十六夜 咲夜

登録日:2009/05/26 Tue 20:57:26
更新日:2025/10/25 Sat 15:03:09
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あー、お掃除が進まない!お嬢様に怒られるじゃない!!

私は一生死ぬ人間ですよ。大丈夫、生きている間は一緒に居ますから


十六夜(いざよい) 咲夜(さくや)とは、東方Project第6作『東方紅魔郷』の5面ボスを務める人物である。
『紅魔郷』以降も登場することが多く、以下それをまとめる。



【概要】

種族 人間
二つ名 紅魔館のメイド(紅魔郷など)
完全で瀟洒(しょうしゃ)な従者(萃夢想など)
危険な手品師(文花帖)
小夜嵐(さよあらし)のメイド(緋想天)
紅い悪魔のメイド(輝針城)
瀟洒なメイド(虹龍洞)
電光石火のメイド(茨歌仙)
吸血鬼のメイド(鈴奈庵)
紅魔館のキッチンドリンカー(酔蝶華)
能力 時間を操る程度の能力
テーマ曲 月時計~ルナダイアル(紅魔郷)
フラワリングナイト(花映塚)


紅魔館のメイド長。紅魔館で人間なのは彼女だけである。
紅魔館の主であるレミリア・スカーレットに心からの忠誠を誓っている。

紅魔館のメイド達は妖精なので知能が低く、大して仕事が出来ない。人選ミスならぬ妖精選ミスである。
よって紅魔館の仕事の殆どは彼女が時間を止めて纏めてやっている。
また仕事以外にも休憩も時間を止めてとっているので、彼女が仕事や休憩をしている姿を見た事がある者は皆無である。


【ゲームでの性能】

ゲームでは概ね魔理沙ほどではないがスピードが高めで、威力は高くないが速度・範囲・弾数に優れる弾幕を扱う傾向が高い。
作品によってはワイドショットを根元で当てるとバカにできない火力を発揮する事もある。

黄昏ゲーでも手数とスピード重視のキャラ設定になっている。
同じスピードキャラ射命丸 文と異なるのは手数に優れるという点で、いわゆる「固め」が非常に強いキャラとなっている。「殺人ドール」などの時間差攻撃の手段も持ち合わせており、相手の起き上がりに重ねて固めを継続する能力が高く、熟練者ならば相手を何もさせずに倒しきる事が可能。
ただしそれ以外の性能については一芸に秀でるというほどの尖ったものが少ないため、読みあいやキャラ対策などで固めを凌がれてしまうと力負けする事も少なくない。

【容姿】

容姿は銀髪のボブカットに、もみあげ辺りからリボンで三つ編みを結っているのが特徴。
またメイドということもあって、東方キャラの中では珍しくモブ(妖精メイド)と恰好が同じ。
一応袖にRed Magic(レミリアのスペカ)やエプロンにローマ数字(時計のイメージ)といった彼女用のメイド服はあるようだ。

身長は妖々夢までのキャラの中で八雲 紫紅 美鈴同様高い部類に入る。

【性格】

性格は一言でいうと天然。プレイ中はもちろん、漫画でも周りがあきれることがあるほど天然。
  • 話をいきなり変えてくる、返しや例えが独特。
例「残念ながら今の私は行け行けモードなの」
  • ネーミングセンスが独特で周囲の者たちを困らせる。
  • 影狼との会話シーンで判明した素っ頓狂なセリフを用いた変身ごっこをしている
  • 謎の解釈をして斜め上の回答、実行をする

だが、二次創作では二つ名に引っ張られてか、クールビューティな性格になっていることが多い。天然キャラが聡明に描かれる稀有な例だろう。一応鋭い部分もあるので間違いではないが。

レミリア相手でも思わず「どこでそんな話聞いたの?」みたいなタメ口のツッコミをしたことがあったり、
吸血鬼の弱点である銀のナイフを武器にしているが、それを許しているあたり、レミリアも信頼しているようである。
レミリア自ら咲夜を吸血鬼にして永遠に一緒にいるように誘うなど、その絆は非常に固い。

だがその信頼をよそに紅茶には普通に毒を入れる。これは別に主人を殺そうとしているわけではない。
例として、「心臓に刺激を与える成分があるらしいから、人間の血に近い飲み物ができるかも」と福寿草を煎じたモノをためらうこと無くレミリアに飲ませたりする。吸血鬼には効かないことは分かっているようだ。

また、紅魔郷6面道中では、”1ボムでも潰さないと”と、攻撃を仕掛けてきたにもかかわらず、倒すと1ボムを置いていってくれるという、ドジっ子メイドの片鱗優しさも見せている。


レミリアのストッパーとしての役割もあり、紅魔館では意見できる唯一の存在。

レア物なら何でもコレクションにしたがるレミリアに対して、咲夜はレア物食材コレクターである。
喰えそうな相手なら人型でも調理しようとするらしい。
そのためか映姫には人間に対して冷たすぎると言われ、そのまま死ねば三途の川を渡り切れない可能性があると言われた。
つまり川底にある地獄行き。*1

主人のレミリアや主の友人パチュリーには敬語を使い、部下(?)の紅 美鈴にはやや命令口調。
他キャラに対しては、東方キャラ全般に言えることだが安定していない。
概ね初対面の相手には敬語が多いが、あまりにもムカついた相手には敬語が取れる(天子など)。

【能力】

◆時間を操る程度の能力
世界の時間を止めたり物体の時間を早めたり緩めたりできる便利能力。
咲夜は主に時間を止めている間に家事を済ませたり休息をとったりする目的で使用している。
ただし蓬莱山 輝夜のように時間を戻すことだけはできない。

自分以外の時間を極限まで遅らせたり完全に停止させることで、他者からは咲夜が光速を超えた速度で行動してるという感じになっているのが公式での解釈である。輝夜の場合は完全な停止ではない為、移動速度換算だと咲夜が最も速いことになる。
ようするに真の幻想郷最速称号持ち。
なお茨歌仙第35話で自身の能力について霊夢へ説明した際に「他人の時間の進みを止めるような器用なことは出来ないわ」とも語っていたが、
スペルカードの時計「ルナダイアル」は“時間停止領域を込めた時計を投げ命中した敵の時間を止め一方的に攻撃が可能な状態にしてしまう”
と解説されておりこれに関してはブラフか作者が設定を知らなかったか。
儚月抄第6話では短時間で作ったヴィンテージ物でレミリアやパチュリーと乾杯しており、やはり自分以外の時間も能力の対象にしている。

また時間を操る能力は空間を操る能力も兼ねていて、空間も多少いじることが出来る。
彼女はこの能力を使い、紅魔館のあちこちの空間を拡張している。故に紅魔館は見た目以上に中がかなり広い。
時符「トンネルエフェクト」や「デフレーションワールド」では時空に干渉して、投げたナイフの過去と未来を発現させる芸当まで披露している。

儚月抄では綿月 依姫を最も警戒させており、能力としてのポテンシャルの高さが窺い知れる。

総合的に本来なら神や大妖怪が持つような強力な能力で、それらを相手にしてもそのまま通用してしまうので人間としては完全に規格外である。デメリットなども特にないようだ。
~程度の能力という概念の初期に考案されたキャラな上に能力を多用するタイプなので少々バランスブレイク気味なところがある。そのためか後に出された書籍で「時間停止中は咲夜が無質量状態になるので他の物体に干渉出来なくなる」という設定が設けられるなどして調整されたりしている。設定上で無双出来てしまうと色々と物語が破綻してしまうので致し方ない事だろう。

また、空間や時空に作用させる能力の時点で仙術の一種であるらしく、仙人である豊聡耳 神子は輝夜の永遠の能力を解除できる為、恐らくこちらも解除できてしまう。
神霊廟で自機だったらピンチだったかもしれない。
なぜ只の人間である咲夜が仙術の一種を習得してるのかは分からないが出生に関係があるのかもしれない。

また、ナイフ投げも得意であり、その技術は二十間離れた場所にいる、頭上に林檎を載せた妖精メイド”額”に命中させるほど。
ナイフの腕は料理の腕に比例するらしく料理もかなり得意で、他のキャラからも絶賛されるほど。
この投げナイフを弾幕として使用している(ルール的には投げつけられればそれでいいため)。
我々の目には一瞬でナイフの弾幕が現れることになるが、咲夜からすれば止めている間にせっせとナイフを設置するという作業を黙々とこなしているのだ。
ナイフには数に限りがあるため投げ切ると時間を止めて回収しているらしい。

【出生】

幻想郷の生まれではないとの事。どうやって博麗大結界を越えて来たのか謎である。
求聞史紀において阿求は、彼女が元は吸血鬼ハンターだったのではと述べているが推測の域を出ない。*2
八意 永琳は彼女を見た時かなり驚いた反応をしたため、一時期、永琳と咲夜は過去に接点があったのではないかと話題になった。
しかし、両者の関係に対する設定が公式に語られることはなく、その後永琳が咲夜に対して「誰?」と言っていることから推測の域を出ていない。
東方儚月抄』が上記の設定のヒントになるとかなんとか言われていたけどそんなことは無かったぜ!!
というより儚月抄のせいで永琳の勘違い説まで浮上してきた。
仙術に近い時間停止系をただの人間が使うこととか、輝夜に能力が似ていた為に月の人間か何かかと思ってよく見たら人間だったことに驚いていたのだろうか?

ちなみに十六夜咲夜という名前はレミリアが与えたもので本名は不明。
由来は満月説が有力(咲夜を昨夜と読むと十六夜昨夜。十六夜の前夜は十五夜で、満月となる)。
『全世界ナイトメア』『不夜城レッド』などのスペルカードを持つお嬢様にしてはなかなかのネーミングセンスである。

【二次創作】

カップリング相手は多岐に渡り、レミリア、美鈴、魔理沙アリス妖夢、等々。
二次創作におけるキャラ付けがブレブレ
  • 上記(性格)にも書いてあるように完璧で瀟洒な従者という名のクールビューティ
  • 時間停止AVさながらの所業でお嬢様を愛でる変態駄目イドまで何でもござれの芸人枠。忠誠心は鼻から出る。
  • 原作以上にマイペースと天然で周囲の者たちを困惑させる
  • 虹龍洞で判明した趣味がアウトドア派をちなんだアグレッシブネタ

時止めは拡大解釈され、紫はおろか現状で最強のヘカTすら一方的に叩きのめす最強キャラになることも。

よく彼女はPAD長などと呼ばれるが、これは登場作品ごとに胸のサイズが違うため、胸パッドを入れているというのでは、というネタ。*3ただし現在では衰退傾向にある。
この設定を凄く嫌悪するファンもいるため使い所に注意。

妖々夢での八雲藍のセリフなどから「犬」要素を合わせたケモキャラ化も存在している。

出身が謎(紅魔のメンバー自体過去設定は特にない)、紅魔館唯一の人間(=寿命差)、月との関係性、自機、チート能力と二次創作し甲斐があるキャラのようで、シリアスからギャグまで登場が非常に多い。

彼女のテーマ曲であるルナダイヤルとフラワリングナイトをミックスしてアレンジした「ナイト・オブ・ナイツ」が有名になった事でも知られる。
Bad Apple!!でもそうだがアレンジ曲が原曲の知名度を上回るという逆転現象が起こっており、「十六夜咲夜のテーマ曲はナイト・オブ・ナイツ」という誤解も少なくない。
これの音MADが多数投稿されているためここから東方を知った者も多いのではないだろうか。

【余談】

なお、公式ではないものの東方Wikiでの人気投票では毎回TOP5以内で、第1位を経験したこともある。
第5回東方ニコ童祭の東方人気投票キャラクター部門でも第6位と、やはり人気は高い。

黄昏作品以外では、『花映塚』以降長らく自機キャラからは外されており、神主のメイドブームは去ったと思われていたが、
近年の作品の準レギュラーである東風谷 早苗や、咲夜と同じ永夜自機で『神霊廟』で自機復帰した妖夢にバカにされるネタなどもしばしば見られた。

しかし、『東方輝針城』で自機復帰が公表され、8年振りのSTG自機復帰が叶った。その瀟洒な姿を久々に見ることができた。




あー、追記・修正が進まない! お嬢様に怒られるじゃない!!

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最終更新:2025年10月25日 15:03

*1 もっとも、業が深すぎて天国にも地獄にも行けないといわれた霊夢よりはマシ…なのだろうか

*2 投げナイフ、時間を止める時計、と某悪魔城を連想した人は多い

*3 本編と黄昏作品とで立ち絵の絵師が違うため、胸の大きさが違うように見える