火之迦具土(遊戯王OCG)

登録日:2012/06/11 Mon 07:16:41
更新日:2025/06/20 Fri 19:17:55
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火之迦具土(ヒノカグツチ)》とは、遊戯王OCGに存在するカードの1つ。


火之迦具土
スピリットモンスター
星8/炎属性/炎族/攻2800/守2900
このカードは特殊召喚できない。
召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
また、このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時に発動する。
次のターンのドローフェイズのドロー前に相手は手札を全て捨てる。


【概要】

第2期パックの「Mythological Age -蘇りし魂-」で登場した最上級モンスター。
特殊召喚出来ず、召喚・リバースしたターンのエンドフェイズに手札に戻ってしまうスピリットの一つ。
リリースを2体必要とする最上級モンスターなので、出しにくい上に場持ちが悪く、非常に癖の強いモンスターである。

しかし、このモンスターはその欠点を補って余りある強烈な魅力を持つ。


なんといっても、「戦闘ダメージを与えると相手の手札を全て捨てさせる」というエゲツない効果が最大の長所である。
あらゆるハンデスカードの中でもその威力はトップクラスであり、その効果が決まった時の爽快感はこのカードでしか味わえない。
デュエルの序盤で効果が決まれば、手札と一緒に相手のやる気も根こそぎ狩ってくれるだろう。

効果の発動までに若干のタイムラグがあるものの、その間に手札から発動出来るカードは非常に少ない。
むしろ、相手の攻撃反応罠に対して使った《魔宮の賄賂》や、メインフェイズ2で発動した《一時休戦》などのデメリットを実質的に打ち消す事が出来る為、メリットとすら言えるだろう。


前述の通り、最上級スピリットモンスターであるが故の出しにくさと場持ちの悪さが最大の欠点である。(手札に戻る効果に関しては、相手に除去される危険性が下がるため、場合によっては長所になる。)
また、破壊効果に対する耐性も、相手フィールド上のカードを除去する能力も持っていない為、戦闘ダメージを与えるにはプレイヤーのサポートが必須となる。

その高い爆発力と引き替えに、安定感は非常に低いカードと言える。


カグツチ」とは日本神話に登場するのことである。
イラストでは、燃える髪を持つ筋肉ムキムキの男性として描かれている。
その逞しい肉体と笑顔が印象的であり、一部のプレイヤーから妙な人気があったりする。

ラストバトル!》のイラストでは《八俣大蛇(ヤマタノドラゴン)》と戦っているが、原典で戦っているのは「カグツチ」ではなく「スサノオ」である。
雷帝神(スサノオ)》の攻撃力は2000しかないので、まともに張り合える存在として選ばれたのかもしれない。
ただ、スピリットはいずれも特殊召喚できないので、《ラストバトル!》の効果で対峙させることはできない。

ちなみに、海外版ではイラストが修正されており、腰の布地の面積が増えて股間のふんどし部分が見えなくなっている。
やはり海外では露出に関する規制が厳しいようだ。


【相性の良いカード】

《死皇帝の陵墓》
A召喚に必要なモンスターの数×1000ポイントのライフを払う事で、リリースを行わずにモンスターを召喚出来るようになるフィールド魔法。
《火之迦具土》の場合は2000ポイントを払う事で召喚出来る。
リリース要員を確保する必要がなくなる為、召喚にかかる手間が格段に省けるのだが、2000のライフコストは地味に痛い。
《火之迦具土》の効果は、一度でも通れば戦況を大きく変えれる為、確実に戦闘ダメージを与えられるように場を整え、一度の召喚で効果を発動出来るようにすると良いだろう。


《ワーム・ホール》
自分のモンスター1体を、次の自分スタンバイフェイズまで除外する効果を持つ通常魔法。
スピリットモンスターが手札に戻るタイミングは「召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ」なので、一時的に除外されると、いつ召喚・リバースされたかという情報が消える。
結果として、エンドフェイズを過ぎても《火之迦具土》を場に留める事が出来る。
戦闘ダメージを与える度に手札を根こそぎ焼き払うモンスターが場に留まり続けるのだから、相手からして見れば厄介な事この上ない。


咎を擁く魔瞳
効果が適用されたデュエル中、手札のモンスター効果を発動できなくなる代わりに、召喚に必要なリリースを全て無くす魔法カード。
フィールドに残らず効果も残存するため妨害されにくく、ライフコストも要らない点では《死皇帝の陵墓》を上回る。


《守護神スフィンクス》
リバースした時に相手フィールド上のモンスターを全て手札に戻す効果と、1ターンに一度自身を裏側守備表示にする効果を持つ上級モンスター。
相手のモンスターを全て手札にバウンスする為、《火之迦具土》の破壊力が増し、更に相手のモンスターカードゾーンをガラ空きに出来る為、攻撃も通りやすくなる。
召喚に一体のリリースが必要となる為、《火之迦具土》と並べる事は容易ではないが、お互いの効果がガッチリと噛み合っている為、狙うだけの価値とロマンはある。



【相性の悪いカード】

枚数を問わず全ハンデスというのは確かに極めて強力であるものの、「墓地は第二の手札」という言葉もあるように、相手に塩を送ってしまう可能性も否定できない。
特に、効果で墓地へ送られることでアドバンテージを稼ぐシャドールティアラメンツなどとの相性は悪い。
その最たる例は、やはり手札から捨てられた時に効果を発動させるカードを多数擁する【暗黒界】だろう。

それだけなら大抵のハンデスカードにも同じことが言えるのだが、《火之迦具土》はエンドフェイズに手札に帰ってしまうスピリットモンスター。
それも、《死皇帝の陵墓》などのサポートがなければ2体のモンスターをリリースしなければならない、非常に重いカードである。
つまりは《火之迦具土》の召喚と、戦闘ダメージを与えて効果を通すまでのお膳立てで、こちらも多くのリソースを消費することになる。

ただでさえ盤面をがら空きにしてターンを返してしまうリスクが高いのに、そんな状態で相手に墓地からアドバンテージを稼がれてしまえば、こちらが一気に窮地へと追い込まれる。
また、《火之迦具土》自身は何の耐性も持たないモンスターなので、《エフェクト・ヴェーラー》などのモンスター効果への妨害1つで機能停止に追い込まれてしまうのも欠点である。


【アニメでの活躍】

乃亜編ではラスボス乃亜が使用。
装備魔法で攻撃力3000にして《マジシャン・オブ・ブラックカオス》を戦闘破壊し、闇遊戯のLPを100にまで減らした。
しかし、肝心のハンデス効果は闇遊戯の手札が0枚だったので不発に終わっている。
この時乃亜は《霊子エネルギー固定装置》でフィールドにとどまらせて、勝利を確信するが……。


残念だけど君のその手札… 消えるよ!
遊戯王ARC-Vにて、遊矢が読んでいた雑誌にて記載されている、という形で名前のみ登場。
キャッチフレーズは“目眩く業火!!”。
「トマトハンデスデッキ」や《魂を削る死霊》《スナイプストーカー》といった昔懐かしいカードと共に紹介されていることで、スタンダード次元における現環境をそれとなく示唆している節もあった。


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最終更新:2025年06月20日 19:17
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