後藤ひとり


「絶対いやだ!働きたくない!
 怖い!社会が怖い!!」

まんがタイムきららMAXで連載されているはまじあき氏の漫画『ぼっち・ざ・ろっく!』の登場人物にして、同作の主人公。
誤当さんとは関係無い。… 哲夫 邑子 (弱) ?それは声優さんです。
アニメ版における担当声優は 青山吉能 女史。

+ 『ぼっち・ざ・ろっく!』とは
『ぼっち・ざ・ろっく!』とは、2018年から連載中の4コママンガ(一部話数では4コマでは無い場合もある)。
作者ははまじあき氏で、主な略称は『ぼざろ』。
キャッチコピーは「陰キャならロックをやれ!」

極度の人見知りかつ陰キャな主人公、後藤ひとり。
ひきこもり一歩手前まで落ちぶれていた彼女はある日、"結束バンド"のドラム担当、伊地知虹夏に声をかけられる。
ひょんなことからバンドメンバーに加わったひとりはそれまでの日常から少しずつ変化・成長していく…
というのが、本作のあらすじとなっている。

主要人物は結束バンドの4名で、
  • 高い実力を持つが、ぼっち故に慣れないバンド演奏で思うように力を発揮出来ない後藤ひとり(リードギター担当)
  • 明るい性格、バンドのまとめ役を務める伊地知虹夏(いじち にじか)(ドラム担当)
  • 浮世離れした趣味を持ち、本作屈指のクズ変人と言われる山田リョウ(ベース担当)
  • 明るく人望がある陽キャ、山田リョウに憧れを抱く喜多郁代(きた いくよ)(ギターボーカル担当)
という癖が強いメンバーとなっている*1

「ひとりが成長していく姿を描く」のが本作のテーマの一つと明言されており、
単行本1巻時点では実際にひとりがメインで描かれていたが、連載が続くにつれて他のメンバーや、
結束バンド以外の人物にスポットが当たることも増えている。
次にくるマンガ大賞2019・コミックス部門で8位にランクインするなど、きらら漫画の中でも人気は高い部類に入る。
しかし、本作の知名度が爆発的に向上する切っ掛けとなったのはやはりアニメ版だろう。

+ アニメ版について
きららMAX2021年4月号にて正式にテレビアニメ化が発表され、その後2022年10月~12月に放送された。
制作会社はCloverWorks。こちらのキャッチコピーは「4人でも、ひとり。」

アニメ化ならではの作画や演出が豊富に盛り込まれている…どころかかなりやりたい放題となっており、
ギャグシーンでは実写画像映像の取り込みは当たり前。パロディも多い
その映像も日本各地のダムの放流シーンが流れたり、CMを跨いで流されたりとかなりぶっ飛んでいる(当然、大半はアニメオリジナル)。
また、ストーリー自体もアニメオリジナルのシーンや台詞が挿入されている場面が多いが、
話の大筋は原作と変わっておらず、むしろ原作の補完として上手く機能している
(原作が基本的に4コママンガであるため、各コマの間で多少の時間が経っていることも多い)。
ギャグシーンが奔放すぎる一方で、メインとなるバンドの演奏シーンはそういった要素は一切無く、
非常に丁寧かつ気合いの入った演奏描写が行われている。
これは音楽担当スタッフに各メンバーのイメージを取り込んだ動きで実際に演奏させ、
それをモーションキャプチャーで取り込み3DCG化、更にそれを参考に全て手描きという手法が使われており、
その手間に見合った精巧でリアルな描写を行うことに成功している。
その他、原作初期は主にひとりがメインで描かれていたのに対し、アニメ版では原作者の意向によって、
1巻時点の内容でも他の結束バンドのメンバーの描写が増えている。

放送開始当初こそ原作を知らない視聴者からは「古典的なきららの日常系アニメ」と扱われていたが、
こうした挑戦的な演出や丁寧な作り込みとストーリーの内容と主人公の奇行とそれを後押しする声優の怪演で徐々に話題を呼ぶ。
特に屈指のぶっ飛びギャグ回である第4話(「 承認欲求モンスター 」という言葉が生まれた回でもある)、
第5話の演奏シーンで一気に視聴者を引き込んだことで人気が爆発。
以降は放送される度にTwitter上において公式タグが毎回のようにトレンド入り、
それどころか登場人物の名称や、番外編のラジオ企画等も続々とトレンド入りを果たす等、
放送開始前からは予想だにしない、非常に高い人気・知名度を獲得するに至った*2
特に第8話はストーリー構成や迫真のライブシーン、そして『ぼっち・ざ・ろっく!』のタイトル回収等から、
「神回」「実質最終回」と非常に高い人気を誇る。
また、アニメで使用された楽曲は実際に動画サイト等でミュージックビデオ付きで順次配信されており、
これもライブ感を高める演出として人気を高めた要因の一つといえる。
ギターと孤独と蒼い惑星
あのバンド
忘れてやらない
星座になれたら

+ アニメ化の影響
  • twitterのフォロワー数の増加
アニメ公式アカウントが最終話放送後にはフォロワー数40万人に到達。
原作者のはまじあき氏や総作画監督のけろりら氏も同様にフォロワーが激増する。

  • 作中で使用された曲の公式MVは全て100万再生超え
特にLIVE版『あのバンド』は2日で100万再生、Lyric Video版『ギターと孤独と蒼い惑星』は僅か2ヶ月で1000万再生を達成している。

  • 単行本やDVD&Bru-layの売り上げ大幅増加
円盤(DVD&Bru-lay)は予約が殺到していたこともあり品薄に。
原作漫画も売り切れが相次ぎ、きらら漫画でも類を見ないペースで重版が掛けられる。
最終話放送時の1巻はなんと16刷、販売間も無い5巻ですら6刷。更に5巻は発売前から重版が決定していた。

  • その他グッズも売り上げ好調
特に話題となったのがコラボグッズである後藤ひとりのイヤホンで、
コラボということで再販の可能性が低いこともあり販売側の予想を大幅に上回る受注があり、
爆速で予約停止してしまった。1月下旬現在では4次受注が行われている。

  • 楽器の売り上げにも影響
アニメ公式アカウントの「後藤ひとりのPACIFICA」(非売品)プレゼント企画では、
対象者2名に対しリツイート数(応募者)は19万以上と超高倍率になる。
また、ひとりが作中で使用していたギターと同型の物が通常の数倍のペースで売れる。

  • 結束バンドのフルアルバムが週間売り上げランキングで首位を獲得
初週売り上げはなんと約73000枚。その後も常に上位をキープしている。
「週間合算アルバムランキング」「週間アルバムランキング」「週間デジタルアルバムランキング」の三冠達成。

  • 原作者にも注目が集まる
アニメ放送終了直後に原作者のはまじあき氏がコミケに参加したが、
人が多く集まることが予想されたため開始直前に急遽ブースの位置が屋外に変更される。
それでも長蛇の列ができ、僅か1時間で本は完売(ちなみに『ぼざろ』とは関係無いソシャゲの本)。

  • MAD動画も投稿多数
ニコニコ動画では専用タグ「ぼっち・ざ・まっど!」が存在する他、Youtubeやbilibiliでも数多くのMADが作られている。
…何故か淫夢MADのようなノリの動画もかなり多いが。 後藤さんチ○ポでかいのね~!

etc...

人気ぶりも含め、同じく女子高生バンドを描いたきらら漫画『けいおん!』を彷彿とさせるという声も多い。
しかし『けいおん!』は部活動としての音楽活動を描いた漫画であることに対し、
『ぼっち・ざ・ろっく!』は本格ロックバンドを目指す内容となっている
(このため、『ぼっち・ざ・ろっく!』の方は別に学生であることに拘る必要が無い)。
その他にも大小様々な違いがあるため、実際の所そこまで共通点は多くなかったりする。
これはジャンルや掲載雑誌の系列だけでなく、新シリーズ『けいおん!Shuffle』と『ぼざろ』連載開始の時期が被る事から、
制作サイドで意図的に差別化を図っている事も大きく、ひとりの奇行や身体変形など極端な描写が多いのもその一環。
なお、その『けいおん!』の登場人物である平沢唯とは、後に『きららファンタジア』で共演している。

2025年3月にはバンダイの「30 MINUTES LABEL」の新ブランド「30 MINUTES PREFERENCE」にて立体化。
ギターやエフェクターはおろか、多種多様な表情がタンポ印刷で再現された。

きらら漫画の主人公としては珍しい、とんでもないコミュ障であり陰キャ。
自分から人に話しかけることが出来ず、会話する時は目を合わせる事も出来ないという筋金入りっぷりで、
高校一年生時点で一度も友達が出来た事が無い。
家族(犬含む)は初対面の結束バンドメンバーともすぐ打ち解けられる程度のコミュ力があり、
この性格は後に原作5巻にて祖母由来のものだと判明している。
ネガティブで自己評価も低い一方、承認欲求は人一倍強く、褒められたりおだてられたりするとすぐ顔に出る。
妄想癖も酷く、結束バンドメンバーとの会話で青春コンプレックスを発動する等、難儀な性格。
妹からは「お姉ちゃんってクソめんどいね!」と言われてしまっている。
性格はアレだが外面は(美少女だらけの作中基準でも)かなりの美形であり、戦闘力も高い。
しかし運動音痴な上、勉強も努力こそしているがろくな点数を取れていないという有様で、ギター以外は壊滅的。
しかも自己評価が低い上に、服装はスカートこそ履いているものの基本ジャージなせいで、自身のビジュアル面の良さも活かせていない
(母親の買った服はビジュアル面によく似合ったものだが、「好みじゃない」という理由で着ていない)。
また、狭くて暗い場所に安心感を覚えるようで、
自分の部屋の押し入れにギタリストとしての必要なモノをおおよそ詰め込んでいる他、
ゴミ箱やダンボールに入り込んだり、テーブルの下に潜ったりするシーンが多い。
更に、事ある毎に顔が大きく歪んだり落書きのようになったり、体全体が変形することもあるが、
これらはギャグ漫画的演出というだけでなく本当に見た目がその通りに変化しており、作中の人物にも認知されている
原作者によると「後藤の体は人間の体ではない」とのこと。

+ 人外っぷりの例
虹夏「ぼっちちゃん死んじゃった…」
喜多「新しいギタリスト探さないとですね…」

  • 上記の後、胞子化したぼっちが部屋に充満してバンド仲間が倒れる
虹夏「力が抜けていく…」
喜多「後藤さんの呪いだわ…」

  • 顔面が崩れる → バンド仲間にノコギリや紙やすりなどで整え直してもらう
喜多「毎回、この作業大変ですよね…」
これが出来るなら(造形師次第で)幾らでも美少女になれるわな

  • 海の家のウェイ系の男達に話しかけられて破裂
虹夏「ぼっちちゃんが爆発四散した!!」

  • ストレスで身体が溶ける → 担げなくなったのでケースに詰めて運搬される

  • 編曲作業で自室にこもり過ぎて即身仏になる → 母親に眼窩などに栄養ドリンクなどを流し込んでもらって蘇生
母親「穴という穴に栄養をぶち込むのよ~~~~!!」

上記の物は全て作中で実際に起きていることだが、以下の形態は空想上の物である。
  • ツチノコ
  • 承認欲求モンスター
  • メンダコ
  • うれしすぎて肩からギターが生えた後藤
なお、原作者曰く「いつかギターに加工される話をやりたい」とのこと。

+ 完熟マンゴー / マンゴー仮面

「わたし今日最高に輝い
 …てはない!!むしろ人生で一番みじめだ!」

初ライブの際に怖気づいてしまい、苦肉の策として「完熟マンゴー」と書かれたダンボール箱を繋げて中で演奏することになった姿。

  • 第2形態

横から手を出してギターを箱の外で弾けるように加工された進化形態。
アニメではネットで人気の「 箱ガンダム 」というコスプレのポーズになっている。
2回目のライブの際に着用したが、虹夏に「絶対やめて」と言われて不採用に。

  • 第3形態
「今こそ皆にパワーアップした後藤ひとりをみせるんだ!」

頭部・肩・腕などが付いてロボットアニメっぽい造形になった進化形態。
新宿FOLFの「SICK HACKワンマンライブ」にゲスト出演する際に着用したが今回も不採用に。

なお、マンゴー仮面の進化形態の開発者は父・後藤直樹。

ギターを始める切掛となったのは中学生時代に見たあるテレビ番組に出演していた大人気バンドマンが、
「昔は陰キャだった」と過去を語っているのを見て触発されたためである。
その後は父親のギターを借り、毎日6時間もひたすらギター練習に明け暮れた
(ちなみに父親は「洋楽にハマってほしかった」と思っているが、好意的に見守っている)。
結束バンド内では虹夏の提案によりリードギター役の他に作詞役を任されることとなる。
アニメ版では実際に曲を聴くことが出来るが、明るい青春に抱く鬱屈とした感情が詩的な言い回しに昇華させられており、
作曲担当の山田リョウのセンスと合わさり高い完成度を誇る。
ひとりは休み時間をずっと図書室で過ごしていたらしく、意外と高い語彙力はここで培われたのかもしれない。
ちなみに作中でのあだ名「ぼっちちゃん」は山田が名付けたもの(後藤ひとり→一人ぼっち→ぼっちちゃん)。
一見するとあんまりにもあんまりなあだ名であるが、ひとり本人は初めて付けられたあだ名として気に入っている。

中学生時代から「バンドを結成して文化祭ライブを行う」ことを夢見ていたが、
如何せん難儀な性格故にバンドを組むどころか友達の一人も出来ずに中学を卒業するハメとなった。
この中学時代に様々な方法で音楽を知っているアピールを行っていたのが本人の中で黒歴史となり、
高校はひとりの事を誰も知らない遠方の高校に片道2時間をかけて通学することを選択している。
進学した後は「今度こそ絶対バンドをやる!」と決意を新たにするも、相変わらず友達が出来ないまま1ヶ月が経過する。
中学の時と同様に様々な方法で音楽面のアピールを行うも全て徒労に終わってしまう。
ある日、ギターを背負ったまま公園で失意に暮れている時に、偶然にも伊地知虹夏と出会う。
虹夏曰く「ライブ直前にギター担当が居なくなってしまったので、急だけど代理で出てほしい」とのことで、
受け身で断れない性格のひとりは本心では嫌がりつつもやむを得ず参加することとなる。
だが、さしものギターヒーローことひとりでも人前での演奏や多人数でのセッションは未経験であったことで、
本来の実力を全く発揮出来ないまま演奏は終了する。
このため虹夏にも「ド下手だ!」と直球で言われてしまうが、同時に明るく励まされたことで結束バンドへの加入を決意した。
こうしてひとりは長年の夢だったバンド活動を開始することとなり、彼女の日常も少しずつ変わっていく。

+ ギターヒーロー
現実では散々だが、ネット上では話が別。
父親に勧められて動画投稿サイトに自作のギター演奏動画を投稿し、その卓越したギター演奏能力を存分に披露している。
投稿者名義は「ギターヒーロー」。
チャンネル登録者数は3万人とカリスマ的な人気を集め、承認欲求が強いひとりの精神的な支えとなっている。
ひとり曰く「現実が辛くてもネットには私に反応してくれる人がたくさんいるから大丈夫」。
ただ、チャンネル登録者が増えていくと共に虚言癖が酷くなっていき、
「バスケ部エースの彼氏がいる」だの「ロイン(LINEのパロディ)に1000人超えの友人がいる」等、
およそ現実のひとりではあり得ない設定が付け加えられている。
しかもアカウントが家族共用となっているため、特にアカウントを用意した父親にはモロバレ。
このせいである日「バンドのメンバーが遊びに来る」と聞いた家族には半信半疑に思われてしまっている。
後に結束バンドのメンバーにも正体がバレてしまい、以降は虚言癖は抑えられた。
ちなみに父親がひっそりとチャンネルで広告を設定して収入を得ており、
それまでひとりが使用していたギターが壊れてしまった時には30万円もの大金を渡している。

結束バンドのメンバーになった後は投稿頻度が落ちていることを視聴者に心配されている。
また、数万人もの登録者がいるにもかかわらずギターヒーローのアカウントで結束バンドの宣伝はしていない。
これは「結束バンドではまだライブで十全に演奏が出来ていないため」という理由によるもの。

twitterにも実際にギターヒーローのアカウントが存在し、こちらは8万人のフォロワーを獲得している。

その後、結束バンドのギターボーカル担当を探していた時に、同じ学校の喜多郁代に目を付ける。
いつものコミュ障によって挙動不審な接触となってしまいひとりは逃げ出してしまうが、
校内の暗いスペースで悲しみの弾き語りをしていた所で喜多の方からひとりにアプローチをかける。
この時喜多はひとりの演奏の上手さに惹かれており、後に結束バンド内で下手扱いされていた時は疑問に思っていた。
そして結束バンドに喜多を紹介しようとするが、実は「逃げたギター」が他でもない喜多であった事が判明。
紆余曲折あってメンバーに真相を話した後、「バンドに加入することは出来ない」と去ろうとする喜多を、
ひとりの体を張った説得により引き留めることに成功する。
こうして結束バンドのメンバーは完成した。偶然の出会いに偶然の再会が重なる事となった。
以降は喜多の師匠役も兼ねるようになり、学校でも合間を見て一緒にギターの演奏練習を行っている。
「陽キャの喜多がド陰キャのひとりと一緒にくっついているのは不審に思われる」というひとりの心配から、
練習場所は喜多から声を掛けた狭いスペースとなっている
(ひとりはこれを打ち明けていないため、喜多は「音で周りに迷惑がられるかもしれないから」と解釈している)。

ライブハウス"STARRY"で苦戦しながらもバイトしてチケットノルマを賄ったり、
メンバー全員でアー写撮影に臨んで交流を深める等してひとりは成長していく。
その中で特に大きな影響を与えたと思われるのが、バンドグループ"SICKHACK"のメンバー・廣井きくりとの出会い。
初めてのライブの為に5枚のチケットを売ることになったひとりだが、家族以外にアテが無いために大いに苦戦する。
手作りでだいぶ汚い絵が描かれたビラも用意するが当然配れない。
そうして失意に暮れていた所、酒の飲み過ぎで酔っ払ってひとりの目の前でぶっ倒れた人物がきくりである。
初遭遇こそあんまりなものであったが、嘘をついて逃げだそうとしたひとりを冷静に諭し、
チケットを売るために即興で路上ライブを開催することを半ば強引に決める。
ベテランバンドのリーダーだけにきくりの実力は本物で、初めて聴いた結束バンドの曲にもしっかり演奏を合わせ、
ひとりに「今目の前に居るのは君の闘う相手じゃない、敵を見誤るなよ」と先輩としてのアドバイスを与えた。
これが切っ掛けとなり、ひとりはライブに対する心の在り方、ライブの楽しみを知ることとなる。
きくりもひとりのギター演奏から彼女の実力の片鱗を見て「この娘は将来絶対上がってくる」と確信する。
最終的に路上ライブを見てひとりのファンになった女性2人ときくりがライブチケットを購入したことで、
チケット販売ノルマは達成した(バンドメンバーからは誰からも信じてもらえなかったが)。

普段は頼りないものの、本当にどうにもならない状況に陥った時には底力を見せる
(通称「イケメン後藤」、また「肝心な時しか役に立たない女」等と言われることも)。
特に初めてのライブ演奏を行った時が顕著。
緊張に加えて観客の嫌味を聴いてしまった事で自信を失い普段通りの演奏が出来なくなってしまった結束バンド。
空気感が最悪になった会場で「このままじゃ嫌だ!」と独断でギターを掻き鳴らした。
危機的状況に陥った時のひとりのギター演奏は普段の下手扱いされているそれとは別物で、
会場の客を一気に引き込み、空気感を一変させる圧倒的演奏能力を見せ付けた。
この時は唐突かつ独断と言うこともあったが結束バンドのメンバー全員も唖然としており、
普段とのギャップが如何に大きいものだったかがよく分かる。
そして、こうした覚醒シーンはひとりが結束バンドの事をとても大切に思っていることの証左でもある。
加入時こそ少々唐突というか強引な部分はあったものの、「バンド活動をしたい」という夢に前進したのも事実。
「チヤホヤされたい」という想いは変わらないが、それは1人だけでなく、結束バンド全体で叶えたいもの。
故に、バンドの存続危機ともなればいつも以上の力を発揮する事が出来るのだ。まさにギターヒーロー。

この初ライブ以後も、結束バンド皆でお出かけして夏休みの思い出を作ってみたり、
ひとりの通う学校の文化祭に参加したり、その文化祭でバンド演奏を行って観客にダイブしたりと、
ひとり他結束バンドの活動はまだまだ続いていく…と、作品タイトルに反して実は意外とぼっちではなかったりする。
まあ陰キャであることには変わらないし、バンドを1人でやるのは不可能なので仕方ない。

+ 余談
実は連載開始前の初期案ではここまで陰キャではなく、もっときらら漫画らしい明るい雰囲気の女の子だった。
しかし、担当編集に「ガチにしろ」と言われた結果、あの陰キャになってしまったとの事。
そんな陰キャとなったにもかかわらず、連載初期は裸や下着姿になったり、
ジャージの下を履かずにおみ足を見せたりしていたりと、お色気要員として扱われていた。
巨乳という設定もこうした方針によっていち早く胸の大きさが分かるシーンが存在したこと、
ついでに原作者が貧乳の描き方を知らなかった(!?)事でたまたまそうなったらしい。
が、2巻の時点で方針が変更され、以降は原作でそういったシーンは少なくなっている。
アニメ版では全編通してセンシティブな要素は大幅に削られ(第11話等、一部のシーンで僅かに見られる)、
胸の大きさも原作より明らかに小さくされている。
一応原作者のtwitterでは現在でもバニー姿でそのポテンシャルを存分に見せ付けたりしてはいる。

また、アニメ版でひとりの声優を担当した青山吉能女史だが、彼女を推薦したのは原作者本人である。
選考では候補者が約50人もいたものの、その殆どがギャグも含め大人しめの演技で通していた中で、
青山女史だけはギャグに全振りした怪演を披露したのが原作者の印象に強く残ったとのこと。
そして、これが見事なハマり役だった事は後のアニメの大盛況を見れば言うまでもない事だろう。
アニメ第4話で話題になったひとりがバグって電子音のような悲鳴を上げるシーンはなんと青山女史の生声であり、
この声があまりにも凄まじいものだったため、製作スタッフが機材の故障を疑ったという逸話が存在する。
0:36~


MUGENにおける後藤ひとり

MUGENでは3体のぼっちちゃんが存在しているが、
どいつもこいつも凶悪な性能を持ったネタキャラとなっている。

+ ドドコ氏製作 ぼっちちゃんだったもの
  • ドドコ氏製作 ぼっちちゃんだったもの
2022年11月28日に公開された、確認できる限りでは最初のMUGEN入りとなるぼっちちゃん。
……だが、その姿は原作のワンシーンにおいて急激なストレスから塵となった「ぼっちちゃんだったもの」である。
ファイル名も「ぼっちちゃん死んじゃった…」となっている。MUGEN上での名前は"Bocchi-chan died"。

見た目通り特殊な性能のキャラとなっており、まず「置物キャラ」と書かれている通り一切動くことは出来ない。
加えて、既に塵となっている為に対戦開始時点でライフは0となっており、普通に攻撃しても倒すことは出来ない。
代わりに承認欲求の条件を満たす事でライフが回復するため、倒すにはこれでライフを最大まで回復させて承認欲求を満たす必要がある。
承認欲求の条件は2種類あり、「適度な距離感」である中距離を保ち続ける事と、
「ぼっちにも手を差し伸べてくれた事実」である本体hitdefによる攻撃を当てる事である。
逆に至近距離まで接近したり、本体hitdef以外の攻撃を当てると精神的なダメージによりライフが減ってしまう。
回復量と減少量は条件毎にオプションから設定可能。

攻撃面では常に毒を垂れ流し続ける他、体から煙を噴射する動作と共に画面横から大量に飛び道具「ぼっち粒子」を飛ばす。
また、更新によって「ふわふわぴゅあぴゅあみらくるきゅん」という攻撃が追加され、
こちらは5ゲージ消費で割合判定の大ダメージを与える攻撃となっている。見た目が不気味。
ゲージは自動で増加しており、オプションで増加量を設定可能(0にすればゲージ技は封印される)。

AIはデフォルトで搭載されている。
人操作で挑む場合、ゲージ技を封印すればデフォルトのカンフーマンでも何とか倒せるが、
対AI戦の場合、特異な撃破条件と苛烈な攻撃が相まって狂クラスのキャラでも相性が悪いと倒すのは難しい。
塵になっているにも拘らず生半可なキャラでは太刀打ちできない凶悪キャラとなっている。

+ YamiYuki氏製作 むむむむむ無理です絶対!
  • YamiYuki氏製作 むむむむむ無理です絶対!
2023年2月10日公開。
アニメ第4話において「むむむむむ無理です絶対!」とボーカルの誘いを全力で断り続けるシーンを再現したもの。
性能は常時無敵かつ全画面判定即死攻撃を垂れ流しにしている。
カラー毎に性能が分かれており、2P~12Pはライフが自動減少するため即死攻撃に耐えられれば勝てる……耐えられればの話だが。
最も減りが早いのは12Pで、低カラーほど遅くなっていく。
1Pは混線バグを使用しない下位神で、ライフが自動減少で0になっても無限に全回復するため通常の方法では倒せない。

+ MK氏 & 氏氏製作 結束バンド
  • MK氏 & 氏氏製作 結束バンド
2023年3月12日公開。製作者2名の合作によって作られたキャラクター。
名称は「結束バンド」だが主にひとりが戦う(見た目はアニメED映像のデフォルメ絵)。
スプライトはYamiYuki氏のものと同様にアニメの映像やGB素材が主に使われている。
アニメの他、所謂ネットミームを元ネタとする動作や技が数多く搭載されており、
「ぼざろクリーチャーシリーズ」の伊地知ニジカ等風変わりなネタも取り入れられている。
…というか画面占有率等の関係で全体的に虹夏が目立つ。
ただし,こうした豊富なネタが搭載されていることで容量が大きく、
公開当初はSNDが約110MB、SFFに至っては約290MBもあり、使用するには4GBパッチが必要であった。
3月16日更新のver0.1で軽量化が行われ、SNDが約76MB、SFFが約158MBまで減少している。
また、様々な隔離技術を搭載しているためWinMUGEN専用。

キャラ性能としては見た目以外シンプルな常時アーマー(疑似怯み有り)の狂キャラで、
デフォルトのAIはアーマーに任せてネタ技を多用し暴れ回る。
3ゲージ技のライブ演奏等全画面攻撃も多く画面が非常に賑やかなことになる。
また結構な頻度で切腹して自傷する。残り体力が少なくてもお構い無しで使用するので自滅することも。
カラーを上げる毎に性能が上昇していく他、オプションで論外化や覚醒、隔離カウンターの有無を設定可能。
ちなみに敗北するとアニメ第4話の痙攣するひとりをバックに何故か平沢進の曲が流れる。

出場大会



*1
結束バンドメンバーの名字は実在するロックバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION」(通称「アジカン」)のメンバーが元ネタで、
ひとりの元ネタはギター担当の後藤正文氏といった具合でバンドでのポジションもアジカンと同じになっている。
また、『ぼっち・ざ・ろっく!』という作品名自体も後藤正文氏の書籍『ゴッチ語録』(GOTCH GO ROCK!)が元ネタ…と思われていたが、
こちらは後に作者本人に否定されている。

*2
『ぼっち・ざ・ろっく!』のアニメ放送時期には『チェンソーマン』や『SPY×FAMILY』といった人気タイトルが複数並んでいた。
『ぼっち・ざ・ろっく!』も主にきらら愛読者からの期待度は高く「きららの最終兵器」等と呼ばれていたが、
やはり知名度の問題から愛読者以外からの関心は薄く、人気が出た後にはダークホースと扱われることも多い。


最終更新:2025年04月11日 00:09