「一緒に帰って友達に噂とかされると恥ずかしいし」
概要
1994年にコナミから発売された恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』のメインヒロイン。
であると同時に、ギャルゲー界における記念碑的存在。ギャルゲー界のヒロイン中のヒロインであり、
格ゲー界で言えば
リュウ、ロボットアニメ界の
ガンダム的な存在。
リュウを格ゲー界のミスター主人公とするならば、詩織はギャルゲー界のミスヒロイン。そんな存在。
担当声優は
金月真美。映画版では吹石一恵が演じている。
+
|
ときメモのちょっと余談 |
初出はPCエンジン・SUPER CD-ROM2専用ソフトで、発売当初は実はそこまで注目はされていなかったソフトであった。
それまで魅力的な女性キャラを輩出してきたコナミではあったが、それでも比較的硬派なゲームを出し続けていたコナミが
よもやこの様な純粋な「ギャルゲー」を出してくるとは当時のゲーマー達は想像が出来ず、
PCエンジン版ときメモの発表当時は「コナミの乱心」とまで言われていた事もあった。
またコナミの方でも当時は特別このゲームに期待していた所は無く、またユーザーの前評判から
初回生産本数は少なかった。
また今でこそ認知されたときメモのキャラクター群も、当時の他のゲームの美少女キャラと比較すると
デザインや色合いから古くささを感じさせる印象が強く、実際に発売されるまでは殆ど話題に上ることはなかった。
しかし、いざ発売されるとしっかりとしたゲーム構成やシナリオ、システムやキャラクターの魅力が認知され、
口コミでその評価は広まっていき、今やコナミを代表するタイトルの一つとなった。
コナミ自身もこの人気は予想が出来ず、慌てて増産体制に入り、最終的には4回もPCエンジン版が再販された。
再販の度に実はバグ修正や調整が図られており、パッケージの裏でそのバージョンが確認出来るようになっていた。
今現在もシリーズは続いており、パズルゲームといった他ジャンルのゲームも発売され、
またキャラクターグッズの展開も幅広く行われている。
+
|
ときメモのさらなる余談 |
実はときめきメモリアルをときメモと省略するは公式略称ではない。公式にはときめきと省略するのが正しかったりする。これは元々はときめきを正式タイトルとしようとしたことに由来があるらしい。ちなみに一般略称と公式略称が違う例としては他にも テイルズがある。こちらはテイルズオブが公式略称。
後、ときメモの場合は身体データが学年ごとに違うことも特徴であり、藤崎詩織の例をあげると
学年 |
身長 |
B |
W |
H |
カップ |
1年 |
158 |
83 |
56 |
84 |
D |
2年 |
158 |
84 |
56 |
85 |
E |
3年 |
158 |
85 |
57 |
86 |
E |
となっている。他のキャラについても知りたい方は以下の動画を参考に。
特にマイナーな2年生データはある意味必見もの。
※:後輩キャラや大人キャラのように最終データが3年生データにならない場合についても最終データとして掲載されているので要注意。
|
ここで特筆すべきは
初代ときメモのキャラは口調によるキャラ立てを行なっていない
事である。
一名除き一人称は「私」(一名だけ一人称が自分の名前)、口調も(特徴的な語尾など一切ない)極普通のものであり、
それだけにキャラクターの動かし方、デートやイベントなどでのやりとりだけで、
二十年近くも愛され続けるヒロインたちが創りだされたのである。
また、意外なクリエイターもこのシリーズの開発に携わっている。
月下の夜想曲以降の悪魔城ドラキュラシリーズを多く手がけたIGA氏もそのひとりである。
月下サントラのライナーノーツによると アルカードのセリフを考えている合間にこちらの校正チェック依頼が来たとか。
その縁なのかどうかはわからないが、番外編ながら 悪魔城にも伝説の樹が登場したことがある。
そして、『 メタルギアシリーズ』でお馴染みである小島秀夫氏も、
現在の小島プロダクションのチームでときメモのアドベンチャーゲームを制作している。 サイコマンティス「ときメモが好きなようだな…」
「ときメモ・ドラマシリーズ」と称されるシリーズの初代は全て小島秀夫氏率いるチームが開発を行っており
小島氏自身もゲーム中でのムービーやイベントシーンの演出を担当、
定評のある映画的演出はときメモでも遺憾なく発揮されており、屈指の名作と言われている程である。
今やときメモは、末永く愛されるシリーズのひとつとして今なお、その人気を保ち続けている。
なお、上記にある映画版とは実は実写映画で、ヒロイン役である吹石一恵のデビュー作でもある。
撮影地となった山口県柳井市は別称で「星ふる街」、「白壁の街」と呼ばれているが、
この実写版の撮影の後の少しの間は「ときメモの街」とファンから呼ばれていたこともあった。
肝心の出来に関しては……話題にそうのぼらない事で ご察しいただけたら…。
|
人物
成績優秀・スポーツ万能・容姿端麗・品行方正と、まさに「理想的な女の子」を絵に描いたようなきらめき高校のアイドル的存在。
完璧超人をナチュラルにこなし、性格も穏やかで誰にも優しく、誰からも愛される美少女。
……なのだが、自分が完璧超人だからか、
彼女が持つ理想の男性像もまた極端に高い。
この理想の高さが、恋愛シミュレーションゲームである本作では攻略難易度に直結し、今なお「難攻不落の
ラスボス」の伝説が語り継がれている。
本作ではイベントをこなして攻略対象の好感度を上げると共に、主人公のパラメーターも問われる。
藤崎詩織を攻略する場合、全てのパラメーターを高値でキープする必要があるが、パラメーターを上げると詩織以外の女の子が十人以上現れる。
彼女達の好感度が下がると主人公に悪評が立ち(所謂「爆弾」)、藤崎詩織の攻略にも支障をきたす。
そしてこのゲームはプレイヤーから女子へ告白することが出来ず、一番好感度の高い女子が告白しに来る。
*1
このため「登場した女子全部に媚びへつらいつつ詩織の好感度を一番高く持っていく」プレイングが要求される。
これだけでも難攻不落のラスボスだが、更にこの藤崎詩織、
好感度が下がると辛辣かつ陰湿な台詞をダイレクトに叩き付けてくる。
冒頭の台詞は好感度があまり高くない時(≒初期状態)に下校を誘うと主人公に投げつけられる台詞。
台詞そのものはどうと言うほどのものでもないが、これが
「家が隣の幼馴染」
である主人公に叩きつけられる。
とは言え現実なら、
高校生にもなって
彼氏でもない異性相手ならこんなもの。他に彼氏を作り辛くなるし。
セガサターン版ではプレイヤーから女子へ告白することが出来るようになったが、
好感度が物凄く低い、つまり嫌われている状態で告白すると下記のようになる。
ただしこんなセリフを聴きたいがために
意図して好感度を下げる
ドS(ドM?)でないと聴く機会はないであろうが。
「あなたとは幼馴染みってだけでも嫌なのに……それじゃ、さよなら」
|
| ('A`)
/ ̄ノ( ヘヘ
恐らく、「メインヒロインだから完璧超人、完璧超人だから手応えのあるキャラにしよう」と制作側は考えたのではないだろうか。
これが、「ゲームに慣れるため、とりあえず最初に出てくる看板ヒロインから手をつける」初心者とのギャップががっちり噛み合い、
「難攻不落の女帝」「ときメモのラスボス」の伝説を不動のものにしたと思われる。
なお、『ときめきメモリアル』自体藤崎詩織から告白される事をゲームの最終目的としている所があり、その意味では「ラスボス」評は間違っていない。
断っておくと、好感度が高くなると正に「ツンデレのデレ」のごとく甘い展開になるのでそこら辺はご安心を。
「赤毛の悪魔」「
赤い悪魔」と呼ぶアンチまで生まれるに至って(ネットでは彼女を被告人とした「ときメモ裁判」なんてのもあった)、
さすがにやりすぎだと思ったのか、以降のときメモシリーズはメインヒロインの攻略難易度は低めになっており
(『2』のメインヒロイン・陽ノ下光は「一度もデートをせずにクリア」が達成されており「バッドエンドを迎える方が難しい」とまで言われた)、
また好感度が低いからって辛辣な台詞も出ない。
代償で、一部空気とかメインヒロイン(笑)とか言われるケースもあったが。*2
ただ、他のキャラを攻略する場合に最大の障害となるため
別の意味でラスボス
と呼ばれることもあったりするが、それはまた別の話。
後発メーカーも彼女の失敗に学んだのか、ギャルゲーでメインヒロインといえば「
最初から無条件で好感度が高くて尽くしてくれるタイプ」
「
幼馴染は主人公にとって他キャラより特別な存在」が王道パターンとなった。
正にファンタジー。
また『ときめきメモリアル』登場ヒロインで(友人の妹を除けば)唯一主人公の友人とくっつかない、主人公専用のヒロインでもある。
+
|
ところがどっこい |
…………と思われているが、実は『ときめきメモリアル2』で――――……
まぁ、ときメモの元ネタの一つとされる『同級生』も、一番人気のヒロイン(ちなみにメインヒロインではなかった)を『2』に出した結果、 「『1』の主人公と喧嘩別れした後に旅先で出会った『2』の主人公と付き合う」と言う展開があったりする。
まぁ『1』の一部ヒロインは、無事エンディングを迎えても
エピローグで別れる
けどな(ただし上記のヒロインではない)。
|
ちなみに有名すぎるせいか他コナミゲームの中でも彼女のセルフパロディがいくらか見受けられる。
髪型や制服の色だったり、はたまた
妙な場面でそっくりさんが出たりなど。
まあパワプロのサクセスモードのコンセプトは
「野球版『ときメモ』」
だったりするのだが。
+
|
対戦ぱずるだま |
当時コナミは 落ち物パズルゲーム『対戦ぱずるだま』の色々なキャラ替え版を出しており、
本作のキャラを使った『ときめきメモリアル対戦ぱずるだま』も当然のごとく発売された。
このゲームは「
ヒロインが主人公に告白するため、邪魔する他のヒロインをパズルで打ち負かしていく
」という設定であり、
詩織以外のキャラクターを使用した場合は、
ラスボスとして詩織が君臨している
。
そして、この試合はいわゆる「ロボ作モード」。すなわち攻撃が全て同色同士になってしまうため、かなりの運ゲー。
さらにこの最終面は
コンティニュー不可かつ、負けるとバッドエンド確定
のため、多くのプレイヤーがその理不尽さに涙を呑んだ。
詩織「同じ条件で、ぱずるだまで勝負よ!」 (2:50~辺りから)
(ちなみに詩織使用時のラスボスは謎の隠れキャラのコアラの着ぐるみ。正体は…)
さらに『ラブプラス+』のミニゲーム「もえろ!対戦ぱずるだま」にもCPU専用の隠しボスとして乱入。
初代ヒロインの貫禄を見せてくれる。
|
MUGENにおける藤崎詩織
Wingzeroplus氏による
遠野秋葉改変キャラが存在する。
元が秋葉なので藤崎詩織にしてはモーションが攻撃的だが、一目で藤崎詩織と分かるドットに仕上がっている。
黄色いリボン(ただし台詞と技名はヘアバンド)を飛び道具に持ち、突撃技で地上空中を問わずコンボが可能。
ストライカーの高見公人(ラジオドラマの主人公。声:
小野坂昌也)、当て身投げ(と言うか当て身避け)も所持。
2011年2月の更新で優秀なAIが搭載された。ところどころ日本語が間違っているが、海外製作者なので仕方ない。
ちなみに、カラーによっては『ときメモ2』の水無月琴子っぽくなったりする。攻撃モーション的にはそちらの方が合っているかもしれない。
また超必殺技等でのカットインは持たないが、試合に勝利すると……
参考動画
「ぷん、知らない」
「なおとくんたら、しらない、ぷん」
出場大会
その他
*1
きらめき高校の伝説は
「卒業式の日に伝説の樹の下で女の子からの告白で誕生したカップルは永遠に幸せになれる」
というのが正しい内容であり、
そのため女の子からの告白で無いと伝説を体現できないので、このようなことになっているのである。
なお、この伝説は本作から15年後のきらめき高校を舞台とした続編『ときめきメモリアル4』でも健在である。
*2
特に『3』と『4』のメインヒロインは、詩織や光と比べるとその影は驚嘆するほど薄くなってしまっている。
『3』のメインヒロイン・牧原優紀子はシリーズ初の「主人公の幼馴染ではないメインヒロイン」として登場
(但し、小中学生の頃の主人公の同級生であり、小学生の頃に主人公にイジメっ子から助けてもらったという接点はある)。
「メインヒロインを更に親しみ易く」という意図がはっきり見えるキャラでもあるが、 その意図が多くのプレイヤーには物足りなく感じた面もあり、
公式サイトでの人気投票は
メインヒロインながらブービーという結果
に甘んじてしまった。
『4』の星川真希に至っては、彼女自身がときメモシリーズのヒロインとしては
あまりにも設定が普通すぎるのに対し他のキャラが濃く、
はっきりいって
地味だった。
それに加えて、主人公の幼馴染ではないどころか優紀子にも存在する
「高校入学以前の主人公との接点」すら皆無
であり、
その「主人公の幼馴染」というポジションに位置する
大倉都子の
存在感があまりにも強烈過ぎたことも重なり、
都子こそが『4』の真のメインヒロインだと捉えるプレイヤーが続出してしまった。
実際、公式のコミカライズやメールドラマといったメディア展開でも星川を差し置いて都子がメインヒロインに抜擢されてしまっていた。
ここまで来ると、もはや
メインヒロイン(悲)
である。