切触れられていない事からも、圧力の程も知れよう。 //……何故こう極端から極端へと走るのか。 しかし、「斬る」という表現はやはり刃物が身体に及ぼすダメージを視覚的に現すことにおいて効果的であり、 絶命奥義もまた、「死合う」という意味を率直に表した結果である。 その為、この表現を支持する層、否定する層と分かれており、今なおこの表現に対しての意見が交わされている。 『零SP』の場合、周囲の意見から作り手が残虐行為であると認めたため、 家庭用に向けては完全にカットされるという事で対処がなされた。 これに関しても賛否両論を呼んだのだが、「どちらが正しい」とは言い切れない、難しい問題である。 //事実新規格ゲーファンからの本作のイメージをグロゲーと印象付けてしまったことに関してもプレイモアには当然責任があり、極端ではあったが急遽修正したことも間違っているとは言い切れないかもしれない。 これ以前にも『天草降臨』には「断末奥義」という似たような名前のシステムがあるが、こちらは勝敗が決した''後''に 無抵抗の相手にトドメを刺すというもので、[[FATALITY>究極神拳]]寄り、と言うかほぼそのまんま。 こちらは[[ナコルル]]と[[リムルル]]、そして何故か[[斬紅郎>壬無月斬紅郎]]に対しては発動できない。またこの3人のみ通常の切断KOも発生しない。 なお、女子供でも、[[シャルロット]]や[[閑丸>緋雨閑丸]]は普通に死ぬ。 斬紅郎に関しては少女である、保護動物である等の説があったが、未だに真相は謎。 ちなみに、「絶命勝利」のボイスが「説明しよう」に聞こえる[[空耳]]があり、「説明してくれよwww」などのコメントが付くこともある。 ---- MUGENでは、やはり『必殺』という部分に惹かれたのか、多くのサムスピキャラ及びサムスピ風キャラに搭載されている。 本来『零SP』には登場していない[[夢路>黒河内夢路]]や[[三九六>萬三九六]]や[[パピー]](いずれもたるせ氏製作)、 Pinko氏の[[服部半蔵]]や[[妖夢SS>魂魄妖夢]]、うる氏のサムスピ風[[このは]]などなど…… また、悪咲3号氏のCVS2版[[覇王丸]]及び[[羅刹丸]]にも搭載されているが、こちらは大ダメージを与える3ゲージ技となっており、 この技で相手をKOした場合のみ特殊演出に移行するというアレンジが施されている。 原作ではこのラウンドを勝てば試合に勝てるという条件でのみ使用可能であったが、 MUGENではこの条件を判別することができないため絶命奥義を全ラウンド使えたりするキャラも存在している。 ※やっぱりグロ注意 &nicovideo(sm1267387) ---- #region(余談だが、この「絶命奥義」が一因となってある騒動が起きている) このシステムが実装されている「サムライスピリッツ零SPECIAL(以下零スペ)」、実は&bold(){NEOGEO最終作}である。 CAPCOMと共に格ゲー黄金時代を築いたSNKが倒産し、その象徴ともいえるNEOGEOが開発終了するというニュースは、 多くのファンに衝撃を与えた。 と同時に、長き歴史の幕引きとなる最終作の出来栄えを確かめようとするユーザーも多く出現。 ゲームそのものの出来も非常によかったこともあり、ユーザーの期待は非常に高まっていた。 実際、この「零スペ」のNEOGEOROM版の予約発注数は他タイトルに比べてかなり多かったという話もある。 しかし、このゲームの残虐表現に対する批判や当時の風潮を鑑みたSNKプレイモアは &bold(){「絶命奥義」の残虐表現(切断など)を全て削除}し、その全てを一閃と同じ演出に変更するという措置を取った。 ここまでならば企業としては普通の対応なのだが、問題はこの修正が&bold(){ユーザーへの事前告知なしで行われた}という点。 NEOGEOROM最大の魅力として、&bold(){&color(red){「アーケードと同じ仕様でプレイできる」}}というものがある。 当然、ユーザーはこの「零スペ」も(「絶命奥義」含め)アーケードと同じ感覚でプレイできるものとして予約・購入しており、 上記の修正の事実を購入後に知ったユーザーは大激怒。 この修正自体にも問題があったのか、プラクティスにおけるフリーズやアーケードには存在しないバグ (最終ラウンドを制しても「勝負あり!」の文字が出ないなど)が発生しており、さらにユーザーの怒りを煽ることに。 この結果、バグ修正と絶命奥義などの修正されたシステムの完全移植を求めてユーザーが署名活動を開始。 これを受けたSNKプレイモアは、個人情報保護の観点から署名を受け取ることは出来ないとしながらも、2004年8月に修正版を発売。 これによりバグは修正され、絶命奥義も残虐表現のカットという条件付きで組み込まれることとなり、一応の解決を見た。 しかし、NEOGEOROMに「アーケード準拠」を求めたユーザーは当然ながら納得せず、 またあまりこだわらないユーザー層にも「SNKプレイモアはユーザーを大切にしない」という印象をつけることになってしまい、 ゲーム会社としての評価を大きく下げることになってしまった。 ちなみに、海外ではこの絶命奥義はウケがよかったらしく、残虐表現付きの完全版として発売されているらしい。 流石というか、なんというか……。 まぁ、絶命奥義の元になった[[ゲーム>モータルコンバット]]が未だに発売され続けているからしょうがない。 #region(但し…(以下自己責任にて)) なお、国内版も実は絶命奥義のデータ自体は全て残っているため、BIOSをUNIVERSE BIOS (デバッグNEOGEO相当のBIOSが改良されたもの、フリーで公開されている)に差し替えることで使用可能。 UNIVERSE BIOS使用時は「勝負あり」が出ないバグも修正されるので使用を推奨する。 いうなれば、数々のバグや不具合を起こした原因は、「絶命奥義を作動させない」為のプログラムを急増で付け足したため、 それが従来のプログラムとの噛み合いから引き起こした物であり、このBIOSを使う事で そのプログラムのロックが解除されるため、バグや不具合が発生しなくなるのである。 ただし、これが出来るのはそのバグや不具合の出る「修正前」のROMで、 後に出た「修正版」のROMではプログラムそのものが書き直されているため、意味がない。 BIOS作成にはROMライターの他、家庭用NEOGEOの場合BIOS-ROMが基盤に直付けされているためハンダ付けが必須となる。 そしてこの方法は、メーカーの定める正式な使用方法及び改変では無いため、 これを行う際には各個人所有のNEOGEO本体にて、自己責任において行うように。 また、この様なNEOGEO本体の改造はしたくない、または出来ない、けどきちんとしたROMが欲しいという場合、 MVS基板か、NEOGEOでMVSカセットが使える「MVSコンバータ」を購入し、MVS版「零SP」のロムカセットを購入するという手もある。 ただ今の中古市場ならばMVS基板はかなり安価で出回っているが、「零SP」は上記の出来事もあって、 中古やオークション市場でも高価で取引され、今も入手困難な状態が続いている。 その為、ゲームセンターに置かれるはずの分も個人購入され、なかなか市場放出されない。 今現在、「零SP」をアーケードで見る機会が少ないのは、こういった理由も一部含まれている。 #endregion #endregion //絶命奥義についてならばこの話題にも触れておくべきかなと思い、書いてみました。 //加筆、修正など気づきましたらお願いします。 //UNIVERSE BIOSについて記述。エミュで語られることが多い話ですが家庭用NEOGEO実機での絶命奥義使用を確認したので、一応。 //ただ、メーカーが使用を推奨している訳ではない非公式改造にあたるので、注意書きの追加と念のため二段隠しにしておきました。 //もう少し、公平な感じで加筆してみました。これもまた「サムスピ」の世界を表現する方法の一つとして考えられた物であり、初代からもバッサリと真っ二つといった表現もあった訳で。