ダブル・アップ・チャンス(遊戯王OCG)

登録日:2014/03/24 Mon 17:48:08
更新日:2025/04/24 Thu 16:05:44
所要時間:約 7 分で読めます






俺は速攻魔法 ダブル・アップ・チャンス 発動!



《ダブル・アップ・チャンス》とは『遊戯王ZEXAL』に登場する速攻魔法である。
主人公・九十九遊馬が使用した。



OCGにおけるテキスト

速攻魔法
(1):モンスターの攻撃が無効になった時、そのモンスター1体を対象として発動できる。
このバトルフェイズ中、そのモンスターはもう1度攻撃できる。
この効果でそのモンスターが攻撃するダメージステップの間、そのモンスターの攻撃力は倍になる。

効果はOCG、アニメ、漫画で全く同じである。
アニメや漫画だと「タイミングを逃す」を気にしなくてもいいという点で優位ではある。

遊戯王ZEXALにて

初めて使用されたデュエルは初陣である「遊馬vs凌牙」(1戦目)。《No.39 希望皇ホープ》の攻撃を自身の効果で無効にして発動した。
それにより《No.39 希望皇ホープ》の攻撃力を5000に上昇させ、《No.17 リバイス・ドラゴン》を戦闘破壊して勝負を決め、遊馬とアストラルが2人で初めての勝利を手にした。

ちなみに漫画版でもデュエルの結末はこれと同様だが、
漫画版の遊馬は手札にこのカードがあるのにコンボに気付かず、アストラルに示唆されて初めて気が付いたのに対して、
アニメでは《ジョーズマン》の攻撃に対してのアストラルからの「《No.39 希望皇ホープ》の効果を使え」という忠告を無視し、
今はまだ手札にないこのカードに希望を見出しコンボのために《No.39 希望皇ホープ》の効果を使わなかった。このことはアストラルからも賞賛を得ている。


その後は無印ZEXALでは時々手札などにあったが、使用される機会がなかった。

だが、アニメ版ではVSゴーシュ&ドロワ戦で再登場。
アストラルが一時、No.96によって拘束され、危機に陥っていたが、
遊馬とアストラルの絆の力によって解放され、アストラルはデュエル中の遊馬の下へ帰る。
そして、2人はこのカードと《バイテンション》を合わせて、《No.39 希望皇ホープ》の攻撃力を4倍にして攻撃し、決着をつけた。

続いて登場したのはWDC、VSゴーシュ戦。
ゴーシュの「エクシーズ熱戦!!」でホープと《H-C エクスカリバー》がぶつかり合う中、
遊馬は《No.39 希望皇ホープ》で一度戦闘を無効にして、その上でこのカードを発動して再び攻撃、《H-C エクスカリバー》を打ち破って決着をつけた。

Dr.フェイカーとのデュエルでも登場。無印ZEXALでの登場はこれが最後である、
《No.39 希望皇ホープ》の《No.53 偽骸神 Heart-eartH》への攻撃の際、《No.39 希望皇ホープ》で自分の攻撃を無効化したことをトリガーに発動し、攻撃力を倍にして再攻撃。
しかし、《No.53 偽骸神 Heart-eartH》の効果により遊馬たちもダメージを受け、せっかく与えたダメージもライフ回復であまり意味が無くなっていた。

無印ZEXALではこのようにほとんどを視聴者が忘れかけた頃に登場し華麗に勝利をかっさらっていくナイスなカードとして活躍している。




ZEXALⅡにて

序盤は姿をひそめていた。

No.96とのデュエルの影響でアストラルが遊馬の前から姿を消してしまったあと、蝉丸相手のⅢとのタッグデュエルで久々に登場。
遊馬の1ターン目にドローされた。
このドローの際に遊馬はかつてアストラルと出会ったばかりのときのことを思い出し、《No.39 希望皇ホープ》とのコンボを行おうとする。

永続魔法《速攻予約特典(クイック・リザベーション・リワード)》で一度このカードをセットし、《No.39 希望皇ホープ》の攻撃を無効化してこのカードを発動しようとしたが、
その前の《No.39 希望皇ホープ》の効果自体を《No.3 地獄蝉王ローカスト・キング》によって無効化されてしまったために攻撃は無効とならず、このカードは発動できないままセットされていた。

その後しばらくセットされたままであったが、Ⅲの《No.6 先史遺産アトランタル》がX召喚され、《No.39 希望皇ホープ》を装備した《No.6 先史遺産アトランタル》が攻撃した際、遊馬は《オーバーレイ・ブレーキ》で《No.6 先史遺産アトランタル》の攻撃を無効化
さらにそれをトリガーにこのカードを発動して《No.6 先史遺産アトランタル》の攻撃力を2倍に、《速攻予約特典》でさらに2倍に。
攻撃力23600となった《No.6 先史遺産アトランタル》が蝉丸の《No.3 地獄蝉王ローカスト・キング》へ攻撃し、蝉丸を打ち破った。


エリファス戦でも登場。
ランクアップを至上とするエリファスに対して、遊馬はランク1の《No.39 希望皇ホープ・ルーツ》で対抗。
《No.39 希望皇ホープ・ルーツ》が自身の効果で攻撃を無効にした際に発動し、《No.39 希望皇ホープ・ルーツ》自身の効果で39600となった攻撃力を倍に。
攻撃力79200となった《No.39 希望皇ホープ・ルーツ》で《NO13 エーテリック・アメン》へ攻撃、勝利した。

続くMr.ハートランドにはこのカードと《No.39 希望皇ホープ》のコンボを対策されていたが、別のカードで攻撃を無効にしてこのカードを発動した。


そして「遊馬&ナッシュvsドン・サウザンド」戦では、初めて相手に攻撃を無効にされて発動し、このカードでフィニッシュ。
更には歴代最高攻撃力更新という快挙を成し遂げた。

さらに上記二つのデュエルではシングルデュエル&タッグデュエルでの相手に与えた最高ダメージをたたき出している。


その後も、ナッシュ、アストラルと続くラストバトルラッシュも遊馬が使用した最後のカードはこのカード。
遊戯王ZEXALは《ダブル・アップ・チャンス》に始まり《ダブル・アップ・チャンス》で締めくくられた。


ちなみに当初は自分で攻撃を止めてのコンボが多かったが、
ドン・サウザンド戦以降のデュエルでは全て相手による攻撃無効をトリガーにして発動している。


アニメでは父一馬から譲り受け、自分自身でコンボを見つけ、アストラルと初めてのデュエルで、かつ初勝利と
なかなか遊馬の中でかなりの重要度を誇るカードとなった。



OCG

上記の通り、アニメと全く同じ効果だが、OCG環境ではぶっちゃけ趣味カードでしかなかった。

《攻撃の無力化》や《速攻のかかし》などの攻撃を無効にするカードには「バトルフェイズを終了させる」効果が付属しているので無力であり、
遊星が使った《くず鉄のかかし》は無効化後セットの処理が入るため、タイミングを逃し発動できない。

ということで、効果が発動できる攻撃無効効果は《クレボンス》《ネクロ・ガードナー》《魔法の筒》といったところに限られる。
とてもじゃないが、相手がこれらをピンポイントで使ってくることなど期待できようもない。

となると原作通り《No.39 希望皇ホープ》とのコンボで使うことになるが、そうなるとただ特定のモンスターの攻撃力を倍にできるだけのカード。
それなら他のモンスターでも使える《巨大化》や《団結の力》の方がマシであるし、当時は既にこれらのカードですらまともに活躍する環境ではない。

一応上記のカードと異なり、《リミッター解除》と同じくそのままの攻撃力を倍にするため、さらに他のカードとコンボすれば爆発力が上がる。
攻撃無効カードの一部に対する対抗策になりうる点で差別化は狙えないこともない。
コンボパーツとなる《No.39 希望皇ホープ》が出しやすい素材2体のランク4であるため、「このカードを引いたら《No.39 希望皇ホープ》を出す」まではかなり簡単なので、
良くも悪くも、ランク4デッキに潜ませておけばエンタメ的には盛り上がるかもという程度の扱いとなった。

あと、ホープシリーズとは無関係なところでは、《サイバー・オーガ》も相性がよい。
攻撃を1回無効にして攻撃力を2000上げるため、このカードを使うと攻撃力7800にまで上がるのである。
上級モンスターなのだが、《E・HEROプリズマー》で代用が可能。
永続魔法《熱き決闘者たち》もトリガーとして使用可能であり、相手の場の魔法・罠カードも破壊できる。

ちなみに条件を満たしていれば相手のモンスターも選択することができる。
《バトルマニア》で《アマゾネスの剣士》に攻撃を強制する等のコンボが考えられる。
このとき相手の攻撃を魔法の筒で無効にしてこのカードを発動させれば、非常に大きいダメージを与えることが出来る。

OCG化された《No.39 希望皇ホープ・ルーツ》は、大幅改変してシンプルにこのカードとのコンボを重視したデザインとして登場。
高ランクエクシーズモンスターと並べてこのカードを使うことで、超攻撃力モンスター2体による攻撃ができる。

なお、後にOCG化した《運命の扉》に対して《ダブル・アップ・チャンス》は発動できない




そして時は流れ2018年末。このカードの価値を大きく変化させるカードが登場。

エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/戦士族/攻 0/守2500
レベル4モンスター×2
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキから「ダブル・アップ・チャンス」1枚を手札に加える。
その後、「No.39 希望皇ホープ・ダブル」以外の「希望皇ホープ」Xモンスター1体を、
自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は倍になり、直接攻撃できない。
この効果は相手ターンでも発動できる。

詳細はあちらのページを参照してもらいたいが、簡単に言えばデッキ内にこのカードがあれば攻撃力2倍の希望皇ホープを出せるカードという事である。
前述した「上がった攻撃力をさらに倍にできる」コンボを単体で完結させることができるうえに汎用性も高く、
「効果を使うために必須なので入れざるを得ない」「でもこのカードを使った動きも十分強力」という絶妙な立場を獲得。
ホープデッキでもファンデッキ専用程度のカードだったところが、一転して素引き事故を考慮した複数投入すらあり得るカードへと変貌した。
アニメさながらの《No.39 希望皇ホープ》の攻撃!⇒無効!⇒2倍だぁああ!の流れで1ターンキルを決める動きが狙いやすくなった。攻撃力2000以下のモンスターを棒立ちさせるとたちまちLPを0にさせられてしまう為、初見殺し性能はかなり高い。

遊戯王マスターデュエルではサービス開始当初から【ホープ】がストラクチャーデッキとして発売され、本カードも収録された。
該当のデッキはZWを軸としたタイプの【ホープ】で、《No.39 希望皇ホープ・ダブル》も不採用である為一旦はこのカードを抜く事になるだろうが、同じ【ホープ】なだけに動きはほとんど競合しない上、《No.39 希望皇ホープ・ダブル》もSRで比較的作りやすい為、ある程度ゲームになれて資産が溜まったらデッキをチューニングし直す際に最も再採用が検討されるカードとなる。
その為マスターデュエル初心者、特にサービス開始初期から遊んでるプレイヤーはこのカードにはかなりお世話になった事だろう。

現在では【転生炎獣】や【BF】といったよりデッキパワーの高いデッキをストラクチャーデッキからお手軽に組める為、以前程はゲーム開始から使われるカードではなくなってきたものの、それらのデッキと比べると【ホープ】は癖が小さく回しやすい(何せ、極論レベル4モンスター2体並べれば勝つ)事から、遊戯王カード自体にもノウハウが無い初心者プレイヤーには変わらず頼りになるカードとなるだろう。




【余談】

漫画版のイラストはアニメやOCGと大きく異なり、ロケットのようなものが描かれている。

ちなみに「ダブル・アップ」とは、ポーカー等のギャンブルにおいて、
「勝ち金をそのまま賭けて勝負し、勝った場合は勝ち金が倍になる」ルールのことである。
そのため、一度攻撃を無効にされるという「負け」を受けて発動するこのカードとは、ミスマッチだったりする。
あくまでダブル・アップのチャンスを得るためのカードと見るべきであろうか?

イラストではスロットマシーンから大量のコインが放出されているため、ダブル・アップに成功したことが窺える。
「攻撃力が倍になる」効果は「勝ち金が倍になる」ことに掛けたものであろう。

英語名はまさかの『Double or Nothing!』と「!」マークがついている珍しいカードである。



アニメ5D'sでは《バトル・リターン》という、攻撃を無効化されたモンスターに再度攻撃を可能にする罠カードが登場していた。
こちらとは異なり、攻撃モンスターの攻撃力は半分になってしまうが、このカードと違ってタイミングを逃す心配がないという点が異なる。
もっともアニメではタイミングを逃すの存在はないに等しいため、このテキストの違いは特に影響していないと思われるが。


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最終更新:2025年04月24日 16:05