ミキサー大帝

登録日:2013/07/12 Fri 00:00:05
更新日:2025/03/05 Wed 20:09:21
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キン肉マンパワー

分離終了!!


ミキサー大帝とは『キン肉マン』に登場した超人。
なんとあのキン肉マンに勝利した地上最強の超人である。






















     *      *
  *     +  (部分的に)うそではないです
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *










プロフィール

所属:残虐超人(機械超人)/飛翔チーム
出身:日本
年齢:20歳
身長:245cm
体重:700kg
超人強度:5900万パワー/700万パワー*1
声優:川津泰彦



概要

『キン肉マン』旧シリーズの最終章【キン肉星王位争奪編】において、飛翔チームの中堅として初登場。
体重がやたらと重く、重量級として知られるマンモスマンビッグ・ザ・武道などより重い。
ホークマンとマリポーサと除く飛翔チームの3人は無機物の機械ばかりで全体的にヘビーウェイトである。
天上界までキン肉マンの超人強度を勢いよく飛ばしてるから飛翔チームとか何とか…

元々は裕福な一般家庭から夢の島に棄てられたミキサーのスクラップから誕生した付喪神的な超人。
小説『ディープオブマッスル』での描写では最後に飛翔チーム入りしたメンバーで、同じく貧富の差により世間から『捨てられた』マリポーサの考えに共感し主君と仰ぐ。(原作にとの程度反映されているかは現状不明である)
笑い声は「ハーハーハー」
『大帝』を名乗っているが何故かは不明。単なるリングネームかも知れない

日本出身という事でか歌舞伎っぽい隈取りペイントが施されている。
額にはどこぞの野菜王子の様に『M』(Mixer、ただし向こうではブレンダー(blender)でも意味は通じるらしい)
ブレンダー大帝。
額に文字がある超人はこの時点だと結構久し振りだったりする(スプリングマンと合わせるとSM)

キン肉マンに対しては強豪超人を次々と倒した火事場のクソ力がやがて神の力を越える事を危険視する邪悪神と同じ視点と見解で、パワーを分離しようと目論む。

「いよいよあれをやるのか」「いつ見ても素晴らしい」「なん年ぶりだろう」など、チームメイトの能力を周知し付き合いの深そうな発言が多いマリポーサが唯一その真価を把握していなかったらしく、その辺りの描写から対・火事場のクソ力キラーとして1回戦で当たる飛翔チームに邪悪神が結託してあてがったメンバーではないか?という考察がファンの間ではされている。

ホークマンがキン肉ドライバーでKOされた際「なんだマリポーサ様の前でその醜態は!立て!立つんだー!」と檄を飛ばし、マリポーサにあの技を受けて立つのは無理だと嗜められている。
この台詞については地味に解釈が割れており、マリポーサへの忠義に厚くチームメイト間の関係も良好そうな描写が散見された飛翔チームなので「お前ほどの男がマリポーサ様の前で、これしきの事が倒れる訳がない。立つんだ!」という必死の激励とするか、キン肉ドライバーの威力や彼我の戦力差も分からない傲慢な盆暗でチームメイトを罵倒しているかの2通りの受け取り方が存在する。
…作中の他の言動が小悪党然としているので後者じゃね?とはよく言われ、この項目でも当初はボロクソに詰られていた。

かき混ぜるミキサーの筈なのだが真逆の能力な事で有名。遠心分離大帝。





作中の活躍

団体戦故登場後はリングサイドで観戦に回っていたが、その中で先鋒ザ・ホークマン、次鋒ミスター・VTRを次々と破り、5000万以上のメンバーばかりで構成されたチームメンバーが何故95万パワーのキン肉マンを倒せないのか…と2連敗に頭を抱えるマリポーサへ、その原因はキン肉マンの「火事場のクソ力」であり、まずは直接KOすることよりパワーを奪う事が鍵であると所見を述べる。
この時、マリポーサは大帝の能力を知らず、大帝も火事場のクソ力がいずれ邪悪の神々の1億パワーを越える事についての懸念を訴えているので、飛翔の神ないし邪悪の神々が手ずから用意した人員ではないかと言われている(後のプリズマンと同じ経緯)
そんなこんなで会話の肝である(キン肉マンの火事場のクソ力を奪うなんて)「できるのかそんな事が?」と尤もな疑問を振ったマリポーサに対し「イエースこの私にはね」と軽妙な営業トークで自分を売り込み、能力のデモンストレーションを行う。
その内容は自分に懐いていた子犬をパワー分離器のミキサーに放り込み体に傷一つつけずに骨だけを分離させて排出するというもの。(大帝曰く、ミキサー内に残った犬の体がそのままキン肉マン、分離させた骨が火事場のクソ力)
この所業には流石のマリポーサも冷や汗を掻いてドン引きしており、勝利と引き換えに子犬を助けた事があるテリーが見ていたら、真っ先にブチ切れていたかもしれない…
アニメでは流石に残酷すぎたので巨大なコンクリの柱をこ米俵のように肩に担ぎながら「トゥアーッ!」とリングインし観衆のド真ん中で鉄棒とセメントに原材料別まで戻して分離させるというどこぞのスタンド使いのような凄まじい能力と観客にも懇切丁寧なパフォーマンスになっている。この場合はセメントがキン肉マン本体、鉄の棒が火事場のクソ力らしい。ちなみにセメントはご丁寧に袋に包まれた状態で出てくる。*2
これを平和的に利用すれば環境や資源再生などでさぞかし世の中の役に立つ事だろう。

アニメではこの通り動物虐待が無いのでマリポーサも平静を崩さす「見事な技だ」と称賛し、打倒キン肉マンの使命を託す。

「ミキサー大帝、パワー分離機の必殺技、とくと見物させてもらう」

「お任せを…!」



そして試合開始直後にキン肉マンをミキサーに放り込みパワー分離器を始動。
火事場のクソ力が予想以上に強大だったため分離しきれず負担がかかり苦痛を訴えるが、「打倒キン肉マン」という目的を共有する5王子が結束。
マリポーサ・フェニックスゼブラビックボディ・ソルジャー(←この時はまだ本物のソルジャーアタルではない)の5人がミキサー大帝と合体し邪悪友情パワーを発動。
こうして五柱の神々の力も借りることで遂に火事場のクソ力の分離に成功する。

火事場のクソ力が邪悪大神殿に封印されたことを確認し5王子は分離、解散したが、その後の邪悪大神殿からの報告で、7000万パワーと思われていた火事場のクソ力が6905万パワー分しか封印されていないことが判明。
残る95万パワー分(本来の超人強度)を持ったキン肉マンは『超人墓場』に飛ばされていた。ウォーズマンの助けで超人墓場から脱出し、なんとか試合に復帰。
試合再開するが、キン肉マンは前二戦のダメージに加え、超人墓場の脱出で体力を極度に消耗し、もはや立つのがやっとの状態。
それでも必殺のキン肉ドライバーをかけられるミキサー大帝だが、口笛をピィーっと吹いてミスターVTRに合図、その状況予測装置によればこの状態でも95万パワーをフル回転させる事によってKO必至の映像が表示される。
そこで最期の力を振り絞ったミスター・VTRが予測装置の編集機能でKOされる瞬間のフィルムを切る事で強制的に不発にさせるという超絶チート機能が飛び出し、一瞬の暗転の後にエルボードロップを叩き込みキン肉マンをKO。
疲労が一気に出てしまったキン肉マンは立ち上がれず、ミキサー大帝が勝利した

「あーっと!悪が生き残ったーーっ!」

しかしこの試合中にキン肉マンによってミキサー基部のネジを一本抜かれてしまう


続く対戦相手はなんとミートくん

小柄で実戦経験の無いミートを嘗めまくり試合開始前から勝利宣言するなど調子に乗りまくっていたが、正義超人達のテクニックを見続け取り込んできた彼の戦法に翻弄され、予想外のダメージを負う。
キレてようやく本気になりミートをボコってミキサーに入れようとしたが、その身軽さで脱出され閉門クラッシュでミキサー部分を潰されてしまう。
そして最期はミートが最も好きな技であるバックドロップを受け、ネジが抜かれ脆くなっていた体がバラバラになり敗北した。

最終的な末路はともあれ火事場のクソ力を封印するという邪悪神全体の最優先任務は遂行し、キン肉マンはシリーズの最終盤まで苦しむ禍根となるなど物語の大きなターニングポイントと功績となった。
しかし邪悪神5人と結託し寄ってたかってキン肉マンを亡きものにしようとする卑劣な行いに、それまでは参謀や幕僚長の肩書きや立場から中立の立場でキン肉マンを見守る事に徹していたテリーマンとロビンマスクが激怒し、救援に駆けつける事を決意させるなど当初は5VS2で勝利も同然だった飛翔チームとしては敗北に繋がる一手だった事も否めない。


・総評

キン肉マンの他の主だった敗戦といえばシシカバブーやキングトーン、修行前のカメハメなど初期のダメ超人時代の敗戦が多く、数多くの試合経験を積んだ文字通りの強豪超人としてのキン肉マンを倒した数少ない超人。
その評価はまさに三日天下、一瞬の栄枯盛衰
今や最強クラスの超人となったキン肉マンに勝利しながら、試合経験の無いのミートに敗北したことで「最大の名誉不名誉を得ることとなってしまった。

しかもキン肉マンへの勝利も
  • キン肉マンは(団体戦なので仕方ないが)直前の二試合で負傷し、超人墓場の脱出で極度に体力を消耗していた
  • 5王子(邪悪五神)の協力がなければ火事場のクソ力を分離できなかった
そして超人墓場からキン肉マンが復帰した後も
  • ミスター・VTRの助けがなければキン肉ドライバーでやられていた

などなど、お世辞にも自力で勝ったとはいえない試合内容で、事実上の7vs1である。

チームという枠組みすら無視して結託した邪悪神とミキサー大帝の行いに、超人委員会に役職を持ったためにキン肉マンに加勢できず当初は中立の立場で見守っていたロビンマスクテリーマンも、あまりの不公平さ・卑劣さに加え、超人レスラーとしてのプライドを侮辱したも同然の最早超人レスリングですらないこの一方的な公開リンチにブチギレ。双方肩書きを捨てて駆けつけている。これがなければ100トンがミートを嬲り殺しにしてそのまま飛翔チームの勝利だった可能性が高い。
キン肉マンとしては誰の手も借りてはいけない過酷な3連戦、邪悪5神やVTRも総動員されての敗北だったのだがやはりミキサーに負けたという事実は重いのか、公式ブック『77の謎』では「言い訳不可能」「永遠に残る大失態」などと、被害者であるキン肉マンの方がボロクソに言われてしまっている。ヒデェ。*3もう少しこう何というか、手心というか…

そして、公式戦こそなかったものの、セコンドとして多くの試合を見て、正義超人たちの試合を間近で目の当たりにしてきた経験から技を吸収してきたミートくん*4が思いのほか強く、必死に繰り出したトラースキックの乱射はロビン仕込みのスウェーで避けられ捕まえようとすれば体格差で足元を取られるなど、格ゲーの小柄な愛されボディキャラがいかに厄介かを示すかのような試合となってしまった。


しかし、キン肉マンはミキサー大帝との一戦で火事場のクソ力を失ったことで、単なる弱体化に留まらず急激に増した心臓への負担によって決勝戦ごろには命を危ぶまれる事態となった。
このことからミキサー大帝が「王位争奪編」の流れに大きな影響を及ぼしたことは間違いなく、やはり物語のキーパーソンとなった重要なキャラクターには違いないだろう。

ちなみにアニメ最終回では、原作では身内だけ蘇生させていたキン肉マンのフェイスフラッシュが王位争奪戦に参加した超人全般に拡大され、当然その一人として復活している。
上述の通りアニメ版の分離機は普通に世のため人のために役立てられる能力なので、こちらでは健やかに過ごして欲しいものである。


必殺技

パワー分離機
ミキサー大帝の最大唯一のフェイバリット。誇張なしにコレだけである。
胴体のミキサーに対象を放り込み肉体とパワーを切り離してしまう技。
キン肉マンの場合は火事場のクソ力が強大だったため肉体と火事場のクソ力を分離されるだけで済んだが、普通の超人だと跡形も無く消滅させられてしまう。
このミキサーだが分離するばかりで本編劇中では一回も物を混ぜたことは無い
名前がミキサーなだけでやってる事は遠心分離機(そもそも技名もパワー分離機で明らかに遠心分離機の方を想起させる)だった。
原作では体当たり一撃でキン肉マンはミキサーに放り込まれるのだがアニメではちょっと粘り蓋に取り込もうとする大帝との攻防が展開され、最終的にダウンしたキン肉マンに匍匐前進で詰め寄り横向きにミキサーにブチ込むちょっとホラーな演出になっている。
原作では1度目が体当たり1度でパワー分離機→2度目が開始直後にキン肉ドライバーという流れでいつネジを抜く暇があったんだという話になるので、そのあたりの辻褄合わせのためだと思われる。

トラースキック
足裏でキックするプロレス技、大帝はミキサーに手足が生えただけのズングリボディなのだが片足立ちで機敏に連続蹴りを見せている…が、ミートくんのロビン仕込みのテクニックに避けられてしまう。



余談

  • マリポーサは飛翔チームのチームメイトとは旧知の仲(ぬすっとジョージ時代の泥棒仲間?)と思わしき発言が多いが、ミキサー大帝だけはその能力や人となりをあまり把握していない様子だった。
    一説では、キン肉マンの火事場のクソ力を封印する為だけに邪悪の神が呼び寄せた(創り出した?)刺客なのではないかとも言われている。
    後に知性チームのプリズマンが知性の神によって創られた超人である事が判明しているので、有り得ない話では無いだろう。
    劇中では初戦でキン肉マンチームと当たったのがたまたまマリポーサのチームだったと言うだけで、もしも他のチームがキン肉マンと当たってたら、そちらの方にミキサー大帝はねじ込まれたのかもしれない。

  • 作者のゆでたまご氏によれば「ミートくんが戦うところを一度は描きたかった為、どうしてもキン肉マンを負かす必要があった」が、「昔ならともかく、強くなった今のキン肉マンをどうやって負かすか悩んだが、キン肉マンにとっては初の(インターバルなしの)連戦(なので個人の勝ちよりもチームで勝つことの方が大事)なので、ドラマチックな負け方でなく、なんて事ない奴にあっさりと敗れてしまうのもありだろう」という事でこの展開となったらしい。
    なお、テリーとロビンの参戦も最初から決めていたとの事。

  • カップヌードルの45周年記念にゆでたまご氏が書き下ろしたカップヌードル大帝というキャラが発表され、実際に着ぐるみも作られたのだが、どう見てもミキサー大帝のミキサー部分をカップヌードルにしただけである。

  • 後年連載された完璧超人編では、本人は登場しないもののキン肉王宮のスグルの私室に過去の思い出の品々に混じって例のネジがミキサー大帝の写真と一緒に飾られている様子が確認できる。(38巻参照)。
    キン肉マンの苦い敗北を忘れぬ教訓、あるいはミート君が主のリベンジを果たした功績の印としているのかもしれない。

  • 石原まこちんによるスピンオフ漫画THE超人様にまさかの登場。ビッグ・ボンバーズプリプリマンがダベっているファミレスのドリンクバーの容器としてまじめに働いていた。
    カナディアンマンがミックスジュースを新しく作らせたという描写があるため、ちゃんとミキサーとしても使える事が判明した。
    なおこのファミレス、過去にジェロニモが『アパッチのおたけび』で窓ガラスにひびを入れたり、キング・ザ・100tが来て床が抜けたことがあるらしい。

  • 学研の図鑑により、他のチームメイトと共にマリポーサの発言通り5000万パワー以上あることが明らかになったが、ミキサー大帝の場合はそのために数値に見合わない弱さがよりネタにされるようになってしまった。



追記・修正はパワー分離機で相手の肉体とパワーを切り離したり、超人墓場から戻ってからお願いします。

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  • 虎の威を借る狐
  • 人の褌で相撲を取る
  • ミートに負けた超人
最終更新:2025年03月05日 20:09

*1 旧設定。

*2 これだけに限らず、ブロッケンJr.に身代わりにされたレフェリーやスプリングマンに電流に投げ飛ばされたウサギ、決勝戦のブルーサンダーなど、か弱い小動物や一般人に厳しい描写はアニメでは大抵マイルドな表現に変更されるかカットされる。

*3 『77の謎』の著者はよほどのミキサー大帝推しなのか、やたら彼を擁護する記述が多い(本項目が貶しすぎなだけとも言える)

*4 ミートくんの超人強度は50万パワーと、小柄な割に正義超人からすればそこそこの水準。加えて公式ブック『77の謎』でスーパーフェニックスからも「ミートくんには格闘技の才能もあるのかもしれない」と太鼓判を推されている。