日番谷冬獅郎

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日番谷冬獅郎 - (2023/06/09 (金) 19:32:51) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/12/19(日) 00:01:45
更新日:2024/04/10 Wed 08:19:13
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俺達は花火のようだ

昇り 輝き そして必ず散り散りになって離れてゆく

ならば せめてその時が来ても

俺達は花火のように消えることなく輝いていよう


いつまでも



日番谷 冬獅郎 
ひつがや とうしろう

[職業]死神
[肩書]瀞霊廷護廷十三隊十番隊隊長

 [羽裏色]千歳緑
 [身長/体重]133cm/28kg
 [誕生日]12月20日
 [斬魄刀]氷輪丸(ひょうりんまる)
  〔解号〕霜天(そうてん)()せ「氷輪丸」
 [卍解]大紅蓮(だいぐれん)氷輪丸(ひょうりんまる)
 [CV]朴ロ美

 概要



護廷十三隊の十番隊隊長を歴代最年少で務める天才児。
年齢もだが、入隊から隊長になるまでの期間も短かったと思われる。天才と呼ばれるだけあり、真央霊術院時代は常に成績トップだった様子。

羽織の裏地は千歳緑。これは氷輪丸を背負ってる布と一緒。
特技は独楽回しで、流魂街時代は負け無しだが、本編で独楽を回す描写はない。

身長、体重は9歳児の平均であり、全登場人物の中でも小柄な方。
死神に限って言えば、草鹿やちるを除くと最小。隊長に限れば間違いなく最小。
小さいためか、キレて刀を抜く時に背後に背負った鞘を粉々にしていたりも。

身長を気にしてか銀髪(白髪)を立てたつんつん頭と緑(翡翠)っぽい目が特徴。
その外見から「氷のようだ」と恐れられていたとかいないとか、とりあえずこの頃は友人が居なかった模様。
斬魄刀氷輪丸と共に人気が高く、彼を主役とした劇場版も作られている。
ちなみに氷輪丸は斬魄刀人気投票で一位を獲得、本人は第4回人気投票で1位を獲得している。

流魂街出身で、西流魂街の一地区「潤林安(じゅんりんあん)」におばあちゃん*1と住んでいた。
大のおばあちゃん子で、休日にはおばあちゃんのところへ遊びに行く他、おばあちゃんの好物である甘納豆も好んで食べている。
しかし、その他の甘い物はあまり食べないらしい。
死神になったのも、自身の持つ強大な霊力がおばあちゃんの害になっていることをスカウト(?)に来た乱菊に指摘され、適切な制御法を学ぶためだった。
ちなみに死神になるのを決めた時期は後述の雛森が50年前に死神の学校に入ってから5年経っている。
正確な年齢は不明だが初登場時点で55歳以上は確定。
各種設定と本人や恋次などの言動から察するに、作中の主な死神達の中では最年少かそれに近い年齢だと思われる。

甘納豆の他には玉子焼き(大根おろしつき)が好きとか。
反対に嫌いなものは、カラブリ+やドラマCDにおいて「干し柿」(因縁のある市丸ギン松本乱菊の好物で吉良イヅルの嫌いなもの)とされている。


 交友関係



雛森桃とは流魂街の頃からの付き合いで幼なじみ。「シロちゃん」と呼ばれ、仲の良い友人が居ない中で姉弟のように育った。
その為か雛森に対し深い親愛の情を抱いており、彼女を護る為ならなりふりを構わず、彼女を傷付けた者には容赦をしない。
彼女からも同様の信頼を得ているが、彼女は日番谷への信頼より藍染への慕情の方が強かった為、その板挟みになった彼女に刃を向けられたこともある。

副隊長の松本乱菊とも強い信頼関係で結ばれており、普段はマイペースな乱菊に振り回されているものの、有事の際には息の合った対応をする。
平時でも何かにつけてサボろうとする乱菊に頭を抱え、容赦のないツッコミが絶えないものの、険悪なムードになることはほぼない。
そして彼女が苦悩している時はフォローし、逆に彼女も要所でのフォローは欠かさない。

彼が率いる十番隊は一部(副隊長)を除き、真面目な人間が多いとのこと。
これは隊長本人が真面目だからだが、真面目な理由は元々は『寝る子は育つ』を実践したいが為で、仕事を早く終わらせて早く眠りたい為だった。
卍解が使用できなくなった時も隊長でありながら教官に剣術の基礎を教え直してもらい、それを見た隊員達が感化されている。

原作では接点が見られないものの兕丹坊とは友人であり、彼の言動(都会のルール)は日番谷の影響を受けていたりする。
日番谷は知らなかった気がするしそもそも自業自得だったが、彼がギンにやられかけていた辺りにも因縁があったりする。
(門番なのに負けたら敵をそのまま通過させる…という兕丹坊の行った問題行為に関しては都会のルールではないと思われる)

なお、日番谷本人は基本的には冷静沈着で真面目という、協調性の欠片もない隊長連中の中では珍しく大人な性格をしているが、
その見た目から子供扱いされがちで、『シロちゃん(雛森)』、『冬獅郎(一護)』等と隊長呼ばわりされないことが多い。
天才児という経歴からかよく知らない人からは生意気に見えるようで、恋次も当初はその様な反応を示していた(尸魂界編後は改善)。
本人は子供扱いされるのを気にして雛森や一護たちのそういう台詞に『日番谷隊長だ』と言い返すが、何度言ってもスルーされている。

翻って他の隊長格からは日番谷隊長とちゃんと呼んでもらっている。
というか総隊長と卯ノ花隊長を除けば最も隊長という敬称を付けて呼ばれている。
特筆すべきは結構気難しく他の隊長格を基本呼び捨てにする白哉すら日番谷に隊長という敬称をつけているのである。
最終章でも親し気に話したり「小さい」というコンプレックスに(不器用ながら)フォローを入れたり、アニオリの進軍編でも霊骸の日番谷に「兄ほどの者が何故敵につく」と言ったり、兄様は隊長格の中でも日番谷のことは非常に信頼していると思われる。

ちなみに日番谷の方は基本的に他の隊長格は呼び捨てで呼んでいるが、総隊長と卯ノ花にはちゃんと敬称と敬語を使って接している。
また自身の(隊長として)後輩にあたる射場には彼が隊長になっても研鑽を怠らない立派な姿勢を評価して、ちゃんと射場隊長と敬称で呼んでいる。

沈着冷静だがスルースキルだけは乏しく、死神には好き勝手している連中がかなり多いことから辟易としていることも多い。

体質的には寒さに強いが暑さに弱く、自身の著作である「華麗なる結晶」も夏の間は休載される。
しかし仕事はサボらない辺りも(作中のキャラ達からも)人気の高い所以でもある。

名前が似ているという理由で浮竹十四郎に一方的に気に入られており、会う度に菓子を押し付けられている。
他隊と交流している姿もよく見かける。流石に部下思いだけど戦闘狂手段を選ばなすぎる人とは仲が良くない様子だが。


 劇中での活躍



尸魂界篇

旅禍の侵入等で大パニックになっている中、護廷十三隊内部の不穏な気配をいち早く察知。
悪気は無くとも協調性がまるでない隊長達の中で唯一、危機感と真面目さから早くから能動的に動き、優秀さを見せるものの、
それがかえって首謀者の逆手にとられてミスリードに釣られてしまうことになった。

独自に探索活動を行いギンが怪しいと睨む。
その後ギンの計略により雛森と刃を交える事態に陥る。
彼女をよく知っていることとその様子から彼女の苦しみを理解し、ギンに怒りを爆発させる。
ここで一見良い勝負をするも、ギンの策略により雛森に危機が迫ったところで乱菊の乱入によって決着は付かなかったが全員事なきを得る。

その後、ギンの狙いがルキアの処刑にあるとかぎ付け処刑を止めようと、
本来立ち入り禁止である中央四十六室に独断で乗り込み、そこで真実を知ることになる。

「なっ……」

そこで黒幕であるヨン様の真実を知り、彼が大切な存在である雛森を侮辱し、瀕死にまで追い込まれた事から怒りを爆発させ卍解。

藍染、俺はてめえを…殺す

…あまり強い言葉を遣うなよ。弱く見えるぞ

元々は同じ隊長同士なので彼の強い言葉もおかしいものではなかったのだが、作中最高のチート野郎に勝てるわけもなく、一撃で倒される事となる。
と言ってもこの時の日番谷は雛森のことで頭に血が上って、鏡花水月の真の能力も知らないという最悪の状況下だったりする。
その後は卯ノ花隊長の救護で雛森共々一命を取り留める(日番谷はすぐに復帰出来たが、雛森は重体)。


破面篇

破面襲来時に備えて、破面討伐隊の現場指揮官としてルキアらと共に「日番谷先遣隊」として現世へ派遣される。
先遣隊の中身は自分勝手な変眉(※尸魂界編で落ち着いたので比較的マシ)、戦闘狂のハゲ、ハゲと仲が良いだけのナルシスト、怠け者の巨乳、平隊士の貧乳(実際の戦闘力は副隊長クラスだが危険な任務に赴いて欲しくないシスコン兄様の計略で長い間ヒラのまま)。
破面は隊長級とも言われているのに真面目さでも実力者としてもまともな奴らが居ない…と言うわけでまとめ役として頑張っている。
現世に着いた後は死神代行と合流する。

この時高校の制服を着ているが、どう見ても小学生です。本当にありがとうございました

最初は乱菊の誘いを断り自分で泊まる所を探す素振りを見せるが、結局は乱菊と共に織姫の自宅に居候する事にした。
あまりにもうらやましいサンドイッチである。

現世での戦闘では11番相手に限定された状態で追い込まれてしまったが、限定解除後にはその力の差を見せつけた。
ただの破面にすら限定解除しなければならないレベルに十刃の力に不安を覚えていたが…
まあ言うほどではなかったものの(ヴァストローデ級の破面は全員隊長超え?という危惧)、決して間違った認識でもなかった(隊長を上回る奴も居た)。

その後新たに第6十刃(セスタ・エスパーダ)となったルピと交戦し、相手の散漫な注意力をつき、大技で辛くも勝負を決めた。
実際問題、羽とかはいくらでも再生出来るので、隊員達が人質状態になっていなければまともに戦って普通に勝っていたのかもしれない。

アニメでは現世滞在中に黒崎夏梨にサッカーの助っ人を頼まれ、試合に出て活躍するエピソードがある。
藍染にまつわる騒動の後もちょくちょく現世にきては夏梨たちと遊んでいる様子
なお夏梨からチビと馬鹿にされて激怒するシーンがある。わざとかスタッフ…*2

空座町決戦編

第3十刃(トレス・エスパーダ)ハリベルと交戦。
熱水を操るハリベルに対して互角の戦いを繰り広げ、最後には相手に先んじて大技の氷天百花葬を繰り出し、氷の中に閉じ込めて勝利する。

が、止めを刺す前にワンダーワイスが参戦し、ハリベルが救助されたことで戦闘続行。
仮面の軍勢の参戦により再びハリベルと戦うが、その後すぐにハリベルは藍染に処分されてしまう。
ちなみに再戦時は、仮面の軍事のひよりとリサが加わったとは言え、日番谷含めて皆始解で戦っていたため、全力は出していない。

その後ヨン様相手に仲間と連携して奮戦するが、鏡花水月の能力で雛森を自分の手で瀕死にしてしまい、冷静さを欠いた後は一撃で致命傷を与えられてしまった。


死神代行消失篇

現世にて一護が死神の力を取り戻した後、他の隊長や副隊長クラスの隊士達と共に現れた。
銀城空吾の正体を一護に教えて、完現術者の集団「XCUTION」と対峙。そして雪緒・ハンス・フォラルルベルナと戦った結果、卍解を使うこともなく圧勝する。
その後は真相を知った一護の下した決断を見届けて、他の者達と一緒に尸魂界へ帰還した。
去り際に「銀城の次の死神代行があいつ(一護)で良かった」と吐露している。


千年血戦篇

滅却師軍団と交戦し、他の隊長とともに卍解して奪われる。
とは言え、この時点では使用不可になる程度と思っていた 始解では状況に対応できない 、対策するにしても一度も確認が取れていなかったので難しい、封印されるにしてもどの程度の時間や準備が必要なのか分からなかった…という理由がある。
そもそも護廷側は数分で被害が甚大だったので、大前提として時間稼ぎという選択肢自体が悪手どころか存在しなかったのである。

要するに問題は奪われたことではなく、『死神達は事前に打ち合わせできなかったのか?』という所である(そのせいで4人の隊長が同時に卍解を奪われる。……しかし後々見直してみると、ブチ切れ山爺自らがマユリ様が情報共有するための話を「もうよい」と遮っているので打ち合わせ出来ていなかった様子が明確に描かれている。師匠変な所で手が込み過ぎだろう)。*3

卍解を奪われた4人はそれぞれ理由が違うが、日番谷が卍解した理由は「俺の卍解が封じられたら一緒に戦って封印を破る方法を見つけてくれ」と言うもので
至極まっとうな理由である、更に、奪われた後は十番隊だけ、各隊に報告してるから4人の中では一番優秀である。(ただ他の隊の場合その場にいたのが戦闘中で報告してる余裕のない隊長と報告するための鬼道を使えなさそうな副隊長という状況でもあったが。)

ちなみに日番谷は卍解を奪われ、しかも相手に使われたという最悪の状況下だったにも関わらず、特に致命傷も喰らわずに戦闘を終えている。*4

過去話では一心の部下だったことが判明。当時は三席で、当時から副隊長だった松本より下。けど松本に対しては不真面目だから敬ってない。
仕事ぶりは真面目だが性格は今より子供っぽい。
一心からは実力もさることながら、松本が不真面目なので次期隊長に見込まれていた。当時はまだ卍解習得の修行中ではない。
後述するがこの時期には日番谷はもう卍解を取得している。
本編でも取得が進んでいるではなく、「修練が進んでいる」と言っている。

千年血戦篇・訣別譚

松本と共に炎を操る騎士団員バズビーと交戦。
始解を工夫して勝負を有利に運び一見勝利したかに思えたが、結局通じずに逆襲を受けて倒れる。

その後「大紅蓮氷輪丸」を奪った蒼都(ツァン・トゥ)に止めを刺されそうになるが、すんでの所で卍解奪掠を解析した浦原の救援措置が間に合い、卍解を奪還。
満身創痍ながらも根性で戦闘に復帰し、取り戻した卍解で蒼都を氷の十字架に閉じ込めるのに成功する、しかし、事前のバズビーでの戦闘のダメージが
あったため、無理が祟って日番谷もそこで気絶してしまう。その後、ジジに拾われたと思われる。
その後、バンビエッタと狛村が交戦中、バンビエッタが完聖体となり、更にその共鳴で氷漬けだったはずの蒼都が復活してしまう。
(それがなければ脱出不可能で永遠に氷漬けだったと思われるが)しかし、一度敗北したと言う理由で、ハッシュヴァルトにそのことを咎められ処刑されている。


久しぶりに再登場した時には男の娘ゾンビ化されていた事が判明、衣装まで帝国の軍服に変えられて敵方に回ってしまう。

一角弓親シャルロッテを隊長らしい強さで瞬殺するが、マユリの術中に嵌まる。しかし、このときの日番谷の戦い方は、ゾンビになっているため思考能力がないのか、通常ならよく使う遠距離からの氷結技は一切使わず、
マユリのような搦め手に有利な、接近しての剣術スタイルのみの戦闘を行っているため、実力を発揮できていない。
さらに、マユリの静止を振り切り、勝手に特攻したクールホーンの体液を浴びたせいで薬を盛ることが出来ているため、実力で負けたとはいい難い。

その後しばらく登場せず安否不明だったが、真世界城(霊王宮)で、マユリ様がペルニダを退けた後、用意していた肉体保護瓶の中身として再登場。生きたままゾンビ化されていたためか短時間でゾンビ化の解除に成功し、戦線に復帰した(ゾンビ化の解除の際、寿命が大幅に縮んだらしい)。

そして護廷十三隊本隊をその能力を以って一蹴したジェラルドの前に参戦。痺れを切らして付近一帯ごと瀞霊廷に落とそうとした彼の一撃を氷漬けにして防ぐファインプレーを見せる。
握手という名の攻撃を繰り出したジェラルドを躱し、すぐさま卍解して応戦。ただし、氷結は一瞬未満の時間で破られてしまう。

もはやお約束の光景として何も思わないかもしれないが、霊王宮修行後の白哉が回避できずに負傷し、雛森を庇った平子急激に強くなった赤パインいきなりやたら強くなった貧乳に至っては 吹いた吐息で戦闘不能にした ジェラルド(※不死身&ダメージを受ける度に体が大きくなり強化&無理だと思ったことでも実現可能にする)にここまで応戦できている時点で特筆事項だろう。
考えてみれば卍解が完成してからは、取引する為に手加減した・卍解を奪われる・始解なのでボコられる・瀕死状態だった・ゾンビにされて操られる…と、一度としてベストコンディションの卍解で戦う日番谷の姿は描かれず、このジェラルド戦が初めての本領発揮である。
これこそが最終章仕様、真の日番谷冬獅郎の実力なのだ

とはいえ、相手がチート過ぎるために復帰した白哉の二人がかりでも劣勢は変わらず、尋常ならざる回復力で全快した剣八と三人がかりで戦う事となる。
その後は剣八の思考や強さの関係上、剣八がほぼ単独で戦っていたが、
剣八が劣勢後に卍解し優勢になったかと思えば力を出しすぎて自壊(以前に全く同じ光景を目にしたような…)


日番谷の卍解制限時間も来て万事休すかと思ったその時、

卍解が完成し、本領発揮。




その後はジェラルドの剣に付随するダメージ反射能力を一瞬で無効化しつつ、
超巨大隕石すら粉々にする剣八の始解ですら歯こぼれする程度だった剣を真っ二つに。
予想外のジェラルドの反撃によって体を掴まれるものの、それを逆用して氷結させるなど、獅子奮迅の活躍を見せる。

そして白哉と剣八との連携により、完全に凍らせて能力も無効化した状態でジェラルドをバラバラに砕いてみせた。

…案の定というべきか何故かジェラルドがまた再生したが*5、ここからは特に出番は無いまま陛下にジェラルドが吸収されてしまった。


The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸

原作者の久保帯人「原作のキャラを軸に据えたストーリー」を希望したのが始まりで氷輪丸や自身の人気からアニメ劇場版シリーズ第2弾で主役として抜擢。
その為、久保帯人は原案の段階で製作に参加しており、氷輪丸を手に入れた経緯についても深く掘り下げられ、更には斬魄刀に関する最大のタブーにも触れた作品となっている。
本作と連動して2007年12月17日発売の「週刊少年ジャンプ」2008年3号では書き下ろしの日番谷の過去のエピソードが描かれ、本作の伏線も隠されている。
十番隊と共に「王印」の警護及び運搬していたが謎の集団に襲撃を受ける事になる。
王印は強奪され、首謀者と刃を交えた後に日番谷も謎の失踪を遂げる。
その後、氷輪丸による攻撃で京楽が重傷を負った事や捜索部隊が日番谷と遭遇し戦闘に突入した事から処刑の決定を下されてしまうが、日番谷は過去との因縁に決着をつけるべく行動を開始する。


 戦績



このキャラは主要キャラの中でも、描写もなくやられているダイジェスト敗北が多いほかのキャラと違って、
特に作者のいじめで負け描写が濃厚に描かれるため、また、一度は勝利しても外部からの妨害で敵に逃げられてしまうため、
負けてばかりで勝っているイメージがない印象があるが、そんなことはない。

強さの指標にならないハンデ戦やゾンビ状態、キャラアンチが雛森を入れた悪質な戦績を除けば、
以下の通りである。※括弧内は備考

△:ギン
●:藍染(この敗北が非常に印象が悪い)
○:シャウロン
○:ルピ
○:ハリベル(相性はお互い様でタイマンなら勝利、再戦時は始解で応戦し本気を出していない)
●:藍染(ボスによる他の隊長と一緒の負けイベントのようなもの)
○:雪緒
△:蒼都(多少傷は負ったもののやられる描写はなく普通に生還している)
○:蒼都(完聖体でないことを差し引いても、すでに満身創痍だった日番谷のほうが不利と言える)
△:ジェラルド

勝利数÷(試合数-引き分け試合数)として、10戦中、5勝2敗3引き分けで勝率は71%である。

BLEACHのほとんどのキャラクターは勝率50%もないため、実は、全キャラクターの中でも上位の戦績を誇る。
これはハリベルや蒼都の、新参隊長の日番谷にとってはやや格上と思われる敵にも、1:1なら事実上勝利を収めており、
通常状態での明確な敗北が藍染のみと非常に少ないためである。
大勢の隊長格を葬った最強格のジェラルド相手でも、有耶無耶になったものの最後まで戦えたのも大きい。
これは、戦績トップクラスの一護やマユリや山爺の次くらいに良い。

なお、卍解がなかったバズビー戦やゾンビ状態だったマユリ戦など、日番谷が万全状態でない戦闘を含めた場合は、
15試合中8勝4敗3分けで勝率66%である
これでも剣八とほぼ同じなため、やはり全キャラの中でも高い方である。


 神童



さてこの日番谷隊長だがカラブリでもハッキリと天才、神童と評価され尸魂界史上最年少の隊長と言われている。
ではどれほどの才能があるのか説明しよう。

まず流魂街時期では戦闘どころか刀すらロクに持っていなかったのに既に氷輪丸が無意識に顕現し、本人の自覚なく氷結霊圧が出ている。
そして映画を見れば分かるが霊術院時代には既に氷輪丸を持っている。
一応霊術院の死神制度を説明するとこの時期の生徒は斬魄刀の浅打を仮授与される。
そして護廷に入隊することで正式に渡され、それから長い錬磨を重ねて席官に至れる天才が始解を使え、個人の斬魄刀を手にできる。
つまり日番谷は霊術院の頃にはこれが出来るように成っていたということである。

そして肝心の卍解取得時期。
上記に挙げているが三席時代は卍解をまだ取得していないと多くの読者が誤認していただろう。
しかしこの時には卍解を既に取得しているのである。
では具体的にいつ取得したのか。
ファンクラブの説明で明かされたが、なんと護廷十三隊入隊時点で取得していたのである。
一応説明しておくが卍解は一握りの超天才が長い年月、それこそ数十数百年を掛けて漸く取得出来る死神の頂点とも云える切り札である。

仮に日番谷が霊術院を出て直ぐに護廷に配属されたとすればこうなる。
日番谷は霊術院に入学して仮授与される浅打を速攻で氷輪丸に変えて、霊術院を卒業するまでのたった六年*6で卍解を取得したということ。
当然一護や浦原のように特殊な装置や環境で修行した訳でもなく徹頭徹尾、正攻法の自力取得である。

なんだこのちびっ子………。
藍染も真っ青に成る程のイカれた才能と経歴である………。
チートどころかバグだろコレ。


 斬魄刀




降り頻る太陽の鬣が
薄氷に残る足跡を消してゆく

欺かれるを恐れるな
世界は既に欺きの上にある

(BLEACH16 NIGHT OF WIJINRUIT)


◇─ 始解「氷輪丸(ひょうりんまる)

氷雪系最強と評されている強力な斬魄刀周囲の水分がある限りいくらでも氷を生成できる。
本来は「溢れた霊圧が作り出す水と氷の龍」という設定で、霊圧から氷を生成しているので水分は必要ないはず。*7
いくら氷を破壊しても無駄な上に、多少の怪我は凍らせて止血したり応急処置を施すことが出来る他、
十刃さえも欺く程の精巧な氷の分身を作り出すなど多岐な方面に渡って応用が効く。
始解時点から周囲に与える影響が非常に大きく、本気を出すと被害を出しやすいことが難点*8

刀から氷の竜(波濤?)を飛ばして広範囲を凍らせることも可能で、卍解の説明から刀自体にも凍らせる力がある。
柄頭にはそこそこの長さの鎖鎌がついており、物理的に使う以外にこれにも凍らせる力がある。

天候さえも支配する強大な能力を誇るが、後に卍解と区別する為か始解では作り出せる氷の量が少ないという下方修正が加わったことが説明された。
卍解が完全上位互換であり、デメリットがないため、始解で戦う姿は基本的にあまり見られない。


◇─ 卍解「大紅蓮氷輪丸(だいぐれんひょうりんまる)

日番谷自身が巨大な氷の羽と尾を纏い、刀の持ち手側の腕に氷の竜を纏う。
始解にあった鎖鎌は消失する。
能力は、千本桜等の卍解と同じく、始解の順当強化タイプで、更に強力な氷雪攻撃を可能としている。また、四楓院家に伝わる天踏絢を使わずとも尸魂界にて飛行することも出来る。
背後には氷でできた花弁が浮いており、時間経過とともに花弁が減っていき、全てが散ると…

流石は隊長と言った所か全体的に優れていて隙が無く応用も効く優秀な卍解なのだが、突出した所が無いせいで悪く言えば器用貧乏。
更に卍解も時間制限付き(後ろに出現する氷の花で表されるので周囲にもバレる)と未熟さが目立つ。

とはいえ、未だ発展途上なので真の力は発揮しておらず、京楽にも「100年後には追い抜かれてるかも」と評されていた。
また、戦績自体はむしろ他の隊長と比べると、かなり上位で剣八並みである。
勘違いされがちだが、実力で負けたのはあの誰でも敵わない藍染だけなので仕方なく、実際は優秀な使い手として描かれている。
しかし、大切な初卍解お披露目場面で相手が最強のボスとは言え瞬殺されるなど、作中の扱いは非常に悪い。
限定霊印や卍解がない状態での戦闘など、何かとハンデを付けられて苦戦させられることが多い。
せっかく倒しても、毎回妨害が入るせいで復活や逃走シーンを書かれてしまっており、作者に嫌われている節が有る。
しかも、せっかく脱出した敵はその後例外なく何の活躍もなくすぐ敵側の同士討ちによって処理させられており、素直に日番谷にやられて退場で良かったと思える相手ばかりである。

更に、日番谷の実力を示す重要な事実であるが、日番谷の氷結から自力で脱出できた敵はいないのである。*9
ハリベルは脱出した後、日番谷と再戦しているものの、日番谷は始解で応戦しているため本気は出していない。
ひより、リサが加わった上、藍染戦に余力を残しておきたいからだと考えられる。ちなみに二人も始解*10


死神代行消失篇(破面編から二年後)において、卍解を完成させたとのことだが…。
前述の通り、本気を出す機会が無いまま最終巻一歩手前(73巻)まで来てしまう。
そして73巻において、完成した卍解を初披露。


卍解を完成させた後では、氷の花が全て散るのは卍解解除ではなく、卍解が真の意味で完成するということを表す。
従来の形態は、 ただのリミッター形態だった

ちなみに一度も明言していなかったが、卍解完成発言前までは氷の花が散ると本当に卍解が途切れていたorすぐに解除されていた可能性が高い…が真偽は作者のみ知るだろう。
ハリベルとの交戦中にリサとひよ里が援軍として加わって以降は、わざわざ卍解を一旦解いて始解で戦っていたことや、
千年血戦篇にて卍解を奪われてしまった後の修行期間に「藍染討伐戦の後、鍛練を積んでようやく卍解を完成させたのに」という旨のことをぼやいていたことなどから、ほぼ間違いないだろう。

一応、日番谷と氷輪丸の性格から、能力の完成系を氷輪丸から聞いていた可能性が高い。
それを踏まえると、自身の能力は未熟(つまり大紅蓮氷輪丸にはまだ先がある)・それまでの性能・日番谷の表情など、
とんだ後付け(いつから考えていたかは不明)に見えて違和感のあるものは一つもなかったりする。

この形態では主に凍結能力に重きを置いており、今までの羽や尾などは全て消えるものの、
刀や自身に触れた存在を瞬時に凍らせるため、これだけで鉄壁と言える防御力を有する。
日番谷いわく、この形態で氷結させると「全ての物質の機能が停止する」ため、氷結させた物が持つ能力を無力化することが可能。
原作ではジェラルドの「希望の剣(ホープヌング)」の能力を無効化して破壊した。
攻撃力自体も、上記の発言からして一瞬にして絶対零度並の威力で氷結させていると思われる。

そして朽木ルキアの卍解である白霞罸の様な危険な代償や大きすぎる制限や負担もなく、この時点でもまさしく氷雪系最強の斬魄刀と言える。

そして今までは攻撃に剣・羽・尾などを振るう必要があったが、この形態では手をかざすだけでも大規模且つ強力に氷結させることもできる。

先に物質の機能が停止すると書いたが、ジェラルドは結局復活したのでどこまで停止出来るかは謎である。

刀身の強度も相当なもので剣八の始解を遥かに上回ることが判明、卍解剣八と同等かそれ以上と思われる。
もっとも氷結能力の影響かもしれないが…その氷結能力とも相まって、卍解共通の弱点である刀身の破壊についてもかなりの耐性がある。
鏡花水月や残火の太刀と並び、氷雪系どころか全体で見ても最強の卍解と言っても過言ではないだろう。

汎用性も、氷を無限に生み出しそれを攻防に利用できるため攻守万能、壊れても大気の水分で再生可能、水系の攻撃は凍らせて無力化など、様々なポテンシャルを秘めており非常に高い。


とまあ、いいことだらけに思えるが、看過できない代償もある。
使用者の日番谷が青年の姿にまで老ける(!)。そのため、本人はこの姿は好いてない。
ちなみに身長も伸びるのでチビとは言われなくなるのだが…どうやらチビの姿が嫌というよりからかわれたり舐められるのが嫌なのだろう。

それに加えてこの形態になるためには時間がかかり、負担も大きいらしいので、確かに強力なのに伸びしろはまだまだある。
京楽の見立て通り、100年も経っている頃には相当の強さになっていることだろう。

  • 四界(しかい)氷結(ひょうけつ)
完全版・大紅蓮氷輪丸で使用した技。
本人いわく「大紅蓮氷輪丸を解放して 四歩のうちに踏みしめた空間の地水火風の全てを凍結する」技とのこと。

原作の説明が曖昧なので誤解されやすいが、四界氷結は日番谷が相手を4歩囲んで発動するのではなく、
日番谷がターゲットにした相手に技を掛けておき、その相手が構えなどして4歩踏みしめたら自動で発動する技である。
日番谷が希望の剣を切ったあとその場から全く動いておらず、
ジェラルドもまたその場から動かず弓を引く構えをしただけで凍っていることからしてもそれは明らかである。
※まず、ジェラルドのような巨人を何をどうやっても4歩で囲えるわけがないので

朽木ルキアの卍解「白霞罸(はっかのとがめ)」と比べると、使用者の身体が脆くなったり動けなくなったりするなどのデメリットも存在せず
ノーリスクで使用できる模様。相手が移動したり攻撃の構えを取るなど、当たり前の行動を取るだけで自動で相手を凍結させてしまう。
それでいて巨大化したジェラルドの能力と動きを瞬時に封じるほどの凍結速度と範囲・威力を有している。





……まあ十年(卍解を)使う機会が無かったってのは
良い事なんじゃねえか

十年平和が保たれたって事なんだからな

その十年の締め括りに―――


今日の編集は相応しいと俺は思うよ

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