すばらしきこのせかい

登録日: 2010/06/16(水) 16:57:04
更新日:2024/01/18 Thu 21:56:45
所要時間:約 5 分で読めます




世界を変えたければ、自ら境界を越えろ。


画像出典:すばらしきこのせかい © 2007,2012,2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.


スクウェア・エニックスより2007年7月27日に発売されたニンテンドーDSのゲーム。

携帯ゲーム機のなかでも非常に好評価であり、『X-Play』では2008年度ベストゲームにおいて最優秀携帯ゲーム受賞。
また、最優秀オリジナルゲーム、最優秀ロールプレイングゲームの部門においてもノミネートされている。

あらゆる点において完成度の高いゲームだが、とりわけ高く評価されたのはBGMとDSの機能(二画面やタッチパネル)を上手く活用した戦闘方法。
BGMは本来ムービーを入れるはずだった容量を全てBGMに回すほどの気合いの入れ様。そのおかげで携帯ゲーム機であるのにその殆どにボーカルが入っているのである。
サントラに至ってはアレンジ版まで発売している。
にも関わらずED曲は版権上の理由からか収録されてない。いい曲なのに……。

戦闘は上下2画面が連動した戦闘「ストライドクロスバトル」を採用している。
下画面はタッチパネルを使い移動/攻撃し、上画面は十字キーを使ったコマンド入力によって攻撃を行う。
最大の特徴は、それを同時進行で行うこと
慣れるまではやや難しいが、慣れれば携帯機とは思えないほど爽快な戦闘ができる。


好評に付き2012年にはスマートフォンアプリ版が、2018年にはNintendo Switch版が発売された。
ニンテンドーDSの2画面を駆使したシステムの一部は再現不可能なため、戦闘を中心にゲーム性が変更されている。また追加要素としてグラフィックの一新やBGMのアレンジやシナリオの追加など手の込んだリメイクとなっている。


そして時は流れ2020年、もはや往年の名作となったこのゲームに突如2つの新展開が発表された。
一つは、2021年4月にテレビアニメ『すばらしきこのせかい The Animation』の放送。
携帯ゲームのアニメ化自体は度々あるが、発売から13年後のアニメ化はもちろん異例中の異例。このゲームがいかに根強い人気と支持を受けているかがうかがえる。

そしてもう一つは、Nintendo SwitchとPS4とPC向けの完全新作ゲーム『新すばらしきこのせかい』の発売。
そちらは当該項目を参照のこと。



■ストーリー
「7日間生き残れ! さもなければ存在した事実を抹消する」
渋谷の雑踏で目覚めた主人公ネクは、突如不条理なゲームの参加を強要される。「死神」が課す過酷なミッションと不気味なバケモノ「ノイズ」。
なぜ渋谷に閉じ込められたのか? 「死神」とは? 「ノイズ」とは?
無数の謎で塗り潰されたストリートにゲーム開始の時が迫る。


■登場キャラクター
※多少ネタバレ注意

桜庭 音操(サクラバ ネク)
CV:内山昂輝
「少し前の俺ならそう言っただろうな。だが今は違う。断る!」
本作の主人公で深刻な厨二病。常にヘッドフォンを付けている。
通称:ネク、ヘッドフォン、スパイシーツナロール
詳細はリンク先を参照。


美咲 四季(ミサキ シキ)
CV:鉢嶺杏奈
「私を殺さないで」
通称シキ。
ネクの最初のパートナー。猫の自作ぬいぐるみを持ち歩いており、戦闘でも使用する。
詳細はリンク先を参照。


桐生 義弥(キリュウ ヨシヤ)
CV:木村良平
「他人と触れ合うからこそ今までとは違う自分を発見できる」
通称ヨシュア。
ネクの二人目のパートナーであり物語の重要人物。
詳細はリンク先を参照。


尾藤 大輔之丞(ビトウ ダイスケノジョウ)
CV:木村昴
「ボヤボヤすんなよ!」
通称ビイト。
ネクの三人目のパートナー。大雑把な性格。
詳細はリンク先を参照。


来夢(ライム)
CV:生天目仁美*1竹達彩奈KINGDOM HEARTS 3D以降)
「ほら『急がば回れ』って言うでしょ」
ビイトのパートナー。


八代 卯月(ヤシロ ウヅキ)
CV:新井里美
「私は仕事がしたいの!」
ネク達が初めて出会う死神であり、カリヤとよく行動を共にしている。
詳細はリンク先を参照。


狩谷 拘輝(カリヤ コウキ)
CV:勝杏里
「自分のペースでやれば良いのサ」
ウヅキとよく行動する死神。
よくイライラしているウヅキをなだめている。
詳細はリンク先を参照。


東沢 洋大(ヒガシザワ ヨウダイ)
CV:高橋研二
「スパイシーツナロールにしてやる!」
死神ゲームのゲームマスターの一人。
体格はゴツくでかいが、ゲームマスターとしての能力は高い。
左右の目の色が違い、右が白、左目が黄色。
体格の割に料理が得意でよく料理用語を使う。
対戦時は『オウィスカンタス』へと姿を変えて戦って来る。


南師 猩(ミナミモト ショウ)
CV:藤本隆行
「サイン! コサイン!! タンジェントォ!!!」
死神ゲームの(ry
見た目のわりに実際は頭脳派で数学用語をよく使う。
対戦時は『レオカンタス』に変身して戦う。
ファンからは「ゼタ様」というあだ名で愛されている。
詳しくはリンク先を参照。


虚西 充妃(コニシ ミツキ)
CV:生天目仁美
「ずっと一緒にいたのです」
死神(ry
知能はもちろん能力や協調性もかなり高い。
しかし、実際は自分が良ければ他人はどうでもいい、という性格。鉄仮面女。
対戦時は『ティグリスカンタス』に変身し戦いを挑んでくる。


北虹 寵(キタニジ メグミ)
CV:白熊寛嗣
「コン↑ポー↓ザー↑」
死神を束ねる指揮者を勤める人物。
死神の中では自称・最高のステータスを持っている。
常にサングラスをしており、通称グラサン。
『アングイスカンタス』『ドラゴカンタス』に姿を変えて決戦を挑む。


羽狛 早苗(ハネコマ サナエ)
CV:古館寛治
「『全力で今を楽しめ』」
豆が好きだから、と開いた喫茶店ワイルドキャットの店長であり、ヨシュアと同じく物語の重要人物。
詳細はリンク先を参照。


因みに死神の名前にはそれぞれ
卯月=卯
狗輝=犬
洋大=洋→羊
南師猩=師+猩→獅→獅子→しし→猪
虚西充妃=寅→虚の上部分+充の下部分→虎
北虹寵=巳と龍→虹の虫+寵のウ冠+北からヒ→蛇、寵のウ冠を取って→龍
羽狛早苗=狛+苗→猫
尾藤大輔之丞=輔→車→申
と、動物の文字が入っている。




■各種システム

  • 戦闘システム
戦闘時は下画面でネクを、上画面でパートナーを動かす。
下画面での攻撃は事前にセットした『バッジ』を使用してサイキックで攻撃を行う。
バッジにはそれぞれ効果と発動条件があり、敵をスラッシュしたりタッチしたりして攻撃するものやセットしているだけで効果が有るものもある。
移動にはネクをタッチしてスライドさせれば良い。
上画面のパートナーの操作方法は十字キーの左右で攻撃する方向を決めてその後のキー追加でコンボが増えていく。
最後まで入力するとフィニッシュ技が出る。
移動は出来ないがジャンプやガード(回避行動)で回避は可能。
またパートナーによって攻撃能力が異なる。

上下画面という概念の無いスマホ版やスイッチ版では、パートナーはバッジに近い扱いとなる。
また、戦闘の進行によって必殺技が使用可能。後述するステッカーによって上限レベルが上がる。
それに応じてパートナーとの距離感も変わっていく*2
なお、デフォルトのドロップレートは近年のガチャかと言いたくなるくらい低い。そこで活躍するのがレベル操作である。
自身のレベルを好きなだけ下げることで、下げたレベル分をドロップレートに乗算できる。10%なら10レベルダウンで100%である。
レベル操作はメニュー画面でいつでも実行可能。もちろん戻すのも自由。


  • バッジ
戦闘で使用する武器に当たるアイテム。
イマジネーションが込められたバッジで、適格者が持つとサイキックが発動できる。
主人公のネクはあらゆるバッジに適性を持つが、他はそうでもないので使えないバッジをくれたりする。
セットしておける数には上限があり、ステッカーを入手することで増える。また、別のステッカーで高難易度を解放すると、より高度なものを入手できたりもする。
戦闘中に使用回数を使い切ると再使用までに何秒か時間がかかる。バッジによっては戦闘開始から使用するまでに時間がかかるものや回数を使い切ると使用不可になるものも。
もっぱら敵を倒すことで入手でき、処分することでお金に変えることもできる。換金専用バッジもある他、特定のバッジが店での交換条件になっていることもある。
経験値とレベルが設定されており、経験値を稼ぐことで性能が上がっていく。また、特定のレベルになると別のバッジに進化する場合がある。
レベルを最大まで上げるとマスターバッジとなる。店での交換にはマスターバッジしか使えない。
経験値にはバトル・シャットダウン・アクセスの3つがあり、シャットダウンはゲームをプレイしていない状態で、アクセスはすれ違い通信が発生したりすると獲得できる。
この3種の経験値はバッジの進化にもかかわっており、進化レベル到達時にどれが一番多かったかで変化する*3
バッジによっては非常に面倒な進化条件だったりするので注意が必要。
すれちがい通信ができないプラットフォームでは、バトルとシャットダウンの比率が特定条件下になるとアクセスに相当する進化が発生する。


  • ステッカー
いわゆるパッシブ枠。特定のバッジと交換で入手できる一品物。
取得することで様々な能力が解放されていく。

  • 衣装
本作の防具・アクセサリに当たるアイテム。
頭・シャツ・ズボン・靴・その他からなり、各部1ずつ、最大で4つ装備できる。
装備するにはBRAVEという値が必要で、装備に割り当てられた値をキャラの値が超えていないといけない。
女性物は必要BRAVEが多い。逆に言えば、BRAVEさえあれば女装も可能。ただし、町中やイベントでは反映されない。残念である。
ショップで買い物を繰り返して店員と仲良くなると隠されたアビリティを教えてもらえるようになる。


  • トレンドシステム
舞台・シブヤらしいシステムの一つ。
バッジや装備にそれぞれブランドがあり、同じブランドの物の使用しているとそのマップの流行度があがっていく。
流行度が上がると1位は2倍、2位は1.5倍、3位は1.2倍、最下位は半減する。
ブランドは全14ありそれぞれバッジデサインや装備品のアビリティーが異なる。
また、ムース・ラットゥスの装備品なら安価で低スペックなど、概ね傾向も決まっている。
内12のブランドには、十二支が取り入れられている。
十二支順に、ムース・ラットゥス、D+B、ティガー・パンクス、ラパンA、D・クチュール、ヒップ・スネイク、ペガッソ、シープ・ヘブンリー、JPオブザモンキー、パーボ・レアル、ナチュラル・パピィ、ワイルド・ボア
そしてガティートとどれにも属さないノーブランドがある。


  • スキャンシステム
今作では基本的に一般人と会話出来ないのだが、スキャンバッジをタッチすると彼らの思考を読み取る事ができる。
シナリオの謎解きのヒントから、ごく日常的で他愛ないものまで様々。
またこのスキャン状態でノイズシンボルをタッチすることで戦闘が開始する。
ステッカーの取得により、複数のシンボルをタッチすることで連戦に挑むことができる。
連戦をすると連戦数がドロップレートに乗算されるため、バッジ稼ぎにはとても重要。


  • 食事
ドラクエにおける種シリーズ。
使用して戦闘を繰り返すと消化され、そこでステータスアップが発生する。
普通に店で売っているのでやろうと思えばいくらでもドーピング可能だが、リアル時間で1日の間に食べられる量に制限あり。
BRAVEを上げる唯一の手段であるため、人によってはその手の食事ばかりの偏食となることも。
キャラによって好みがあり、アイテムを与えた際のセリフで判別可能。好みのアイテムだと必殺技ゲージが増える。


  • マーブルスラッシュ
略称はマブスラ。作中のミニゲームで、勝つと貴重なバッジが手に入る場合も。最大で4人同時対戦可能。
おはじきの要領で、方向と強さを決めてバッジを他のバッジにぶつけ、フィールドから叩き落すなどしてポイントを稼いでいく。
フィールドから出てしまったバッジは戦闘不能となり、手持ち全てを失うとそこで戦闘継続不可能となる。ただし、墓石を操って他のプレイヤーの邪魔をすることができる。
また、十字キーの各ボタンには技が設定されており、攻撃技を当てることで相手をスタンさせることができる他、ポイントも獲得できる。
技には相性があり、技同士がぶつかった場合、不利な方のみがスタンを食らう。
イベントによっては一人でいくつものバッジを使う人もいるが、普通に同士討ちをする。リアルに見たらただの阿呆である。



数えきれないこの項目の不幸を断ち切るために
この追記、修正の光を
さすればここは幸福な項目となる
すなわちそこはすばらしきせかい

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最終更新:2024年01月18日 21:56

*1 虚西充妃役との兼任

*2 最初は共通のターゲットめがけて勝手にやるという感じだが、Lv.3になると協力して相手を攻撃する形になる。また、発動時のカットインも、お互いそっぽを向く→お互い正面を向く→向かい合う、という形に変化していく。

*3 バトルは最も獲得しやすいため、他の経験値の1/9で計算される。