5・俺「ストライクウィッチーズ?」>>284-296
作者:士翼号
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『第1話 鋼鉄の巨人』
~連合国軍 司令部 会議室~
「新型機との連携訓練……でありますか?」
朝早くから呼び出されたミーナは少々不機嫌になりながらも礼儀を
失することのないように気をつけながら疑問を口にする。
「そうだ中佐。このたび扶桑皇国陸軍が開発した新兵器の実地試験が
このロマーニャで行われている。その兵器とウィッチの連携行動の試験を
君の501統合戦闘航空団に願いたい。」
「本日、1200(ヒトフタマルマル)、
そちらの基地に新兵器とそのパイロットが 到着する予定だ。」
ミーナは表に出さないようにしながら心のうちで嘆息する。
「(はぁ、なにが『願いたい』よ。もう決定事項ってことじゃない)
…了解しました。つきましてはその新兵器についての説明を求めます。」
~501 戦隊基地 格納庫~
「うわぁー大きなトラックだねリーネちゃん。」
「大きいねえ。何が入ってるんだろうね芳佳ちゃん。」
「何だろうね?すみませ~ん。これなんなんですか~?」
芳佳が受け取りの手続きをしている整備兵に声をかける
「ハッ、本部からの物資で新兵器とその部品とのことです。」
「新兵器?」
「ええ、そうですよ軍曹。」
さきほどまで整備員と話をしていた青年が芳佳にこたえる。
青年は扶桑陸軍の軍服を身にまとっているが、
なぜか左腕の真ん中あたり から袖がなくそこから黒いプロテクターがのぞいている。
「あの、あなたは?」
「ああ、申し訳ない。私は俺特務少尉です軍曹。
このたびこの501戦闘航空団に新兵器のパイロットとして配属になりました。」
「そうなんですか?あ、私は宮藤芳佳です。それでこっちが…」
「リネット・ビショップです。はじめまして少尉。」
「はい曹長。ご丁寧にありがとうございます。すみませんが戦隊指令の
ヴィルケ中佐のところまで案内してもらえますか?」
「あ、はい。こちらです。」
~501戦隊基地 サロン~
「俺特務少尉。501統合戦闘航空団にただいま着任しました!」
俺は背筋を張り、扶桑陸軍式の敬礼をする。
「はい、たしかに。私はミーナ・ヴィルケ中佐です。
宮藤さんとリーネさん のことはもう知ってるわね。その隣が……」
「坂本美緒少佐だ。」
「あたしはシャーロット・イェーガー。大尉だよ。」
「ゲルトルート・バルクホルンおなじく大尉だ。
新兵器のパイロットと聞いていたが男だったのか。」
「エーリカ・ハルトマンだよ。ねえねえ、その左腕なに?」
「こらハルトマン。失礼だぞ。」
「え~いいじゃんトルゥーデ「だめだ。」…ちぇっ。
ああ、階級は中尉、 よろしくね。」
「はい中尉。よろしくお願いします。」
「はいは~い!あたしはフランチェスカ・ルッキーニだよ。よろしくっ♪」
「はい。よろしく。」
「彼女の階級は少尉よ。でその隣が……」
「エイラ・イルマルタル・ユーティライネン中尉ダ。。」
「ユーティライネンというともしかして、アンネ・ユーティライネン大尉の
ご親族で?」
「ン?ネェチャンのことしってんのカ?」
「はい、ここに来る前に陸戦との協同訓練でお世話になりました。」
「そーなのカ。ま、よろしくナ。」
「はい、よろしくお願いします。」
それぞれが自己紹介をして、それに俺が答えていく。
そして最後の一人になったが……
「・・・・・・・・・・・・・」
「サーニャ?」
サーニャが俺に対して露骨に警戒をあらわにしている。
いくら彼女に人見知りの気があるといってもこれは異常なことだ。
「サーニャさん?どうかしましたか?」
「いえ、なんでもありません……サーニャ・リトヴャク中尉です。」
その態度に俺は苦笑しながらこたえる。
「やっぱり分かるものかな……よろしくお願いします。中尉。」
その言葉に坂本が首をかしげる。
「やっぱり?どういう意味だ少尉。」
「そのことについては自分の機体を紹介するついでに話しますよ、少佐。」
~501戦隊基地 格納庫~
「これは……!」
先ほどまであった大きなトラックは姿を消し。替わりに鋼鉄の巨人がそこにいた。
その姿はまさに……
「ウォーロック!?」
ウィッチ達は組み上げられた新兵器の正体を知り驚く。
形は若干異なるものの、かつての敵が目の前にまた現れたのだ。
俺はその反応にまた苦笑しながら説明する
「正確には違います。
HMVA―001 高機動人型戦闘機。
コード名はブリタニア語では『ウィング オブ サムライ』
扶桑語で『士翼号』です。」
「士翼号……」
「これに自分が乗り込み、戦うことになります。」
「だが、これはネウロイのコアがあってはじめて飛べるものだろう?」
美緒が質問する。
「ええ、そうです。そのためのこの左腕なのですよ。」
そういって俺は左腕のプロテクターをはずした。
「それは!」
「ええ、そのとおり。ネウロイのコアです。人造のね。」
そこにあったのは左腕と完全に融合した、禍々しく輝く赤い結晶があった。
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同スレ>>448-468
ヴィーッ!ヴィーッ!
突如基地内に警報が鳴り響く。
「スクランブル、スクランブル。セクター西72にネウロイ出現。
現在速度150ノット、数は30前後でローマへ接近中。501隊迎撃にあたれ!」
警報が鳴り終わるが早いかミーナが指示をとばす。
「聞いたとおりよ。
バルクホルン大尉。ハルトマン中尉は先に迎撃に上がって!
ほかの皆は準備出来しだい順次発進。」
『了解!』
そうウィッチたちは返事をすると、それぞれのストライカーへと駆けていく。
「整備班!士翼号は出られるか?」
「調整が終わりしだいすぐにでれます。」
「小尉!?まだ戦力の分からないあなたに出撃は許可できないわ。」
俺と整備兵の会話にミーナが割ってはいる。すると司令部から続報が入る。
「アラーム!接近中のネウロイに増援あり。数は先ほどと同様。」
「選り好みしている余裕はない。と考えますが中佐?」
俺の言葉に、ミーナは頭を抱えて少し唸ったあと。
「仕方ないわね。小尉の出撃を許可します。」
「了解しました!ご期待には応えさせていただきますよ!」
ウィッチーズが次々と離陸して行ったあと、
残された俺は ようやく調整の終わった士翼号の発進シークエンスをすすめる。
「士翼号、人工筋肉をクールよりホット。
魔導ダイナモ補機作動確認。神経接続開始。」
俺が左腕をソケットに差し込む。
すると腕のコアが機体と同調をはじめ次第に体の感覚が
人である俺をから士翼号の物へと替わる。
「神経接続成功。網膜投影問題なし。聴覚良好。魔導ダイナモ正常に稼働。
ウォーミングアップ開始。」
士翼号がハンガーから外れて開けたところまで歩く。
そこで屈伸と腕の曲げ伸ばしをおこなったあと、
銃と剣を装備して滑走路に立ちエーテルジェットに火を入れる。
「さて、少々手間取ったな。大見得切った手前、間に合うといいんだが。
俺特務少尉、士翼号、発進する!!」
~ローマ北西 海上~
「各機ロッテを維持しつつ中型ネウロイを優先的に狙って!攻撃開始!!」
ミーナ号令とともにウィッチたちは自分のパートナーと
連携してネウロイを撃墜していく。
「いくぞ、ハルトマン!」
「おっけーー♪」
バルクホルンの弾幕の援護を受けてハルトマンが蝶のように舞い、
蜂のようにネウロイのコアを刺す。
「こっちも負けてらんないな。」
「行ってこいルッキーニ!おりゃあぁぁ!」
「きゃっほぉーーーーー!!!!!!」
ルッキーニを投げつけ彼女はその固有魔法の絶対的な威力で
一撃で敵を粉砕する。
「リーネちゃん私達も!」
「うん!がんばろうね芳佳ちゃん。」
芳佳がその強力なシールドでリーネを庇い、
リーネはその隙にカウンターショットを叩き込む。
「サーニャ、右30度、上ダナ。」
「うん。」
エイラは未来予知によってサーニャを誘導し、フリーガーハマーの暴力的な威力のロケット弾が外殻ごとコアを破壊する。
「はっはっは!みんな、やるな。では私達もやるかペリーヌ。」
「はいっ、少佐//……いきますわよ、トネール!」
ペリーヌから発せられた電撃がネウロイの行き脚をとめ、
「 烈 風 斬 !!」
裂帛の気合とともに振り下ろされた光り輝く斬撃がネウロイをたやすく両断した。
順調にネウロイを駆逐していくウィッチたちだがそれでも敵の数は多く、
いまだに制空権をとりきれない。
そうしているうちにまだ軍務に復帰して間もないペリーヌ、芳佳、リーネの
3人は疲れを見せはじめている。
「ま、まだおわらないの?」
疲れから注意力が欠けてきた芳佳に隙を見つけたネウロイがビームを放つ。
「芳佳ちゃん、あぶない!」
「えっ?きゃああぁぁ!!」
かろうじてシールドで防ぐがネウロイもすかさず連射ようとする。
「(シールドが持たない!やられる……!!)」
その瞬間、
<<やらせはしない!!>>
ネウロイに多数の弾丸が叩き込まれコアを傷つけられたネウロイは四散する。
「きゃっ、な、なに?」
爆発で起きた煙がはれ、その向こう側には
<<やあ軍曹。まだ生きてるかな?>>
「俺さん!!」
<<舞踏会には間に合ったようですね。士翼号、戦闘行動を開始します!>>
俺は士翼号の手に持たせた武器を握りなおすと、
近くの中型ネウロイに狙いを定めた。
<<まずはお前からだ、墜ちろおおぉぉっ!!>>
俺の操る士翼号は背中のエーテルジェットを噴かして中型のネウロイに 接近しながら、
右手に持ったボヨールド40mm対空機関砲を改造した突撃砲を叩き込み、
ネウロイが体制を崩したすきに左手の超硬度大太刀でコアを切り裂いて 一息に撃墜する。
「す、すごい。すごいよ俺さん!」
士翼号の動きに目を輝かせながら芳佳はしきりにすごいと連呼する。
ペリーヌが同意する。
「ええ、たしかに。でもあれなら、
ウィッチと連携する必要はないのではなくて?」
「いや、そうでもないだろう。」
「少佐?」
魔眼を使って士翼号を観察していた美緒がそう言い放つ。
「確かに機動力、攻撃力には優れているが的が大きい上に、
ウィッチのように機敏には動けないようだ。
シールドもある程度張れるようだが、
囲まれて袋叩きに会えばひとたまりもないだろう。
まさに空飛ぶ戦車といったところだな。」
「空飛ぶ戦車かぁ。かっこいいなぁ。」
「ふふっ、さあみんな。態勢はこちらが有利になったわ。あと一息よ!」
「ああ、ミーナの言うとおりだ。全員士翼号に、俺少尉につづけ!!」
『了解!』
~501戦隊基地 サロン~
<<やあやあ、みなさんお待ちかね!
みんなヒーロー、お耳の恋人、DJのスリードッグだ!
それじゃあニュースの時間、ローマ沖で行われた戦闘に関する最新情報についてお知らせするよ。
皆も知ってのとおりの大 勝 利!
可憐な乙女達は今日も君達のためにわるーいわるーい ネウロイどもを退治してくれたんだ!
彼女達に盛大な感謝を!!
それとちょいと小耳にはさんだ情報によるとぉ、なんと彼女達に頼もしい仲間が増えたらしい。
いったいどんなやつなんだろうな?
聞いてくれて感謝するよ。俺はスリードッグ!
次はお待ちかね今日のリクエスト曲を流すよ……>>
「いやぁー、一時はどうなることかと思ったけど俺のおかげで何とかなったな。」
シャーリーの言葉にみんなが頷いた。
戦闘終了後、シャワーと食事を済ませたウィッチたちと俺はサロンで今日の戦闘の反省会を行い、
その後はそれぞれ自由にくつろいでいる。
ラジオからは軍の発表をもとに作られた番組が、今日の戦闘のおおまかな結果を流している。
「でもやっぱりすごかったですよね。士翼号!」
「ふふっ芳佳ちゃん。そればっかりだね。」
芳佳はいまだに興奮冷めやらずといった感じである。
「だってホントにかっこ良かったんだもん。俺さん、今日は本当にありがとう!」
「いやいや、間一髪間に合ってよかった。」
芳佳の純粋な感謝の瞳に俺もまんざらではなかった。
「でもサーニャが気にしてたのはその左腕のことだったんだダナ。」
「うん。ネウロイの気配がかすかにしてたから。」
頬を少し赤くするサーニャ。
「心配させて申し訳ないです。
魔導針持ちのウィッチにはやっぱり感づかれるもの
だと再確認できたのはいい収穫になりましたよ。」
頬をかきながら俺は反省を口にした。
そこに美緒が声をかける。
「だが、そのネウロイの人造コアは本当に大丈夫なものなのか?
暴走したりとかはしないのか?」
その疑問に頷きながら俺は答えた。
「私に手術を施した皇国陸軍第731医療大隊の担当官によれば問題はほぼありえない。
とのことですが、なにぶんまだいろいろ研究途中の代物ですからね。」
「おいおい。自分のことだろう?そんなのでいいのかまったく。」
自信があるようなないような俺の答えに美緒は苦笑した。
美緒に釣られるように苦笑していたミーナが俺の方へ向き直り、
あらためて俺の着任を歓迎する。
「まあそれはおいおい考えることにしましょう。では改めて俺特務少尉、
我々501統合戦闘航空団へようこそ。これからもよろしくね。」
『よろしく!』
その暖かい歓迎に俺は
「はい、よろしくお願いします。」
と静かに答えた。
♪ ひとりじゃ泣きそうな 広い空でも 逃げないよ
まっすぐ たちむかう 仲間と一緒に Over Sky ♪
危機を乗り越えあらたな仲間をえた501統合戦闘航空団。
その当面の問題は復隊した芳佳、リーネ、ペリーヌの3人の鍛えなおしであった。
美緒は決断し、彼女らを特別訓練教官に預けることにする。
ウィッチの特訓に興味をもった俺は3人に同行するのだが……
次回 ストライクウィッチーズ 魔女と鋼鉄の巨人
『一緒にできること』
全軍突撃!どこかの誰かの未来のために!!
最終更新:2013年01月28日 01:07