登録日:2011/03/21 Mon 11:19:15
更新日:2025/04/15 Tue 13:59:00
所要時間:約 6 分で読めます
〇概要
ジャンルはアドベンチャー・アクションRPG。アクションパズルの要素もあるよ。CMにもある公式の宣伝によれば「変身ギャグベンチャー」らしい。
バイリンガエル演じる遠野舞子が「森の音楽家」の替え歌を歌いながらカエルのバックダンサーと共に踊るという内容。
なお、カエルが何を言っているのか通訳しようとするが…「分からない~☆(かわいい)」
ゲーム内容
操作方法は2つあり、町の中・フィールドなどでは上から見下ろしたマップになり、
RPGのように上下左右に移動。
ダンジョンでは、真横から見たマップになりアクションゲームのように左右移動・ジャンプを使って移動する。
GBでありながら一部キャラには
会話イベントのイラストが用意されていたり、
吹き出しいっぱいの巨大な台詞が描写されたりと凝った演出が為されている。ギザなアイツの笑い声はきっと遊んだプレイヤーの印象にくっきり残る事だろう。
コメディチックな演出も多く、しかし決めるシーンでは格好良く活躍するなどまさに笑いあり涙ありの珍道中。シナリオを手がけたのは『メトロイド』シリーズの坂本賀勇氏。
〇システム
このゲームは経験値の概念が無い。
主人公は剣や盾を装備したり、「セイントストーン」と呼ばれる3種類の石を取ることで強くなる。
ちなみに「セイントストーン」の効果は以下の通り。
ライフストーン |
体力の最大値が増える |
パワーストーン |
攻撃力が上がる |
スピードストーン |
自分のターンでの攻撃回数が増える |
ストーリー上で現れるボスは、常にその時点で手に入る最強の剣と盾、そしてすべてのストーンが揃っていなければ勝てない仕様になっている。
もし勝てないのなら、何かしらが足りていないことになるので、頑張って探し出そう。
また、もし途中で投げ出してやり直しても、長編
RPGでありがちな「どこまで進んだっけ…」という事はなく、
日記を見れば次に何をすればいいか分かり、いつでもセーブできるという便利
だけどアクションゲームとしてはどうなのよ、といった機能もついていたりする。
町の壁新聞は主人公の進行状況を記録しているような内容であり、ストーリーを進める度にで内容が変化していく。
ストーリーを進めると地図を入手でき、フィールドと宮殿の二種類の地図が存在する。宮殿内にいると宮殿の地図に変化し、星マークは部屋を現す。
宮殿内には鍵の掛かった扉があり、鍵を入手することで鍵と同じ印の扉を開けて進む事ができる。
主人公は人間・カエル・ヘビの3つの姿に変身する事ができ、それぞれの特徴を生かして冒険する。
人間
基本の姿。カエルやヘビの状態でしあわせの果実を食べるかライフが0になるとこの姿に戻る。
3つの姿の中で一番攻撃力があり、それなりにジャンプ力もある。基本はこの姿で行動する。
カエル
イベントで薬を飲んだ後に水に入ることで変身できるようになる。
高いジャンプ力(人間時の2倍)を持ち、虫の敵に触れても戦闘にはならず、食べて体力を回復できる。
ただしヘビには弱いうえに攻撃力もかなり弱いので普通の戦闘には不向き。
ヘビ
イベントで毒ヘビに噛まれた後に毒の副作用によって温泉卵を食べることによって変身できるようになる。何で温泉卵なのかとツッコんではいけない。
狭い所を通り抜けたり、弱い敵をブロックにする事ができる。しかしジャンプ力が極端に落ち、攻撃力も人間時ほどではない。
ちなみにこの状態で敵のヘビと接触しても戦闘にはならず会話になり、カエルと話すとカエルが逃げ出す。
〇あらすじ
サブレ王国の王子とカスタード王国のリチャード王子は
ライバル同士。サブレ王子は剣術の試合に臨むが、いつも通りリチャード王子に負ける。
そんな中、2人はミルフィーユ王国が魔王デラーリンによって侵略され、ティラミス姫が捕らえられたという知らせを受ける。
それぞれ先を競うようにミルフィーユ王国へ向かうが、サブレ王子はリチャード王子より先に姫と国を救うことができるだろうか。
〇主な登場人物
サブレ王国の王子(サブレ王子)
このゲームの主人公で名前はプレイヤーがゲーム開始時に付ける。フルネームは"
(付けた名前)・デ・サブレ"。
物凄い金持ちで、何でも金の力で解決できると思っている。ちなみにカナヅチのため泳げない。
白目を大きくデフォルメしたせいか、
ゲーム画面では肌に色が塗られており褐色キャラに見える。
リチャード王子
ハッハッハッハ
カスタード王国の王子。サブレ王子とは
幼なじみで良きライバル。主人公と同い年で、ルックス、スタイル、おつむの程度もほとんど同じ。
しかし、剣術の腕はサブレ王子よりも上。口が悪い嫌味な人物に見られがちだが、実はかなりいいやつ。
ティラミス姫
ミルフィーユ王国を治める姫で、絶世の美女との噂がある。聖なる力で国の平和を保っていたが、デラーリンに城を占領され行方不明になり、捜索されている。
ゲロニアン兵
デラーリンの手先。強さが違う数パターンの兵がいる。
イメージイラストでは武器として槍を持っており、フルフェイスの兜の兵は先が三叉の槍を装備している。
マンドラ
眼鏡をかけた正体不明の怪しい魔女。ただで怪しいくすりをくれたり、更に怪しいくすりを高額で売りつけたりする。
ポルナレフ
ジャム
城下町アラモードに住む自称義賊。
主人公をゲロニアンの手先を勘違いし、住民たちをけしかける。
こいつもカエルに変身するが、アイパッチはつけたまま。
後に彼から貰えるパワーリストは、ハイパーグローブの旧製品に相当する。
アルフレド・じんべぇ
自称”じゃぱにーず・びじねすまん”と名乗る男。金(ゴールド)を持っていけば、スプリング・ヒルの「春を告げるベル」を直してくれる。
こいつの店の
BGMを3分聴き続けるとけけソングが聴けたりする。
アレヲ=シタイン博士
ナンテンドウの研究員。美食家で、寿司に
山葵が無くてキレている。
すうどん食え
わさび一つでハイパーグローブ(一見どう見ても、ただの軍手)や色々な発明品をくれる太っ腹な人。
何故か「
ワリオランドアドバンス ヨーキのお宝」にも所々で出演している。
赤ずきん
エスキモー村に住む
幼女。サブレ王子を「おぢさま」と呼ぶ。
親方にいじめられて店を逃げ出す。
具体的には荒縄で縛り上げられて鞭で百叩きにされた上に、あんな事やこんな事らしい。
おやかた
赤ずきんの店の親方。いきなり賄賂をくれたりする。赤ずきんにあんな事やこんな事をしていた張本人。おい、ちょっと代われ。
なんとゲロニアン兵だったのさ!しかし幼女に手を出す必要があったのかは謎である。
カザンオールスターズ
金山発掘のプロ集団でリーダーはヘースケ。ヘースケ以外のメンバーは、コータ・マーシー・トディ。
こいつらと一緒に戦うと敵をフルボッコにしてくれる。爽快。
デラーリン
ゲロニアン軍を率いてミルフィーユ王国を侵略した魔王。
カエルが大好物の巨大なヘビ。
ラスボスだが、はっきり言って弱い……?
〇本作品の魅力
パロディ
東京コミックショーZやら、埋蔵金掘りに夢中なコピーライターやら、盛大にパロディネタが盛り込まれている。
しかし、当時はパロネタに気づかず大人になってから笑った人もいるであろう。
またキャラクターの名前や、ミルフィーユ王国の地名の多くはお菓子の名前が付けられている(詳しくは本家参照)。リチャードだけまともな人名で少々浮いている。
出オチ
主人公は
最初から999万9999クリ(クリはこのゲームでの通貨で持ち金はMAX値)持っている。だいたい5000クリあればゲームでは困らないので、最早チートである。
だが冒頭にリチャード王子に船から追い出され、ミルフィーユ王国に行くために
他人の船を899万9999クリで買収という公式チートを繰り出す。
しかもその後に子供から
ワインをもらい、感動のあまり残りの100万クリを渡す。これで無一文かと思えばどこからともなく最後の100万クリを取り出してみせるという無茶苦茶ぶり。
ちなみに、ここまでで
開始僅か十数分の出来事である。まあその最後の100万クリはイベントアイテム入手のために消えるのだが。
なお、ゲームの進行でイベントアイテムとして
金山で1000万クリに相当する金塊を入手するのだが、主人公は最初の時点で
1099万9999クリを持っているのが実にシュールである。
その他
ババロア山の森の立て看板には
と書かれている。
この順番に進めばマンドラの館にたどり着けるのだが、子供が東西南北が分からず、ここで詰んだり親に聞く人が続出した。
これで東西南北を覚えた人もいるだろう。
この看板のように、作中のセリフには
ゲームボーイでありながら漢字が登場する。
これは当時のインテリジェントシステムズのプログラマであった藤井やすひこ氏が、PCのROMに入っている漢字データを自動的に引っ張り出し、
ゲームボーイの画面上で見やすいように16×16から8×8ドットに変換する「漢字コンバーター」を作成したことで実現した。(ソースは『ゲーム職人第1集』)
このゲームはストーリーへの評価もさることながら、戸高一生氏が手がける楽曲にも定評があり、特にフィールド、ナンテンドー、スタッフロールあたりは特に人気が高い。
今では「
隠れた名作」として評価されているものの、当時の売れ行きはあまり良いとは言えなかったのも相まって、他のGBソフトに比べ少し高騰気味。
説明書にしか描かれていないイラストもあるしね。
〇他作品へのカメオ出演
〇余談
『ゲーム職人』での開発者インタビューによると、開発当初は『パラパレス』というタイトルだったが当時の組ty……社長の鶴の一声で現在のタイトルとなった。
リチャード王子は
ゼルダの伝説 夢をみる島にゲスト出演している。
そちらで会った方も多いのでは?(ただ夢島の設定的にあれは本人では無いはずだが)
大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIALでは、サブレ王子とリチャード王子が
スピリットで登場。
サブレ王子の性能は階級HOPE防御型のアタッカーでスロットは3、リチャード王子の性能は階級ACE
無属性のアタッカーでスロットは3。
カエル&ヘビの姿はスピリッツバトルがあり、
プププランド GBのステージでカエル役はそのまま
ゲッコウガとヘビ役で爬虫類繋がりの
キングクルールと戦う。
サブレ王子もアシストで出現。彼に攻撃されると動きを拘束されるので、いなくなるまで回避するか、アシストキラーで撃墜させたいところ。
リチャード王子のスピリッツバトルは、カエル&ヘビと同じくステージは
プププランド GBで上記のゲスト出演の縁か
こどもリンクに乗り移っており、こちらもアシストでサブレ王子が出現する。
相手は攻撃力が増しており、さらに一定時間毎に無敵になる。
EDで放置すると「''See you again''」と出るので、もしかしたら続編案もあったのかもしれないが、誠に残念ながら未だ続編の動きはない。
ついき・しゅうせいぼしゅう である
そなたも リッチになってはみぬか!
かんたんな しごとで
ゆめのような こうしゅうにゅうを!
れんらくさき サブレ王国
サブレ王子まで
画像出典:カエルの為に鐘は鳴る/インテリジェントシステムズ/任天堂/1992年9月14日発売
(画像は2024年5月15日に配信のGAMEBOY Nintendo Switch Online版)
- LV1_4体>LV3_3体の世界 -- 名無しさん (2014-04-01 09:14:21)
- とても面白いRPGだったが姫の正体だけは・・・・。うぉい!? -- 名無しさん (2014-04-01 09:41:42)
- リチャード王子がゼル伝夢を見る島にゲスト出演したり主人公がスマブラでアシストフィギュアになったり地味に愛されてるこの作品。 -- 名無しさん (2014-10-30 11:28:33)
- 92年のゲームボーイで漢字・フォントいじり・1枚絵でまばたき&口が動くと今考えるとめちゃくちゃ凄いことやってる。 -- 名無しさん (2015-02-07 02:35:39)
- ↑ 漢字と一枚絵で瞬き・口パクなら、90年に1作目が出たアレサシリーズでもやってる。1作目だと一枚絵のクオリティが低いけど、2作目でちゃんとした絵になってる。 -- 名無しさん (2015-02-07 07:23:20)
- これリメイクして欲しいんだよな。今だったら当時分からなかったパロネタや際どいネタも分かってニヤリと出来ると思う。台詞も味があっておもしろいのよ -- 名無しさん (2016-03-10 12:57:00)
- 意外とスーパーマリオメーカーのキャラマリオで配信されそうな気がしないでもない。 -- 名無しさん (2016-04-15 19:49:23)
- で・・姫様とあの人結局どっちが本当なの? -- 名無しさん (2019-01-15 09:54:46)
- ↑ どっちでも一緒じゃないですか。とは言うものの結構根っこが腹黒い作品なんでやっぱマンドラありきかなあ。リチャードが手を引いたのはそれに勘づいた説なんてあるし -- 名無しさん (2019-01-15 11:05:46)
- ボス戦とかは技術とか関係なく純粋な装備品の強さでしかカウントされないのが色々惜しい感じのゲームだったような -- 名無しさん (2020-11-19 16:48:07)
- ↑↑2年経っての遅レスですまぬが、王子が気絶しているとき(演技する必要がない時)にマンドラの口調で話しているので………まあ、そういうことだと思うw -- 名無しさん (2021-05-31 11:15:10)
- ↑その理屈だと、ポルナレフもハゲワシの姿が本当ということになるのでは? -- 名無しさん (2024-05-03 19:31:07)
- ↑むしろどちらも本当の姿ではないのかもしれん。マンドラもポルナレフも本来は精霊とか妖怪とか神様的な存在で、作中の姿は全部仮の姿なのかも。 -- 名無しさん (2024-05-03 21:15:38)
- イベントアイテムで入手できる金塊の経緯が面白い。金山にそれがあると思ったら出てきたのは、高温で溶けた金(の溶岩)であり、それが水中で冷えて固まった物が引き上げられた。 -- 名無しさん (2024-07-20 20:14:37)
- Switchでクリア記念に来て見た どっちも同じとは言うが初見のときからマンドラ普通にかわいい女性だな…って思っちゃった -- 名無しさん (2024-07-27 23:41:00)
最終更新:2025年04月15日 13:59