辻彩(ジョジョの奇妙な冒険)

登録日:2013/11/02 Sat 01:34:35
更新日:2025/02/20 Thu 08:04:03
所要時間:約 4 分で読めます







“魔法使い”としてのルールを曲げたけど治してあげたわ
だって逆にこのあたしが何の関係もないこの康一君にそこまでさせてしまっては
『魔法使い』としてのコケンに係わるから





CV水橋かおり(ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン)/大原さやか(TVアニメ版)


【概要】

杜王町でエステ「シンデレラ」を営むエステティシャン。
ダウナーな雰囲気の美人で、ため息混じりの低血圧っぽい喋り方が特徴。

世界各国のエステティシャンコンクールを総なめにした実力派で、自身を「魔法使い」と称する。
幼い頃から童話「シンデレラ」に登場する魔法使いに憧れ、エステティシャンとなり、自身が営む店もスタンドも『シンデレラ』と名付けた。
彩は「愛と出遭うためのメイク」と称して、スタンド能力でエステを行っていた。

最近CGも取り入れ始めたがまだ勉強中。
なのでCGの由花子の顔がこち亀やドリフのコントみたいに珍妙な姿になってしまった


【活躍】

いつも通り康一をストーキングしてた山岸由花子の姿を見たジョセフはエステ「シンデレラ」を薦める。
そこに行くと、不細工な少女がエステのおかげで結婚出来たと嬉し泣きしながら店から出て行く姿と、由花子を一目見て「好きになるほど男が逃げる人相」と本質を見破った彩の姿が。
由花子の願いを聞いた彩はスタンドでエステを行い、康一と仲を深める事に成功。
しかし、辻彩のメイクは僅か30分しかもたず、メイク完了から30分後にデートしていた康一が何の前触れもなく逃げるように立ち去ってしまう。*1

この時、メイクの効果が切れた事を知った由花子は


「どうして『30分』だけなのよォオオオ〜〜~~~ッ!!」


とジョジョ立ちしながらページの半分以上を使って叫んだシーンは余りにも有名。


そして、今度は彩が由花子の全身をメイクし(この時に互いがスタンド使いと知る)、再び康一とデートをし、キスまでするも…
メイクの効果が切れた事で由花子の全身が崩壊。

尚、由花子のメイクの効果が切れたのは定期的にメイクを維持する手順を怠たったため。要は完全な逆恨み

激怒した由花子はシンデレラに襲撃するも、その直後に康一が現れ、顔面が崩壊した由花子が『山岸由花子』と見抜き、「ありのままの由花子が好きになった」と告白。

そこで、彩は最後のチャンスとして、「今までに整形してきた無数の顔の中から自分の顔を見つけ出す」勝負をする。*2
自分に自信が無かった由花子は康一に選ばせると、彼は醜い顔になったら自分の目をつぶすと何の躊躇いも無く言った


「由花子さん…後悔しないとか言ってるけど、由花子さんの性格だと、
きっと“違う顔”になると…僕に見られるの嫌だと思うんだ。
だから僕が見なけりゃ済む事だと思うもので…」

康一の優しさに胸を打たれた彩は、ハズレだったにもかかわらず由花子の顔を元に戻したのだった。


由花子さん。あなた…男の子を見る目だけは確かだったようね…



◆夢砕かれた魔法使い

その後、登場しないかと思われたが、逃走中の吉良吉影に脅迫させられて無理矢理「川尻浩作」の顔と指紋を移植させられる衝撃的な登場をした。
彩は瀕死の体を押して吉良の情報を教えようとするも、『キラークイーン』の「第一の爆弾」によって爆殺される。*3

その余りにも衝撃的な再登場とあっけない幕引きに唖然とした読者も少なくなかったはず。

だが…(後述)


◆アニメ版

アニメ版では「吉良吉影は静かに暮らしたい」と前後する形で前倒しで登場。
これは作者の荒木氏自身の提案であり、4部アニメ化に辺り、スタッフに「構成を練り直してほしい」と頼んだとか。
重ちー死亡後のスタンド使いの集合シーンにも登場し、「うちにくるとは思えないけど…一応ね」と警戒心を持っていたが……ものの見事にフラグでした、合掌
死後となるOP『Great Days』の映像では重ちーと共に天を指差す一行を雲の上から見守るカットが挟まれている。

なお、アニメ最終回で「彼氏にプロポーズされた」と喜んでた女性がその彼氏とデートしてる姿が描かれた。*4
彩さんの望み通り、幸せそうで何よりである。

このように、彼女のかけた「魔法」は、決して無駄にならなかったのである。
いつの日か、彼女の夢を引き継いでくれるような「魔法使い」がまた現れてくれることを願わずにはいられない。


【スタンド】



ガンバテッて…
あなたは愛に関して『無敵の肉体』になったのよ………

スタンド名:『シンデレラ』
破壊力-D
スピード-C
射程距離-C
持続力-C
精密動作性-A
成長性-C

ロボットのような人型のスタンド。

◆能力

人体をモンタージュのように変換するスタンド。
本体である彩自身が運勢の上がる人相を勉強しているため、スタンドそのものの能力というより本体の知識によって獲得した能力である可能性がある。
劇中でスタンドに目覚めた経緯は語られていないが、トニオのように「技術を極めた結果として発現したスタンド」なのかもしれない。
また変換するパーツは顔だけでなく指紋や髪そのものも交換できたりする。
ただし、吉良が川尻の靴とサイズが違う事に悩んでいた辺り、整形・交換できる部位には限界がある可能性もある(単に吉良が交換させ忘れただけかもだが)。

しかし、整形は最大で30分しか効果が無く、30分以上固定し続けるためには、スタンドの口紅を30分ごとに塗らなければならない。
それでも、24時間しか維持出来ない(料金は72000円と高め)が、言い換えれば「どんな不幸な人間も一日だけ幸せに出来る」ととんでもないスタンドである。

但し、その口紅を塗るのを怠ると、固定された部分がドロドロに崩れてしまい復元が不可能になる。
最終手段として『シンデレラ』は今まで整形してきた人間の顔を『記録』しており、記録した顔の中から元の顔を探し当てることができれば修復が可能。
ただし間違った顔を戻したら、彩の基準からして「不細工」な顔になるとの事。

……と、運勢という強力無比な要素を操るに相応しい厳格な制約のスタンドに見えるが、実際はこれらの制約の殆どは辻彩本人が"魔法使い"として顧客に対して定めたルールによるものである。
『シンデレラ』の記録から顔を当てる件は客を試しているだけでいざとなれば意思一つで元の顔に戻せるし、吉良の整形は30分制限どころか彼女の死後も維持され続けている。
由花子への脅し文句は、自分勝手な振る舞いの多かった由花子への「おしおき」だったのかもしれない。

要は物凄い整形マシーンと言えば分かるだろうか。

なお由花子の『ラブ・デラックス』によって拘束された際には全く抵抗出来ていなかったので、直接的な戦闘能力は極めて低いと思われる。

スタンド名の由来はアメリカヘヴィメタルバンド「シンデレラ」。
設定上は本人も劇中で言及している童話の方だろう。


【余談】


「吉良吉影が彼女がスタンド使いだと何故知っていたのか」と度々議論になっている。
アニメ版では彩が由花子に声を掛けて一緒に「エステ・シンデレラ」に入る場面で吉良がその様子を目撃するシーンが追加されているが、それでもスタンド使いであることや能力の内容までは分かるはずがないので、結局謎である。
怪しいのは協力者である写真のおやじ辺りだが、彼が劇中で本格的に活動し始めたのは彼女の死後であり、それ以前にどんな活動をしていたかが不明瞭なので微妙なところ。


一見すると吉良の逃亡の為だけに作られたキャラのようにも見えるが、吉良が逃亡中に「エステ・シンデレラ」に入った展開は、荒木氏のアドリブ。
彩のエピソードを描いてた当時は、この展開を全く考えていなかったそうである。


意外に思えるが、実は『星の白金』以来にして4部初出のスタンドの中で唯一「精密動作性A」評価の地味に凄いスタンドだったりする。


劇中では何も出来ず、あっさりと殺害されてしまったようにも見える彼女だが…
実はそうではないという考察もある。
整形後の吉良は、
  • 他人と過ごせない筈の吉良が、仮にも一ヶ月も川尻家で過ごせてしまう
  • しのぶを「手」としてでなく(おそらくは生まれて初めて)「一人の女性」として意識するかのような振る舞いが多くなる
…と、自分でも信じられない行動をするようになってしまう。*5
そして、潜伏中ついにやらかしてしまった殺人でも、目撃証拠や物証を残してしまうという、かつて15年もの完全犯罪を成し遂げてきた彼からしたらとんでもないヘマを犯すようになってしまった。
彩は生前、『人は皆、顔の持つ運勢に従って生きている』と持論を唱えていた。
その『運勢』をその場から逃げるためだけに無理やり変えてしまった*6吉良は、もうその時点で今までのような完全犯罪は出来なくなってしまっていたのかもしれない……。




「暗い美人より明るいブス」・・・の方がましってことね~
「女の追記・修正」は・・・

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最終更新:2025年02月20日 08:04

*1 デート中に食べたアイスが当たってお腹を壊した。

*2 彩が用意した顔の中に正解はなかった。それが分かったら治してやるつもりだった。

*3 アニメでは仗助が治そうと康一と共に近づくも間に合わず、億泰の『ザ・ハンド』で引き戻されて難を逃れている。億泰も悔しかっただろう。

*4 その彼氏は、間田のエピソードでオチをつけたあのライダーの一人である。

*5 もしかしたら吉良もまた「愛に出会うメイク」の効果が少し現れていたのかもしれない。

*6 しかも、「たまたま背格好が似ていたので殺人鬼に拉致られて殺される」という「運のない男」の人相に変えてしまったオマケ付きである。