アークライズファンタジア

登録日:2014/02/07 Sun 23:00:00
更新日:2024/04/01 Mon 20:27:41
所要時間:約 10 分で読めます








心を繋ぎ、闇を照らせ。





アークライズファンタジアは、2009年にマーベラスエンターテイメント(現:マーベラス)が発売したWiiのRPGである。
開発は今亡きイメージエポック。
シナリオはテイルズオブシリーズでおなじみの実弥島巧、サウンドプロデューサー&コンポーザーには『クロノ・トリガー』などで有名な光田康典、キャラクターデザイン原案は『交響詩篇エウレカセブン』の吉田健一が参加するなど、なかなか豪華なスタッフ陣である。
声優陣も中村悠一石田彰羽多野渉など、スタッフから声優まで最近のアニヲタ諸君でもどこかで聞き覚えのある有名どころを揃えている。

当時のイメージエポックにとって初めての据置機向けRPG*1であり、ノウハウが殆ど無い状態から企画がスタートした。
しかし、所々にシンプルな作りが見えつつも、普通にプレイする分にはそれを感じさせない、RPG処女作とは思えないクオリティーの高さを感じられる。
特に戦闘システム(後述)の自由度は高く、それだけに本作限りの要素となっているのが惜しまれる。

作りの良さに反して知名度はあまり高くなく、隠れた名作でもある。
2010年にはみんなのニンテンドーチャンネルにおいて、「みんなのオススメセレクション」として廉価版が発売されたこともあり、中古価格ではかなり買い求めやすい部類の良ゲー(通販なしで見つかるかはともかく)。
現在プレイする場合、まずswitchでは言わずもがな互換性が無いので、WiiかWiiUを用意することになるだろう。
その場合はセンサーバーやリモコンに加え、ヌンチャクorクラシックコントローラが必須になるのでお忘れなきよう……


●ゲームの特徴

戦闘について

戦闘ではパーティー中3人を動かして戦う。またCPU操作のゲストキャラが参戦して4人で戦うこともある。

毎ターン行動力ポイント(以下APと表記)が与えられ、最大値はパーティーの人数の合計(ゲストキャラの分は加算されない)。
選んだ行動の消費APが、そのターンで与えられたAP内に収まるように選択して戦わなければならない。
逆に言えば、AP内に収まってさえいるなら自由に各キャラクターの行動や回数を決められる。一人が攻撃やら回復やらで沢山動いても(戦略があるなら)全然構わないのである。
ゲストキャラはAPの縛りが無く勝手に行動するため、気にする必要は無い。
消費APは「神速」状態だと1減り(下限は2まで)、「麻痺」状態だと1増えてしまう。

どの行動でどれだけAPを消費するのかは非常に分かりやすく、弱い攻撃は低い、強い攻撃は高い、と傾向がシンプル。

通常の戦闘ではモンスターシンボルとどのように接触したかで、APの初期値が決まる。
背後から接触すれば最大値まで溜まった状態からスタートして有利を取れるが、逆に背後を取られるとAPが少なくなってしまう。

また、ストーリー序盤をある程度まで進めると連携システムが解禁。
複数人で同じ敵を攻撃すると連携攻撃が発動し、最速のキャラのタイミングで攻撃できる。
一人が連続で通常攻撃したり、同じ光召術(後述)を選んだりしても連携が発動する。
連携内容によっては倍率補正がかかり、パーセンテージが高い程与えるダメージの倍率が上昇し、大ダメージが見込める。


武器とアームフォースについて

このゲームの変わった特徴として、武器に攻撃力という概念が存在しない
代わりに、武器それぞれには「アームフォース」と呼ばれる特殊能力を秘めたピースが組み込まれており、これをカスタマイズするのが主となる。
分かりやすく言えばロックマンエグゼにおけるナビカスみたいな感じ。

ピースには種類があり、「ロックピース」「ネイティブピース」「シークレットピース」の3つが存在する。
ロックピースは最初から武器に埋め込まれているピースで、WPを稼いで武器レベルを上げることで自由に取り外せるようになり、他の武器に組み込めたり出来る。
ネイティブピースはその武器に固定されているピースで、武器の個性にもなっている。どう頑張っても取り外しは不可能のため、他のピースを組み込む時は配置に気を遣う必要がある。
そして、シークレットピースは隙間なくピースで埋めることにより別個で1つ発動し、武器に由来したアームフォースが発動することが多い。
どんな武器にも能力によって異なる用途が生まれる上に、その細かい性能も自由に決められるため、攻撃力の差が無いのもあって武器選びの自由度と戦略性は高い。
使いこなせるようになると結構楽しくなる。


アームフォースには能力値を上げるもの、攻撃に何かしらの状態異常を付与するもの、与ダメージや防御面に関わるもの、獲得経験値を上げるものなど多彩な種類がある。
強い効果のアームフォースほどピースが大きく、他のピースとの共存が難しいため、カスタマイズを突き詰めていくと案外悩むことになる。使いたい武器のネイティブピースを見ながらうまく考えよう。
また、戦闘中にコマンドとして使えるアームフォースも存在しており、敵の情報を調べる、アイテムを盗むといった攻撃に関係ないもので占められる。
(こういった行動にも各キャラ専用のボイスが割り当てられていることも)
幾つかのコマンドを組み合わせることで効果が強力になる連携「アームタンデム」が発動する。


光召術について

光召術は一般的なRPGにおける魔法の立ち位置。
どのキャラでも「ジェム」というアイテムを「ケージ」にセットすることで好きなように覚えさせられる。
他作品で言えば軌跡シリーズのクォーツとアーツ、ないし戦術オーブメント
ジェムの質が良いものほど高レベルの光召術が使用可能だが、逆に普通のジェムでも隣り合わせに置けば共鳴し、その数だけレベルが上昇する。

ケージは専用の店で強化することが可能で、
セット可能なジェムの最大数を増やしたり、各属性の威力を強化したり、MPを上げたり、と出来ることは多い。
ただし総合的なコストでの上限が設けられているので、限界まで全部強化することは出来ない。

なお、本作におけるMPは、光召術を1回使うごとに1消費する仕組み。
これは光召術のレベルに関係なく一律で決まっており、初期値も各レベルで2となっている。

光召術の基本属性は」「」「」「の4つ。
特定の二つの属性を隣り合わせに配置することでケージ上のジェム同士を繋ぐ線が光り、新たな属性の光召術を使うことも可能。
以下その組み合わせ。
ただし、相反する属性のジェム同士を繋げるとレベルが下がってしまう。
セットする時に線が暗くなるので、相性が悪いか否かを判別するのは容易。

同じ光召術を連続で選ぶと効果が増幅され、術名とエフェクトが少し変わるだけでなく状態異常やステータスダウンを付与することがある。
一人が連続で選ぶか、同じタイミングで二人が同時に発動するのが増幅の条件。
重ねた分だけ威力が増していくので爽快感は抜群。
もちろん戦略としても有効なので、ボス戦で短期決戦を狙いたい時には一考の余地あり。なお間に別の行動を挟んだりすると無効なので注意しよう。

ちなみに光召術はそれぞれ決まった詠唱文が設定されていて、パーティメンバーごとにしっかりボイス付きで喋ってくれる。
これは人間型のボスも同じであり、ほぼ同じ詠唱文のボイスが用意されている。
(もちろん細かい言い回しは異なる)


エクセルアクト

キャラクターごとの固有技。
SPを一定値消費して強力な行動をすることができる。
どれも各キャラクターの個性がよく出た動きを見せてくれる。

習得には一定レベルまで上がる必要があり、その後は戦闘中に突然ひらめく形で習得する。
またストーリーが進むと、三人で同じ敵にダメージ系のエクセルアクトを繰り出した際、
更に強力な追撃を仕掛ける「トリニティアクト」が発動するようになる。
これは出したキャラクターに関わらず共通の技であるが、ストーリーがより後半にさしかかった頃になると、
三人の合計消費SPが200%を超えることで、最初に行動したキャラが連携の最後にド派手な追撃を仕掛ける「エクセルトリニティ」が解禁される。
トリニティアクトと違ってキャラクター固有の大技であり、内包属性も異なる。見ごたえもダメージも抜群。
その代わり、手持ちのAPの大半をエクセルアクトに費やすことになるので他の行動が限定されがちで、繰り出すタイミングが重要。
ボス戦でトドメを刺せると気分爽快である。


ログレス

いわゆる召喚獣であり、世界観的にも重要な存在。
ラルクだけが使うことができる。本当はもう一人いるのだが
基本的には敵全体に大ダメージを与える奥の手。その他にも味方全体に強力な回復・補助効果を撒いてくれるログレスもいる。
しかし使用にはログレスポイント(以下RP)を必要とし、このRPがなかなか溜まらないため、ボス戦ごとに一回ぐらいの使用率になるだろう。

以下、主なログレスの一部。

  • シムマフ
光属性。
天使のように神々しい姿を持ち、「解放の光輝」を名乗る。
彼とラルク、リフィアとの出会いが旅立ちのきっかけを作った。

  • ギルダブ
闇属性。
シムマフと対照的な悪魔の如き姿であり、「支配の静寂」を名乗る。
比較的序盤に対面することになる、が……

  • グラ
土属性。
生ける要塞のような威容と巨躯を誇り、「剛直の境界」を名乗る。
だが、今は何者かの手で暴走しているため、正気に戻すべく戦うことになるのだが、これが地味に作中有数の難関ポイントだったり。

  • ルフンガ
水属性。
瑞々しい人魚の姿を持ち、「純潔の楽師」を名乗る。
彼女を加えるにはとあるボス戦で勝つ必要がある(負けても進む)のだが、勝ちたい場合は相当念入りに準備しないと勝てない強敵ばかりなので、大抵のプレイヤーはボロ負けしてみすみす奪われる羽目に。
ただ、彼女に限った話ではないが、取れなかったログレスもかなり終盤で一気に手に入るのでめげる必要はない。


中にはメインストーリー外のイベントクリアで使えるようになる「隠れログレス」もいるとか……?


ネームドモンスター

名有りの凶悪なモンスター達の総称。
適当な対策ではまず勝てない。ボス並かそれ以上の強敵がわんさかといる。
だが勝てば強力な装備品が貰えることも多く、挑む価値はある。
詳しくは項目で。



●世界観概略

舞台

フルヘイムという世界が舞台。
この世界はレイと呼ばれるエネルギーによって繁栄を遂げ、航空機が作られる程にまで文明が発展してきた。
が、同時に「結晶化」と呼ばれるその名の通り物が結晶になってしまう現象が発生したり、「濁竜」と呼ばれるモンスターが人々を襲ったり「ホゾン」という汚染物質をバラ撒いたりしていた。
特に濁竜は脅威的で、普通に倒すと大爆発を引き起こし、周囲一帯を汚染する深刻な被害をもたらす。
後述のメリディア帝国は率先して空中戦艦を軸にした討伐作戦を展開しており、主人公もその濁竜を退治する傭兵として参加している。


三つの国と四つの宗教

そんなフルヘイムには三つの国がある。
  • サウスノワーレ教を国教とするも宗教色が非常に弱いメリディア帝国
  • ノースノワーレ教を国教として華やかな文化を実らせるトゥレミリア共和国
  • オルキナ教の教えを第一として国を統治するオルキナ教国
この三つである。
更にノースノワーレ教はイマジナル神を、オルキナ教はリアル神を信奉している。
物語開始時点では、主人公の住むメリディア帝国とそれ以外との関係は芳しいものとは言えず、帝国が軍事国家なのもあってやや険悪な空気がちらついている。
後述の原因で帝国中に供給できるレイが限られているため、唯一の供給源である軍事拠点「ジャダ」で万が一のことが起きれば深刻なレイ不足は避けられない状況にある。

オルキナ教国は領土のあちこちで結晶化が進んでいる汚染の著しい国だが、そこに暮らす国民はさほど苦に感じていない。
だがそれは、オルキナ教の教えである終末思想を受け入れているためである。
他にも地脈のレイを勝手に機械で吸い上げており、帝国が必要とする分を実質横取りしていることもあって、帝国の皇太子はオルキナ教国のことを快く思っていない様子。
物語序盤では、このレイを吸い上げる装置の破壊を命じられた主人公らが潜入することになるが……

トゥレミリア共和国も表向きは平和だが、一部の街がオルキナ教の人間に破壊されたり、また別の街や村は帝国に占領されてしまい侵攻阻止のために橋を落とさざるを得なくなったり、と三国では一番苦しい立場にある。
おまけに、共和国のリーダーの意思とは無関係に黒い陰謀が動いているようで、それが主人公達との過去の因縁にも繋がっている。

またかつては一大宗教だったものの、現在は廃れてしまったノワーレ教という宗教もあり、これが分かれて現在のサウスとノースになったのである。


神々と定理

前述のノースノワーレ教、オルキナ教はそれぞれイマジナル神、リアル神を信奉している。
どちらも性質は違うが「世界を救う」ための定理を掲げており、宗教としての教義でもある。
その定理は、もう一柱の神であるイーサ神に奏上することで実現するシステムとなっており、両派閥は各々の信ずる定理の実現を願っている。
ざっくばらんに定理の内容を説明すると、イマジナルの定理は世界からホゾンを完全に消し去り、リアルの定理は世界をすべて結晶化して滅ぼしてから再生する(要は作り直す)、というもの。
この内容から普通に考えたら、後者は今あるものが諸共滅ぶことになるので即ち悪、誰も死ぬことのないイマジナルの定理の方が人類にとって有益しかないだろうと思われるが……

????「どっちが正義だとか悪だとかホント、笑いが止まらないんだけど」



●登場人物

本作の主人公。17歳。
メリディア帝国の認可傭兵で、死神(または死神ラグーン)という異名を持つ。
濁竜討伐作戦で濁竜に森へ落とされた際、偶然リフィアと出会い、ジャダで暗殺者に襲われた際に「イーサの子」の資格を持っていることが判明。
ジャダに捕らわれていたログレス・シムマフと契約したことがきっかけとなり、自身と世界の運命を大きく変える冒険の旅に出ることになる。

ぶっきらぼうな物言いをするが、根は優しい少年であり、傭兵の仕事も病床の母親のためにやっていたりする。本作のツンデレ担当。
そして鈍感なのもお約束。{皮肉にもそれが遠因となり、意図せずして一人の幼馴染を狂わせてしまうことになる
何だかんだと面倒見もよく、自称舎弟のニコルにはそのヘタレぶりもあって当たりこそきついが、本当は大事に想っている。

かつてフルヘイムで名を馳せた傭兵団「ロードナイト」の一員、レックスを父に持つ(現在は故人)。
傭兵になったのも、母を養うだけでなく、彼への憧れが根底にある。
若くして戦場での経験を重ねて来たからか、パーティメンバーの未成年組では精神的にもしっかりしているが、それでも精神的に成熟した大人達から見ればまだまだ未熟。

武器は大剣。
何のログレスを装備するかで属性耐性やパラメータが変化するため、能力はある程度プレイヤーの好きなように伸ばせる。


ノースノワーレ教の巫女(ディーバ)。16歳。
ある時街がオルキナ教の暗殺者に襲撃され、母や従者が犠牲になりつつ辛くもメリディア帝国へ脱出。
そこで森に落ちたラルクを助け、その後の成り行きで彼がイーサの子だと分かり、ディーバとして彼を導き旅立つことになる。

純粋無垢であるが、箱入り娘であるため世間知らずであり、天然発言で周りを困惑させたりする。
特に言葉のあやというものには弱く、比喩表現などを文字通りの意味で捉えてしまうこともしばしば。

例:サージュがとある女性についてダイナマイトボディと表現する→「○○さんの身体はダイナマイトで出来ているの?

こんな調子である。

生まれた時からノースノワーレ教のもとで育ったため、イマジナル神の教えは必ず世界を救うと信じ、使命感が強い。
その事もあってイーサの子のラルクには常に好意を見せてくれる。
ただ、イマジナルの定理への絶対的な信頼を寄せているが故に、後々明らかとなる定理の真実を知って苦悩してしまうことも。
それを乗り越え、精神的に成長を遂げた上での終盤のあるイベントの破壊力は凄まじく、リフィア派を萌え殺し、アデール派をイラッとさせただろう(セシル等その他派は知らん)。

武器は杖。光召術の能力が高く、回復技にも長けている。


メリディア帝国の皇子様。18歳。
本名はアルフォンス・ゼナ・メリディア。
皇位継承権は兄のヴァイスにあるものの、その厚い人望から国民に愛されている。
優しくて友達思いな性格であるため、強権的な兄に対してやや不信に思っている所もある。その感情は後に……

アルスとアデールとは道場の兄弟弟子であり、幼馴染である。
アデールに片思いしてるが、アデールの気持ちを尊重しているため一歩引いている。

武器は長剣。
能力はどれも高水準。しかし、味方として使うよりも敵として苦しめられることの方が断然多い。


メリディア帝国で道場を開くザムエルの孫で、ラルクとアルスの幼馴染。
明るく天真爛漫な性格の女の子。
ラルクに思いを寄せているが、当人が朴念仁のせいでなかなか気づいてもらえない。
リフィアの登場でラルクに焼きもちを妬くあたりが可愛らしい。

どういう訳か、ザムエルにとって因縁の人物「イグナーツ」にその身柄を狙われている。
イグナーツからの逃走で色々あった末、ラルク達のオルキナ教国潜入任務に成り行きで同行することになり、共に戦う。

しかし、オルキナ教国での彼女は「あること」が原因で、良くも悪くも一気に豹変してしまう。
そのイベントも序盤のうちから本作屈指の修羅場であり、衝撃の展開と裏切りが怒涛の勢いで押し寄せて来るのもあって強烈な印象と爪痕を残す。
ファンにつけられた仇名が「ヤンデール」と言えば、どんな変貌を遂げるのかは想像に難くないだろう……

武器は杖。
能力はリフィアと似ているが、リフィアは光召術防御のほうがやや高いのに対し、こちらは光召術攻撃のほうがやや高い。


帝国の下級兵士。
大口をたたくお調子者であり、臆病者。
彼との出会いは自分の懲罰の危機から救ってもらったことがきっかけであり、20歳とラルクより年上にも拘らず、ラルクを兄貴と呼んで慕っている。

軍人とは思えないほど本当に臆病で、何かとすぐ逃げ出す癖がある。
ラルクにも悪癖を問題視されており、ある時は敵からの逃走でリフィアが転んだにもかかわらず、ほぼ見捨てるように自分だけ真っ先に逃げたことを厳しく叱責された(当のリフィアは気にしなかったが)。
一部のボス戦でも敵の攻撃を食らって気絶する、ビビッて逃げ出す、などの理由でいきなりパーティメンバーから一時離脱してしまい、彼をスタメンに編成していたプレイヤーを悩ませる。
しかし、性根まで腐っているクズという訳ではなく、誰かを助けようという気持ちに偽りはない。
何だかんだと憎めないキャラでありパーティメンバーの皆から愛されている。

武器は銃。
素早い能力でパーティーを援護する。
エクセルアクトの一つ「オンステージ」は色んな意味で必見。


敵から襲われていたラルク達をジャダの町ごと救った凄腕の剣士。
寡黙でどこか影のある性格の、39歳のおじさん。
その雄姿は噂で聞くロードナイトの一員に似ている。
ラルクは道場のザムエルの遺言から、彼が傭兵団のリーダー「レオン」なのではないかと考えているが、本人はそう呼ばれるたび事あるごとに否定し続けている。

サージュとは知り合いなのだが、何故か彼からはきつくあたられている。
その原因は彼らの過去にあり、ラルクにも決して無関係ではなかったりする。
一方でオイゲンも、サージュに対しては彼の軽薄な態度もあって「歩く騒音公害」など辛辣なコメントが多い。

武器は長剣と短剣の二刀流。
能力はスピードこそ遅いものの、高いHPと物理防御でパーティーをしっかり守ってくれる。


世界中を旅する自称勇者の女の子。
勇者道を究めている途中でラルク達と出会った。
お転婆でいつも元気な12歳。
気も腕っぷしも強く、初対面で生意気な態度を取ったニコルを容赦なくぶっ飛ばすほど。これが初登場のシーンなので、彼女がどういう人物なのか一目で分かる。

弟がいるのだが、特殊な経緯があって彼の方が身長が高く、何も知らない人が二人の並ぶ姿を見たらとても姉には見えない。
セシル曰く、その弟は虫も殺せないほど優しい男の子だったらしい。

武器は篭手。
パーティー屈指の攻撃力を誇る上、光召術攻撃もガンガンこなす。12歳でこれだけ攻撃力が高いのだから、末恐ろしい…。
エクセルアクトの大体がなにかしらのパロディっぽい。光召術の詠唱モーションも明らかに世界中の元気を集めるアレである。


敵に襲われていたラルク達を助け出した、盗賊団の新入り。
33歳とは思えないほど適当な性格で女好き。

武器は短剣で、高いスピードから高威力の光召術攻撃をくりだす。
詳しくは項目参照。


ラルク達がオルキナ教国の満月の宿で出会った、22歳の女性。
捜査官を自称している。

本作一のお色気お姉さん。
まず、第一印象からしてもう大人の色気ムンムン。
服装も胸元と谷間を見せつけ、素敵な腹回りを惜しげもなく晒すなど、露出度の高いナイスバディ。
手に入る衣装も幾つかはお色気系に寄っているぐらいで、中にはゲーム中未登場のバニーガールまである*2
自ら色気を活かし、ラルクをからかったりするノリのいい性格な一方*3、なかなか心の内を見せようとせず隙が無い。
また一歩引いた視点で物事を見るため、過度な肩入れはしない主義。
ストーリー中盤で、自分の信じたものが真っ黒だったことに衝撃を受けたラルクに言い放った言葉は、奇しくも彼が最終的に行き着いた「答え」と通じるものがある。

パーティメンバーの中では、正確に出身と素性が判明するのが最も遅く、どこかミステリアス。
ある敵を追うためにそれまでの立場を捨てて独自調査に乗り出しており、目的のためなら拗れに拗れまくった愛憎劇や離反が起きようと何でも利用してみせる。
そこまでしてある敵を探しているのは、彼女自身の過去が深く関わっている。

武器は銃。
トップクラスのスピードで仲間をサポートする。


オルキナ教国の15歳の少年。
骸を操る能力を持ち、ベネトナーシュの歌学省を襲ってリフィアの母親を殺害した。更にリフィアの命も狙っている。
割と早い段階で名前が割れ、後にセシルとの意外な関係が明らかとなる。

武器は素手。光召術攻撃に優れている。


  • クライド(CV:大川透)
帝国の町ジャダで軍の司令を務める、48歳の将軍。
アルスの側役をしていたため、彼に忠誠を誓っている。
横柄で粗暴な気質の兵士が少なくない帝国軍では確かな良識派だが、アルスへの忠誠心と天秤にかけた場合はこの限りでない。

武器は戦斧。
オイゲンと能力が近い上に広範囲攻撃もこなせる強者。
だが悲しい事に、その力はプレイヤーに対してトラウマ級に振るわれることになる。


帝国の皇子で、本名はヴァイス・ドナ・メリディア。
皇位第一継承権を持つ。
病床のマハト皇帝に代わり、政治の実権を握っている。
冷徹で高圧的な性格をしており、他国に対しても強硬なきらいがある一方、確かに強力なリーダーシップを誇る。
そんなヴァイスが支配するメリディア帝国は、皇帝がサウスノワーレ教の教主を兼任しているものの、宗教国家としては機能をほとんど果たしていない。
むしろ彼自身は神そのものを嫌悪している節があるが、その真意は果たして。

武器は長剣。


24歳にして帝国の将軍を勤める才色兼備の女性。
アルスに対してもズバズバものを言う厳格な性格で、ニコルはよく叱られている。

武器は銃。


ノワーレ教の教主。
伝道師としても各地を旅しており、ラルク達の前に現れては助言をしていく。
13歳ながらもとても落ち着いた性格。


  • ソアラ(CV:ゆかな)
リューズを護衛するノワーレ教の伝道師。
クールビューティーな26歳のお姉様。

武器は長剣。


  • コピン
イメージエポックがニンテンドーDSで展開した『ルミナスアーク』シリーズのマスコットキャラ。
本作ではフルヘイムに暮らす謎の生き物の種族としてゲスト登場する。


●余談

  • 本作はとにかくロード&セーブ等の処理速度が速い。これはポリゴン数やライティングより快適なプレイを優先したためである。
    じゃあグラフィックは粗いのかと言うとそうでもなく、当時のゲームとしては十分キレイな部類。

  • このゲームは何より、ボスがとても強い。多少の差はあるがメッチャ強い。
    最初のボスである骸使いですら、その時点では発動が難しい闇属性の光召術(しかも範囲攻撃&睡眠付与のオマケ付き)を繰り出して初心者勢をおおいに苦しめてくる。
    他の連中も相手によるが、数ターンで全滅、HP満タンなのに1ターンで戦闘不能、勝利を確信したのに負ける、なんてことは珍しくない。特に前述のグラや、トパジオン海岸、廃都ヒルベルト(2回目)のボス戦は体験したプレイヤーの間で語り草になるほど。
    アドバイスとしては、ボス戦において位置取りが重要である。そうすれば凶悪な範囲攻撃で受ける被害が減らせるからだ。
    後はRPGのセオリー通り、レベル上げと防具の新調もしっかり行っていこう。これを徹底するだけでも事故を減らせる。

  • 本編をクリアし、裏ダンジョンのボスも倒した後、闘技場に『ルミナスアーク』から三人の刺客がやって来る。
    その刺客たちとの戦闘が本作最難関の難易度を誇り、またこの戦闘のためだけに原作BGMのアレンジメドレー、及び三人のボイスが新規収録されているという力の入れ具合である。
闘技場のゲスト参戦キャラ"魔女軍団”の紹介。
ルミナスアークシリーズで活躍した魔女たちが、時空を超えてフルヘイムにもやってきた!?
強者を求めて異世界からやってきた「最強のパーティ」だけあり、その強さは「最凶」といえるほど。
はたして、この魔女軍団を打ち倒すことはできるか?

  • ルーシャ(CV:平野綾)
http://attach.w3.hehagame.com/uploads/allimg/090515/1330410.png
15歳・154cm
武器:杖(シャインロッド)
『絶対に負けないんだから!』
大いなる一閃が世界を照らす"暁光の魔女”
光を司る「暁光の魔女」
元の世界では、ある目的の為にメイドとして騎士養成所であるエバーガーデンにやって来る。 箒を見るとニヤつく、生粋の箒マニアらしい。
回復を中心に行う。範囲型の光召術を得意とするルーシャの、光属性の光召術「シューティングレイ」や奥義「オーバーフラッシュ」に包まれたら、大ダメージ必至!

  • ヴァネッサ(CV:伊藤静)
21歳・169cm
武器:大鎌(煉獄の鎌)
『フフッ。紅蓮の魔女こそが最強なのさ!』
全てを燃やし尽くす灼熱"紅蓮の魔女”
炎を司る「紅蓮の魔女」 強力な魔力を持ち、火属性の攻撃的な魔法を得意とする。 その性格も炎のように、強く、激しく、直情的。
元の世界では、ルミナスの光に影をさす"魔女”として怖れられているとか。
火属性の光召術を使いこなすヴァネッサの奥義「紅の煉獄」は、全てを焼き尽くすほどの破壊力を持つ!
スタッフによるとモーションをつけるのが一番大変なキャラだったとの事。
(アークライズファンタジア公式ブログに記載。)

  • サキ(CV:園崎未恵)
16歳・158cm
武器:くない(新月)
『・・・一人でも大丈夫・・・』
影に生まれ、影に潜む"隼速の忍”
元の世界では、エバーガーデンと呼ばれる騎士養成所のメンバーの1人で、素早い動作と諜報活動が得意な忍者。
物理攻撃とアイテムの使用、ステータス向上の技を中心に行う。俊敏性を活かしたヒット&アウェイを駆使するサキの一撃必殺、忍術「風神招来」や奥義「秘術・天槍」には要注意だ!

戦闘開始時は、ルーシャたちは祝福状態で戦闘準備万端。
『ほら、さっさとしなさいよ!』『いくわよ!』
攻略は、ルーシャがコーリング(HP全回復蘇生魔法)、サキがリザレクトボトル(HP25%回復蘇生)を使用するので、まずルーシャを狙い集中攻撃するのが有効。ルーシャを落とすには、物理攻撃以外だと水、地、氷属性の攻撃がお勧め。
『くっ…』『あっ…』
ルーシャたちとの戦闘では、状態異常の睡眠、麻痺、病気とスタンが有効。ルーシャを病気にすると、リジェネレイト(ホーリーブレス)の小回復と追加効果の再生による回復、ログレス開放によって受けた大ダメージに対するサキのフルリキッドによる回復を潰せて、撃破に近づく。
『このくらい…!』
特に睡眠状態を継続できれば、ルーシャたちを殆ど行動させずに、主に光召術でボコボコにして、一方的に倒すことも不可能ではない。
『本気でやったら、負けないんだから…』

  • 本作はなぜか宣伝らしい宣伝があまり積極的に行われず、イメージエポック社が開発したゲームでは億を切る赤字を出してしまったらしい。
    しかし実際にプレイした人達からの評価は高く、みんなのオススメセレクションにも選ばれているほどであるため、不遇の名作といってもよいだろう。
    続編が出ることを切に願うばかりであるが、社長が消息を絶ち(後に生存判明)、その一か月後にイメージエポック社が倒産してしまったため、続編の可能性は全くといっていいほどなくなってしまった。
    一応版権そのものは現在もマーベラスが所有しているので宙ぶらりんの心配は無いが、昨今は家庭用ゲーム機への展開が往年と比べて消極的であり、再起に乗り出してくれるかは不透明である。

  • ちなみに、そのイメージエポックの遺作となった『STELLA GLOW(ステラグロウ)』には本作を思わせる世界観設定などが見受けられる。


追記で繋ぎ・修正で照らせ。

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最終更新:2024年04月01日 20:27

*1 携帯機向けであれば『ルミナスアーク』が先。

*2 ファミ通攻略本より

*3 実際、キャラクターとしてのコンセプトもざっくばらんに言えば「女版サージュ」である