相良宗介

登録日:2010/01/22 Fri 00:17:42
更新日:2025/06/22 Sun 23:24:33
所要時間:約 28 分で読めます


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かなめの旦那 アーバレスト イスラム教徒 ウルズ7 カシム クロッシング・パイロット コンドーム=水筒 ゴキブリレベルのしぶとさ ストーカー被害者 スペシャリスト ソウスキー・セガール トラブルメーカー ファンタジア文庫作品主人公 フルメタ フルメタル・パニック! フルメタル・パニック! Family フルメタ登場人物項目 ボルテスV ボン太くん ミスリル ムスリム ワンマンアーミー 中の人などいない! 主人公 傭兵 問題ない 回教徒 変われた漢 少年兵 愛すべきバカ 戦争ボケ 本当は優しい人 歩く武器庫 痛いじゃないか 相良宗介 結構暗い過去持ち 肯定だ 軍事オタ 軍事オタ←専門家(スペシャリスト)だ 軍曹 迷彩君 過剰防衛 釣り好き 関智一 陣代高校 高校生



アニヲタWikiの諸君!初めまして、相良宗介軍曹であります……恐縮ですが、『軍曹』は忘れてください。以上」



「俺は素人ではない。専門家(スペシャリスト)だ」


相良宗介とは、ライトノベル作品『フルメタル・パニック!』の主人公。
CV:関智一

所属:ミスリル作戦部 西太平洋戦隊〈トゥアハー・デ・ダナン〉陸戦部隊SRT(特別対応班)
階級:軍曹
コールサイン:ウルズ7
認識番号:B-3128

都立陣代高校2年4組、出席番号41、ゴミ係兼傘係



概要

「フルメタルパニック」シリーズの初代主人公。
幼い頃からゲリラや傭兵として紛争地域を転々としながら生きてきた少年。物語開始時は高校2年生の16歳(推定)。

物語開始時は極秘傭兵組織〈ミスリル〉の兵士であり、
ウィスパードと目される少女『千鳥かなめ』の護衛任務に際し、彼女と年齢が(ほぼ)同じであるため、同級生として彼女が通う陣代高校2年4組に転入したところから彼の不幸(?)が始まる……。

人物

性格は寡黙で禁欲的。基本むっつりへの字口で、常に格式ばった軍人然とした立ち居振る舞いをする。
幼少期から危険と隣り合わせの生活を送ってきたため、常に気を抜かない臨戦体制の状態を維持しており、例えば寝るときは基本的にベッドの下でナイフを握ったまま目を半開きにしている。

戦時下や軍隊の中での常識を基準に行動するため、平和ボケした日本社会とのギャップになじめず葛藤する姿が印象的。
ミスリルでチームを組む同僚のクルツ・ウェーバーやメリッサ・マオからは「ネクラ、朴念人、唐変木」と散々な言われようであり、
ヒロインであり護衛対象であるかなめからは主に『戦争ボケ男』と認識され呼ばれていた。

育ちのせいで戦場以外の環境での過ごし方を知らず、社会におけるごく一般的な常識も皆無である。
そのため度々勘違い(廊下の影からおどかそうとした学生をテロリストだと思ったり)をして無用なトラブルばかり引き起こす。
そのような暴走もストーリーが進むに連れて回数が減り、だいぶ常識的になったと思われる(1日に3回→3日に1回に)。
なお、その手のミスの幾つかはミスリル情報部の〈レイス〉が嫌がらせで向けた銃口に反応したためだったとも後に判明。
だが、見当外れはあっても見落としは絶対にしない。

また出生こそ日本人だが、海外で育った都合上日本の常識はおろか、日本の料理事情もあまり知らない。
焼き鳥や鍋ものといったものも良くわからず、クルツから間違った知識を仕込まれることも。
アニメ一期ではクルツが作った焼きそばに向かって「ソース味のスパゲッティーか?」と聞いていた。

短編シリーズでは「安全保障問題担当・生徒会長補佐官」なる怪しげな役職を与えられ、
学内の安全を守るため軍人としてのスペックをいかんなく発揮して(だいたい迷惑にしかならないが)いる。
また2年4組では「ゴミ係兼傘係」を担当しているが、これは誰もやりたがらない役どころを押し付けられた結果。

他人から刃物を向けられるのが苦手で、散髪は自分で行っている為ボサボサ頭。
ある時、それを見咎めたかなめに散髪してもらったことがあり、この際はリラックスして寝てしまう程だった。
これは彼自身不思議に思うほどに珍しいことである。

普段から感情をあまり表に出さないが、微妙に喜んだりしょんぼりしたりするのが見てとれる。
そのため作中ではよく犬(見た目笑ってなくても尻尾ふったりしてそう)に例えられ、4コマでは犬ソースケというキャラまで登場した。
しかし、彼は笑ったり泣いたり出来ない。戦いの中で育ち、仲間の死などにも慣れているためである。
しかし喜びや悲しみを感じない訳ではなく、仲間のためには命がけで動く事もいとわない。そして最終巻では……

趣味は自ら釣りと読書だと述べており、、長編第1巻での自己紹介の内容がほとんどウソ(カバー・ストーリー)である中、これは本当。
休暇は西太平洋戦隊の本部〈メリダ島〉にある秘密の釣り場で一人釣糸を垂らして軍事関係の書物を読む。

食事は栄養補給と割り切っているため、
普段は干し肉や具の無いコッペパントマトカロリーメイト(フルーツ味)*1など質素な物で済ませる。
それもあってか、たまに千鳥かなめが作ってくれる手料理は彼にとってかなりのご馳走であるらしく、かなめのカレーを食べられなかったことを根に持っていた。

ちなみに一応だがムスリムであり、クルアーンを諳んじれる。でも平気で豚肉を食うが、イスラムは割と寛容な宗教である。
また本人はあまり好きではないが酒も飲んだことがある*2
そのため他宗教の行事に疎く、クリスマスはソ連と戦っていた経験もあって「敵の警備が緩くなる時期」という印象を持つ。

能力

傭兵部隊の隊員として

兵士として非常に優秀であり、専門分野は単独での偵察や破壊工作、アーム・スレイブ(以下AS)の操縦。
もちろんその他の技能も総じて高く、狙撃の技能や野戦の技能罠作成の技能、単純な格闘戦や制圧術でも一流の腕前。
簡単な外科的な医療の知識や、窮状を打破する知恵、高度で柔軟な発想力もあり、戦闘力以外でも優秀。
長編の最終盤で相手に「宣戦布告」を叩きつけに来た際には、わかりやすく「俺の得意技は火付けと壊し」と明言している。

また実戦経験豊富で、特にASの操縦はミスリルでもトップクラスの自他ともに認める「専門家(スペシャリスト)」
ほとんどのASに搭乗した経験があるため機体を熟知して適切な行動を取ることが出来る(おかげでチームの前衛なのに損傷が少ない)。
ゲリラ出身故に損害や消耗にも敏感であり、整備兵視点でもありがたいASパイロットである*3

アニメでは特にソ連製のサベージに搭乗した際の他の機体との動きの違いがよくわかる。
これは主に彼が一番使い慣れている機体がサベージなせいでもあるが、サベージもやはり優秀なんですね。

ちなみに彼はASの装備にOTOメララ社製〈ボクサー〉散弾砲を好んで使うが、
これはクセが強く扱いにくいため真似しない方がいいと話している(本人いわく「警官が44マグナムを持ち歩くようなもの」らしい)。

+ 長編でのAS戦
長編開始~完結までのAS戦はこんな感じ。
乗機は特筆していない限り、『OMO』まで〈アーバレスト〉、『MMD』から〈レーバテイン〉。

  • 戦うボーイ・ミーツ・ガール
    • 奪ったサベージを駆り、サベージを最低2機撃破。その後、ガウルン操るコダールにより被撃破。
    • アーバレストに初めて搭乗。サベージ5機・ガウルン搭乗のコダールを撃破。

  • 疾るワン・ナイト・スタンド
    • (M9で、訓練キャンプのAS2機を搭乗される前にマオ・クルツと共同撃破。)
    • 〈A21〉の少年、タクマが乗ったベヘモスを撃破。

  • 揺れるイントゥ・ザ・ブルー
    • ミストラルⅡ8機を〈ミスリル〉メンバーと共同撃破。うち4機を単独撃破。
      • 〈ミスリル〉メンバーと共にガウルン搭乗のコダールと交戦、同機は降伏。
    • ガウルン搭乗のコダールと戦闘の末、敵機の自爆をかろうじて回避。

  • 終わるデイ・バイ・デイ
    • 新"ウルズ1"のクルーゾー搭乗のM9〈ファルケ〉と仕組まれたケンカの末、敗北。
    • コダール5機を撃破。ミスタ・K(アニメではゲイツ)はこの最後の1機のパイロット。

  • 踊るベリー・メリー・クリスマス
    • (海賊の本拠地を襲撃し、無人の旧式Rk-89〈シャムロック〉を共同撃破。機数不明。)
    • 今回はアーバレストに乗っていろいろやっているが、AS戦と呼べるほどの戦闘はない。

  • つづくオン・マイ・オウン
    • コダールmを3機撃破するも、レナード搭乗の〈ベリアル〉の前になすすべなく被撃破。

  • 燃えるワン・マン・フォース
    • 今回はRk-91の初期型(宗介談)に搭乗。元ミスリルの操縦兵が乗るM9を知識・技量・スペック差などを総動員し撃破。
    • 簡易的な整備の後、闘技場(アレーヌ)の操縦士たちのAS10機(機種いろいろ)を撃破するも、自機も力尽きる。

  • つどうメイク・マイ・デイ
    • テッサ好きのオッサンが軍からちょろまかしてきたM6A3〈ダーク・ブッシュネル〉に搭乗。
      • マオ・クルツと合流し、コダール2機と戦闘。1機を共同撃破後に離脱。その後、敵の自動車に仕組まれていた爆弾により大破。
    • 〈レーバテイン〉に初搭乗。コダール3機、ベヘモス3機の計6機を撃破。

  • せまるニック・オブ・タイム
    • レーバテインを警戒していた敵機から狙撃されるも、クルツからの事前の警告により回避。
    • ベリアルと交戦。ラムダ・ドライバ無力化装置『妖精の羽』により凌ぐ。
      • パイロット死亡のため無人のエリゴール1機を破壊したうえで撤退。

  • ずっと、スタンド・バイ・ミー
    • メリダ島への殴り込みで、まずはベヘモスを3機撃破。
    • コダール12機を、一部は〈デ・ダナン〉からの巡航ミサイルによる支援と合わせて撃破。
    • ベリアルと戦い、『妖精の羽』を使っての攻撃の結果互いに損傷。
      • 全弾を撃ち尽くし撃破されるも、歩兵用ロケットランチャーによりアルと共同で撃破。


それ以外の能力

使える言語は、作中に出てきただけでも、
英語、日本語、ロシア語、タジク語、ファルシー語、ペルシア語(アフガン方言)ウルドゥー語と幅広い。
また、日常会話程度ならイタリア語、パシュトゥーン語も使える。
ただし、読み書きができるのは、英語、日本語、ロシア語のみ。

現実的な性格のため想像力においてかなり欠如している節があり、
古文などの「言葉から周囲の情景を連想」はかなり苦手(でも真面目であるため必死になって答えをだそうとする)。
ラムダ・ドライバについても使いこなすまで「イメージを具現化」という曖昧な機能を理解できず、兵器としての信頼性に欠けると毛嫌いしていた。

PCなど(当時基準では)ハイテクな機械にもそれなりに適性があるらしく、短編ではMMOゲームを短期間で中級者レベルになるまで成長している。
テトリス的な暇潰しゲームも嗜んでいる他、高校のクラスメートによりカード麻雀をマスターしてしまった。

学生としては英語は当たり前に出来るとして、学校には通ってなかった身だが理数系の科目を苦手としておらず地頭はかなり良い模様。
兵隊に必要なスペック+ミスリルで要求されるレベルの都合上、どこかで学んでいたのかもしれない。
一方で古文と日本史は壊滅的。上述した通りイメージすることが苦手で、先生にアドバイスされても硝煙臭いフレーバーが付いてきてしまう。

なお、体育の持久走はダントツでトップの成績。重い装備を背負って何十㌔を走るのは兵隊の日常茶飯事である。
一方で短距離走では宗介より速い生徒が何人かいるとされており、全てにおいて万能な体力という訳ではない。
格闘でも道を極めている椿一成とは互角レベルで、用務員の大貫さん(バーサーカー)には敵わない。
それでもゴリラ級の他高生を飛び蹴り1つでノックアウトするため、単なる一般人~その辺のチンピラ相手ならまず負けない。

関連人物

千鳥かなめ

護衛対象だが同時に世話を焼いてくれる善き友人にして 戦友。 なんだこのヒロイン。
実際、宗介不在時のかなめも「こういうアクション*4。あいつといるときは不自由しなかったのよね」と述べている。

アーバレストのラムダドライバを使いこなせないうちは実戦でピンチになることも多く、その際はかなめのウィスパードとしての知識に助けられることが多かった。

『終わるDBD』では護衛任務から外されて自暴自棄になっていたところに危険地域と化していた香港まで乗り込まれるなど、彼女のアグレッシブさは宗介の人間性の成長に繋がった。
『踊るVMC』にてかなめからの提案で彼女を囮にすることになったのだが、その待ち伏せの際に異常に不安となり、そして唐突に彼女を意識していることに気がついた。なんなんだこの主人公。
『続くOMO』ではアマルガムに誘拐されたかなめを追うために単身で捜索に乗り出し、『燃えるOMF』で重体になりながらも得た情報を元に世界中を飛び回ることになる。
メキシコではあと1歩で届かなかったが、オープン通信から届いた彼女の「命令」に対して…




全てが終わった後、2人は幸せなキスをした後に結婚。
"知の金鉱"を欲する連中は多くまだまだ戦いは終わらないが、2人の子供にも恵まれた。

日本など先進諸国に多い「恋人は一人だけ」的な価値観は(少なくとも長編の頃は)持たないが、それでもかなめ一筋なのは単に彼がかなめを一番に思っているからである。

テレサ・テスタロッサ

同い年ながら戦隊で一番偉い大佐殿。

当初はお互い同い年であることしか知らない関係だったが、「疾るONS」で宗介のセーフティハウスに逃げ込んだことで交流開始。
テッサは立派な上官だが不器用なりに優しく接するうちに彼女から信頼されるようになる。テッサも同年代の友人には恵まれなかったこともあるかもしれない。

その後は彼女に懇意にされ、度々そこはかとないアプローチを受けるもそこは唐変木の宗介。
結局テッサ本人に問われようとも宗介はかなめを選び、友人関係で終わった。
テッサ本人とマデューカスのせいも多分にある気がするが。*5*6

とはいえ部隊内の上官兼友人としてはそれなりに上手に付き合えており、最終決戦では意識不明のかなめを託すなど信頼関係は最後まで良好だった。
フった数週間後にも関わらずクソオヤジ共に対する護衛としても遂行した。

無愛想で不器用だが真面目な男なので、千鳥かなめテレサ・テスタロッサから好意を受けて三角関係になったが、
前述の通り不器用だが真面目な男なので迷わずかなめを選び、テッサを振った。その一直線な所が彼の一番の長所なのが魅力であり、残酷なのである。


漫画版ではテッサの作戦(といいつつ嫉妬も混じった)で千鳥と強制的に離ればなれになったときは、
あからさまにテッサに嫌味と嫌悪を抱く彼が見える。

陣代高校

『紛争地帯帰りの危険な帰国子女転校生』として、変人扱いされながらも至って普通な関係を築けている。
なお彼のグロック19は改造したモデルガンとして皆に認識されている。んなアホな。

生徒会メンバーも概ね良好な関係。
1年下でミリオタな佐々木とはウマが合う模様。
1年先輩の林水会長閣下は秀才ゆえに尊敬しているが、物語中盤で自身の正体やかなめの秘密を概ね見抜かれてしまった。

続編でも陣高の面々とのやり取りは続いている模様。

ミスリルの仲間達

最年少隊員ではあるが同じSRT内では確かな一兵士として信頼されており、同僚からも年齢関係なく対等に付き合う。
下級隊員からも下士官として上に見られているが、やはり年齢ゆえかそこまでしゃちこぼられることはない模様。
そもそも「年下の上官」なら部隊長がまさにそれだし…

  • クルツ・ウェーバー
テッサを除いて年齢が近いチームメイト。
血統的に日本人である宗介よりも日本人なドイツ人。

基本的に適当でバカをやるクルツを半目で見ていることが多いが、飲みに付き合うし短編特別編では彼の依頼で人物調査をしたり狙撃のスポッターを務めるなど、文字通りに良き相棒。
プライベートで日本に来たときに東京散策にもかなめの約束を断ってまで付き合うくらいに仲は良い。

なお、クルツと付き合うときのみ宗介は口調が悪くなる。

  • メリッサ・マオ
姐さんなチームリーダー。
学生と兵隊の2足のわらじ生活に限界が来ていた『終わるDBD』では優しくも厳しくも問われており、年下の若者として気にされることも多い。

  • アンドレイ・カリーニン
陸戦隊の指揮官にして義理の父親的存在。
書類上では宗介の保護者にもなっている。

作品後半での裏切りには相当ショックだったようだが、最終決戦で全てを知り…

  • リチャード・マデューカス
姑おじさんデ・ダナン部隊の副長。
陸戦隊の宗介とサブマリナーのマデューカスで直接的な絡みはないのだが、テッサ関連で異常に厳しく取り扱われている。
一方で一兵卒としては(若すぎる一点を除いて)概ね信用を得ている。

  • レイス
同じくかなめを護衛(監視?)している情報部のエージェント。
宗介本人には存在は知らされているが具体的な所在や行動は一切知らされておらず、コンタクト手段もないため、『DBD』で気が立っていたときにはレイスの反応を引き出すべく近所に存在を暴露しようとした*7
ただ、かなめを護衛することに関しては概ね一致しており、『OMO』では素顔を見せ、その後もアルの保護・レーバテインの開発をサポートするなど関係は改善された様子。

アマルガム

  • ガウルン
下記「カシム」時代からの宿敵。
当初は利害関係がないすれ違っただけだったが、敵対される度に痛手を負わされている。
ミスリル加入後も宿縁は続いており、登場する度に「あの時殺したはず」と言う仲。

  • レナード・テスタロッサ
大佐殿の双子の兄のウィスパード。
かなめ絡みで本編中盤~最終決戦にかけて対峙することになるが、レナードの目的にあまり関心が沸かないため実際の関係性は深くないという寂しいラスボス。

決着後に彼の本心を聞いて初めて少し理解・共感することが出来たが…



【本編開始までの経緯】

生い立ち

幼少期。日本の旅客機に母親と(父親らしき人物はいたが確証なし)乗っていたが、
その旅客機が墜落事故を起こし北極海の氷の上に落下してしまう。

この時、近くで極秘任務中でありカリーニンも乗艦していたロシアの潜水艦が、
立場が危うくなるのも顧みず救助に向かうが、結局助かったのは彼一人だった。
後に父親的存在となるカリーニンとはここで初めて出会っているが、宗介はこの時のことは覚えていない。

彼の身元の手がかりとして遺ったものは、服に書かれた『さがらそうすけ』の文字だけだった。
ただし、後にカリーニンが調べた乗客名簿に「さがら」という人物は確認できず、これが本当に彼の名前を指す文字列だったのか、十分な確証はない。
「相良宗介」の漢字はカリーニンがこのかな文字にそれらしい漢字をあてたものである。

拾われた当時はごく普通の子供であり、戦いを恐れる節さえあった。
ボン太くんの人形を「このこはぼくがまもるの」と言い大切に抱きしめていたが、、、

カシム

結局ロシアで暗殺者として育てられた宗介は、暗殺対象だった『バダフシャンの虎』マジードの暗殺に失敗した。
そのあと捕らえられた際、慈悲深いマジードは宗介を自分の子供、つまり『バダフシャンの虎の子』として迎え入れた。
その時にマジードからつけられた名前が“カシム”である。

カシムだった頃はほとんど完全な戦闘マシーン状態であり(仲間思いな所など根本的な優しさはあるが)、
この頃に出会った宿敵ガウルンは、「命を否定も肯定もしない目」「殺人聖者カシム」と気に入っていた。
カシムはマジードの元にいる間のみの名前らしく、他の地域では『ソウスケ・サガラ』を英語読みして『ソウスキー・セガール』と呼ばれていた*8

マジードの部隊にいた際はカリーニン達の軍から鹵獲したRk-91 サベージを操り、本職の兵隊さえも打ち負かすなど相当な腕前を発揮していた。

カリーニンとの再会、そしてミスリルへ

アフガンゲリラとしてロシアと戦うなか、ロシア側のサベージ数機と相討ちになる形で捕虜となる。
数年後にマジードと敵対していたカリーニンと再会した(本人は初対面だと思っているが)時には完全な殺し屋になっていた。
カリーニンと再会したときの文章がまた泣ける。

その後アフガンとロシアで停戦調停が結ばれる…と思われた矢先、ロシアは裏切りマシードの暗殺を試みる。
現地で警備についていてそれをよしとしなかったカリーニンは、宗介と一緒にマシード側に付くも当然逃げ切れず。

その後は“祖国に裏切られ祖国を裏切り”マジードと一緒に戦っていたカリーニンと共に紛争地域を転々としていた。
その間にカリーニンから様々な言語や戦術を学んだ。
しかし、カンボジアにおいて、戦いのどさくさではぐれてしまう。

月日が経ち、優秀な傭兵としてミスリルのメンバー選抜キャンプを訪れたおり、ある事件がきっかけとなって
クルツ・ウェーバーと共にメリッサ・マオにより選抜、ウルズ7としてミスリルに正式にSRTとして入隊。
彼はそこで同じくミスリルに入っていたカリーニンと再会する。

その後しばらく任務をこなし、ある作戦でウィスパードの少女を一人救い出すことに成功。
その後、同じウィスパードである千鳥かなめの“密かな護衛”任務を任された所から物語が始まる。

本編での活躍

長編シリーズ

「護衛対象本人にバレないように学校に入る」という 通学任務 を請け負うも、戦争ボケの宗介では戦闘任務よりも生傷が多いレベルだった。
しかしミスリル側の不意を突いたハイジャックに修学旅行生として参加していたのが功を奏し、貴重な情報を送る、連れ去られたかなめを奪還して逃走するなど大活躍する。
この事件を経てかなめには正体がバレたものの、今後いつ襲撃されるか分からなくなったこともあり本人の了承も受けて通学任務を続行するようになる。

A21によるテロ活動の際にはテッサの保護をしたこともあって彼女から懇意にされるようになる。
また、トゥアハー・デ・ダナン内でのシージャックでもとある理由で単独行動を取っていたため、ガウルンや裏切り者2人の片割れを撃破することが出来た。

通学任務も軌道に乗ってきた10月頃に、かなめの護衛は情報部に任せることとなったため、学校から離れることとなる。
自分以外に動かせなくなったアーバレストのラムダドライバ訓練をするも、モチベーションの低下でかつてないほどパフォーマンスは低下。
その後の香港での事件でも集中力の低下で交通事故を起こしかけるという失態を犯してしまい、唯一自分に残っていた任務さえ投げ出してしまう。
ヤケ酒したり生きていたガウルンに呪詛を投げられたりと更に散々な目に遭うが、事件の主犯であるヴェノムとミスリルAS部隊の交戦、送りつけられたアーバレスト、そしてもう会えまいと諦めていたかなめと再会。
なんやかんやでアーバレストやラムダドライバを使いこなして事態を解決に導いた。
その後は「これまで通り学校に通い、余った時間にミスリルの任務をこなす」という形でミスリルとの契約を更新。自身の意思でパートタイマーとなったことで『彼の問題』は解決することとなる*9
また、テッサとも対等な友人として再認識した。

クリスマス期には①修学旅行の代わりに招待されたクルージングに参加しようとする→②テッサの誕生日パーティに参加しようとする→③クルージングの裏にあったアマルガムの作戦を阻止する…という忙しい過程を経る。
アマルガムが起動させた無人小型AS『アストラル』にミスリルメンバー共々苦戦するも、かなめを囮にした作戦の最中に突如彼女に対する大きな感情を認識。
誘拐されたテッサを明確にフるという苦行もあったが、かなめには誕生日プレゼントとして青い宝石を贈った*10

しかし2月上旬のアマルガムの一斉攻勢を受け、大事な学校の人たちを守ることには成功したものの、レナードのベリアルによる直々の襲撃には手も足も出ずかなめを奪われる。
レナードには自分の正体をバラされるという被害も受けており、事件後は学校に再び顔を出してこれまでの経緯について語った。
学校で、かなめを必ずここへ連れ戻すと宣言し、そこからは単身でかなめを奪還する旅に出る。

アマルガムの足を掴むべくナムサクのMSバトルに参加すべく、オンボロサベージ1機しか持っていないナミのチームに参加*11
弱小サベージで格上相手に勝ち続ける生活に順応していたが、悪徳警官にわざと捕まることで最終的にはアマルガムのクラマを呼び出すことに成功。重体となるもなんとか撃破してかなめに繋がる情報を手に入れる。

ナムサクで知り合ったレモンはフランスのエージェントで、彼の合理的&個人的な協力もあってなんとか復活。
正月明けに出会っていたクソ親父共ボーダ提督の知り合いの援助もあってアマルガムが所有している邸宅に潜入。
奇しくもデ・ダナンの生き残りとも合流し、新たなASを手に入れたアルとも再会して逆襲に乗り出すも、かなめの奪還は叶わず。しかし、彼女からの『命令』を受けて決意を新たにする。
なお、カリーニンの裏切りにはさすがにショックを受けていた。

ソ連の秘密研究所ではテッサから『時間災害』の説明を受ける、レナードとの一時休戦と彼の意思の一端に触れる、かなめとの一瞬の再会と別れを経てなお、かなめ奪還に揺らぎはなかった。

最終決戦ではかつての古巣であるアフガンの核奪還に行くのが最も合理的であると分かっていたが、やはりかなめ奪還を最優先として唯一の陸戦ユニットとしてメリダ島に向かう。
犠牲を払いつつもメリダ島に上陸、演説という名前のかなめへの愚痴を撒き散らして彼女の覚醒を促しつつレナードのベリアルと再戦。
「不可視の矢」に苦戦しつつもラムダドライバキャンセラーとデモリッションガンの併用で両者共に中破させるに至ったが、タルタロス阻止直前でレーバテインは破壊された。
しかし、宗介は諦めておらず、レナードの不意を突いて旧式のロケットランチャーを持ち出してチート機体であるベリアルの破壊に成功。

色々とやましい不条理な『この世界線』に苛まれるレナードに対して共感したところでカリーニンが彼を射殺・かなめを奪い取ったことで追跡。
カリーニンとのナイフ1本での一騎討ちをなんとか制し、かなめもテッサに預けて脱出させたものの、メリダ島に向かう核から生き延びる術は失くなっていた。
そこにかつて救助したクダン・ミラから受け取っていたデータにあった動画ファイル…級友達からの激励を受け取ったことで宗介の本心が覚醒。
ついでにアルも『人間』として覚醒したこともあり、核ミサイルの放射被害を受けずに生き延びた。

終戦後はアメリカ軍に保護(逮捕?)され沖縄に拘禁されていたがほぼ自力で脱出。
回収したアルを駆け付けた仲間達に押し付け、自身は東京の卒業式に間一髪で間に合い、かなめと今度こそ再会。
衆人環視の中で2人は幸せなキスをした。

短編シリーズ

ほぼほぼボケ要員の戦争ボケ男。
下駄箱を颯爽と爆破しつつ、入っていたラブレターをかつての経験から敵の罠であると判断、ギリースーツで身を隠して待ち伏せし*12(本当に恋心で)送ってきた相手の心を非情なまでにへし折った。
こんなのは序の口であり、非戦闘シーンなのに実銃&実弾をやたらと撃つ、ラグビー部を変な方向に鍛え上げる、椿共々狂戦士(バーサーカー)と化した用務員さんの逆鱗に触れる…など、枚挙に暇がない。
かなめからハリセンや拳を交えた折檻が当たり前のように飛んでくるが、議会議員先生を襲いにきた反社を取り押さえるなど戦闘能力が役に立った話もちらほらある。

一方でかなめからの親切は素直に受けとることも多く、美味しい食事で"餌付け"されることはしばしば。
いつからか一緒に衣服を洗濯して貰うまでに発展した。

また、ボン太君に対する愛情は下記サベージにも負けない。
かなめを助ける過程で遊園地の着ぐるみを失敬して以降、各種センサーやら防弾仕様やらボイスチェンジャーやらを装着した「戦闘用着ぐるみ」さえ仕立てて量産・販売までしようとする始末。弱小ヤクザ屋さんだって流行りののヤクザ屋さんを撃退出来ました。ふもっふ。

小説版書き下ろしでは長編のキャラクターであるミスリルの仲間達とのドタバタが主体。
一部は長編ストーリーにも食い込んでくるため、予め読んでおくとより深く楽しめる。

family

最初はマオやクルツと共にDomsの設立に立ち会っていたようだが、 結婚した かなめへの襲撃が止まなかったためか会社からは離脱したようである。
そのためアナザーでは存在にこそ言及されど、最後まで登場しないまま終了した。

その後はかつての同僚ヤンの警備会社のメンバーと協力してかなめや2人の子供達を守る「我が家の司令官」となる。
頼もしい2人の子供達には感謝しつつも、『家族みんなで普通の生活』を望む本心とのギャップには悩まされている様子。
とはいえ当人も今さら馴染めなさそうなのは自覚しており、結局ヤンの会社のインストラクターとして落ち着いた模様。

かなめへの愛情は留まることを知らず、最悪なタイミングで敵が来たときには、
普段は子どもの教育に悪いためノンリーサルウェポンを使っているところ、腹が立って強力な実弾を装備しそうになったことも。
また諸事情でかなめが高校時代の制服を着た際にはそのあまりの破壊力に「千鳥」呼びになりながら暴走した
一部描写は若き日のテッサが見たら脳破壊では済まないダメージを受けそうな気が…

また、使用武装として本編時はAS搭乗時を筆頭にショットガンを頻繁に使用していたが、カービンなどの小銃がメインになっている。流石に寄る年波で反射神経が衰えていることに加えて「アレを構えて突っ込んでいくのは若気の至りが過ぎた、生き残れたのは運が良かっただけだ」とかつての自分を省みたため。


搭乗した機体

ゲリラ時代はソ連から奪取したサベージの初期型を駆り、カリーニン率いるソ連部隊を苦しめていた。

ミスリルに入った当初はミスリル式のM9を使っていたが、ラムダドライバを使用する敵機に対抗するべく「戦うBMG」で搭乗したアーバレストを主に使うこととなる。
しかしラムダドライバを上手く発動させることが出来ずかなり苦戦を強いられたが、香港にて宗介自身の人間的な成長を期に使いこなせるようになった。
だが、それでもレナードのベリアルには全く敵わず、アーバレストはここで力尽きることとなった。

「燃えるOMO」ではあちこちガタが来ている初期型サベージに乗り込み、色だけアーバレストに寄せて「アル2世」と命名。格上チーム相手に連戦連勝を重ねる。
闇バトルではM9の弱点を突き勝利、悪徳警官によって駆り出されたナムサクの連中には物量相手に苦戦するも、辛うじて動いた片腕で全機撃破したところで役目を終えた。

「集うMMD」ではスケベな方のジジイ大佐に米軍から拝借してもらったM6A3でメキシコの邸宅に突入。居合わせたマオ&クルツとの連携でコダール2機をラムダドライバなしに撃破する((この巻ではかなめの見立てとして、同じ腕前のパイロットならコダール1機が第三世代型AS8機に比すると語られている))など金星を挙げた。
その後はトラップや包囲網に屈してお役御免となるも、直後に駆け付けたアルのレーバテインに乗り換えてからはまさに無双状態。
最終決戦ではレナードのベリアルとのリベンジマッチで相討ち。タルタロス破壊の直前で機体は大破するもアル&宗介の連携でベリアルを破壊した。

サベージ愛

作中彼が最も信頼する愛機、それがソ連製のAS、Rk-XXシリーズことサベージである。
フルメタルパニックの世界においてもっとも初期から存在するASであり、彼がゲリラ時代に最初に搭乗したのもこれ。
つまり彼はASという兵器が戦場に登場したほぼ最初期からのASパイロットなのである。
当時は仲間と一緒に試行錯誤しながら、鹵獲した機体を大事に使っていたため、愛着も大きいのだろう。

だからこそなのか、彼のサベージという機体への熟達ぶりと信頼は絶大なものがあり、
ASの両足が使えない状態での火器を使わない接近戦、傭兵時代の凄腕の狙撃手との熾烈な一騎打ちなど、
彼とサベージに関するエピソードはそれ自体に力の入ったものが多い。

反面、信頼に足らないものは毛嫌いしており、その最たる例が問題解決前のアーバレスト(の特にラムダ・ドライバ部分)。
発動に必要なのが具体的な動作などではなく抽象的なイメージであり、実際に動くかが不確かな代物ともなれば、宗介の不信を買うのは当然も当然。
これは彼だけに特有の考えではなく、作中ではマデューカスが明確に宗介と同様、確実性の無いものは論外という意見を述べている。
彼が発動するかしないか曖昧な信頼性の低い超兵器ラムダ・ドライバアーバレスト)を任された後、アルと和解するまで内心で反発をしていたのは、それ自体の不確かさだけではなく彼自身の経験も理由だった。

特に後半のあるエピソードにおいて彼のサベージに対する愛が大爆発することになる。
ついにはこの世界で最高クラスの性能を持つ最新型AS、M9ガーンズバックと初期型のRk91サベージで一騎打ちをし、
地形を巧みに生かした奇策と、知られざる機体性能の差をついて、見事倒すことに成功。
これを言い換えるなら初期型のザクⅠガンダムを倒すようなものである。

なおこの時のサベージは、スポット参戦の機体だったにもかかわらず話の中で壮絶な戦いを繰り広げ、
今現在はスパロボでも原作再現の要素で出番がある人気の機体となっている。

彼曰く(作者曰く?)、
「劣悪な環境でも粗悪なオイルでも黙々と動いてくれるプロのツール」
「最後まで操縦者を見捨てない傑作機」であり、AK-47カラシニコフ銃を思わせる絶賛の扱いである。


余談

  • 生年月日
上述の経緯から正確な生年月日は不明であり、原作では特に言及されていない。
アニメ版では偽造の住民票が登場し、そこの生年月日は「昭 58.7.7」と記載されている。これは本編での時系列と大きく矛盾してるが、アニメ版は年代設定が原作と変更されているためだと思われる。
誕生日に関しては、7月7日はキリコ・キュービィーの誕生日でもあるためそれが元ネタ…ではなく、作者自身も「本人も誕生日を知らないのでウルズ7→7月7日と適当に書いた」という程度に決めた裏設定のつもりで、キリコと被ったのはマジで偶然なんだとか。
『Family』では、生まれ年は別として7月7日生まれという設定は正式なものとなっている。




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最終更新:2025年06月22日 23:24

*1 スーパーロボット大戦シリーズではカロリーフレンド

*2 ただしイスラームのほとんどの教派は他宗教圏内であればタブーとはしておらず、戒律に対する態度そのものは本人次第という一面もある

*3 ただし、乗っている機体の都合上整備全体の手間は他機よりかかっている

*4 ここでは、「墜落して変形したヘリコプター内にいる負傷した生存者を救出して、機体が爆発するまえに脱出」している

*5 『ONS』では、宗介の家にお邪魔することになったのを利用して、テッサはかなめ視点で自身が「宗介の上官」ではなく、「宗介の彼女」に見えるようにふるまい、宗介を困らせている。

*6 マデューカスはテッサに寄り付く変な虫を追い払うべく色々とやっており、これ自体の是非はさておくとしても宗介からは上官からの圧力にしか映らない。

*7 当然そんなことをしてもメリットは一切ない。むしろ付近に敵が潜んでいるかもしれないためデメリットさえある

*8 この呼び名はミスリルキャンプまで使われていた模様

*9 当初は戦争ボケどころか常時戦闘状態から抜け出せていなかった宗介を更正する目的があったとカリーニンが特別編で語っている。現地の人間には迷惑をかけたが宗介の成長はカリーニンの想像以上だったようである

*10 クリスマスプレゼントとしてペン型のスタンガンを贈っていた。要らん

*11 そこのオペレーターが旧知の仲だったが、対戦相手に場外で殺されてしまった

*12 ナンパ男に絡まれたその娘をガン無視、介入したかなめが襲われるまでは全く動かなかった。主人公としていかがなものか…