『Ultraman Trigger Multi Type!』
『Boot up! Zeperion!』
「未来を築く、希望の光!ウルトラマントリガー!!」
『Ultraman Trigger Multi Type!』
円谷プロの特撮作品『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』に登場するウルトラ戦士。
グリッドマン関連で縁のあるアニメ制作会社とは無関係。
平成ウルトラシリーズの第1作目『
ウルトラマンティガ』が2021年に放送25周年を迎えた記念として同作が作られたため、
「令和版ウルトラマンティガ」を担うというコンセプトでデザインされており、その姿は形態変化も含めてティガに非常に酷似している。
3000万年前の地球で神秘の物質「エタニティ・コア」を守るべく
闇の三巨人と戦い、
辛くも封印に成功するが自身も力を使い果たし、火星の超古代遺跡で石像と化して眠りに就いていたが、
マナカ・ケンゴ(演:寺坂頼我)と同化して蘇った。
副題に「NEW GENERATION」とある通り、ティガの要素を大きく受け継いでいる一方で、
ニュージェネレーションシリーズの要素を複合させた作風となっている。
ただし、ニュージェネレーションシリーズは『
タイガ』で一区切りしたと公言されている事もあり、
『
ウルトラマンZ』共々放送当初はニュージェネに数えるかどうかは資料によって解釈が分かれていた。
また、『ティガ』も長野氏の多忙により変身者だけでなく防衛隊の私生活などにもスポットが当たる群像劇的作風だったが、
『トリガー』は『ティガ』では劇場版の敵キャラだった闇の三巨人に相当するキャラを
メインヴィランに据えたり、
原典に該当者が無い第三勢力
バスコ・タ・ジョロキアリシュリア星人イグニスが登場したりと、より群像劇的な特色の強い作風となっている。
なお、『ティガ』を大きく意識しているが舞台となる宇宙はネオフロンティアスペース(『ティガ』及び『
ダイナ』の舞台)ではない。
『サーガ』のようにネオフロンティアスペースの地続きの続編にするという案も当初はあったが、
TDG時代の作風は今では予算的に厳しいことや、『ダイナ』や『サーガ』から既に相当年月が経過しており、
予備知識が必要な地続きの世界観だと初見には分かり辛くなるという意見から、最終的に「ネオフロンティアスペースに近いマルチバース」に落ち着いたらしい。
ただし、ネオフロンティアスペースの出身者が出たり、ゼットやリブットの客演があったりと、
他のニュージェネ作品と同じく可能な範囲で他作品との繋がりも描写されている。
そして、2023年放送の『ウルトラマン ニュージェネレーションスターズ』により、正式に『トリガー』もニュージェネの括りとして扱われるようになった。
変身アイテム「GUTSスパークレンス」は超古代の遺跡から発掘された神器を地球人の解析して科学的に再現したもので、
そこに適合者が対応するウルトラマンの力を込めたハイパーキーを差し込む事で、変身が可能になる。
何気に『
ガイア』以来となる地球人の手で誕生した変身道具である。
なお、諸事情でゼットライザーが破損してしまったハルキや一度人間態に変身したウルトラマンリブットも個人用に調整すれば使用可能など、かなり汎用性が高い。
まぁこの辺りはゼットライザーからゼットオリジナルのキーどころか、
ウルトラメダルからゼットの各種形態のハイパーキーを作れてしまう開発者のアキトがチートすぎるのも理由の一つなのだが。
+
|
マナカ・ケンゴとは |
「スマイル スマイル♪」が口癖で、 皆を笑顔にすることが信条の植物学者の青年で、火星の土で唯一枯れる事がなかった新種の植物「ルルイエ」を育てている。
トリガーに変身したのを機に「GUTS-SELECT」にスカウトされ、地球に移り住む事となる。
視聴者からの愛称?は 「マナカケンゴォ」。これは因縁の相手である カルミラが口癖の如く連呼する事が由来。
トリガーと同化する前から、バリアのようなものを無自覚で張る事ができたり、闇の三巨人の言語を理解できる、彼女らの表情変化が分かる等、
普通の人間とは違う描写が多々見受けられる。
またトリガー自身も基本的に変身後の主導権をケンゴに一任しているかのように、原典のティガ同様に全く意思疎通する気配が無いが……?
+
|
「トリガー」の根幹におけるネタバレ注意 |
「トリガー…君は、僕だったんだね」
実はマナカ・ケンゴは三巨人との戦い後に肉体からトリガーの分離した精神or魂が、人として転生した存在。
彼の母親となるマナカ・レイナが、トリガーの石像の前で拾った赤ん坊が成長したのが現在のケンゴであり、
なので彼はウルトラマンの力を得た人間ではなく、シリーズでも前例の無い「人間に生まれ変わっていたウルトラマン」である *1。
よもや本当に主題歌の歌詞通りだったとは、お釈迦様でも気が付くまいて
|
ちなみに演者がsasukeに出られるほどの人物故に、温厚な植物学者とは思えないほどにムキムキ。 *2
終盤正体バレした際に隠れて鍛えていた、という扱いになっていた。
|
+
|
戦闘能力 |
テレビ作品で久々に登場した他のウルトラ戦士の力を借りた形態を用いないウルトラ戦士。
戦闘力はめっぽう高く、ボス級の実力者である ギマイラを序盤で倒せたり、
他のウルトラ戦士が石化光線を反射させてようやく倒せたガーゴルゴンをGUTSファルコンのアシストもあったとはいえ、
ウルトラ戦士の中で唯一反射に頼らず自前の技でトドメを刺せるなど、そのポテンシャルは極めて優秀。
しかし、闇の三巨人も含めて敵も並の強さではない連中が多く登場するため、苦戦描写も相応に多い。
固有武器として、3つの用途がある多彩ウェポン「サークルアームズ」を使用する。
『トリガー』本編から10年後が舞台の続編『 ウルトラマンデッカー』では、未来からのユザレから新武器「デュアルソード」を入手。
後輩ウルトラマンであるデッカーと同じウルトラディメンションカードをリードすることで、必殺技が発動する。
後に、ケンゴが火星に戻る際にデッカーに変身するアスミ カナタに手渡された。
パワーとスピードのバランスが取れた形態。
サークルアームズは主に両刃の片手剣「マルチソード」を使う。
必殺技は「ゼペリオン光線」と、マルチソードで切り裂く「ゼペリオンソードフィニッシュ」。
なおケンゴの姿からは基本的にこの形態にしか変身できない。
全形態の中で最もティガに酷似している…
+
|
とされているが |
ツリ目、下部プロテクターに鋭角がある形状、手首に装飾があるなどの類似点から、
ファンの間では むしろティガよりもイーヴィルティガに似ているという声が上がっている。
果たして出自にとんでもない真相があるのか、それともティガ同様他人の空似なのか……?
|
『Boot up! Deracium!』
「勝利を掴む、剛力の光!」
パワーに秀でた形態。
サークルアームズは主に鋏爪型「パワークロー」を使う。 人斬り鋏にしか見えないともっぱらの評判
必殺技は「デラシウム光流」と、サークルアームズを用いた「デラシウムクローインパクト」で、
刀身にエネルギーをチャージして直接斬り付けたり、
ダーラムのファイヤマグナムのように地面に突き立てて地を這う衝撃波として打ち込むなどの用途で使用する。
その姿はティガと共にピラミッドの中で眠っていた ゴルザに破壊された巨人像に酷似しているが、関連性は不明。
『Boot up! Runboldt!』
「天空を翔ける、高速の光!」
スピードに秀でた形態。
サークルアームズは主に弓型「スカイアロー」を使う。そのまま片刃の剣としても扱えるため使い勝手が非常に良い。
必殺技は「ランバルト光弾」と、スカイアローから青い閃光の矢を発射して敵を貫く「ランバルトアローストライク」。
後者はランバルト光弾と同様に単発攻撃だが、発射時にはヒュドラのヒューガストのような螺旋状のエフェクトが発生する。
その姿はティガと共にピラミッドの中で眠っていた メルバに破壊された巨人像に酷似しているが、関連性は不明。
ティガのスカイタイプは当時の撮影技術の都合で出番が控え目だったのに対して、
こちらはゼットの最強形態デルタライズクローと並んで戦うなど、割と優遇されている。
+
|
ネタバレ注意 |
『Boot up! Dark Zeperion!』
「未来を染める漆黒の闇…トリガーダーク!」
闇の一族とされる種族であったトリガー本来の姿。
『ダイナ』に登場したゼルガノイドを想起させる禍々しい鎧を纏ったような姿が特徴。
必殺技は「ダークゼペリオン光線」。
なお当時のトリガーは闇の巨人らしい残忍さの一方で、彼らと異なり非常に寡黙な性格だったのだが、
これは声を付ける場合寺坂氏が担当する事になるため、ネタバレ防止の意味合いもあった模様。
ティガの比じゃないレベルで見た目から性格までまるで別物になったトリガーを見たら、そりゃカルミラもキレると納得されてしまっている
中盤でカルミラの呪術でケンゴがトリガーと強引に分離させられてこの形態になったが、
過去に飛ばされて当時のトリガーと同化して現代に戻ってきたケンゴと戦った末に敗北し、
その力はイグニスに吸収され、以降はイグニスの変身態として使われた。
変身の際にはGUTS-SELECTから盗んだGUTSスパークレンスのプロトタイプを用いている。
……のだが、これがそもそもとして失敗作として放置されていたものに専門家でもないイグニスが手を加えた不安定な代物だったため、
変身する度に半ば暴走状態であった。
アキトが変身アイテムを改良した事で終盤では完全に制御が可能となった。 やっぱりアキトのチートっぷりが目立つ
結果的に主人公のかつての姿→(暴走状態の)第三勢力→サブトラマンというかなり稀有な立場の戦士となっている。
公式では 怪獣と同等の扱いだが、ソフビ人形ではウルトラヒーロー扱いとこちらの意味でも稀有な存在。
なお、イグニスが変身した際は 怪獣のキーを用いてパワーアップするという独自の戦法を見せており、
この際に口が裂けるように変形するギミックが盛り込まれているのだが、 例によってデザイナーには無断だったらしく、
放送で知ったデザイナーの武藤聖馬氏は「俺デザインしてないぞ笑」とコメントしている。
『Boot up! Glitter Zeperion!』
「宇宙を照らす、超古代の光!」
トリガーの最強形態。原典はグリッターティガだが、一時的な奇跡だったあちらとは違い、
エタニティ・コアの一部を得た事で恒常的に変身可能になった強化形態という位置付けのため実態は大きく異なる。
専用武器「グリッターブレード」は中央部の「トライアングルクリスタル」を通じて様々な技を繰り出せる。
主な必殺技は「グリッターゼペリオン光線」と、グリッターブレードから光線を放つ「エタニティゼラデス」。
強力だが消耗も非常に激しく、短時間しか維持できない。
最強形態ではあるのだが、闇の三巨人はこの形態でようやく互角といったところであり、
また同時期に登場したGUTS-SELECTの切り札「ナースデッセイ号 バトルモード」のフォローに回る話もあったりと、
戦績はそこまで優れているというわけではなかったりする。
当初はエタニティ・コアの膨大な力に加え、ケンゴが気負っていたため、エネルギー垂れ流し状態で全く制御が効いていなかった。
その後リブットとユザレの末裔であるユナの協力で、1話でユザレに言われた「あなたは光であり……」
の続きが「光であり、人である」だと知った事で「自分はトリガーであり、母さんの息子、人間マナカ・ケンゴ」
と悟り、制御する事が可能になった。
なお1話の時点ではティガダークの前例に加え、闇のゼペリオン光線らしき技を使うトリガーが描写された事で、
「光であり、闇である」だろうとティガを知るほぼ全ての視聴者が思っており、「人である」という答えに多くの視聴者が唸った。
『Boot up! True Zeperion!』
「決着だ……カルミラ!!」
「ウルトラマントリガー!!!」
最終話でイグニスに力を返却されたケンゴが闇と光の力を両立させたまま変身した形態。
マルチタイプキーが変化したトリガートゥルースキーを用いて変身する。
トリガーもトリガーダークもそれぞれトリガーの「光」と「闇」の片方の側面でしかなく、
この形態こそ光でも闇でもあるトリガーの本質である。
なのでトゥルースと名前に入るがアーリースタイルのような「本来の姿」というよりも、
「(今まで使ったことの無い)真の力を発揮した形態」「本人も気付いていない潜在能力が発現した姿」という方が正しい。
カラーリングは黒いラインが追加されているが、赤と紫の配置がティガのマルチタイプにより酷似した形でデザインされている。
同時に腰から足にかけた黒いラインなど、やはりイーヴィルティガを思わせる意匠が確認できる。
なお、イーヴィルティガとパワー・スカイに似た1話の巨人は、
いずれも『ダイナ』にて残骸をある人造ウルトラマンの開発に用いられたという共通点があるのだが…?
必殺技は「トゥルーゼペリオン光線」とGUTS-SELECTの母艦であるナースデッセイ号との合体攻撃「トゥルータイマーフラッシュ」。
|
|
+
|
以降の作品での活躍 |
スフィア事変当時ケンゴは火星におり、バリアはトリガーの力を以ってしても破れず、
火星もスフィアの脅威に晒されていたため、そちらの住人を守るために戦っていた。
そんな中、『トリガー』のユザレとは異なる別のユザレが現れ「ウルトラデュアルソード」と4枚の「ウルトラディメンションカード」を託す。
その際に復活したメガロゾーアのビジョンを見た事で地球に更なる危機が起きることを悟り、
アキトから託されたスフィアのカードを使ってバリアを強引に突破し地球に帰還。
直後にたまたまピンチだったデッカーを救い、変身者であるカナタと面識を持つことになった。
そしてケンゴが危惧した通りスフィアメガロゾーアが出現し、デッカーと共に戦うが、
スフィアメガロゾーアの体内に死んだはずのカルミラを見て動揺し、攻撃を躊躇したため撤退を許してしまう。
その後、ルルイエに似た古代植物「ギジェラン」の駆除に参加している最中に再びスフィアメガロゾーアが出現。
デッカーの協力やユナがユザレの力の残滓を振り絞り援護したこともあってカルミラを救出。
共に戦いスフィアメガロゾーアの打倒に成功する。
騒動終結後はカナタにウルトラデュアルソードとトリガーのウルトラディメンションカード3枚を預け、
便乗してバリアを抜けるために同行を願い出たカルミラを連れて火星に戻っていった。
ケンゴとカナタの出会いは、意図せず力を手に入れて目的もあやふやで流されるまま戦っていたカナタが、
「ケンゴに胸を張って断言できるような戦う動機を見つける」という当面の方向性を見出す大きな転機となった。
なお、後に明かされた情報によれば、本作に登場したユザレは未来でユザレの依り代となった人物らしく(ユナの子孫と思われるが詳細は不明)、
ウルトラディメンションカードを所持していたのも未来でデッカーと共にスフィアと戦う勢力の一員として活動しており、
アイテムの技術を共有しているためのようである。
以降もヤプールの暗躍の際に宇宙に投げ出されてスフィアに襲われたカナタを救った他、
第23話にて前作の主役でありながらラスボスであるマザースフィアザウルスに立ち向かうなど要所で活躍。
さすがにマザースフィアザウルスには敵わなかったが、マザーが吸収したエタニティコアのエネルギーを簒奪し、
カナタの変身能力を取り戻すなど、勝利に大きく貢献した。
|
MUGENにおけるウルトラマントリガー
Pinksheep X氏の製作したキャラが某所にて公開中。
基本的にマルチタイプのまま戦う。
『対決!ウルトラヒーロー』のティガの
ドットをベースに作られているが、
サークルアームズを用いた攻撃が新規追加されているなど、性能は差別化されている。
超必殺技では「ゼペリオンソードフィニッシュ」を放つ。
AIもデフォルトで搭載されている。
紹介動画(BiliBili)
「スマイル スマイル♪」
出場大会
*1
一応闇の三巨人から先代と同一視されていたダイゴが
長らくカミーラ達の勘違い扱いされていたが、
『トリガー』以降「実は本当に先代ティガの転生体だったため同一視されていた」説が浮上したが、
それらしき描写はあるものの公式で明言されているわけではないので確定ではない。
*2
『
ウルトラマンダイナ』で主演を演じたつるの氏が、あまり動けるタイプではなかったこともあり、
次作『
ガイア』から走る演技をオーディションの必須項目にし、運動神経に優れる吉岡氏を主演に選んだのに、
肝心の我夢は科学者キャラで(当初は)運動が苦手、という本末転倒な事になりかけていたので、
同じくケンゴを演じた寺坂氏のムキムキっぷりからは想像できない役柄は、円谷的にはよくある事である。
最終更新:2023年05月22日 17:48