雛森桃

登録日:2023/03/02 Thu 16:44:00
更新日:2024/01/04 Thu 20:47:38
所要時間:約 10 分で読めます







雛森 桃   
ひなもり  もも

[職業] 死神
[肩書] 護廷十三隊五番隊副隊長

[身長/体重] 151cm/39kg
[誕生日] 6月3日
[斬魄刀]飛梅(とびうめ)
(解号) 弾け
[CV] 佐久間紅美(エミルー・アパッチも兼任)



漫画『BLEACH』の登場人物。






 概要



護廷十三隊五番隊の副隊長を務める死神。
西流魂街第一地区「潤林安」出身で、幼少の頃は日番谷冬獅郎と祖母の3人で暮らしていた。
霊術院時代は吉良イヅル阿散井恋次の同期で、彼女らが1年の時は檜佐木修兵が6年生だったので、彼は五つ上の先輩である。*1
なので死神歴は割と短い方なのだが、それでも同期の友人たちと共に護廷十三隊の副隊長を務める才女である。

趣味は読書。特技は絵描き。好きな食べ物は桃、嫌いな食べ物はすもも
瀞霊廷通信の挿絵は彼女が担当している。

 人物



見た目が非常に可愛らしい少女で、その外見通り普段は内気で控えめ。
その容姿から隊士からの人気は高く、爆だ……新米隊士の中には彼女に惹かれて五番隊に入隊希望する者も多い程。*2
また吉良は彼女に好意を寄せている描写もあるので、やはり男性人気は高い模様。
ただ実際の彼女はかなりのお転婆かつ強気であり、彼女の家族である日番谷はそれを熟知していた。

霊術院時代に遠征で虚に襲われ窮地に陥るが、そこを藍染惣右介に助けられ、以降は彼に強い憧憬を抱く。
そして彼の力になりたいがために並々ならぬ努力をして副隊長の地位に就き、以降は常に彼に寄り添い、彼のサポートに従事していた。
予想外の事件で不安になった時は藍染の部屋で寝たりするという若干上下関係を超えた内容もあり、雛森は依存に近い念を藍染に抱いていた様子。
ただ平時に於いてそれが問題になる訳でもなく、彼女と旧知である日番谷ですら藍染は誠実な男に見えていたので、全幅の信頼を寄せて彼女を任せていた。
そして本編通り、それは最悪の形で裏切られることになった訳である……。

ただ彼女が藍染に依存しがちになったのは、他ならぬ藍染の策略であり、彼女本人にそこまで問題があった訳ではない。*3
実際、藍染が捕まり平子が隊長に就任した時は複雑な様子も若干見せたが全面的に賛同し、以降はお互いに良好な関係を築いている。
兎にも角にも彼女にとって不幸だったのは、藍染惣右介という男が悪辣過ぎたということであろう……。*4

ちなみに彼女が一番公私混同しているのは幼馴染の家族である日番谷相手だったりする。
というのも普段から日番谷君呼びで敬語も敬称も使わずに接し、更に隊長室などで話す時は昔から呼んでいた「シロちゃん」とまで言ってくるのである。
しかも破面篇中盤で目を覚ました時に現世にいる日番谷に自分のしたことを謝罪するのだが、その時ですら総隊長の目の前で敬語も使わずに話していた。
言うまでも無いが、隊長の日番谷と副隊長の雛森は明確な上下関係があるにもかかわらずである。*5
流石に日番谷もこれには呆れて、半ば諦めながら「日番谷隊長と呼んで敬語を使え」と苦言を言っているのだが、本人は全く直す気はなさそうである。*6


 能力



副隊長相当の実力があるが、中でも秀でているのは鬼道である。
鬼道の扱いに関しては隊長格から一目置かれる程であり、序盤から日番谷が張った高等結界を(中からだと脆いという制約があるとはいえ)難なく解除してみせた。
また、空座町の決戦では複数の鬼道を組み合わせて3バカ…三獣神(トレスベスティア)」にダメージを与えていた。
ちなみに複数の鬼道を組み合わせて一つの技として実戦に用いるという戦法を行使したのは原作では雛森だけだったりする。
この他にも回復系の鬼道である回道も扱える。

ただ純粋に比較は出来ないが、流石に鬼道のみで副隊長に任じられたと自身で豪語する伊勢七緒には及ばない模様。*7
これは雛森の才が彼女に劣るという訳ではなく、死神歴というか経験の差が大きいと思われる。
前述したが雛森はそこまで死神歴は長くなく、七緒の方は少なくとも百年以上前から護廷に在籍している死神である。


 斬魄刀



◇─ 始解「飛梅(とびうめ)


解号は「(はじ)け〜」。
解放すると刀身が両刃となり、本来の刃側に2本、峰側に1本の枝状の刃が新たに構成される独特な形になる。*8
能力は刀身に火球を生成し、刀の振りに合わせて射出する鬼道系(焱熱系)の斬魄刀。

能力自体はシンプルだが、雛森はこれに加えて更に自前の鬼道を組み合わせて威力と範囲を底上げする。
単発の威力もそこそこあり、アパッチの武器やバンビエッタの爆弾には通じなかったが、帝国の聖兵を一瞬で消し飛ばす程の火力はある。

アニオリの異聞篇で具現化した姿が描かれたが、こちらもそれなりに可愛らしい姿。
ただ藍染に裏切られ、まだ未練がましく思っている雛森をバッサリと罵倒して、持ち主と恐ろしいキャットファイトをやらかしている。
ちなみに灰猫とは性格が合わない模様。


 活躍



・尸魂界篇

当初は旅禍が攻め込んできたこと、恋次が敗れて重傷を負ったという事実に怯えながら、藍染や日番谷のフォローで平静を保っていた。
その後日に藍染が何者かに殺害されてしまう。
事前に日番谷から市丸ギンが怪しい動きをしているから気をつけろと注意されていた雛森は、藍染の死体の前でも平然と笑っていた市丸に激昂し、彼を犯人と決めつけ攻撃する。
しかし吉良や日番谷の仲裁で、取り押さえられて謹慎処分になるが、藍染の遺品の中に彼の遺書と思われるものを見つけてしまう。

そこにはこの尸魂界を混乱に陥れて、自身を亡き者にせんとする犯人の名が書かれており、雛森は彼の遺志を継いで、その犯人を倒すべく動き出す。
そしてその相手は日番谷冬獅郎だったのである。
これには日番谷も驚き雛森を説得するが、手紙の筆跡は間違いなく藍染本人であると主張*9する一方で、誰を信じていいのか分からないという胸の内を明かしながらも、雛森の精神は既に限界を迎えており、錯乱状態のままで攻撃を続ける。
流石に地力の差が大きく、雛森もまともに戦える状態ではなかったので、日番谷は白打の一発で彼女の意識を刈り取ることに成功。*10

翌朝に目を覚ました直後はある程度落ち着いた様子を見せていたが、日番谷に対する疑念が晴れたわけではなく、彼が張った高等結界を解除し、未だに何かしらの動きを見せようとしている日番谷を密かに尾行していた。
付けた後に見たのは全滅した四十六室の凄惨な有様で、それに衝撃を受けるが、市丸に案内された場所でそれ以上に驚愕することが起こる。
なんと彼女の目の前に現れたのは死んだはずの藍染惣右介その人だったのである。
これに喜び咽び泣く雛森だが、彼女を抱きしめた藍染は「さようなら」の一言と共に彼女の胸を剣で穿つ。
そして本性を現した藍染と自身に突き立てられた刃を見て信じられない顔で「嘘」と言い倒れ伏すのであった。

藍染の死に疑念を抱いていた卯ノ花が早急に駆け付けて治療を施した事で一命は取り留めるが、心身ともに深い傷を負った雛森は昏睡状態に陥る事になる。


・破面篇

途中まで寝込んでいたが、日番谷が現世に行っている途中で目を覚まし、総隊長の気遣いで通信してくる。
誤解も解け謝罪もしたことで、日番谷と元通りになるかと思われたが、藍染が裏切ったことが未だ信じられずに現実逃避染みた必死の顔で「藍染は市丸に騙されているだけだから、連れ戻してほしい」と彼に懇願する。
流石にこれ以上は不味いと総隊長も思ったのか雛森の意識を落として事なきを得た。*11

その後は空座町決戦に途中参戦。*12
藍染のことは敵と見なすようになりようやく吹っ切れた…かに見えるが、藍染のことを無意識にか「隊長」と呼んでいるあたり依存は完全に抜けきっていなかったりする。
3対1で苦戦する乱菊のサポートに回り、一時は優勢になるが、三獣神が開放したことで勝負は振り出しに。
しかも並の副隊長相当では太刀打ち出来ないアヨンを召喚され、文字通りズタボロにされるが、総隊長がアヨンを倒したことでなんとか生還する。

その後、しばらく描写はなく*13藍染が護廷十三隊と仮面の軍勢に倒された時にフラフラと結界の外に出る。
そこで事態が急変する。
日番谷が仕留めたと思われた藍染は鏡花水月で入れ替わった(錯覚させた)雛森だった。
そして結界の近くにいた雛森こそが藍染本人だったのである。
この一撃で致命傷を負った雛森は日番谷に「………シロ………ちゃん………どうして………」と言うが、当然こんなことされれば誰だって冷静さを失い激昂する。
日番谷は完全に我を失い、真正面から藍染に迫り、隙だらけのところを斬り伏せられ、他のメンツも冷静さを失って体勢を立て直すどころではなくなったので、悉く藍染にやられてしまう結果になった。

戦後はなんとか一命を取り留めることに成功。
アヨンにズタボロにされ、あまつさえ傷も完治していない状態で日番谷の一撃を急所に受けて、なお後遺症もなく復活する雛森は恐るべき耐久力である……。
確かにこれなら尸魂界篇で藍染にやられても復活できるわ……。(まあどちらも卯ノ花隊長が真っ先に治療したおかげなのだろうが)


・消失編

出番はなし。
小説のThe Death Save The Strawberryでは回復した彼女の様子が描かれ、自身が藍染をどう思っているかを平子に打ち明ける。
この時にまだ後ろ向きだった雛森を再起させた平子の言葉は非常にカッコ良く、このことで平子に厚い信頼を抱く。
そして藍染との決戦で助けてくれた一護を救うために掟に背くことになっても迷いなく力を分け与えることを決意する。


・千年血戦編

平子と共に見えざる帝国の侵攻に立ち向かう。
この頃には平子がひよ里とも常に連絡を取り合っているので、漫才の如く怒鳴り合う二人を冷や汗を流した苦笑いで見てたりもする。*14
二次侵攻ではまず予想外のバンビエッタの攻撃に当初優勢に立っていた平子が逆にやられ、そのフォローのためにバンビに挑むも力の差が大きすぎて全く太刀打ち出来なかった。
しかし狛村がバンビを破ったことで、その場は事なきを得て重傷を負った平子の治療に専念。
その後、平子が動ける程に回復した後に剣八の援護に向かうのだが、その途中で負傷した砕蜂と妹を担ぎながら足止めされていた大前田を助ける。

帝国が尸魂界から上空の霊王宮に主戦場を移した時は、それの対処に残っている護廷主戦力全員で霊王宮に乗り込む。
リジェが疲弊して隊列から遅れる者を狙撃で一人ずつ倒していく中、雛森はそこまで重傷じゃなかったためか、最後まで撃たれずに済んでいた。
そして京楽がリジェの相手をする中で、遂に新世界城手前まで進むが、その前に最後の親衛隊ジェラルドが立ち塞がる。
しかし護廷全軍でフルボッコにして、しかも兄様が死体蹴りの如く念押ししてジェラルドにトドメを刺し、これを見ていた雛森はその容赦の無さに引き気味に。(尸魂界篇でもそうだが、何気に兄様が苦手な様子の雛森である)
しかしジェラルドは聖文字で復活し、護廷全軍を蹴散らし雛森もまた平子と共にやられることになった。
そしてトドメを刺される直前に復帰した日番谷が間一髪でそれを阻止。
ジェラルドと交戦することになった彼を雛森は見守ることになる。

戦後は平子と共に平和になった尸魂界を謳歌していた。
ちなみに最終章で彼女も藍染と再会しているのだが、何故か彼女だけ全く描写なし。
そのすぐ後の平子とひよ里の漫才では雛森が描かれているので、あえて師匠は藍染との邂逅時に雛森を描かなかったのかもしれない。


・獄頣鳴鳴篇

引き続き五番隊副隊長として平子の下で働いており、魂葬礼祭準備のため他の副隊長たちと共に現世へ派遣されることになる。




 余談



作中人気だけでなく、読者からも人気が高い。
なにせ碌に出番がない破面篇中盤だったにもかかわらず、人気投票で10位圏内に入るという大健闘をした程。
この時に本調子じゃないにもかかわらず無理に表に出て来て、人気投票の司会をやっていたコンに心配されていた。

BLEACH カラブリ!護廷十三屋台大作戦!では愛染たちが裏切った後という時期であり、明らかに愛染を意識したメガネクッキーを出して他の女性死神たちをドン引きさせた。
やちるが愛染の真似をしてメガネクッキーを砕き「私が天に立つ」といった際には気絶して倒れた。


追記、修正よろしくね、シロちゃん


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最終更新:2024年01月04日 20:47

*1 ルキアも同期なのだが、成績優秀の特待生だった3人とルキアは別クラスで、しかもルキアは霊術院卒業前に朽木家に引き取られた経緯もあるので、この二人と比べると親交は薄い

*2 また隊長の藍染も(一見)好人物だったので、彼がいたことも五番隊が人気だった大きな要因の一つである

*3 藍染はそれこそ霊術院の頃から雛森に目を付けており、その時点で彼女を手駒にするために策動していた

*4 雛森は藍染のしたことは絶対に許せないが、彼から教わったことには感謝しているとも述べている

*5 元は日番谷の上司だった乱菊ですら日番谷が隊長に就任したら(仕事を丸投げするという酷い扱いは変わらないが…)敬語を用いて接している

*6 ちなみに総隊長や乱菊を含めて、周りも雛森がこういう風に日番谷に接することを特に咎めていないし、気にしてもいない

*7 こちらはなんとハッシュヴァルトすら足止めする凄まじい結界を展開している

*8 七支刀と呼ばれる刀の形にそっくりである

*9 この手紙の件は藍染自身も後々に言及しなかったものの、日番谷を自身の計画の邪魔者として謀殺するために仕組んだ物という見方が強い。

*10 ただ雛森は日番谷を斬る寸前で、日番谷も躱せる状況でもなかったので、切羽詰まった結果、力強く殴りつける事しかできなかった

*11 この時の総隊長は日番谷にも雛森にも配慮している様子が描かれ、これだけとっても昔より大分丸くなったと思われる描写である

*12 周りの反応を見れば分かるが雛森が参戦する予定は全く無かったので、彼女の独断で来た様子

*13 アニメでは朦朧とする意識の中で日番谷とハリベルの死闘を観ていた

*14 小説でも平子の交友関係もあるので、何気に仮面の軍勢と接点というか交流が多かったりする