月華の剣士

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*概要
SNKの2D対戦格闘ゲーム。 略称は 「月華」。
『一幕』 『二幕』 の2作品と、ネオジオポケットで外伝 『特別編』 がリリースされている。
海外版のタイトルは 『The Last Blade』。
二幕を以て完結しており、今のところ続編製作の予定はない。

対戦格闘ブームがそろそろ過ぎ去ろうかという頃に登場した、『[[サムライスピリッツ]]』 に続くSNK第二の剣劇格闘。
歴代のタイトルで培った様々なシステムを融合させつつ、
格闘ゲーム全体の敷居が高くなり、新規プレイヤーの参入が難しくなっていたという時勢を考慮し、
初心者にも手軽に楽しめるようにするための工夫が随所に見られる。
特に 「[[弾き]]」 の存在によって駆け引きがより直感的・攻撃的なものになっており、
この点が間合の取り合い、いわゆる 「差し合い」 をメインとするサムスピシリーズとの明確な違いとなっている。
またSNKのドット技術の集大成と言える美しい2Dグラフィックも特徴。
格闘ゲームに限らず、近年はどのジャンルでもポリゴンやCG、アニメ調の絵が主流になっているため
いまだにこの作品や 『[[ストリートファイターIII>ストリートファイター3]]』、『[[ウォーザード]]』、『[[餓狼MOW>餓狼伝説]]』 などが
ドット絵の最高峰と言われ、高い評価を受けている。

世界観や設定は当時人気絶頂だった和月伸宏氏の漫画 『るろうに剣心』 の影響が色濃く見られ、
中には&bold(){明らかに[[パ○リ>鷲塚慶一郎]]}なものも多いのだが、これは先にサムスピなどから同レベルのパ○リをやらかしていた
るろ剣に対する[[パロディ]]返しという意味もあるのでどっちもどっち。
両者の関係が取り沙汰されることもあったが、後に和月氏の念願が叶ってサムスピが2Dに復帰、
さらにメイン数キャラのデザインを任されたということで、最終的には丸く収まったようだ。
そもそも、和月氏はるろ剣単行本のフリートークを見る限り「月華の剣士」について最初から悪感情を持っておらず、むしろこの作品の発表後、
「&bold(){幕末版サムスピを夢にまで見た}」とのたまい、鷲塚の「最終・狼牙」の演出を「ひたすらカッコいい」と断言するほど気に入っている。


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**~幕末浪漫~ 月華の剣士
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1997年11月にMVS (業務用NEOGEO) で稼動。
ROM容量473Mbit(MbitはMBの8分の1の単位で、8Mbit=1MBとなる)。 通称は 「一幕」 など。
3D路線に切り替えられたサムスピに代わって2Dに投入された、幕末剣客格闘ゲーム。
主人公は[[楓]]、ラスボスは[[嘉神慎之介]]。
美形揃いのキャラクターやスタイリッシュで綺麗な演出、大幅に簡略化された操作系統などを特徴としており、
見た目も中身も 「濃い」 印象があったサムスピとは別のプレイヤー層を狙った作品だったと思われる。
キャラごとに覚えることが少なく操作が簡単、かつ連続技が次々に繋がることを 「単調な作業ゲー」 と受け取るか、
「初心者に優しい」 と受け取るかで本作の評価は大きく分かれている。
当然ながら格闘ゲームに慣れた既存ユーザーは前者、新規やライトユーザーには後者の意見が多く見られるが、
弾きによるシンプルな読み合いを軸とするシステムそのものはよくまとまっており、
サムスピとはまた違った方向の武器格闘として一定の評価を得ている。

-使用可能キャラクター
>[[楓]]、[[御名方守矢]]、[[雪]]、[[玄武の翁]]、[[一条あかり]]、[[神崎十三]]、[[鷲塚慶一郎]]、[[紫鏡]]、[[天野漂]]、[[李烈火]]、[[斬鉄]]、[[直衛示源]]
>ポン太(家庭用のみ、キャラは一条あかりと同じ)、木偶の示源(家庭用のみ、キャラは直衛示源と同じ)
-CPU専用キャラクター
>[[暁武蔵]](中ボス、隠しコマンドで使用可能)、[[嘉神慎之介]](最終ボス)

-操作系統
--1レバー+4ボタン (A: 弱斬り、B: 強斬り、C: 蹴り、D: 弾き)
-&bold(){[[剣質]]}
--キャラクターを決定した後、性能の異なる 「力」 か 「技」 のどちらかを選ぶ。&br()サムスピの 「修羅」 「羅刹」 を発展させたようなものだが、本作では人格や人物が変化することはない。&br()キャラによってはそれぞれの剣質専用の技が存在することもある。&br()各剣質についての考察は該当項目を参照。
---&bold(){「力」}
----攻撃力が高く、通常技をガードされても削ることができる。&br()ただし武器攻撃をガードされるとサムスピシリーズ同様、跳ね返りモーションを取る。
----&bold(){昇華}
-----特定の必殺技から超奥義・潜在奥義にキャンセルがかかる。 いわゆるスーパーキャンセル。&br()超奥義を出せる状態であれば、特に使用条件はない。
----&bold(){潜在奥義}
-----剣質ゲージが満タン、かつ体力ゲージが赤く点滅している時 (1/4以下) に&br()ゲージを全て消費して出せる大技。
---&bold(){「技」}
----攻撃力が低い代わりに一部の動作が速くなり、キャンセル可能な通常技が多くなる。
----&bold(){連殺斬}
-----小技から繋がるチェーンコンボやコンビネーション攻撃のようなもの。&br()基本的に蹴りは組み込まれない。
----&bold(){乱舞奥義}
-----剣質ゲージが満タン、かつ体力が赤く点滅している時に22+ABで発動。 いわゆる[[オリコン>オリジナルコンボ]]。&br()キャラクターが青く光り、持続時間が画面下部にゲージで表示される。&br()殆どの動作が速くなり、攻撃を他の攻撃でキャンセルできる。(必殺技は必殺技でのみ可能)&br()攻撃を当てた際のヒットバックが少なくなり、相手ののけぞり時間が増加。&br()また全ての攻撃で自動的に短距離前進し、空中に吹き飛んだ相手にも連続ヒットするようになる。
--剣質ゲージ
---自分が攻撃を当てたり必殺技を出すことによって溜まるスタンダードなタイプのゲージ。&br()最大量はどちらの剣質でも1本。 MAXになっても特別な効果は無く、ストックしておくことができる。
----超奥義
-----剣質ゲージを1本消費して出す、いわゆる超必殺技。&br()体力ゲージが点滅している状態であれば使い放題。
-ダッシュ、バックステップ
--レバー前or後ろを素早く2回入力。 ダッシュは2回目のレバーを入れ続ける間走るラン型。
-ジャンプ
--レバー上要素を短く入力で低く短く跳ぶ 「小ジャンプ」、ダッシュ中に上要素で 「大ジャンプ」、&br()ダッシュ中に短く上要素で 「中ジャンプ」、ダッシュ中に短く後方斜め上で 「ダッシュ小ジャンプ」。
-特殊技
--ほぼ全キャラ共通。 レバー後ろ+Aでリーチの短い弱斬り、レバー前+Bでリーチの長い強斬り、&br()レバー前+Cで[[クリティカルワイヤー>ワイヤーダメージ]]の吹き飛ばし蹴り、レバー前方斜め下+Cでダウンを取る転ばせ蹴り。
-[[中段技>中段]]
--BC同時押し。 しゃがみガード不能の地上技。
-ダウン追撃
--相手がダウンしているときにレバー前方斜め下+BorC、またはレバー上要素+BorC。(キャラによって異なる)&br()この他全キャラの立ちCと、一部の必殺技などでも追撃が可能。
-通常投げ
--レバー前or後ろ+B。 失敗時はスカりモーションが出る。
-&bold(){[[弾き]]}
--残像を伴って身体を後方に引き、タイミング良く相手の攻撃に合わせると相手を一定時間無防備にする。&br()レバーニュートラルor後ろ+Dで 「上段弾き」、下or後方斜め下+Dで 「下段弾き」、&br()前+Dで 「上段必殺技弾き」、前方斜め下+Dで 「下段必殺技弾き」。&br()相手の攻撃の上下段によって使い分ける必要がある。&br()必殺技は各必殺技弾きでしか弾くことができないが、必殺技弾きは通常技も弾くことができるため、&br()通常の弾きを使う必要性は基本的にない。 詳しくは該当項目を参照。
-ガードクラッシュ
--ガードクラッシュすると武器を落としてしまい、一部の行動と弾きができなくなる。&br()ただしサムスピとは違い、素手状態でも相手の剣質が 「技」 の場合は通常技の削りダメージを受けない。&br()素手時に落ちている武器の近くでAorBを押すと拾うことができる。 ガード耐久値を示すゲージなどはない。&br()一部自ら武器を手放したり、発動中に攻撃を受けると武器を落としてしまう技もある。
-空中ガード
--垂直or後方ジャンプ中のみ空中ガード可能。 一部地上技は不可。
-移動起き上がり
--ダウン中にレバー前要素or後ろ要素。
-挑発
--スタートボタン。 特に効果はない。

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**幕末浪漫第二幕 月華の剣士 ~月に咲く華、散りゆく花~
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1998年11月にMVSで稼動。  ROM容量544Mbit。 通称は 「二幕」 など。
シリーズ第二作にして完結作となった。 ラスボスは[[黄龍]]。
前作で既に完成されていたシステムがさらに洗練された改良版。
より駆け引きがシンプルになったが、対戦バランスは前作より悪化しており、バグや永久も多数見つかっている。
特にゲーメストが発見した、ガード硬直中にガード状態の切り替え (立ガード→屈ガード、屈ガード→立ガード)
を行うことにより全キャラのガード硬直を大幅に短縮できる 「ガード硬直短縮バグ」 は
バグでありながら対戦の必須技術の一つとされ、新規プレイヤー参入の敷居を上げる結果となった。
操作感覚も基本的に大きな変化は無いため、やはり好みが分かれる一作となった。
とはいえ新キャラクターの登場、秀逸なBGMや演出、ストーリー完結作ということもあって人気はこちらの方が高い。
ゲームとしての質は非常に高く、迷走を続けていた旧SNKが最後に放った輝きが
餓狼MOWとこの月華二幕だったと言われている。
変更点のみ下記。

-使用可能キャラクター
>[[楓]]、[[御名方守矢]]、[[雪]]、[[玄武の翁]]、[[一条あかり]]、[[神崎十三]]、[[鷲塚慶一郎]]、[[天野漂]]、[[李烈火]]、[[斬鉄]]、[[直衛示源]]
>[[真田小次郎]]、[[高嶺響]]、[[刹那]]、[[骸>紫鏡]]、[[嘉神慎之介]]
>はぐれ人形(隠しキャラ、対戦相手と同キャラになる)
-CPU専用キャラクター
>[[黄龍]](最終ボス)

-剣質
--剣質ごとにキャラクターのカラーと勝利演出が変化するようになった。
---&bold(){「極」}(新)
----剣質選択画面で技に合わせてCを6回、力でBを3回、技でCを4回、を4秒以内に入力。&br()「力」 と 「技」 を合わせたハイブリットな隠し剣質。
-----攻撃力が高く、通常技に削りダメージが付く。
-----連殺斬が使用可能。 またキャンセルがかかる通常技が多い。
-----乱舞奥義、潜在奥義、昇華が使用可能。
-----防御力が大幅に低下し、剣質ゲージが極端に溜まりにくくなる。
-乱舞奥義
--22+AorBに変更。 残り体力にかかわらずゲージ1本消費で出せるようになり、&br()発動した直後自動的に突進、初段ヒット後ボタンやレバーをルート通り入力していく、&br()[[デッドリーレイブ]]形式の[[乱舞技]]になった。&br()Aで出した場合の初段はしゃがみガード不能、Bで出した場合は立ちガード不能。&br()また各キャラはスタンダード、パワー、テクニカルのいずれかのタイプが設定されており、&br()ルートはこのタイプごとに4種類ずつ用意されている。
-ダッシュ攻撃 (新)
--前方ダッシュ中に攻撃ボタンで上段ダッシュ攻撃、レバー下要素が入っていると下段ダッシュ攻撃。
-ジャンプ
--中ジャンプが削除。 ダッシュ小ジャンプが前作の中ジャンプの操作になった。
-同時押し攻撃
--BC同時押しで出る攻撃が剣質 「力」 の場合は 「ガード不能斬り」、&br()「技」 「極」 の場合は[[中段判定>中段]]の 「打ち上げ斬り」 に変化。
-通常投げ
--CD同時押しにコマンド変更。
-弾き
--「上段弾き」 「下段弾き」 「空中弾き」 の3種類に変更。&br()必殺技は各動作の出際にキャラが白く光るほんの一瞬のみ弾けるようになった。&br()空中弾きに失敗すると着地時の硬直が長くなる。
---ガードキャンセル弾き (新)
----剣質ゲージMAX時にガード中に412+D。 ゲージは全て消費する。&br()剣質 「力」 の自動的に跳ね返りモーションが出る技はガードキャンセル不可。
-空中受け身、地上受け身 (新)
--空中吹き飛び中、もしくは着地した瞬間にD。 それぞれ可能な技・不可能な技が決まっている。
-ガードクラッシュ削除。&br()武器を落とすことがなくなったため、素手状態も同時になくなった。
-&bold(){限界ダメージ}(新)
--連続技により一定量以上のダメージを与えると、それ以上いくら攻撃を当ててもダメージは増えなくなる。&br()これにより永久連続技で即死することはないが、体力でリードしたまま時間切れまで逃げ切ることは可能。

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