当て身投げ

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当て身投げ - (2010/04/28 (水) 11:03:39) の編集履歴(バックアップ)


          「Too easy!!」

「コマンドを入力すると構えを取り、その状態で打撃技を受けると相手を捕らえて投げる」という必殺技
格闘ゲームではギース・ハワードが初めて実装した。
設定的な話をすれば、ブルー・マリーの祖父である周防辰己から盗んだのだが。後付だけど。
「当身投げ」と書かれる事もあるが、意味は変わらないので特に問題は無いだろう。
ただし「受身」は完全に誤り。

当て身、すなわち打撃技を捕らえて投げるから「当て身投げ」。
よって当て身投げを略して「当て身」と呼ぶのは、飛び道具反射技を「飛び道具」と略して呼ぶようなもので、
意味合いを考えると誤り、ないし非常に不適切だと言える。
これは当時ほぼ唯一のアーケードゲーム情報誌だった「ゲーメスト」の記事において当て身投げを当て身と
省略して書くことが多かったために広まったと言われている。
おそらくライターも読者も当て身などという古風な言葉に耳なじみがなかったのだろう。
3D(バーチャ・鉄拳)の方では「返し技」という呼称もあるが、後発であることもあって
2Dの方へまで伝播してはいないようだ。

余談だが、実は他にも少々の誤解というか、あまり知られていない事実が存在する。
実は初代餓狼のギースは相手が間合い内なら地上空中を問わず掴めるという驚異的な性能のコマンド投げと、
一定の間合い内の相手の攻撃行動の前後にその技をあわせてくるという行動ルーチンをあわせ持っていたのである。
一般的な当て身投げも持っていたらしいのだが、少なくとも上記の行動もけっこうな頻度で狙ってくる。
ヒットストップっぽく一瞬静止する演出とあいまって当て身投げと一見区別がつかないのだが、
そのつもりでよく見ていれば昇り蹴りのフォロースルーなど、明らかに攻撃判定が無い時でも
投げられてしまっていることが確認できる*1

ヴォルフガング・クラウザー獅子王藤堂香澄など、やはりSNK系のキャラが多く所持しているが、
他のゲームにおいてもこの手の技を持っているキャラは多く、格闘ゲーム界に広く浸透していると言える。

使用するキャラクターや技にもよるが、一般的には
  • 上段当て身投げ:空中判定の通常攻撃及び打撃必殺技(超必殺技)全般
  • 中段当て身投げ:上段及び中段判定の通常攻撃
  • 下段当て身投げ:下段判定の通常攻撃
と言った風に、相手の攻撃の種類によって上・中・下段を使い分けて対応しなければならない場合が多いため、
人操作で使用する場合はある程度の先読みと反応の早さが要求される。

これから発展してコマンド入力した後一定時間内に相手の攻撃を受けたら発動する技のことを
当て身投げと総称するようになった。
そのため当て身投げといってもその後のカウンター動作はさまざまで、必ずしも投げているとは限らない。
カウンタータイプの技の場合は無敵時間が設定されていることが多いが、これが短いと
技が発動しはしたものの潰された、などということもある。
さらに打撃攻撃だけではなく飛び道具に反応するものや投げに反応するものなど、
そもそも打撃技(本来の当て身の定義)以外に反応するものすら存在する。



MUGENでは自分の攻撃判定と相手の攻撃判定が重なった場合に発動するという、
どう考えても当身投げを再現するためと思われるステコン、「ReversalDef」が存在する。
しかしこのReversalDef、MUGENの開発時期的に飛び道具(Projectile)が対象外なのはしかたがないとしても、
成立させるための属性をAttrに記すとReversalDefの判定自体が敵のReversalDefの対象になり
Reversが成立してしまうが、逆に記さないとHitOverrideを使用している相手でも投げてしまうなど、
いささか仕様に洗練の足らない部分があったりする。
一応これらは
  • 飛び道具に対する当身(恐怖の片鱗など)はHitOverrideを利用する(移行先のステートのmovetypeはH以外にしておく)
  • ReversalDefのトリガーに!EnemyNear,HitDefAttr=(成立させたい属性以外の属性)を入れる
などでの対処法で意図した性能に近づけられる(ただしやはりReversalDefとの差は完全には無くならない)。

ReversalDefは相手hitdefのguardflagではなくattrを参照して作動するので、
設定によっては「下段当身では取れないが上中段当身では取れる下段攻撃」や
「上中段当身では取れないが下段当身では取れる中段攻撃」という不自然なことになってしまう。
こうならないためには攻撃時のstatetypeを問わず(つまり立ち下段やしゃがみ中段でも)、
attrのarg1を下段攻撃の場合はC、中段攻撃の場合はSにしておく必要がある。

ちなみにReversalDefはパラメーターのP2StateNoを設定することで相手からステートを奪う事が可能だが(バグあり)
HitOverrideはあくまでも自分自身のステートを移行させるだけのステコンなので、
ステートを奪いたい場合は別途攻撃などをヒットさせなければならない。

AIとの兼ね合いになるが、当身の発生を1Fに(time=0、animelem=1などでreversaldefを実行)した場合のみ、
発生1Fの攻撃を除くhitdefとairファイル上での当たり判定が同時に実行された攻撃(ほとんどのhitdefはこの方法で実行されている)に対し、
enemy,hitdefattr=(当身が成立する属性)をトリガーにして当身を実行しても当身が間に合う。
ただしhitdefを参照しての当身は他にenemy,timeトリガーなどを使わないと紛れもない超反応になり、
わざと空振るように技を振られると大きな隙をさらすことになるので、
用法用量を正しく守ってご利用ください。

派生技「当て身避け」

コマンド入力の後一定の間攻撃を受け付けるのは同じだが、
攻撃を無効にするだけの技。また、
  • ブロッキングのようにコマンド入力可能な時間ができる
  • ワープしてコンボを続けられないようにする
  • 成功により超必殺技を発動する
などの効果がある。

ニコニコではDIOやその系統の恐怖の片鱗をもっともよく見る。
阿部さんの当て身避け、スパイダーマン2.0の超必、必殺なども該当。
北斗の拳無想転生は、発動後にブロッキングすることで一定距離進む(結果として裏に回り込む)技になっている。

*1 ただし確認できるのはネオジオでだけ。SFCやMDへの移植版では現在のイメージ通りの当て身投げだけに変更されている。