ガゼボ

「ウルトラマンは怪獣を殺さずにおこうとしてるんだ」

円谷の特撮『ウルトラマンG』に登場する怪獣。別名「守護獣」。
名前の由来は四阿…かどうかは定かではない。
ガゼボ(gazebo)とは西洋風あずま家を指す単語であったり、イタリアの歌手の名前であったりする為、「守護獣ガゼボ」と表記される事がある。
第7話「森の守護神」に登場。
なお、第2話のギガザウルス(出現の原因はゴーデスだが、誕生の経緯は無関係)以来、久々の天然物の地球怪獣であるが、
こいつを目にしたUMAの隊員からは「(前回倒したはずなのに)ゴーデスか?!」と誤解された
(この発言のせいかは不明だが、ビデオ版では「ゴーデス関連6話+この第7話」が無印「ウルトラマンG」、残りが新の「必殺!怪獣大決戦」と分けられている)。

200年前に保護登録されている人間は入ってはならない「神の領域」とされる森に住んでいたが、
住民の反対を押し切って道路建設が行われたことでナワバリを荒らされたと認識して、怒りながら人間を襲撃し始めた。
メガテリウムの様に巨大な爪と、のような長い鼻を持つが、
UMA隊員の分析担当チャールズによると有袋類であるプロコプトドンの原型が進化した種類とのことで、
全くもって原形をとどめていないが、生物学的にはカンガルーの怪獣だったりする。
実際に大柄なガタイに反して、ジャックを追いかける時などに非常に機敏な動きを見せている。
因みにデザインイメージはゾウリムシゾウムシらしい。
また、非常に固い外皮とパワーを持っており、肉弾戦が得意。
金属に敏感で金属を集める習性があり、森に生えている金属を溶かす胞子を出す毒キノコが苦手。
初期設定では「地下で鉱物資源を食べる」という設定だったらしく、劇中で「重機を食べた」という証言があるのはこの名残と思われる。

出現当初は工事現場の機械や重機を破壊して回っていたが、無茶な工事に抗議に訪れたシンプソン夫人とその娘ジェニー、案内役のサイクス警部と遭遇。
一団をナワバリを脅かす敵と認識して追い掛けた事で運悪く森の奥の方向に逃げたジェニーが森の中に取り残されてしまった。
UMA隊員のキムとロイドがジェニーの救助に向かうも毒キノコやガゼボの存在により難航し、
しかも現場の担当者サイクスが手柄目当てにARMYによる無差別爆撃を実行しようとしたため
(「ジェニーを巻き込む気か」と抗議の声は上がったが、ガゼボに殺されて手遅れのはずだと決め付けて聞く耳持たなかった)、
何としてもジェニーを救いたいUMAと、なりふり構わず森ごと怪獣を殲滅したいARMYは対立*1

その間も毒キノコが発する胞子が苦手と知ったキムが、泥とキノコからお手製のキノコ爆弾を作成して、
ムラマツキャップばりの遠投でガゼボに対抗。
別行動をとっていたジャックやジーン、謎の少年の導きによって生存していたジェニーと合流、森からの脱出を図る。

「サイクス警部が現場に着いたらARMYが攻撃を開始する」と知ったチャールズがサイクスの送迎の際に出鱈目な操縦で時間を稼いでいる間に、
現地のUMA隊員達は謎の少年の道案内によって森の出口に繋がる場所に身を潜めるが、
ジャックが身に着けていた金属(デルタ・プラズマー)に引き寄せられたガゼボがなおも追撃してくる。

ジャックは「金属を捨て損ねてガゼボを招き寄せた責任を取り、囮になる」という体裁で単独行動をとり、グレートに変身。
ガゼボ側が自分のテリトリーを荒らされた被害者ということもありグレートは不殺の方針で戦うが、
人間を標的にしていたガゼボはグレートのことは進行を妨げる邪魔者としか認識しておらず、グレートをそっちのけで人間を標的にしており、
不殺の方針を貫くグレートは、ガゼボの防御力と怪力に苦戦しながら、殺さずこの進撃を食い止めることを強いられる。
何度も立ち上がり妨害するグレートに、ガゼボは「邪魔すんな!」と言わんばかりに苛立ち気味の咆哮を上げながら強烈な突進を見舞うが、
実はこの攻撃はグレートに誘導されており、突進を回避された末に勢い余ってその先にあった崖の洞窟の穴にダイブしてしまい、
そのままグレートのフィンガービームで洞窟を崩落させられ、生き埋めにされた。

あくまで生き埋めにされただけでガゼボ自体は健在であるが、無理やりではあるが休眠状態にされたため当面は人間に危害を加える心配はなくなった。
加えてガゼボがまだ存命なせいで、下手に工事を再開して休眠中のガゼボを起こしては元も子もないため、
道路建設計画は中止となった模様。
なお、ジェニーを助けた謎の少年が聖域の住人だったのか、あるいは超自然的な存在だったのかは最後まで謎のままだった。

SFC版『ウルトラマンG』では口から火を吐く能力がある他、最後は原作と異なりバーニングプラズマで倒される。


MUGENにおけるガゼボ

カーベィ氏によって製作されたガゼボが公開中。
ファイル名は「Zebokon(K)」。
スプライトはSFC版のものが使用されており、ニュートラルポーズに動きが追加されている。
火炎放射技もきちんと再現されているが、当て身技の「カウンター」があるなど、
原作を参考にしつつアレンジされている部分も存在する。
超必殺技はいずれも1ゲージ消費で「必殺火炎」「必殺突撃」「必殺引っかき」の3つ。
AIもデフォルトで搭載されている。
紹介動画

出場大会



*1 
とはいえ(サイクスが手柄目当てなのは事実だが)、
「生きているかも分からない子供1人のためにそれ以上の命を奪いかねない危険生物を野放しにできない」というARMYの考え自体は、
人道的にはともかく数字だけで言えば間違っているとも言い切れない。
なお、当のサイクスはあまりに横暴な振る舞い
(通信不能になり、森ごと爆撃されるとは知らない他のUMA隊員達の事を「隊長であるアーサーの責任だ」と言い放ったり等)から、
チャールズに「アンタ、子供殺して勲章貰うの?」と痛烈な皮肉を浴びせられた。


最終更新:2023年11月04日 22:52