宇都宮孝明(プロデューサー)

登録日: 2014/03/16 (日) 10:15:28
更新日:2025/06/17 Tue 00:36:39
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宇都宮孝明(うつのみや たかあき)は日本のテレビドラマ・映画プロデューサー。


プロフィール
愛知県出身。
1993年に東映入社。最初は営業だったが後にテレビ制作部に異動、以降はプロデューサー業に勤める。

日笠淳塚田英明白倉伸一郎武部直美など現在の東映特撮を築いた各プロデューサーのサブを勤め上げた。

そして2009年にチーフプロデューサーに昇格。以降はスーパー戦隊を中心に手掛けている。


○作風

  • 世界観
余り細かい裏設定や世界観は好まないらしく、設定はかなりアバウトで解釈や内容が変わる事が多い。
どんな場面でも対応できるようにするためかヒーロー側の能力も最初から高い応用力が持たされている。

  • キャラクター
番組内に於ける役割分担がキッチリしており、近年では珍しくヒーロー側は主人公を明確な中心として据え一致団結したチームになっている。
反面、主人公にはかなりマイペースで物事に対して斜に構えた態度で応える人物を据える傾向にあり、
キチンとヒーローとしての矜持は見せこそすれ特撮番組の基盤からズレたキャラ付けがされる事が多い。

また、そんな主人公のダークサイドとも言うべきライバルキャラが中盤以降に登場するのが通例になっている。
現在までのメイン担当作品では全て敵方に人間態の男性キャラが登場している。

担当する作品のレッドに重大な設定を持っているのも特徴。

  • 戦闘員
スーパー戦隊シリーズ担当時のみの話だが、戦闘員への力の入れ込みが強い。

通例では色違いなども含めて多くて3種類だったが、宇都宮の担当作品では飛行能力を持つ別個体や、ヒーローですら苦戦する上位種など非常にバリエーション豊か。
最新作では量産型とはいえ巨大メカまで手に入れている。一体どこまで行くんだ戦闘員。

  • デザイン
ヒーローのデザインの採否を決めるのもプロデューサーの仕事であるが基本的には口出ししない姿勢を取る。

デザイナーを信用して生理的に無理だと判断しない限りデザインに修正を要請しない。重視するのはアクション出来るかという部分のみ、との事。
実際、彼の担当作品のヒーロースーツは動きやすいらしくウィザードではスーツアクターの高岩氏が視界の広さと動きやすさを絶賛している。

  • 販促
かなり丁寧すぎる販促を行うのも特徴。
強化アイテムが複数存在する場合、アイテム間に性能の強弱はあれど使用回数に偏りが生まれないように満遍なく使用する。

明らかに最強アイテムでないと歯が立たない敵なのにわざわざ弱いアイテムから使用していく、なんて事もある。

  • プロット
番組制作の中でも脚本の骨子であるプロットは重視するらしく、脚本家にはプロットの完成度とそれにならった脚本作りを徹底させる。
ゴーカイジャー担当時に脚本を担当した荒川は「プロットを崩さないように書くのがツライ」と発言している。

ただし、プロットさえ守ればどんなアイデアやギャグも許すらしく、担当作品にはかなりカオスなエピソードが多い。
脚本家には筆が乗れば話が脱線しすぎてしまう事も多いため、プロット遵守の姿勢は脚本家のコントロールがしっかり出来ているとファンに評価されている。


○交流
中澤祥次郎を監督として重宝している。
「田崎監督に続くパイロット職人」と評価するまで信頼しており、担当作品のパイロットフィルムや劇場版の大半を任せている。

脚本家には過去に特撮作品のメインを務めた経験のある人物を起用する傾向にあり、他のプロデューサーのように懇意にする脚本家はいなかった。
ゴーカイジャーで登板した香村純子を後のウィザードでも起用している。


○余談
ゲキレンジャーのサブを担当していた時期に脚本の横手美智子に対して「敵キャラが描けない」と酷評した事がインタビューで判明している。


○チーフプロデューサー作品


現時点では仮面ライダーウィザードが唯一の仮面ライダーシリーズとなっている。
宇都宮自身が長期間のドラマを作るのは苦手としていた事から本作は「どのタイミングから見るようになっても大体の話が分かる」ように大きなストーリーの変動は終盤まで起きず、伏線と謎への追求を中心とした話が存在しないという、平成ライダーとしては珍しいシナリオ構成となっていた。これはメインライターであるきだつよしの作風に拠る所も大きい。


○現在
一時期は宇都宮・武部・塚田(for大森)の三人のローテションで製作していた東映特撮だったが、2015年から新たに高橋一浩、2017年には戦隊に望月卓がメイン昇格し、2019年からテレビ企画営業部から別の部署へ異動したことを『魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー』のcinemas PLUSインタビュー記事にて明かされており、以後は東映特撮作品に関っていない。


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最終更新:2025年06月17日 00:36