リチャード・マデューカス

登録日:2013/11/1(金) 21:31:47
更新日:2025/09/22 Mon 17:33:49
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んんんっ? これが君の言う清潔か?



リチャード・マデューカスはライトノベルフルメタル・パニック!』の登場人物。
アニメでの声優は西村知道。


プロフィール


組織:<ミスリル>東太平洋戦隊
階級:中佐
役職:戦隊副司令官・強襲揚陸潜水艦<トゥアハー・デ・ダナン>副長
出身:イギリス
前所属組織:イギリス海軍

フルネームはリチャード・ヘンリー・マデューカス。
出身は英国海軍で、キャリアは当時から潜水艦一筋。海軍時代に艦長を務めた<タービュラント>の刺繍が入った野球帽がトレードマーク。

いかにも陰気でクソまじめな雰囲気のイギリス人であり、若干杓子定規すぎる面がある。
部隊内で大人気のテッサの小姑役を務めており、隊員達からテッサの隠し撮り写真を没収したりしている。

いつもそんな感じなので、周りからどう見られているのかというと、一言でいえば「口うるさい技術屋」。
海軍出だかなんだか知らないが艦の指揮は超が付く天才のテッサがやってるし、それに部下からすれば話が長い人なのでまあ当然の評価だろうか。



長編での活躍

  • 疾るワン・ナイト・スタンド
艦長であるテッサが重要な要件で艦にいない中、代わりに指揮を執っていた。
この艦自身の戦闘は無かったが、マデューカス自身は大活躍。
陸でテッサや宗介たちがとんでもないことになっている間、事の子細を聞いていたわけでもないのに人型兵器アーム・スレイブ(AS)の用意を、もっと言うとASの中でも「特殊な」機体である〈アーバレスト〉を艦から送り込むための準備を独断で進めていた。

自身は「処罰は覚悟」と言っていたが、これが無ければもっと大変な事態が発生していただろうことは目に見えているわけで、そう考えるととんでもない慧眼である。

  • 揺れるイントゥ・ザ・ブルー
なんやかんやあって艦そのものも乗組員も大ピンチに陥る。
最終的に、航空機やASに加えてそれらの武器装備やメンテナンス用機材などが大量にある格納庫内に乗組員がいる状態で船体が大きく揺れる事態にまで発展したが、それらの搭載物は全て固定されていたため、固定していなかった重量物が暴れて…という大惨事は免れた。

これはマデューカスが普段から規則遵守を徹底させていたことが一因であり、よって当然ながらこの件に対しての感想は、より一層の徹底が必要というものだった。

  • 終わるデイ・バイ・デイ
事件解決後、色々と吹っ切れた宗介が<ミスリル>上層部に向けて啖呵を切った場面でも居合わせたが、事前に打ち合わせてあったためか特に制止することはなかった。
終わった後には「有り体に言って冷や汗ものだった」と苦言は呈しつつも労いの言葉をかけている。軍規優先で全く融通が効かない人物と言うわけではないのが分かる。

  • 踊るベリー・メリー・クリスマス
作戦のためテッサ不在の艦に、ついに水中戦闘を挑む敵が襲ってきた。
空前の危機を前にして、陸戦隊のクルーゾーを筆頭に心配の声が上がる中、何故だかテッサその人は、マデューカスの実践だと妙にハイテンション。

それもそのはずで、マデューカスの正体は筋金入りのサブマリナー。それも、かつての英国海軍時代に数々の武勲を挙げ、演習では米海軍からも一目置かれ、公爵(デューク)とまで呼ばれた超一流の潜水艦乗りであったのだ。
戦況をチェスに見立てて相手の動きを先読みし、思い描いた通りに勝ってしまうのが彼なのである。
だがしかしこんな事情は陸戦要員のみならず艦の重要なクルーたちも知らなかったので、クルーたちは彼の指揮に悲鳴を上げながらも命令を実行していった。

そして結果はダナンには傷ひとつ付かない完勝。
敵組織〈アマルガム〉の、水中戦闘機とさえ呼ばれる高速潜水艦リヴァイアサンの群れを、そこから放たれた超高速魚雷を全て迎撃しつつ全滅させてみせた。

ちなみにテッサも見たことがないクセというのは、本気を出す際には無意識に帽子を前後逆に回すというもの。本人は部下に示しがつかないので直したいらしいのだが。

  • つづくオン・マイ・オウン
敵の大攻勢が部隊の基地に迫る中、最大の戦力にして唯一の脱出手段のダナンは整備中。
ダナンの準備完了のために陸戦・航空ユニットを指揮し、準備にどれくらい時間がかかるか尋ねるテッサに対し、プロとして正確に情報を提供した。

その後は彼自らも汚れまみれになりながら整備をし、敵が来るギリギリのところで出港準備を終えると、クルーとともに綺麗に整列。
曰く、こんなときだからこそ規律が大事とのことで、彼らしさが存分に出ていた。

  • ずっと、スタンド・バイ・ミー
最後の作戦の前、作戦の目的も必然性も満足に説明できないことを理由にマデューカス以下全クルーを退艦させることを考えていたテッサを焚き付けながらも優しく諭す。
テッサは最終的に自らの意志で部下を「地獄へ引きずり込」んで、マデューカス含む最小限度の人員と共に突き進むことを決意。

殴り込み作戦においては、テッサが提案した、「序盤からいきなり双方被弾上等の真正面からの殴り合い(要約)」を行うという作戦にさしたる反対も無く賛成。
本人が語るところによると、こういうのはチェスでの得意技とのこと。

そして最終盤、力尽きた艦を降りての白兵戦の中、投げ込まれた手榴弾を銃床で打ち返すという神業を披露。
確かにテッサと違って彼には運動音痴の描写は一切無かったとはいえ、とんでもない大活躍である。インドア派なのはそうだが戦闘もこなせる根暗だったというべきか。


過去

本編から10年以上前の英国海軍時代、タービュラントの艦長であった頃、イギリス目掛けてを撃ち込もうとするソ連軍原潜と交戦、近くにいたアメリカ軍原潜<ダラス>と共に撃破している。
この時の<ダラス>の艦長がテッサの父親、カール・テスタロッサであった((ちなみにその直前までマデューカスが追跡していた別のソ連軍潜水艦にカリーニンと宗介が乗っていた可能性がある))。

その後、カールの家に招待された際に彼の妻のマリアと幼少時のテッサに会っている。
この時カールから後にウィスパードと呼ばれる存在について知らされ、彼の子供たちにもその疑いがある事を語られる。

また、帰りにはアメリカ海軍風の野球帽にアレンジされたタービュラントの制帽を渡された。
これは以前のお礼でもあり、上述の「癖」をうわさに聞いていた彼からの、「回しやすいように」というジョークでもあった。
イギリスで生まれ育ち、ミスリル以前はずっと英軍所属だった彼の帽子が何故米国的な野球帽スタイルなのかという疑問の理由がこれである。

数年後、英国海軍をお払い箱になった頃にカールとマリアが殺されたことを知り、ボーダ提督からテッサたちを狙った集団の仕業であることを聞かされる。

それから半年後にボーダやマロリーJrにミスリルへと招かれメリダ島でTDD-1開発に参加し、テッサと再会する。


短編での活躍


上述の通り、普段はテッサに近づこうとする「悪い虫」を追い払うべくいろいろとやっている。
それは逆にテッサの側が興味を持っている場合でも同じで…いやそれ以上に厳しく、テッサご執心の宗介には特に辛口。

  • 女神の来日
上記『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』後、テッサに溜まった休暇の消化にどこかへ旅行することを勧めるが、彼女は旅行先を東京に決定してしまった。
なおこのとき、テッサはマデューカスが反対するであろうことを察したうえで事前に対策し、言質を引き出して反対できないようにしてから東京行きを決めている。

見事に出し抜かれたが、好きにさせるわけにはいかない彼は一足先に宗介のもとを訪れる。
それはもうドラマの姑のごとくいびりまくった上、イギリスのテレビ局BBCが製作・放送した大人気コメディ番組「空飛ぶモンティ・パイソン」のパロディーで、


君が艦長になんらかの破廉恥な行為に及んだとしたら。私は君を魚雷発射管に詰めて、300㌔の爆薬と共に射出する!

神と女王陛下に誓って君を八つ裂きにするつもりだ!

と散々に脅してメリダ島へと帰って行った。


その後、相良宗介が倒れたという報告を受けると、


そらみろ!あんな若造に彼女を預けた事自体が間違いなのだ!相良軍曹は彼女の思い人には相応しくない。そう思わんかね?

と彼自身が原因の何割かを占めているのを無視して述べていた。



余談


ちなみにマデューカス自身は日本語は一切わからない。
読者にわかりやすいように日本語で表現しているだけで実際は英語を喋っているという設定。

話す・聞くだけではなく読むのも無理。
これが明記された元ネタは初出がドラマガ2002年9月号で、紙の単行本未収録だが、電子限定のエピソード集『フルメタル・パニック!よりぬきボン太くん』に載っている。

日本語が分からないため、女子高生の着替え真っ最中の女子更衣室に迷い込むと言うアクシデントを起こしている。
ただし紳士的に立ち去ったお陰か同校には普段もっと大きなトラブルを頻繁に起こす人物がいるからか、
その場に限り多少のパニックは起きたものの、後々に引きずるような大問題にはなっていない。


追記・修正は緻密な戦略の下にお願いします。


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最終更新:2025年09月22日 17:33