バイオハンター・シルバ

登録日:2011/07/11 Mon 16:54:18
更新日:2025/03/04 Tue 11:13:24
所要時間:約 5 分で読めます





※推奨BGM:「超電子バイオマン


恐ろしい奴がやって来た。

バイオ粒子を持つ者全てを
破壊するためだけに作られたロボット。

奴は……
バイオハンター・シルバ!

超電子バイオマン!

殺し屋シルバ!






バイオ粒子反応あり!破壊!

破壊!破壊!破壊!




バイオハンター・シルバとは、東映の特撮TV番組である『超電子バイオマン』第37話「殺し屋シルバ!」から登場するロボットである。


CVは後に『星獣戦隊ギンガマン』で剣将ブドーの声を演じる林一夫氏。
スーツアクターは副官ブーバやボー・ガルダン、ドクター・アシュラ/毒島嵐を演じ、スーパー戦隊シリーズの様々なキャラクターのアクターを務めた岡本美登氏。

専用BGMは「白銀の狩人」。めっちゃかっこいい曲なので是非とも一度聞いていただきたい。



【データ】

身長:192cm
体重:139kg
ジャンプ力:30m
走行速度:100mを7.5秒



【殺し屋シルバ!】

かつてバイオ粒子を危険視し、「バイオ星平和連合」と対立して結果的にバイオ星を滅ぼしてしまった「反バイオ同盟」が切札としてバルジオンと共に製作したロボット。
バイオ粒子を根絶することが使命で、バイオ粒子反応を確認するとそれが生物・非生物を問わず破壊する。
バイオ粒子の平和利用と可能性の模索為に開発されたピーポとは対極、アンチピーポと言える。

デザインを担当した出渕氏によると、デザインモチーフはキカイダーの好敵手として有名なハカイダーである。



【性格】

冷酷かつ尊大で何より自分勝手。
自分の任務を阻む者は例えバイオ粒子反応がなくとも躊躇いなく攻撃する非情さの持ち主。
メイスンとの一騎討ちの際に相手を称える発言などもしていたが、初登場時にバイオ星の悲劇を繰り返さないように説得するピーボの言葉に耳を貸さず任務続行のため破壊を振りまくばかりか、勇気を振り絞って立ち向かった彼を終始小馬鹿にするなど、基本的に他者を見下す傾向にある。

そして突然現れて一方的に戦いを挑んできたかと思えば自分の都合が悪くなった途端「今はお前達の相手をしている暇はない!」と言って立ち去る。
ちなみに不利になった場合は「くそう…バルジオンがあれば…」とボヤいて去る。
癖なのか、しばしばバイバスターで肩を叩く仕草をすることが多いが、これが相手を小ばかにしているようにも見える。

このように優れた容姿と設定が与えられているが、正直言って非常にウザい。

シルバはどうしてこうウザイのかというと、シルバはあくまで反バイオプログラムでしかないからである。
その為、バイオ反応があれば現れて破壊しようとするので上記の行動を繰り返したと思われる。
ピーボの説得の時も「破壊、破壊」と会話すらできていない状態だった。
まさにバイオ星の戦争が生んだ負の遺産と言える存在なのだ。



【能力】

上記の身体スペックに加えてHSV合金製の堅固な装甲、400m先のバイオ粒子反応を探知する眼のセンサーを持つ。
長距離を移動する際には銀色に光る星になって空を飛び何処にでも現れる。
その戦闘力は極めて高く、0.03秒という脅威の抜き撃ち速度と高い命中率を誇る銃の腕前でバイオマンやギア(とビデオ合成の費用)を苦しめた。
これらの能力によってバイオ星での戦争では多くのバイオ星人やロボットが犠牲となった。

そしてその頭脳にはあらゆる武器や兵器のデータがインプットされていて、本来ビッグスリーしか操縦できない筈のネオメカジャイガンを強奪後易々と使いこなした他、新帝国ギアに捕まって脱走する際に破壊した腕が直っていたり囮の為にメカ人間・プリンスの複製を作製したりと技術力も高い。
そのスペックはドクターマンすら初めて見た際は絶賛し、「なんて素晴らしい奴」「あんな部下が欲しいものだ…」とビッグスリーの目の前で皮肉も込めて呟くほどだった。


装備

  • バイバスター
反バイオ粒子のビームを発射する拳銃型の黒い光線銃。シルバのメイン武装。
かつて初代イエローフォーを葬ったバイオキラーガン以上の威力を備え、上記の銃の腕前と合わせて脅威となる。
平時は右腰のホルスターに収納する。

  • シルバニードル
戦闘時に両肘から伸びて展開される鋼の大きな棘。
一撃でメカ人間を貫く威力があり飛び道具として弾丸の如く射出も可能。肘から飛び出す性質上奇襲性にも優れる。
刺突以外にも、トンファーの如くニードルを叩きつけてダメージを与えたこともあった。



バルジオン


バイオ粒子反応あり!宿敵バイオロボを倒せ、バルジオン!!

全長:51.3m
重量:1270t

反バイオ同盟がシルバと共に造り上げた巨大戦闘ロボット。48〜50話に登場した。
シルバとコンビを組んでバイオ星の戦争で猛威を奮い、バイオ星脱出後もシルバを乗せて宇宙を放浪していたが地球の大気圏に突入した時のショックでシルバとはぐれてしまった。
シルバの命令を優先するとはいえ誰でも操縦出来る為、終盤ではこのバルジオンを巡る戦いが物語の主軸となった。


装甲は特殊金属バルバジウムで構成され、その強度はバイオロボの装甲材質であるジルバイオンに匹敵。バイオロボの後半における必殺技・バイオ粒子斬りも通じない程の堅さをも持つ。加えてマッハ3で空を飛ぶ。
武装は
  • 必殺剣「バルジオンメーザー」
  • 左腕に固定された強固なシールド
  • 胸部装甲を展開して発射する「反バイオ粒子砲」
バイオロボと比べるとかなり少ないが、どれも非常に強力な威力を持つ。
特に反バイオ粒子砲は非常に高い威力と連射性を兼ね備えた強力兵器であり、バイオロボをあと一歩まで追い詰めた。
更に強力な反バイオ粒子をエネルギーとしているため周囲には強烈な反バイオエネルギーの力場が発生し、存在するだけでバイオロボやバイオマン達に多大な悪影響を及ぼしてしまうという点でもバイオマン達を苦しめている。

「アンチバイオロボ」としてデザインされているので、その姿は悪役然としながら何処かヒーローのロボットのよう。



【劇中での行動】

バイオ星消滅の際にバルジオンに乗って脱出し、バイオ粒子反応を求めて500年もの放浪の末に地球にやって来た。
大気圏突入のショックでバルジオンとはぐれてしまい、周囲を省みずに探していたがバイオロボが地球にいることを知り、37話でネオメカジャイガン・カノンメガスを強奪、バイオ粒子を感知してバイオマンに戦いを挑んできた。

バイオ星の戦争での彼の恐ろしさを知るピーボは、シルバが地球にやって来た当初は非常に恐れていた。

その後も突然現れてはバイオマン、新帝国ギアに攻撃を仕掛け、両陣営を引っ掻き回した。

48話で遂にバルジオンと再会、バイオロボを追い詰めたがモンスターの最期の悪足掻きによって南極のネオグラードへ連れ去られてしまった。

50話でバイオマンがネオグラードに攻めいった隙にバルジオンを取り返そうと企み、ビッグスリー最後の1人となったメイスンとの決闘の末にこれを倒してようやくバルジオンを取り返した。


強力な反バイオ粒子砲でバイオロボを撃破寸前まで追い詰めたものの、ピーボと合体してパワーアップしたバイオロボのバイオ粒子斬りでバルジオンは爆発、脱出したシルバも致命傷を負ってしまった。

しかしそれでも戦いを止めようとはせず、「バイオ粒子反応あり、破壊、破壊・・・」と怨念のごとく呟きながらバイバスターを握り絞めて向かってくるも力尽きて爆発、遂に最期を遂げた。

その姿は、レッドワンが称するように、まさしく最期まで戦闘ロボットであった。



【ゲスト出演など】

  • SDバトル大相撲
戦隊部屋の悪役力士*1として登場。
ピンチになるとバルジオンに乗り込んでパワーアップする*2

ちなみにバイオマン(バイオロボ)は出てこない。


  • AZITO2
新帝国ギアの面々を差し置いてバイオマンの敵として登場。
バルジオンも出てこないので、死亡すると「バルジオンがあれば」といつものようにぼやく。




以下、ネタバレにつき閲覧注意





























俺はライダーハンター・シルバ!

ライダー粒子反応を示す者は、全て破壊する!

何がライダーハンターだ!?

ライダー粒子反応あり!破壊!破壊!破壊!




映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』でまさかの復活。
映像作品への登場は『超電子バイオマン』以来、実に27年振りで、バイオマンファンを歓喜させた。
再登場した戦隊の悪役幹部は彼が最古参である。*3

本作では“ライダーハンター・シルバ”として仮面ライダーを付け狙う。
オリジナル同様、林一夫氏が声を担当する。スーツアクターは近年だと立神吼で知られる横山一敏氏に交代しているため随分とガタイが良くなっている。
大ザンギャックとしてライダー粒子を示すものをバイバスターで生命体、非生命体を問わず破壊し、カニレーザーとのコンビでスーパーヒーローを苦しめる。この能力を使いゴーカイレッドに協力して次々と仮面ライダーを襲っては倒していった。(序章の段階でまだ仮面ライダーではないシンさんにはライダー粒子反応がなかった可能性が高い。)


残念ながらバルジオンは登場せず。


その実体は戦隊、ライダーの双方を抹殺する戦隊ライダーハンターであり、ライダーハンターだったのは大帝王マーベラスを欺くお芝居だった。
さらには全ライダーと全戦隊を全滅させることにも成功する。
「ライダー粒子反応、戦隊粒子反応、共にゼロ…!」(なお、こんなことを言っているがすぐ近くでドンさんが生きている。変身していないと粒子反応を確認できないのだろうか。)

その後は両組織の母艦を合体させた最恐最悪の破壊兵器・ビッグマシンによる地球の大破壊を目論んでいたが、完全に担ぎ上げられたマーベラスは同じ境遇だった門矢士と密かに協力。
全ライダーと全戦隊を一時的に異空間へ封印する形で彼らを欺いていたのだった。
そもそも彼らは2人に最初から信用されておらず、逆に騙されていたことに気づかず、呆気なく計画は失敗。

そして復活した仮面ライダーとスーパー戦隊相手に、「ライダー粒子反応、戦隊粒子反応、共にMAX!」と啖呵を切って実力を見せつけるも、レッドワンの応援で立ち上がり、仮面ライダーオーズからもらったライダーキーでに変身したゴーカイジャー6人のゴーカイガレオンバスターにより、「俺の粒子反応消失、破壊!」と呟きながら最期を遂げた。



元祖バイオハンターシルバとは全く同じ外見・声であり、現に他の再生怪人たちはかつて戦隊ヒーローにやられた怪人と同一個体であるが、実はライダーハンターシルバに関しては少々勝手が異なる。
というのも、デイアゴスティーニから刊行された『仮面ライダーオフィシャルパーフェクトファイル』158号でライダーハンターに関して記載された折、
「バイオハンター・シルバと酷似した姿」と書いてあったからである。
本当に同一ならわざわざそんな事を書かずとも「かつてバイオマンと戦った」とか書けば済む話なので、実際の所は兄弟機・後継機でありバイオハンター・シルバとは別機体なのだろう。




その他、『赤い戦い!オール戦隊レッド大集合!』ではスーパー悪者ワルドの影響により本家バイオハンター・シルバの方が登場したが、
尺の都合もあって特にこれと言って何かするわけでもなく、スーパー悪者ワルドが倒された事でスーパー悪者トピアに帰って行った。



【余談】

  • デザインは新帝国ギアのメカも手掛けた出渕裕氏。
    デザインモチーフはハカイダーで、プロデューサーの鈴木武幸氏の要望によるものだったという。

  • 先述のように光線銃バイバスターを多用していた為、ビデオ合成の費用に多大な負担を強いた、制作側をも苦しめたキャラであった。






アニヲタ粒子反応あり!追記・修正!

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  • 殺人マシン
最終更新:2025年03月04日 11:13

*1 本作は「シリーズ=相撲部屋」になっていて、1つの部屋にヒーロー側4名・悪役側1名が所属し、実在人物の監督や原作者やプロデューサーなどが親方として登場している。戦隊部屋はフラッシュキング・グレートファイブ・ライブロボ・ターボロボとシルバが所属し、親方は当時の戦隊シリーズの総指揮を取っていた渡辺亮徳。

*2 本作の戦隊部屋はヒーロー側は集団のためかいきなり巨大ロボットに乗って出てくるが、シルバのみ特例で等身大形態で登場する。なおバルジオンになっても画面上の大きさは変化せず、実質変身に近い。仮面ライダーBLACK RX(ロボライダー、バイオライダーへの変身)、ライブロボ(スーパーライブロボへの合体)も同様の能力を持つ

*3 なお、『海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船』にて、『秘密戦隊ゴレンジャー』の野球仮面が登場、再登場した戦隊怪人としてはこちらの方が最古参にあたる