「あれが君達の新戦力……DG-001・テラフェイザーです!」
元々は
前作にてバロッサ星人のせいでこの世界に来た
キングジョー・ストレイジカスタムの解析データから、
闇の三巨人への対抗兵器建造計画「DG計画001」により設計された機体だったが、
開発が間に合わないまま決着がつき、未完成のまま死蔵されていた所を、本作の
スフィア事変に伴い、
新生GUTS-SELECTに出向してきた地球平和同盟TPUの技術部の科学者アサカゲ・ユウイチロウ博士(演:小柳友)主導の下で開発が再始動されて実用化に至った。
特徴として『トリガー』より後、『デッカー』から見て近年に実用化された特殊な粒子「TR粒子」を動力源としており、
背部ユニットに貯蔵された粒子を粒子コンバーターを介してエネルギーに転換し、駆動する仕様が挙げられる。
TR粒子はエネルギーに転換したり、粒子をバリア状にして敵の攻撃を防御したり、
粒子の作用で歪曲して対象を追尾する光線兵器「TRビーム砲」などを実現する優れもの。
最大の兵装は胸部に搭載された「TRメガバスター」で、隙は大きいもののまともに命中させればスフィア合成獣すら一撃で消し飛ばせる威力を誇る。
キングジョーSCを参考にしたと思われるクローアームも装備されており、近接戦能力も高い。
また、従来のGUTS-SELECTの戦闘機に用いられるマキシマドライブも補助動力源として搭載されており、
TRメガバスター発射時の出力安定化などにも活用されている。
デスフェイサーの原型たる「電脳巨艦プロメテウス」と同様に
AIで制御された無人機というコンセプトで、
第11話「機神出撃」から正式にロールアウト。
同話での不測の事態からハネジロー(HANE2)をOSとして使用する事が決まり、
幾度かの調整とスフィアネオメガス戦で得られた実戦データを元にした改良を経て、ついに正式投入された。
元々ハネジローがカナタの良き相棒だった事もあり、デッカーとテラフェイザーのコンビは正に最強と言える活躍を見せていた。
しかし、元ネタであるデスフェイサーは元は人類の戦力だった兵器が奪われて敵に回った存在。
『デッカー』がいわば令和版ダイナとも言える作品という事もあり、同じ展開が起きるのではと視聴者からは嫌な予感を抱かれていたのだが……。
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ネタバレ注意 |
「花…木…空…風…雲…太陽…虹…海…浜辺…森…石…砂…大地…」
「カナタ君…君がこの時代のデッカーだったなんてねえ……。
君を倒すために造ったテラフェイザーだ。これ以上邪魔はさせない!!」
「君に恨みはない…その身に宿した『光』が目障りなんだよ!」
再開発に当たっていたアサカゲ博士が、偶然にもGUTS-SELECT隊員アスミ・カナタがデッカーであると知るや豹変。
テラフェイザーのコントロールを奪取してデッカーへと襲い掛かった。
そしてその正体が地球人ではなく、デッカーと地球に恨みを抱くバズド星人「アガムス」である事が判明すると共に、
頼もしい味方戦力であったはずのテラフェイザーは厄介な強敵と化してしまう。
「 歴史は繰り返す」という言葉通り、視聴者の予感は的中したのだった。
これ以降はフェイスモニターが変化して「フェーズ2」と呼ばれる外見になっている。
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アサカゲ・ユウイチロウ / バズド星人アガムス 解説 |
「俺の故郷はバズド星。お前達地球人のせいで滅んだ星だ。
お前達が、宇宙に進出などしなければ……!! 」
『デッカー』におけるスフィアと並ぶヴィラン。
元は『デッカー』の時代より未来のバズド星で暮らしていた異星人であった。
その時代、地球は本格的に宇宙開拓に乗り出しており、アガムスの故郷であるバズド星とも外交を結んだ。
アガムスも本来は地球人の素晴らしさを知る純粋な科学者であり、大切な女性・レリア共々「地球に行く」事を夢見ていた。
しかし、地球との交友が遠因となり、バズド星は劇中時点での地球と同じくスフィアの標的にされ、
スフィアとの戦いの中でアガムスの目の前でレリアを喪ってしまった。
結果、アガムスはバズド星よりも前に地球がスフィアに目を付けられていた事から、
故郷がスフィアの標的にされた事で起きた一連の悲劇の原因をバズド星に接触してきた地球のせいだと逆恨みし、
スフィアを引き連れて現代までタイムトラベルして本来の歴史よりも早く地球をスフィアの標的にするスフィア事変を起こした。
つまりは実質的に『デッカー』の出来事の元凶でもあり、本作の物語は彼の盛大な八つ当たりが発端だったのである。
なお、『デッカー』の時間軸の出来事を変えても 別のマルチバースに分岐するだけでアガムスのいた未来が時間改変されるわけではない。
アガムス自身もそれは承知しており、理屈の上では無意味な八つ当たりだと自覚した上でこうした暴挙に及んでいる。
その上で「スフィアには勝てないから地球を滅ぼして溜飲を下げようとしている」辺りがますます始末に負えないし、
バズド星はスフィアの侵略を受けつつも必死に抵抗を続けているため、同盟関係の地球を(並行世界とはいえ)滅ぼそうとする行為は、
同胞達に対する裏切りと言っても過言ではない。
アガムスがどのような経緯でアサカゲとしてTPUに入り込み、この計画に関与するようになったかは判然としないが、
少なくとも自分のいた時間軸からデッカーが妨害に来る事を想定して、
地球を滅ぼすのみならず来るべきデッカーへの対抗のために潜り込んでいた模様。
DG計画001の型式番号は「Decker Genocide」……つまり最初から「デッカーを破壊するもの」を意味していた可能性が言及されており、
下手したら『トリガー』の時代から既に地球滅亡のみならずデッカー打倒のために暗躍していた事が示唆されている。
とはいえ、アガムスは過去に飛ぶ直前に後を追えないように時間転移装置を破壊しており、自分と同じ時間から簡単には来れない、
来たとしても時間制限があり短時間しか滞在できないようにしていたため、デッカーの力だけ未来から送り込まれ、
しかもこの時代の人間(カナタ)がそれを受け取る事ができ、継続的にデッカーとしてスフィアに抵抗する事態は想定していなかったらしい。
後に、TR粒子はスフィアを利用したものだと判明。
アガムスもまた、スフィアの浸食により自我はおろか、レリアとの思い出までも失いかけるが、カナタの決死の説得によりそれを乗り越える。
憎むべき相手だったデッカーに救われるという皮肉な結果となるが、
直後に地球へ降り立ったスフィアの母体にしてラスボス・ マザースフィアザウルスの攻撃からデッカー=カナタを庇い、その身を散らした。
(いつか、きっと…宇宙中の、たくさんの、たくさんのお友達と、幸せな未来を…)
「作れるさ、きっと…!」
余談だが、『ダイナ』の初期プロットでは中盤でスフィアは退場し、 代わりの敵役が縦軸の物語に関わる構想だったと明かされており、
ファンの間ではアガムスはその没案の再利用ではないかと言われている。
また、復讐ですらない逆恨みによる暴走という行動理念から『ダイナ』のヤマザキ・ヒロユキの要素も含まれているのではという説もある。
演者の小柳氏は『 ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』でウルトラマンゼロと一体化する青年・ラン役を演じており、
シリーズの元主演・ウルトラマンの変身者役が悪役になったという点も視聴者にとってはサプライズとなった。
また父のブラザートム(小柳トム)氏と兄の小柳心氏も、
劇場版『 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング』のジョニー・マキシマ/ゲムデウスX、
『 暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のソノロクをそれぞれ演じており、
親子3人で三大特撮における悪役を制覇した事はちょっとした話題にもなった。
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アガムスが正体を明かしてからは開き直った彼に操縦される形で戦う体力のないデッカーとカナタを襲うが、
そのアガムスの身勝手な行動は流されるまま戦っていたカナタが戦いの動機を見出す契機となってしまい、
それにより覚醒したダイナミックタイプに敗れ爆散した。
かくして実機は失われたが、アガムスによりディメンションカードのようなテラフェイザーのカードが作られ、
これを拳銃型デバイス「フェイズライザー」に装填する事で、
カードが健在な限り倒されようが何度でも再現体のテラフェイザーを呼び出せるようになっていた。
流石に一度召喚した後は再召喚に多少のインターバルが必要なようだが、これにより何度もテラフェイザーは駆り出されるようになる。
また、フェイズライザーに怪獣のディメンションカードを読み込ませる事で、TRビーム砲から怪獣の力を宿した攻撃を行う事が可能となっている。
劇中では ゴモラの超振動波、 エレキングの三日月形電撃、ネオメガスの青色熱線、モンスアーガーの赤色破壊光弾を上乗せしていた。
アガムスの死後はハネジローが操縦。映画「旅立ちの彼方へ…」ともどもGUTS-SELECTが所有している。
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MUGENにおけるテラフェイザー
Dice氏の製作した
MUGEN1.1専用キャラが公開中。
外見はフェーズ1準拠。
クローアームによる近接攻撃と飛び道具「TRビーム砲」を備えたオールラウンダーなキャラとなっている。
超必殺技は極太のビーム「TRメガバスター」。
AIは未搭載。
出場大会
最終更新:2025年08月03日 15:42