妖精搭載操縦補助機構「Fairy-mounted control aids」FAMCA(ファムカ)
[解説]
聖華暦760年末から自由都市同盟の戦術戦略研究所(後のシームド・ラボラトリーズ)が主導して始まった機兵操縦補助システムの研究で、プロジェクト名『フェアリーサークル』、一般には『擬似精霊機の基礎研究』と呼ばれていた。
成り立ち
自由都市同盟の機兵競技フォーミュラ・クエストが始まって10年が過ぎた頃、フェアリーによる無人機兵の制御にもある程度のノウハウが蓄積され、有人機兵の機体制御補助にもフェアリーを使ったシステムを開発しようという動きが現れ始める。
いや、厳密にはそういう研究は以前から行われていた事ではあったのだが、だいたいはスフィアに書き込む制御術式の改良にのみ重点が置かれており、反応速度の向上だの精密な動作だのに注目しがちであった。
もちろんそれは、腕の良い操手ならばさらに良い動きを可能とする事。例えば準エース級をエース級に、エース級を超エース級に格上げすることと同義である。
ならば、どのようにして、その差を埋めるのか?
ハイローミックスのハイが力不足なのだから、ハイもローも全体的に底上げしてしまう他無い、という結論に至る。
ハイローミックスのハイが力不足なのだから、ハイもローも全体的に底上げしてしまう他無い、という結論に至る。
特に第4期LEVの人格AIを搭載した『AI搭載型』精霊機が研究対象となる。
なぜなら精霊の憑依した聖遺物や人霊を憑依させた魔導炉など容易く手に入るものでは無く、まして量産出来るような代物では無かった。
まだ再現出来る可能性があり量産化も見込める人格AIの方が都合が良かったのだ。
なぜなら精霊の憑依した聖遺物や人霊を憑依させた魔導炉など容易く手に入るものでは無く、まして量産出来るような代物では無かった。
まだ再現出来る可能性があり量産化も見込める人格AIの方が都合が良かったのだ。
もちろん、可能性がある、とは言ったものの、その再現には非常に高い壁が幾重にも立ち塞がっていたのである。
これらはどれも非常に達成困難な問題であり、特に人格AIが入手出来なければ研究を開始する事もままならない事であった。
しかし、人格AIの捜索は捗らず、実に7年もの歳月を費やす事となった。
そして得られたのは第3期LEVの残骸から発見された、壊れた非人格AIが僅か二点のみ。
そして得られたのは第3期LEVの残骸から発見された、壊れた非人格AIが僅か二点のみ。
それでも何も無いよりはマシ。
不完全ではあったけれど、機兵に搭載するための魔導CPUの雛形となる試作品を試行錯誤しながら開発していったのである。
不完全ではあったけれど、機兵に搭載するための魔導CPUの雛形となる試作品を試行錯誤しながら開発していったのである。
同研究は戦術戦略研究所がシームド・ラボラトリーズに変わっても引き継がれ、聖華暦830年においても粛々と続けられている。
その後の開発歴
聖華暦834年末、バフォメット事変によって停滞を余儀なくされていたプロジェクト『フェアリーサークル』はようやく再開された。
シームド・ラボラトリーズは冒険者組合に出向しているダライアス・アームストロング技術中佐に、都市同盟軍研究所を通して技術協力を要請する。
ダライアスはこの要請を快諾し、これまでの基礎研究の成果を精査した後、自身の持つ魔導CPUおよび魔導メモリ技術、それに第4期LEVのAI解析データとともに、オマケとして自分が途中まで進めていた「同盟機兵用の学習型魔導制御回路」のデータを提供、これによってプロジェクトは一気に進展を見せる事となる。
ダライアスはこの要請を快諾し、これまでの基礎研究の成果を精査した後、自身の持つ魔導CPUおよび魔導メモリ技術、それに第4期LEVのAI解析データとともに、オマケとして自分が途中まで進めていた「同盟機兵用の学習型魔導制御回路」のデータを提供、これによってプロジェクトは一気に進展を見せる事となる。
聖華暦835年、シームド・ラボラトリーズはこれらのデータから妖精使用型の操縦補助機構のプロトタイプを完成させる。
そしてこの成果を都市同盟軍研究所に還元する。
同時にシームドが抱えるエース級操手の機兵にこの機構を組み込み、運用データの収集を開始する。
そしてこの成果を都市同盟軍研究所に還元する。
同時にシームドが抱えるエース級操手の機兵にこの機構を組み込み、運用データの収集を開始する。
ダライアスはシームドからフィードバックされた操縦補助機構と自身の持つデータと技術を組み合わせ、先行入力機構と太陽の翼連動補助装置を開発する。
これらはロココ設計所に引き渡された後、同盟軍第8師団において運用データの収集が開始される。
こちらの運用データも妖精使用型の操縦補助機構の開発の為に活用される事となる。
これらはロココ設計所に引き渡された後、同盟軍第8師団において運用データの収集が開始される。
こちらの運用データも妖精使用型の操縦補助機構の開発の為に活用される事となる。
聖華暦836〜837年、『海洋温度差発電所および完全電化工業都市群建設計画』の絡みで企業連合と都市同盟軍研究所が妖精使用型の操縦補助機構の共同研究を開始する。
同研究は聖華暦840年初頭に一応の完成を見る。
これ以降、同盟企業では妖精使用型の操縦補助機構を搭載した擬似精霊機の開発が可能となる。
これ以降、同盟企業では妖精使用型の操縦補助機構を搭載した擬似精霊機の開発が可能となる。
なお、この機構は妖精搭載操縦補助機構「Fairy-mounted control aids」FAMCA(ファムカ)と命名された。