喜多郁代

「喜多郁代」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

喜多郁代 - (2023/02/21 (火) 16:41:26) の編集履歴(バックアップ)



「こんなにうまい後藤さんが教えてくれるなら
 頑張れる気がするかも…」

まんがタイムきららMAXで連載中の漫画『ぼっち・ざ・ろっく!』の登場人物。「きた いくよ」と読む。
アニメ版における担当声優は 長谷川育美 女史。
名前の由来は「ASIAN KUNG-FU GENERATION」のギター担当、喜多建介氏。

ひとりと同じ高校に通う高校一年生(連載開始時。現在は進級し二年生になっている)。
社交的で明るく友人も多い「陽キャ」の美少女。自分の容姿には自信があり、私服のセンスも良い。
人と関わる事が大好きで、初対面の相手にも臆すること無く話しかける事が出来る。
勉強はそつなくこなし成績優秀。運動神経も良く、部活の助っ人として駆り出される事も多い。
歌唱力もカラオケで90点台を連発する程度には高い。
ただ、「陽キャな自分」を意識して維持している節があり、写真撮影の準備に一生懸命準備してくたくたになったり、
勘違いで周囲が大盛り上がりしている時に上手く否定する事が出来なくなる等、陽キャなりに苦労している。
アニメ版では陽キャオーラの表現として「キターン」というSEが挿入される(しかも毎回新規に取り直している)。

また、結構な頻度で周りを巻き込んで暴走気味になってしまう事がある(江ノ島エスカー回等)。
ちなみに好きな食べ物はパンケーキ、クレープ、パスタとの事。

陽キャらしくSNSをフル活用しており、度々写真を撮ってはイソスタ(Instagramのパロディ)に投稿している。
ギターヒーローには及ばないものの15000人ものフォロワーが付いている。喜多曰く「幸せのお裾分け」。
この発信力に着目され、結束バンド加入後に「SNS大臣」(つまり広報担当)に任命され、
結束バンドの公式トゥイッター(Twitterのパロディ)アカウントを運用している。

大体何でもこなせる上に容姿も良いと、一見すると非の打ち所が無い完璧超人に思えるが、
喜多は自分が何かに突出した才能が無く、「普通に幸せな」生活を送っている事に段々と味気なさを感じるようになった。
そんなある日、山田リョウの路上ライブを偶然目撃する。
顔がいい山田に一目惚れすると同時に、「普通じゃない生活」を送っている彼女に憧れを抱くようになる。
その後、結束バンドに山田が加入した事を知り、「ギターが弾ける」と嘘をついて自身もバンドに加入する。
様々な理由を付けて合同練習は回避しつつも独自にギターの練習を行っていたが全く上達せず、初ライブ当日には逃げ出してしまった。
だが、彼女が逃げた事が切っ掛けで結束バンドはかのギターヒーローこと後藤ひとりを加入させる事になった。
そうしてメンバーとなったひとりがギターボーカル担当を探している時に、喜多の歌唱力の高さに着目。
挙動不審な接触となりつつも興味を持った喜多が後を追うと、ひとりが弾き語りをしているのを見つける。
ギター演奏能力の高さに惹かれ「ギターを教わりたい」と申し出た喜多に、ひとりは結束バンドを紹介しようとする。
しかし、実は「逃げたギター」が他ならぬ喜多であることが判明。
バンドメンバーに喜多は全ての真相を打ち明け、「自分は逃げ出した存在だからバンドには入れない」と去ろうとするも、
ひとりが懸命に呼び止める姿を見たことで考えを改め、再度結束バンドに加入する事を決めた。
以後、この4名で結束バンドは活動していく事となる。
このように、結束バンドは偶然にもひとりと喜多が互いに加入の切っ掛けを作っている。

再加入したは良いものの、喜多は実際の所ギターが弾けないどころではなく楽器についての知識が皆無だった。
何せギターだと思って使っていた楽器が実際は多弦ベースだったくらいである。
本人は「いくら練習してもギターと全く違う音しか出ない」と言っていたが、そもそも楽器が違うのだから当然で、
これを知ったメンバーは唖然としていた。
これでは練習にならないのでこの多弦ベースは山田が買い取り、代わりに山田のギターを借りて使うことになった
(が、後にこの多弦ベースはお金に困っていた山田の手で転売されてしまった)。
以後、ひとりを師匠に時間の合間を縫ってギターの練習に励むようになる。
元来の要領の良さ、練習へのひたむきな性格に加えて師匠がギターヒーローということもあり、
喜多は短時間でみるみるうちにギターの腕を上げていき、僅か数ヶ月でライブに参加できるまでに成長した。
時間に比較的余裕があるひとりと異なり、陽キャ故に他の友達と一緒に遊んだりしながらも、である。
なお、あくまでボーカルがメインなのでギターを弾くことに拘る必要は無かったのだが、
「間奏で手持ち無沙汰になるのがかっこ悪い」という喜多なりの拘りがあってギターを兼任している。
一方、歌唱力は上記の通り高いもののバンドに求められる「上手さ」がカラオケのそれと異なる事、
「歌詞の意味を理解して感情を乗せる」喜多の歌い方がひとりの作詞と噛み合わない事
(ひとりの歌詞は陰キャ要素が強いため、陽キャの喜多には理解が及ばない部分がある)等から、
加入初期は苦戦している様子も見られた。

元は山田に憧れて結束バンドに加入した事もあり、加入直後は盲目的に彼女を慕う場面が多く見られたが、
物語が進むにつれて山田の様々な悪行を垣間見たためか徐々にそういったシーンは少なくなっていき、
ひとりを何かと気に掛ける事が増えていった。
勿論、ひとりには結束バンドに再び加入する切っ掛けを作ってくれた件もあって元々好感度は高かったが、
同じ学校かつ同学年で他のメンバーより距離感が近い事、普段からギターを教えてもらっている事、
結束バンドのメンバーとして一緒に思い出作りやバンド活動等、様々な経験をした事もあってより親密になっていった。
特に文化祭に関するエピソードではそれが顕著。
ひとりが提出を諦めた文化祭への参加申し込み用紙を、喜多は(諦めた事を知りつつ)提出してしまった。
一度申し込むともう取り消しが効かないことを知っていてもなお、である。
そこまでしてどうしても参加してもらいたかったのにはある理由があったためで、それはライブ本番に判明する。

+ 文化祭ライブ
こうしてひとりと喜多が通う高校の文化祭に参加することになる結束バンド。
挨拶も手短に早速演奏を始める。
しかし、ひとりや観客席に居たきくりは1曲目からギターに何か違和感を感じる。
何故か1弦2弦のチューニングが異常に合わないのだ。
それでも演奏を続けるものの、なんと2曲目の演奏中に1弦が切れ、2弦もペグが故障して使い物にならなくなってしまう。
しかもよりによってひとりのギターソロパート直前、ひとりは愕然とする。
しかしここで異変に気付いた喜多*1が、やや拙いながらも打ち合わせ無しのアドリブ演奏を行う。
その時の姿勢は前屈み。かのライブハウスでのギターヒーローのそれとよく似ていた。


(皆に見せてよ。本当は、後藤さんは…すごくカッコいいんだってところ!)

これを見たひとりは喜多の突然のアドリブに驚きつつも奮い立つ。
近くに転がっていたきくりが飲んだおにころの瓶を拾い上げ、チューニングがズレていても関係ない演奏方法…
「ボトルネック奏法」を土壇場で披露し、なんとかソロパートを弾ききることに成功した。
このシーンは普段ひとりに助けられる事が多かった喜多がひとりの危機に咄嗟のフォローに入り、
更にそこからひとりにしか出来ない演奏方法に繋がる流れで、喜多の屈指の活躍シーンであると共に、
2人の信頼や努力が垣間見える名シーンでもある。
そして曲は終了。会場は拍手喝采に包まれ、大盛況のまま文化祭ライブは次の曲に続く、と思いきや…。

なお、フルネームは冒頭に書かれている通り「喜多郁代(きた いくよ)」だが、
本人はこの名前が「ダジャレみたい(彼女が知っているかは不明だが、往年の名漫才師に「今いくよ・くるよ」師匠が実在する)」
しわしわネーム(響きが古臭い)」といった理由で好きではない。
作中の人物にフルネームが知れ渡ったのも初ライブ後の打ち上げ時と結構時間がかかった。
しかも名前がバラされた時にはひとりと同じような顔面崩壊&モノクロ化を起こしてしまっている。
なので、基本的に作中の人物で彼女を名前で呼ぶ人物は山田のみ(他の人物には「喜多ちゃん」と呼ばれている)。
他人の名前の呼び方も他の人物らと少々異なり、ひとりの事は「後藤さん」(文化祭以後は「ひとりちゃん」)と呼び、
虹夏の事を「伊地知先輩」と呼んでいる(名字が同じ姉の呼び方は「店長さん」)。虹夏を名字呼びするのは喜多のみ。

+ ネット上での扱い
元々ネタ要素の強いひとりやクズベーシストを除き、恐らくアニメ化によって最もネタ扱いを受けた人物。
ネタの内容は様々だが、特に有名なのが通称「中指を立てる喜多」
これはアニメ第9~11話(第8話でもスタッフロール形式で使用)で使用されたED「なにが悪い」の映像終盤に登場する喜多が、
「高らかに指を掲げた後、正面に三回指を突き出す」という動作を行うのだが、
これが「中指を立てているように見える」という視聴者が続出。
問題の映像(0:56~)

しかも第8話ではきくりが実際に中指を立てており、更にきくりの素性を知った喜多が、
「私はロックの事を全然知らなかった」と言ったため、「ロックを知った結果」等と言われるようになる。
ポプテピピック』の作者である大川ぶくぶ氏が このネタに便乗したイラストを投稿する 等して急速に広まり*2
遂には原作者はまじあき氏、ED映像製作者スズキハルカ女史にまで知れ渡ってしまった。
このせいで「なにが悪い」は「喜多が中指を立てる曲」等と扱われてしまう事に。とんだ風評被害である
(無論実際は中指ではなく、スズキハルカ女史によると人差し指との事)。

他にもTwitter上に喜多の声真似をしながら「後藤さんちんぽデカいのね~」と言うツイートが投稿された影響で、
それが喜多を代表する迷台詞として扱われる様になってしまった。
後藤さんは女なのにちんぽがデカいのはどういう事だって?察してくれ

+ 余談
主人公のひとりとは何かと対照的になっている。
  • 陰キャでコミュ障ぼっちなひとりと陽キャで人と関わるのが好きな喜多
  • ギター以外はダメダメなひとりと大体何でも出来るが楽器の知識は皆無だった喜多
  • 人前で歌うのは「むむむ無理です絶対!」なひとりと歌唱力が高くボーカル担当の喜多
といった具合。ついでに戦闘力も差がある

ちなみに原作連載開始時は登場予定が無かったらしい。
当初結束バンドは喜多以外の3名で進める予定だったのだが、5話の時点で話が進まなくなり急遽登場させたとの事。
アニメ版では第1話から登場している。

更なる余談として、担当声優の長谷川女史も実は自分の名前にコンプレックスがあり、下の名前で呼ばれるのが好きではないらしい。
そのため、原作を読んだ時に喜多に親近感を感じ声優選考に応募したという経緯がある。
また原作のイメージに比べてかなり高いと言われるアニメ版の喜多の歌唱力について長谷川女史は、
「どこまで喜多のキャラクター性を入れるか」とスタッフと検討しつつ、基本的には曲の魅力を引き出すために、
喜多の声に囚われる事なく比較的自由な歌い方(歌が上手い女子高生というイメージ)を意識していたとの事。


MUGENにおける喜多郁代

ドドコ氏が製作したキャラが2022年12月24日より公開されている。
……が、そこは「ぼっちちゃんだったもの」を製作したドドコ氏、
やはりと言うか喜多は喜多でも「中指を立てた喜多」である。

性能はぼっち程ではないが特殊な部類で、
食らい判定はあるものの攻撃を受けてもライフが減らず、喜多が攻撃を行う度にダメージを受ける。
その攻撃が指を突き出した方向を爆破するという元ネタ以上に凄まじいもの*3
ライフが尽きれば文字通り自爆して敗北する。

AIはデフォルトで搭載されている。
爆破のダメージが大きくまともに攻撃を受けるキャラは瞬殺される狂キャラだが、
無敵時間が長く攻撃が当たらない相手等には相性が悪い。

出場大会



*1
ここで注目されているのが喜多である都合上喜多と表記したが、
実はひとりの異変に気付いているのは恐らく結束バンドのメンバー全員である。
『星座になれたら』の原曲と聞き比べると、文化祭ライブ版は尺の都合等もあり所々省略されているのに対し、
アドリブ+ギターソロパートが挿入された間奏はむしろ原曲より長く設定されている事が分かる。
原曲版
LIVE版

これは、ひとりのギターが故障しているのを知ってなお喜多のアドリブ演奏を敢えて繋ぎとし、
これまでのライブでの姿から「ぼっちなら絶対にやってくれる」という信頼の元、このような方法をとったと思われる。
そして彼女は本当にやってのけた。・・・・すごい女だ。その直後に別の意味でやってしまったが

*2
余談だが、喜多役の長谷川女史は『ぼっち・ざ・ろっく!』と同時期に放送された『ポプテピピック』第2期において、
一見女の子らしく遊ぶ様子に見せかけつつ中指を立てる行為を歌い上げているED曲「仲良ピース」をピピ美役として歌唱している。

*3
アニメ放送終了直前にソーシャルゲーム『きららファンタジア』に参戦した喜多は、
「とっておき」(超必殺技のようなもの)を使用すると、
「敵と一緒に写真を撮った後、映えてないからと敵に火を放ち物理的に炎上させる」
という凄まじい技を披露する(技名は「加工フィルター炎」)。しかも満面の笑顔で
公式が病気(?)

このせいでただでさえネタキャラ扱いが目立ってたのにサイコパス扱いまでされてしまった。哀れ喜多ちゃん。