初登場は『ウルトラマン』の初代ゴモラ。ジョンスン島に生息していた恐竜「ゴモラザウルス」の生き残りであり、
元来は凶暴な生物なのだが長い眠りのせいで大人しくなっていた。
大阪万国博覧会に展示するためUNG麻酔弾によって生け捕りにされるが、空輸中に麻酔が切れて暴れだし、
切り離して六甲山に落下させたが死ぬことはなく、逆に本来の凶暴性を甦らせてしまう
(この時ジェットビートルが飛んでいたのは上空2000m。
人間の成人男性で例えるなら大体85mくらいの高さから落ちるのと同じである)。
その後地中を移動し大阪市内に出現しウルトラマンと戦うが、
ゴモラは強力なパワーと尻尾攻撃でスペシウム光線すら撃たせずにウルトラマンを圧倒し、退けてしまう
(おまけにこの際、ハヤタはベーターカプセルを落としてしまうという事態に陥ってしまう)。
その後大坂に姿を現した際に 科学特捜隊の攻撃によって尻尾を切断されたものの、大阪城を破壊。
これはシリーズ屈指の名破壊シーンとして好評である。
ウルトラマンとの再戦では、尻尾を切断されたことが災いして終始不利であり、スペシウム光線で止めを刺されたのだが、
孤島に居て人畜無害であった所を、見世物として連れ出された挙句殺されたという悲惨な境遇には、
科学特捜隊の面々も流石に同情しており、死骸は剥製となって大阪万国博覧会に展示された。
なお、知名度が高い怪獣の割に、結構細かいパーツの造形に誤解の多い怪獣で、少なくともこの初代は以下のような姿である。
- ×肘に茶色い突起がある→〇爪と同じ白っぽい色、茶色く見える時もあるが撮影中の汚れ。(爪も同色になっている場面あり)
- ×足の真後ろに蹴爪がある→〇蹴爪は外側の横(斜め後方)を向いている
- ×足が太く重量感がある→〇正面から見るとそう見えなくもないが、横から見るとそこまで太くないと分かる
(ゴモラに限らずウルトラ怪獣はレッドキングなども、動きやすさ優先で足がさほど太くない、ゴジラの着ぐるみ改造のジラースと比べると顕著)
『ウルトラファイト』にも、再放送時の新規話に登場。
円谷プロの着ぐるみ保管庫怪獣墓場にてウーと戦い、打ち倒した。
『 ウルトラマン80』では ゴモラIIが登場。
容姿は似ているが、「ゴモラザウルスの祖先が異なる進化を遂げたもの」とされており、実質的には別の種族という扱い。
初代と大きく違うのは武器として 光線やミサイルを撃つ所。
人類の地底開発と、二年後に惑星直列の影響で起こる天変地異によって地底世界が崩壊する危機に陥ったため、
太陽光線を遮る人工衛星を打ち上げて地上を闇の世界にして移住しようとする地底人達。
調査の過程で事情を知ったUGMの矢的猛隊員は地底人の女王イーナスに共存の道を探ることを約束し、
報告を受けた地球防衛軍のナンゴウ長官も和平のために動き出した。
しかし、地底人への恐怖心から暴走した副官が長官を撃って指揮権を奪取、攻撃開始の指令を出してしまう。
その攻撃のショックでゴモラIIが目覚め地上に出現した。
ウルトラマン80を多彩な攻撃で苦しめるが最後はサクシウム光線を頭部に浴びて倒れ、地中深くへと沈んでいった。
『 ウルトラマンマックス』では"恐竜"ではなく、「フリドニア」(架空の国)に生息する"珍獣"として登場。
本来は体長2メートルほどだが犯罪組織に巨大な怪物に改造され、長い尻尾を武器にウルトラマンマックスと戦う。
マックスによって尻尾を切断されるが、切断後の尻尾は初代同様に動き回りマックスを苦しめた
(ただしゴモラの意思で動いている訳ではなく、 無差別な被害を与える)。
マクシウムカノンを放った所に尻尾がゴモラの前に躍り出て光線を受け粉砕、ゴモラ自身はギャラクシーカノンによって倒された。
なお、元々人気の高い怪獣だというのは上記の通りだが、
マックス公式HPにて行われた「伝説の怪獣人気投票」で 1位を獲得し、その高い人気ぶりを証明。
この影響でゴモラのマックス本編登場が急遽決定した。これ以降のゴモラの扱いには、この人気投票が少なからず影響していると思われる。
『 ウルトラマンメビウス』では初代と同種族の別個体がジョンスン島に出現、宇宙同化獣ガディバと同化し、能力をコピーされる。
その後ガディバが変身したもの(設定上は初代ウルトラマンが戦った個体よりも強化されている)がメビウスと交戦した。
なお、スーツはマックス版の流用だが世界観の関係で基本的な設定や能力は初代を踏襲している。
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』では、
主人公のレイオニクス(怪獣使い)・レイ( 義星の男ではない)の主力怪獣の一体として活躍した、本作の主役怪獣である。
着ぐるみはマックス版を改修しており、初代に近い顔つきになっている。
このシリーズでのゴモラは新たな関連作品が出るたびに造形に改修が加えられており、
映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』ではスーツが完全に新造され、
初代ゴモラをそのままリファインしたかのような再現度の高いものになっている(このページのトップの画像がそれ)。
レイの持つ「バトルナイザー」によって召喚され、敵の怪獣に立ち向かう。
武器はこれまでの作品と同様の尻尾や角を活かしたパワー攻撃に加えて、
ドロップキックしたり、あびせ蹴りの要領で尻尾を叩きつける「大廻転打」など、
プロレスチックな動きによる、ウルトラヒーローも顔負けの豪快なファイトスタイル。
また本作では、地中潜行用の「超振動波」 *1をウルトラヒーローの光線技のように使用している
(CGエフェクトも用意されているが、厳密に言えば光線技の類ではない。MUGEN的には この技に近いか)。
さらに必殺及びキメ技として、相手に鼻先の角を突き刺して体内に超振動波を 直接流し込み、
そのまま爆発させるものと最後にかち上げるものの2通りのフィニッシュを持つ「超振動波ゼロシュート」を使用することもある。
中々ケレン味のある演出でカッコいい必殺技になっているので一度見てみることをお勧めする。
なお、野生の個体で超振動波を武器にしたのは『R/B』と『Z』に登場したゴモラのみなため、
基本的に野生種のゴモラは超振動波を掘削用の能力と見なしており武器として扱う発想が希薄なようである。
ちなみにゴモラは元々『ウルトラセブン』の カプセル怪獣の候補の1つにあり、
それを考えるとこうして正義の怪獣として活躍しているのは感慨深いものがある。
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『ウルトラギャラクシー』版ゴモラのパワーアップについて |
第1シリーズの最終話ではレイが「レイブラッド」の血に目覚めたことに伴い、ゴモラも「EXゴモラ」へと進化を遂げた。
元々はゲームに登場した形態だが、設定変更を伴い映像作品へ逆輸入された(詳しくは後述)。
伸縮自在の尻尾による攻撃で キングジョーブラックの装甲を貫き、更にあの ゼットンをも圧倒的強さで葬った。
続編の最終決戦時にもこの姿になり、EXレッドキングと共に
強力な ラスボスであるレイブラッド星人withアーマードダークネスを圧倒した。
第2シリーズではレイの暴走に伴って全身が赤みがかる「レイオニックバースト」という状態になる。
普通のゴモラのままでありながらその強さは強化改造されたキングジョーブラックを圧倒するほどの力を持つ。
が、凶暴性が大きく増しており、レイの自制が効かないことで共にひたすら戦いを求め、暴れまわる。
その後レイが精神的に成長し、第二覚醒を終えた後は力を自在に解放し、普通に操れるようになった。
「 殺意の波動」とか「 オロチの血」の類に近いといえるかもしれない。
また、通常時と「レイオニックバースト」の中間にレイモン(レイの覚醒した姿)の姿の時になれる、
「ブレイブバースト」という肉体的な変化はないが能力が上昇した形態がある。
暴走もせず、最も安定して戦える形態だが、上位互換である「レイオニックバースト」の自制が効くようになった後は、
グランデのレッドキング戦まで出番がなかった。
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『ウルトラ銀河伝説外伝 ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』では、レイのゴモラが ウルトラマンゼロと共に、
サロメ星人作製のメカゴモラとダークロプスゼロ(ゼロを模したロボット戦士)に立ち向かった。
ゴモラ自身をモデルに自身以上の戦力を持つメカゴモラに苦戦するゴモラだったが、死闘の末に勝利し、ヒーロー怪獣らしい戦いを見せていた。
『ウルトラマンギンガ』シリーズでは、劇場スペシャルにおいて主人公達4人が人工スパークドールズで、
ゴモラ、レイオニックバースト、EXゴモラ、メカゴモラにライブした他、
第2シリーズでは地底の民ビクトリアン間の抗争により地球を追われた一派の生き残り・ヒヨリが復讐のためモンスライブした。
ギンガと2度戦闘し、2戦目ではヒカル(=ギンガ)の説得に応じずに、やむなく倒されそうになるが、
ビクトリアンの守護獣シェパードンに庇われたことで改心。
その後、敵のファイヤーゴルザ(SD)に挑むが敗北した。
8年ぶりのゴモラとウルトラ戦士の戦闘だが、2000年代のイメージを踏まえてか、
完全な悪役ではないという無難な立ち位置だった。
『 ウルトラマンX』では、スパークドールズの一体として登場。
親の形見として、主人公の大空大地が日常的に持ち歩いている。
この状態でもある程度の意識を残しており、Xio隊員の通信機・ジオデバイザーに内装されている、
怪獣の感情を分析する機能「ガオディクション」でその意思を知ることができる。
後に人類の技術でこのゴモラを意図的に怪獣の状態に戻す実験が行われ成功、コミュニケーションを取ることができたが、
その際に謎のエネルギー・ダークサンダーエナジーを受けてEXゴモラに変貌し凶暴化、暴走することになる。
また本作では大地がゴモラの力からサイバー怪獣を実体化させる研究をしており、
後述するゴモラの力を宿すサイバーゴモラアーマーや味方怪獣のサイバーゴモラも開発されている。
『ウルトラマンR/B』では野生怪獣として登場。
古い地層から目を覚まし、角からの超振動波を光線のように使って町を破壊して暴れ回った。
ウルトラマンロッソ、ブル達とも戦ったが、乱入した敵のグランドキングメガロスの光線により爆発四散した。
敵対するただの悪役怪獣として登場し、敵の噛ませになって死ぬという2010年代では珍しい扱いを受けている。
『ウルトラマンZ』では第3話にて敵役の怪獣として登場。
当初は休眠しており、ゴモラそっくりの岩「ゴモラ岩」だと思われていたが、後に本物と判明。
目覚める可能性が0.1%以下だった為、ドローン輸送機と セブンガーを用いて無人島に移送する計画が立てられ、実行される。
だが、街中を移送中に 杉花粉によって花粉症になってしまい、覚醒。
花粉症のむず痒さからビルを引っこ抜くなど暴れ出したために止むを得ず倒すことになった。
セブンガーとの戦いではエネルギー切れに追い込み、ウルトラマンZ・アルファエッジを怪力で追い詰めるものの、
Zがパワーに優れる新形態 レッドマンベータスマッシュになってからは一転、
電線をロープに見立てたプロレスさながらの激闘を演じるが、最期はゼスティウムアッパーによって粉砕された。
敵役としての登場は上記『R/B』と同じだが、 今回は人類の都合で動かされ起こされた挙句に殺されるという被害者的な側面が強調され、
過去に味方怪獣としての出番が多かったこともあってか放映直後に物議を醸した。
ストーリー内容的には初代のオマージュと言えるが、上記の花粉症を始め、
この回は「防衛軍のお偉いさんにロボット兵器の重要性を見せる」というシナリオ上コミカルな展開も多かったために、
こうした実情とのギャップが大きかったのも一因と思われる。
ただし、セブンガーのパイロット兼ゼットの変身者であるハルキもまた花粉症であるためか、ゴモラの境遇には同情しており、
またゴモラ以外にも本作は全体的に「人類の環境破壊や無理な開発が原因で目覚めてしまった怪獣」が多く描かれていることや、
後にある理由から戦う意味を見失ってしまった際にはこの一件のことも回想しているなど、
ゴモラの扱いについてはストーリー上重要な意味があったとも言える展開になっている。
『ウルトラマンアーク』では、1話の冒頭のニュース映像にて1話以前にアークが戦った怪獣としてわずかだが戦闘時の映像が描写された。
また、ゴモラ一族ではないが、その能力を元に生み出された存在として、
メカゴモラ、サイバーゴモラ、スカルゴモラ、スフィアゴモラといった派生キャラも多い。
メカゴモラは上記のオリジナルビデオ作品『ウルトラ銀河伝説外伝 ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』に登場。
ニセウルトラセブンなどを作り上げたサロメ星人によるもので、ゴモラを上回る能力を持つとされる。
詳細は 個別項目参照。
『ウルトラマンX』では、上記のゴモラのスパークドールズを解析しエレクトロ粒子でその力を再現した「サイバーゴモラ」が登場。
当初は実体化が上手くいかず、データから実体化できるウルトラマンエックスの武装「サイバーゴモラアーマー」に転用された。
その後大地がゴモラの真意を知って心を通わせたことでサイバーゴモラ自体の実体化も可能となり、
大地を始めXio隊員達が実体化させ、Xioやエックス達と共に怪獣と戦うようになった。
メカ的な外見とは裏腹にファイトスタイルは肉弾戦が主であり、本家と違い角の他に両腕からも放つ「サイバー超振動波」を必殺技としている。
逆にロボっぽい武器を多数搭載している前述のメカゴモラとゴモラ型人造怪獣同士の戦いを繰り広げたことも。
スカルゴモラは『 ウルトラマンジード』に登場。
本作の敵である伏井出ケイが、ゴモラとレッドキングの怪獣カプセルを使い「フュージョンライズ」で変身した "ベリアル融合獣"。
ジードが初めて戦った怪獣である他、第1話以前にも主要人物である鳥羽ライハの両親を殺害しているなど物語にも大きく関わっている。
後に『ウルトラマンタイガ』にも、「ベリアル因子」を基に チブル星人が生み出した「培養合成獣」として登場した。
その後、『ウルトラマンZ』第7話では悪役のカブラギ/セレブロが、
ゴモラ・レッドキング・ベリアルのメダルからベリアルメダルの実験としてスカルゴモラを生み出し、ゼットおよびジードと戦った。
スフィアゴモラは『 ウルトラマンデッカー』にてゴモラが スフィアに寄生・同化される形で登場。
超振動波は「スフィア超振動波」にパワーアップしており、スフィアザウルスが使用していたのと同じ電子障害をもたらす電磁パルスを帯びている。
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