涅マユリ

登録日:2009/06/27 Sat 23:56:58
更新日:2025/07/24 Thu 05:33:46
所要時間キミ達程度の頭でも約 13 分で読めるヨ


タグ一覧
3月30日生まれ 3月生まれ BLEACH ある意味初代護廷十三隊の思想に近い男 おひつじ座 どや顔 なんてね☆ ゲーミングマユリ様 コメント欄ログ化項目 ゴールデンフリーザ ゴールドばいきんまん ツンデレ デーモン閣下 ドS ネタキャラ ブロリーVSフリーザ マッドサイエンティスト マユリ様 リョナ 一周回って愛すべき外道 一周回って萌えキャラ 中の人ネタ? 中尾隆聖 人体実験 作者のお気に入り 全身浪曼の塊 卍解 卍解初公開 名勝負製造機 味方だと頼もしいが敵に回すと恐ろしい←味方でも充分恐ろしい 変態 外道 始解 子持ち 実は苦労人 局長 師匠のお気に入り 後出しジャンケン戦法 必要悪 技術開発局 改造(なお)すんだヨ 有能 死神 毒親? 涅ネム 涅マユリ 濃すぎるキャラクター性 煽り屋 疋殺地蔵 発光 白玉団子 眩しい 科学者 護廷十三隊 護廷十三隊隊長 迷言と珍シーンの宝庫 迷言製造機 金色疋殺地蔵 隊長






今まで存在した何物よりも素晴しくあれ
だが、けして完璧であるなかれ

科学者とは常にその二律背反に苦しみ続け
更にそこに快楽を見出す生物でなければならない







涅 マユリ 
くろつち まゆり

[職業]死神
[肩書]瀞霊廷護廷十三隊十二番隊隊長
    技術開発局局長

 [羽裏色]木賊
 [身長/体重]174cm/54kg
 [誕生日]3月30日
 [好きなもの] 秋刀魚
 [嫌いなもの] ネギ
 [斬魄刀]疋殺地蔵(あしそぎじぞう)
  〔解号〕()(むし)れ「疋殺地蔵」
 [卍解]金色疋殺地蔵(こんじきあしそぎじぞう)
 [CV]中尾隆聖


漫画「BLEACH」の登場人物。


 目次



 容姿



基本は面妖な黒い化粧と仮面をした異相で、新たな篇に突入するたびに容姿が変化する(化粧、髪型など)。基本的な髪色は青、化粧は白黒が多い。
目の周囲にアイマスク状の黒い化粧+七三分け(過去篇、妖怪白玉団子byひよ里)
→目の周囲に仮面状の黒い化粧と、そこから顎にかけ線状の黒い化粧+奇妙なニット帽風の帽子(阿近の回想シーン
→顔に黒、顔の輪郭に白という仮面風の化粧+奇抜な三角帽(初登場)
→初登場時と同じデザインの仮面風の化粧+モヒカン(石田戦後)
→ノーメイクによる素顔(藍染裏切り後)
→黒いT字と白い鼻の線がついた化粧+バフォメット風巻髪(破面篇)
→縞模様の化粧+スフィンクス風(千年血戦篇序盤)
→縞模様の化粧+全身発光ギミック付きの太陽風着ぐるみ(星十字騎士団第二次侵攻後)
→縞模様の化粧+三列モヒカン(ペルニダ戦以降)
→口ひげのような化粧+バーバリシープ風巻髪(最終話)
→カブトムシにも似たツノ+改造した隊長羽織(獄頣鳴鳴篇)

まさにデーモン閣下スタイルである。
発光ギミック付きの衣装は、アニメ千年血戦篇訣別譚における15話では金ピカ発光だが、16話以降の研究室内シーンのみなぜかゲーミング発光している。
そのインパクトゆえに「ゲーミングマユリ様」というワードが生まれ、X(旧Twitter)ではトレンド入りを果たした。

身体を改造し様々な武器や仕掛けを隠す、人間離れしたまさしく死神ような出で立ちをしている。
例として耳に内蔵された鎖鎌やロケットパンチのように腕を飛ばす「蛇腹腕(じゃばらかいな)」ほか、失った肉体を再生させる薬「補肉剤(ほじくざい)」を携帯している。
覆面の下の素顔は何気にイケメン。ファッションなのか、はたまた実験用に何か仕込んでいるのか右手中指の爪のみ異常に長い。

なお2016年には、作者のTwitter投稿復帰に際して作者本人によるやたらクオリティの高いマユリのコスプレ写真(破面篇の服装)が投稿され大きな話題を呼んだ。

 人物



平素は隊長として人並みに振舞っているが、その本性はとてつもなく残忍な性格をしたマッドサイエンティスト。
目的の為には自隊の隊士すら平気で利用し、自身に旅禍の情報を伝えなかっただけで他の隊である斑目一角を独断で始末しようとした。
単純な思考と本能だけで突っ走る更木剣八とは馬が合わず、たびたび衝突する。
しかし、千年血戦篇での振る舞いからは、ありとあらゆる手を使って日頃から研究と対策を怠らず瀞霊廷を守るべく思案する様子がうかがえる。
方法がきわめて外道なだけで、利害の一致*1もあり、隊長として瀞霊廷を守るための職務遂行への意識自体は高いのだろう。
良識で行動を阻害される場面はほぼ皆無だが理解はしているようで、理論武装は怠らない。
なぜか味方サイドにいた極悪人。奇跡的なバランスで味方サイドに留まっていることは尸魂界にとって大きなアドバンテージである。詳細は過去の項も参照のこと。

武力・技術力共に優れた敵キャラが増加した破面編以降において、脳筋や噛ませばかりの護廷十三隊にあってほぼ失態を犯さない。そのため、気づけばおもしろファッションセンスに秀でた常識人・かつ有能な戦略家ポジションに収まっていく。
特に第一次滅却師侵攻にて、4人の隊長格が封印されることを承知で卍解し、まんまと奪わた際に発した言葉*2はあまりにも有名。
なお、ネム以外の部下に対しては一応労いの言葉をかけるなど、印象ほど雑には扱っていない。


本質は科学者であり、歯止めの利かない研究や実験を好む強い好奇心の持ち主で、特に人体実験に情熱を注ぐ。
敵として戦う相手を実験材料として認識し、当初は織姫の能力に強い興味を抱いていた。
一方、それ以上改良の余地が残されていないことを意味する「完璧」という言葉を嫌い、「他者より優れども完璧であってはならないという矛盾に苦しみながらも快楽を見出すのが科学者である」という独自の信念を持ち合わせる*3

かつての浦原喜助からその才能を認められ、「蛆虫の巣」から十二番隊第三席兼技術開発局の副局長になった経緯はあるが、普段からの言動には浦原に対する嫉妬心・対抗心が見え隠れする。
とはいえその技術力の高さは認めており、一部の研究分野や組織力では現在の浦原を凌駕するため案外持ちつ持たれつなところもある模様。

隊長就任以前から2661人もの滅却師を実験体として研究しており、現世に生き残った滅却師の魂魄も監視役を手懐け、見殺しにすることで手中におさめていた。
石田雨竜の祖父・石田宗弦も手にかけており、石田にとっては自らの師の仇敵ということになる。
しかしザエルアポロ戦ではマユリのゲスな発言に石田がツッコむという見事なコンビ関係(?)を築いている。敵に回せないシチュエーションだったが、よく許されたものだ。

ちなみに、後述した名台詞の項にある苛烈な手段をもって滅却師の研究は終了した。と豪語したが、実際には基本戦闘術である「血装(ブルート)」や奥義ともいえる「滅却師最終形態(クインシー・レツトシュティール)」をはじめ、拷問対象の一人だった宗弦が間違いなく把握していた「見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)」についての情報は全く得られていなかった
彼らはマユリの「研究」の最中にあっても隠蔽すべき情報を取捨選択し、ついぞ悟られることなく黙秘を果たしたのである。
石田に対する皮肉として小馬鹿にするように持ち出した「滅却師の誇り」に、実のところは一杯食わされていたのだ。

自らの義骸技術と義魂技術を駆使した被造死神・涅ネムを作り上げた。
誕生において自身の遺伝子情報(血液)を提供しており、彼女を『私の娘』と呼んでいる。そのため本編では全隊長格唯一の子持ちであった*4
ただしアニメでは「私の作品」と呼称している(児童虐待を彷彿させるため?)。
作中ではネムを捨て駒同然に扱うという描写があるが、これは『自身の最高傑作であるネムがこの程度で死ぬ訳がない』という自信に起因する、彼なりの愛情表現である。
ネムもその旨は重々承知しているため、いくら痛めつけられようともその忠誠心を失うことはない。
アニメのおまけコーナーにて、ネムが現世に出張した際、女性死神協会の会合に代理で出席していた(七緒にはキレられている)。
ちなみに休日は精霊廷通信(新聞のようなもの)をじっくり読むことが主な過ごし方。同紙には「脳にキく薬」というコラムを掲載している。意外と人気が高く、ファンレターがたくさん届くようだ。

なお彼の趣味嗜好が反映されているため、発明品はグロテスクなデザインが多い。
一方ネムはグロテスクどころか美人に成長しており、肉体再生技術で対象者の肢体を元通り生成するなど、普遍的なセンスは理解できている模様。

やちるによるあだ名は『マユリン』(死神ゴールデンから)。


 過去



110年前は瀞霊廷によって危険分子とみなされ、それらを収容する施設・蛆虫の巣で唯一檻に閉じ込められていた。
だが技術開発局創設を目指す当時の十二番隊隊長だった浦原喜助に科学者としての実力を買われ、十二番隊第三席兼技術開発局の副局長へ就任。
その後、藍染の陰謀にはまった浦原の追放に伴い、隊長・局長職へ就任した。

自分を護廷十三隊へ入隊させるきっかけを作った浦原については、その才能こそ認めているが人間性は激しく嫌悪している。
他人から浦原と比較されると、相手に悪意がないとしてもブチ切れる。
これはマユリのみが一方的に嫌悪しているわけではなく、浦原も「才能は認めつつ見下している」ためほぼ同義である。
しかもきわめて神経質なマユリと、ひそかに悪さをすることが病的に長けた浦原とでは、性格の時点で非常に相性が悪い。
……と、実際の理由は明言されていないがいくらでも想像できる辺り困った間柄である。


 能力




産まれ堕ちれば

死んだも同然

(BLEACH35 HIGHER THAN THE MOON より)


科学者という役職のイメージどおり、『カラブリ+』におけるステータス表示は鬼道・霊圧が100である以外は軒並み数値が抑えられ、戦闘能力は低いとの記述がある。
瞬歩も使えるが、「使ったら疲れる」ため持久力も疑問符が付く。

だが彼の真価は、無数の薬品と持ち前の頭脳や観察眼からいかなる状況からも打開策を講じられる手札の多さにある。
日頃の研究成果や情報収集・分析、洞察力でハンデを補っており、彼の戦闘のほとんどは入念な準備のうえに成り立つ後出しジャンケン戦法
そのため能力の低さに反し、石田に敗北したのみでほとんどの戦闘で白星を上げている(あえて言うならペルニダ戦は引き分け)。
また『金色疋殺地蔵』の毒の配合を毎回変えたり、一度戦った相手に監視用の菌を感染させるなど、戦闘においては用心深く用意周到な一面も持ち合わせる。
その用心深さが存分に発揮されたのがザエルアポロ戦だろう。
相手の手の内を調べて万全の対策をしたうえで戦いに赴き、隠していた奥の手も「こんなこともあろうかと」とでも言いたげにピンポイントで対抗策を用意する戦いはもはやチートの域。
そのため石田から「あいつがそう簡単にくたばるわけがない」と評されている。


なにより本業は科学者であり、自分が死なず邪魔者を倒せればそれで良いという彼自身の発言に鑑み、純粋な戦闘力にこだわりはない。
修練なども特に行っていない様子で、隊長の中にあって肉体的に劣ることは自明の理である。
ただし他の隊長格と比較して劣るというだけで、一般隊員たちとは大差をつけている。
卍解を習得済みかつ一定時間維持、石田が霊圧や瞬歩の速度に驚愕する、鬼道の応用でゾンビ化技術を開発などの描写から「霊圧や鬼道のステータスは他の隊長格と同程度」という設定に合致したものと言える。

技術を駆使して戦況を切り開く点は浦原同様だが、浦原は相手の後出しジャンケンに対応すべく可能な限りの準備に加えて汎用的な技術の応用で即応する。対するマユリは監視した後に自身が後出しジャンケンを仕掛けて有利な状況を生むために技術を駆使する。アプローチとしては真逆に近い。

ちなみに作中における卍解の初披露はマユリによるもの。読者が卍解の存在をまだ認識していない頃である*5
この時パニックとなり小物然とした言動を散々したあげく卍解共々雨竜に瞬殺されたのは黒歴史。


発明品

  • 肉爆弾
十二番隊隊士に仕込んだ爆薬を起動させて自爆させる。歩く爆弾兵器。

  • 蛇腹腕
左腕を改造しており、ワイヤー状に伸ばして対象物の捕縛やワイヤー移動による回避などに用いる。
作中では石田およびペルニダ戦で使用。

  • 補肉剤
注射式で、即座に失った肉体の一部を再生させる。

  • 監視用の菌
石田との戦いのさなか密かに相手へ付着させていた。
これによってザエルアポロの能力を事前に把握して下記の対策をしている。

  • ダミー内臓と骨
ザエルアポロの「人形芝居」への対策として製作した自身の骨や臓器の偽パーツ。
虚圏侵入前の一時間足らずで製作から体内への設置までをこなした。

  • 超人薬
マユリ曰く「達人同士の戦いに生じる“1秒でも何十秒に感じてしまう時間感覚の延長“を、強制的に引き起こす薬」
適量は一滴を25万倍に希釈したものだが、ネムの体内に入れていたのは原液。それを摂取したザエルアポロは「1秒が100年に感じる」という超人的な感覚が備わり肉体が追いつかない状態に陥った。

  • 過去を見通す力の薬
ゾンビ化日番谷冬獅郎戦にて使用した薬。
「とあるポイントを通過すると過去の一定の地点に戻される」現象を引き起こす。ここでの”とあるポイント”は「マユリを殺す」こと。
副作用として「脳の海馬にしか作用せず、何度過去に戻ったのかカウントできない上に10回ほど戻されると身体が拒絶反応として立てなくなる」
冬獅郎に仕込んだタイミングは不明だが、ゾンビ化した六車拳西らには交戦させた破面の血にその薬を含ませていた。

  • 支配権を変える薬
文字通りに能力で操っていた者の支配権をマユリに上書きさせる。
その効力はジゼルとぺぺの聖文字による洗脳や支配を上書きし無効化させる凶悪なもの。
冬獅郎、拳西、ローズに使用したようで、拳西とローズには黒い痣が浮かび上がっていた。

  • 藍染の拘束装置
藍染惣右介の莫大な霊圧を留める効果があり、霊王宮落下の試みを食い止めた。
ユーハバッハが尸魂界を破壊すべく下界した時に破壊されている。


  • 霊圧増幅器
霊王宮へ繋げる門を作成する霊圧増幅装置。
こんな事もあろうかと製作していたという。

CV:越後屋コースケ
ペルニダ戦で使用した人の顔をした不気味なデザイン。
盾のように攻撃を防いだが、傘は悲鳴をあげていた。

  • 飛廉脚仕込み靴
滅却師の移動術「飛廉脚」を模倣したもの。
靴に仕込だスイッチで起動し、霊子で形成した足場によって浮遊と移動ができる。
ユーハバッハによって造り変えられた霊王宮内は、霊子などが支配状態にあり瞬歩などの移動術が使用できない状況下だった。この技術によって立体的な移動を可能としペルニダの神経で張り巡らされた地面を回避できた。

  • 紐爆弾
CV:はらさわ晃綺
指パチンコの要領で射出する紐状の爆弾。巻きつくなどの用途があるが…先端部になぜか男性の頭部が付いている。
終始何かに怯えて「いやだぁー!!」と悲鳴を上げるなど自我を持っている。マユリのぶっ飛んだセンスを体現した発明品。

  • 神経麻痺ガス
神経を麻痺させる成分を含んだガス。
ペルニダとの戦いでネムが後述の薬品を使う際に地面の神経による影響を無効化させるべく戦いの中で散布していた。
なお濃度はマユリ自身も影響するようだが「致し方ない」とのこと。

  • 神経凝固剤
神経経由で血液の流れを凝固させて相手を殺す。
マユリ曰く「開いた瞼は閉じず縮んだ心臓は膨らまず開いた口もふさがらんという訳だヨ!」とのことで取り込んだ箇所から黒く変色する。

  • 保護瓶
瓶状の大型回復装置。
中は治癒させるための特殊な薬液に満ちている。

  • ホログラム装置
獄頣鳴鳴篇にて登場。
飛行虫型の映写機による立体映像だが、マユリ側は何らかの干渉ができるようで目から放ったビームが映像先の床に焦げあとを残した。

  • 思考力を落とす薬
アニメオリジナルストーリーで登場した因幡影狼佐に対して使用。
疋殺地蔵に仕込み、対象者の脳の思考力を低下させる。
影狼佐は徐々に思考力が低下していく状態に苦悶の表情を浮かべた。


◇─ 始解「疋殺地蔵(あしそぎじぞう)


解号は「()(むし)れ~」。
柄の部分から棘がいくらか突き出たようなデザイン。鞘は股間の辺りに下げている。
千年血戦編ではマユリからセンサーを埋め込む改造を受け、相手の剣を自動で受け止められるようになった。
解放後は、波打った形状の三本の刀身の根元に不気味な赤子の顔が浮かび上がる。

能力は「斬った相手の四肢の動きを奪う毒の精製」。毒は柄にある赤子の顔から吐き出される。
この毒は脳から発せられる「四肢を動かす」という電気信号のみ(・・)を遮断する。痛覚をはじめとしたあらゆる感覚は正常なままとなる。
麻痺毒のような陳腐なものと違い高尚な毒と本人もご満悦。
相手の動きを奪って存分にいたぶれるいかにもマユリらしい能力。
ただし脳からの信号を遮断するのみなので、例えば滅却師が用いる「乱装天傀」など、脳以外による信号で強制的に肉体を動かす能力で対策できる。

あまりにもストレートかつバランスブレイカー染みた能力と、使用者のマユリが直接戦闘を不得手としていることからか、戦闘で役立ったケースは少ないが、後述する剣八の緊急救助では有効活用された。
アニオリでは不意打ちで因幡影狼佐に攻撃するも、事前に対策されて効果がなかったり*6と、東仙の卍解なみに不遇。

後述の技のほかにも
  • 攻撃した相手の思考能力を最低レベルにまで衰弱させる能力*7
  • 斬撃に対する角度を感知・補正し、自動で相手の刀を受ける機能*8
など様々な改造が施されている。

アニメ・斬魄刀異聞篇で実体化した際は蛾の羽を持った赤子の姿に。
金色疋殺地蔵の顔に前髪の色はマユリとお揃い、頭上に天使の輪のようなものが付いている。
『ピキュー』という電子音のような不思議な鳴き声。発する内容は理解できないが、きっと主とは通じている…はず。(CV:折笠富美子
やたら怖がりだが、斬魄刀と主は似るということからひょっとするとマユリの本心は…などと考えると興味深い。
好き勝手に改造されまくっていると考えたら、一番かわいそうな斬魄刀かもしれない。

疋殺地蔵は、ネムの前身となる歴代の「(ねむり)」シリーズの研究成果から生み出したものであり、他の死神の斬魄刀とは全く異質な存在である。
そのため、卍解時に破損しても何とか修理が可能な、数少ない斬魄刀の一つでもある。

  • 肉飛沫(にくしぶき)
斬った対象を液体にする能力。
対象は攻撃不能となるが、同時にどんな攻撃も受け付けなくなる。
元に戻るには一週間を要し、水などと混ざってしまうリスクもあるらしい。
本人の性格上、この能力は自身に対してのみ使用する。

  • 疋殺地蔵・恐度(きょうど)
四秒聴けば全身が麻痺してしまう、赤子の悲鳴のような音波攻撃。
使用時には刀身の赤子の顔部分の目に爪を突っ込むという、傍目にも痛々しい方法をとる。

突き刺して麻痺させた後、これで追撃したことで剣八にも効果はあったが、相手の眼球が動いたことをふまえ改良の余地があると自身は捉えている。
剣八が異常なのかもしれないが、マユリが完璧を嫌悪しながらも追い求め続けているのでそういうことだろう。


◇─ 卍解「金色疋殺地蔵(こんじきあしそぎじぞう)


金色の肌をした赤ん坊の頭部と手が生えた巨大な芋虫生物型の卍解。胸から複数の刀身を生やし突進できる。
能力は「口から即効性の致死毒を霧状にして散布する」
吐き出す毒はマユリの血液から精製されており、周囲100間(約182メートル)に渡って無差別にまき散らすことが可能。
戦いが終わるごとに毒の配合を変えるため、一度食らって抗体ができても無意味となる。
効果がないのはマユリとその血を分けたネムのみである。

そのほか踏み潰す、突進する、敵をガツガツ食べるなどかなり原始的。ザエルアポロを捕食した際は、それが災いしてザエルアポロに操られてしまった。
ちなみに、主に反抗した場合は自滅するよう改造が施されており、その際には直後に自滅している。
本来卍解は破壊後の修復は不可能だが、治してるのではなく改造しているため、自滅したとしても新たに作り替えることで修復(再生?)できる。


「生物」という性質もあるが、作中でも破壊された回数が多い。
登場時点で既にプレーンな状態ではないうえ、状況次第で破壊する、あるいはされることを想定し改造を施しているためである。
何度も破壊される点は狛村の卍解も該当するが、使用者とリンクしているため、卍解へのダメージが使用者へフィードバックされる代わりに使用者が回復すれば卍解も再生した状態で使用可能となる。


◇─ 卍解「金色疋殺地蔵(こんじきあしそぎじぞう)魔胎伏印症体(またいふくいんしょうたい)


ペルニダ戦で使用。名前の元ネタはおそらく新約聖書における「マタイ福音書」。
金色疋殺地蔵を改造した異形態。マユリ自身は「改造卍解」と称している。
毒の配合を毎回変えたり、自爆させたりしている時点で十分改造卍解だが、能力さえも変化させ元の卍解とは完全な別モノになっている。

能力は「マユリが送り込んだ情報を基に新たな疋殺地蔵を産み落とす」
ペルニダ戦では、「敵の体内に自らの神経を潜り込ませ、意のままに動かす」という相手の能力を無力化すべく、生物であれば皮膚などに覆われるはずの神経を皮膚表面に7万層備えた歯を持たない金色疋殺地蔵を産み出した。
つまり剝き出しとなった神経のため、空気に触れたり、地面に接地するだけでも金色疋殺地蔵には激痛が走る。そのため生み落とされた瞬間から激痛に叫び、のたうち回るなどかなり痛々しい様子だったが、その理由を知るマユリは気に留める素振りも見せなかった。

この能力で一時は完全に優位に立ったが、分析時点で未解明だった能力がマユリの想定範囲を大きく上回ったため、思うような成果は得られていない。
それどころか相手の能力を取り込むペルニダの攻撃により、能力ごと丸飲みされてしまった。


この卍解はマユリの活躍に反して作中でもトップクラスに不遇な扱いを受け、ほとんど勝利に貢献していない。



 活躍



◇─ 尸魂界篇


初登場は隊舎集会。
一護との戦いに敗れた一角が隊舎に運び込まれた時、彼のもとを訪れ一護の情報を聞き出そうとした。
情報を提供しないばかりか反抗的な態度をとる一角に制裁を加えようとしたが、剣八に制止される。

その後は織姫石田のもとへ襲来。
十二番隊隊士を「肉爆弾」に変えて織姫らを抹殺しようとし、彼女の「三天結盾」の能力を見て興味を示す。
織姫を捕えて実験材料にしようとするが、石田に阻まれ彼と交戦。
「疋殺地蔵」の能力で圧倒したが、マユリが宗弦を殺した張本人であると知った石田の猛反撃に遭う。
「乱装天傀」に加え「滅却師最終形態(クインシー・レツトシュティール)」を発動させた石田に対し卍解をもって勝負を挑むも敗北。
身体に大穴を開けられ、最後のあがきとして自らに「肉飛沫」を食らわせ撤退した。
その後、藍染の裏切りを知った際は、「興味がないネ」とばっさり切り捨てている。


◇─ 破面篇


浦原の作り出した黒腔(ガルガンタ)を通り、白哉卯ノ花と共に虚圏(ウェコムンド)へと潜入。
恋次・石田組の援護に駆け付けザエルアポロと交戦する。
彼の技「人形芝居(テアトロ・デ・ティテレ)」に屈したかに見えたが、虚圏潜入前の一時間足らずの間に全ての臓器にダミーを用意していたことで回避。
さらに卍解を繰り出し、一度はこれを破られるものの、ネムの身体に仕込んでおいた「超人薬」をザエルアポロに投与することに成功し、勝利する。

その後は藍染によって黒腔を閉じられるが、ザエルアポロの残したデータから黒腔を解析し、一護を現世に送り返す。
この時、一護から「浦原と似ている」「彼の弟子か何かだろ」という指摘を受けて激怒するが*9、辛辣な言い回しながら現世に向かった彼に向けて未来があることを示唆する言葉を投げかけている。
なんというツンデレ

ちなみにこの時、ザエルアポロが残した研究材料の保管庫を見つけているが…。


◇─ 千年血戦篇


最終章では1話目の巻頭カラーでいきなりとてつもない髪型をお披露目。敵の侵攻後は対策を講じる関係からさらにド派手な格好になった。

「見えざる帝国」による第一次侵攻の前哨戦では、瀞霊廷を襲った連中の正体が滅却師であることを突き止める。
この時、世界の魂魄バランスの矯正のため、流魂街の住人二万六千人を強制的に消滅させるという、理に適っているが非道な行動を粛々と行っていた。
その後、第一次侵攻で隊長たちが次々と卍解を奪われる事態を見て、「何故私の解析が済むまで待てなかった!信じられん馬鹿共だヨ!!」と十三隊の愚鈍さを罵倒している。
もっとも、この時点では封印程度と認識しており、その状態に至るプロセスも不明だったことから目の当たりにしてから打開するつもりだった。
また、大規模侵攻が急に始まった中で手加減できる実力差はなく、隊員達に至っては虫けらのようにやられる状況であったなどが原因であり、
京楽は「十二番隊の解析なんぞ待ってる余裕はなかった。誰かが犠牲になるのは仕方ない」旨の発言をするなど静観していた。

原作における一連のくだりは日番谷のみだったが、アニメ版では他の隊長格の始解も効果がない*10ことがより明確になっている。
付け加えるならば結局マユリの解析が終わった描写はなく、メダリオンを解析・無効化したのは浦原喜助である。

第一次侵攻後、一護を呼び出して斬魄刀についての説明をした。第二次侵攻までに自身の研究室の改造などを行う。
ファンブック『13BLADEs』掲載の小説では、死亡したある隊士を強化改造して、第二次侵攻戦でその隊士を四十六室に送り込んでいたようである。

第二次侵攻の際は、滅却師たちが「影から現れる」ことを突き止め、影ができないよう輝く太陽の衣装を着用して登場。
ジゼル・ジュエルや操られたゾンビ軍団にやられる一角たちの前に現れ交戦を開始。
虚圏(ザエルアポロの保管庫)で回収した破面たちのゾンビをはじめ、
  • バンビの爆撃をピンポイントな道具を使って無力化
  • 戦闘中にゾンビ化した日番谷に『過去に立ち返る薬』を注入*11
  • 偶然研究していたことと条件が揃っていたため、同じくゾンビ化された拳西、ローズの支配権を強奪
というなんでもアリな戦いを展開した。

ゾンビ化した拳西、ジゼルとペペを始末した後、何らかの独断行動をとっていたようだが、霊王宮の門を作る際に登場。
霊圧増幅器を作り、門作りに貢献した。
ちなみに藍染の無間の椅子を製作したのも彼。戦闘以外における研究者としての貢献を際立たせた。

霊王宮突入後は平子たちと別行動をとり、ペルニダ・パルンカジャスと交戦。
的確にペルニダの能力を読み切り、剣八を救出しつつ一進一退の攻防を行う。
しかし、ペルニダはマユリの想像を超え、疋殺地蔵や剣八の能力を吸収し劇的に成長、追い詰められる。
やがて戦闘への介入を許したネムを殺され一時絶望しかけるも、大脳以外のネムの肉片を取り込ませて自爆させ、ペルニダを撃破する。
その後、ペルニダの最後っ屁を足にくらい動けなくなるも、一角と弓親にあらかじめ用意した肉体保護瓶の場所を説明。
実は肉体保護瓶内にはゾンビ化を解除した日番谷と乱菊を入れており、彼らの傷を完治させていたことが発覚。
保護瓶から出てきた日番谷は珍しくマユリに礼を言い、さらに剣八を救出したマユリに一角と弓親も多大な謝意を示した。
ネムと共に肉体保護瓶に入ったマユリはネムの成長と研究成果に興奮しながらしばしの眠りについたのだった。


千年血戦後から数年が過ぎ、瀞霊廷の復興がほぼ完了したころには新たにネムの代わりとなる眠八號を創り上げていた。
そんな折、ユーハバッハの残滓が確認されたとして現地へ赴き、同様に駆け付けた白哉・砕蜂と共に残滓と対峙する。現世にも現れた残滓を黒崎一勇が倒したことで消滅した時には何が起きたのか理解できずにいた。


◇─ アニオリ

主に解説役だが、敵の作戦に利用されたことにご立腹となり戦ったりもする。
基本的に余裕を持った行動を見せるが、『斬魄刀異聞篇』にて蛇尾丸と千本桜たちに留守中の研究所を木端微塵にされた際はあまりのショックにいつもとは別ベクトルの顔芸を見せている。
バウント篇のみ尸魂界篇の容姿であり、それ以外は破面篇の容姿。


◇─ 劇場版

基本的に前線での戦闘はないが、科学者ポジションのため浦原と同じく解説役としての仕事がある。
劇場版第三段『Fade to Black』では研究中が敵の奇襲を受け、その能力で記憶喪失に陥った。
すさまじい勢いでネムを含めた周囲に対して怯えだし、普段とはまるで違う姿を見せる。もしかしたらこれが素なのかもしれない。
錯乱して暴れ出したため蛆虫の巣に再投獄されるが、その後牢に姿を見せた浦原に羽織を貸す。
一作目のみ尸魂界篇の容姿であり、二作目以降は破面篇と並行して製作されていたためか、破面篇の容姿となっている。


 名言(?)



尸魂界篇
  • ダメだヨ。放られた爆弾は…手元に戻ってくるもんじゃアない
  • そうだ!最高級の待遇で迎えようじゃないかネ!
    薬物投与は一日八回!機械実験も一日五時間までにしよう!
    食事も経口で与えるし睡眠時には衣服もやろう!
    改造だって死ぬようなものは極力控えることにするヨ!
    どうだネ!研究体としては破格の待遇だと思うがネ…
  • 憶えなくていいヨ。どうせすぐに何も判らなくなる。
  • 逃げて良しと言ったかネ?
  • 私の作った体が!!この程度の傷で!機能しなくなると言うのかネ!?馬鹿にするのも大概にし給えヨ!!
  • 研究したんだヨ!精神と肉体にあらゆる刺激を与え!反応を調査し!生きたまま頭蓋に穴を開け!自分の手で我が子を焙り殺させ!
    切り刻み!擂り潰し!!ドロドロになるまで研究をネ!!!
  • な… 何だネ、その姿は…!?何だネ、その霊圧は…!?そんなもの知らんヨ…!!そんなもの…! 人間に許された力の…領域を超えているヨ、小僧…!!!
  • 図に乗るなヨ小僧!!!!滅却師風情がふざけてくれる…! 良かろう…ならばこちらも相応の力で応えてやろうじゃないかネ…!卍 解
    『金色疋殺地蔵』
  • ヒャッハ!!是非!やって見給え!!!
  • くそ…ッ…この…滅却師風情がァ!!!
  • 惜しかったねェ滅却師
  • さようなら滅却師 多少面倒なことにはなったが 私は生き君は死ぬ その結末は変わらんのだヨ…!
  • …興味がないネ

破面篇
  • 君を瓶詰めにした時に瓶に名前を書くためだヨ
  • なんてネ
  • 何が?
  • それができるから此処に居る訳だが
  • 黙れ外道
  • 百年後までご機嫌よう
  • 私は完璧を嫌悪する!!完璧であれば、それ以上は無い。
    そこに創造の余地は無く、それは知恵も才能も立ち入る隙がないと言う事だ。
    我々科学者にとって"完璧"とは"絶望"だヨ
  • 何だネ…この程度の事も見て判らんのかネ…屑が
  • 改造(なお)すんだヨ
  • 【けだもの】に喰われて死ぬなんて 如何にも馬鹿気た死に様だと思わんかネ?

死神代行消失篇
(ネム共々出番なし)

千年血戦篇
  • 何故私の解析が済むまで待てなかった!!!信じられんバカどもだヨ!!!!
  • 偉大な相手とは輝いて見えるものだヨ
  • 見た事もない観察対象を見つけ!
    それがこちらの予想を次々と越えてくる!
    これが喜びでないなら一体何だ!
  • “次のお前” を “今のお前” と同じに育てるのにどれ程の負担が私にかかるかお前に解るのかネ?
    ⇒…わかりません
    ⇒わからんなら自分の判断でなど動くな!お前に自らの判断で死ぬ自由など無い!お前が死ぬのは私が"死ね"と命令した時だ!わかったら立て!

  • (眠八號に対して)…声が大きすぎるヨ…全くお前は…どうしてこうなってしまったのかネ…

獄頤鳴鳴篇
  • 無駄だヨ…その蟲を潰しても代わりはそこら中に撒いてある…

 余談



  • 公式ノベル版
ノベルでは、前述した一般隊士を爆弾に変える非道さが中央四十六室にかけられていた。
なお四十六室は藍染によって全滅したため裁判自体が中止となり、メンバー補充後も同件は不問とされていた。

  • 千手丸について
千手丸から「久しいのう」、「研究室の施錠が昔より甘くないか?」と語っていたりと顔見知りだったようだが、彼女との関係は作中で明かされていなかった。
のちに作者への質問コーナーにて、久保先生曰く「技術開発局設立以前に千手丸が主任とした非公式の開発機関が存在してマユリはそこに在籍していた」とのこと。



「追記…修正…ククッ、編集!
アニヲタwikiは、宝の宝庫だネ!」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
※キャラクターや作品、作者などに対する文句・愚痴・誹謗中傷といったコメントは禁止されています。守られない場合コメント欄の撤去やIPの規制などがされますのでやめましょう。

最終更新:2025年07月24日 05:33

*1 瀞霊廷が守られる限り自分の研究環境も安定するし、その大義名分から様々なトンデモ研究に着手できる

*2 「何故こちらの解析が済むまで待てなかった!!信じられん馬鹿共だヨ!!」

*3 だたしネムは「完璧です、マユリ様」と発言しまくるが気にしていない。ペルニダ戦にてネムが戦死した際に絶望した様子をみせていたため、ネムには完璧を見出していたのかもしれない

*4 のちに恋次とルキアの間に苺花が産まれている

*5 アニメ版では考慮してか、マユリが卍解の存在を視聴者に分かりやすく解説している

*6 ただしそれも見越したマユリは影狼佐を追い詰めている

*7 アニオリのみ

*8 さすがに隊長格相手には時間稼ぎ程度のものだったが

*9 一護が似ていると思った理由が、「高いところに立って喋っていた」からなのも拍車をかけたか

*10 白哉の千本桜が眼球に直撃するが無効化された

*11 なおゾンビには全く気付かれておらず、注入のタイミングについての描写もない