逆転裁判5

登録日:2014/04/06 (日) 10:12:16
更新日:2025/06/16 Mon 15:11:29
所要時間:約 6 分で読めます




推理と直感で、矛盾を暴け!

概要


2013年7月25日に発売した『逆転裁判シリーズ』5作目にして、逆転シリーズ通算8作目(特別編の『レイトン教授VS逆転裁判』は除く)。
前作『逆転裁判4』から実に6年もの歳月が経過して発売されたナンバリングシリーズの続編であり、
シリーズ初のニンテンドー3DS用作品(『レイトンVS』を含めると2作目)。

制作は『逆転検事』シリーズのスタッフ陣であり、シリーズ生みの親である巧舟氏は一切関わってない。
通常同シリーズにおけるCEROレーティングはA(全年齢対象)かB(12歳以上対象)が付けられるが、本作はC(15歳以上対象)となっている。*1



新要素

●シリーズ初の3D&パートボイス化
『レイトンVS』に引き続いてキャラも3D化して途切れなく動くようになった。
なお、声優はPV・特別法廷・ドラマCD基準となっている。

●新システム「ココロスコープ」「カンガエルート」
主に法廷パート用のシステム。
「ココロスコープ」は証言者の感情を分析して嘘を暴くというもの。作中では他にも混乱した証人を落ち着かせる用途にも使われている。
「カンガエルート」は今までも何度かあった選択肢の積み重ねによる事件の整理をシステムとして独立したもの。事件全体をおさらいした上で真相解明に突入できるため、物語をより深く理解できると好評。

●ミニゲーム「クイズ逆転推理」やボンズ制作のアニメムービー、DLCなどが追加。
DLCは各キャラクターのコスチューム、特別編「逆転の帰還」となっている。

●シリーズ初の複数主人公(的ポジ)
名目上、主人公は成歩堂龍一という事になっているが、時として王泥喜法介や新キャラの希月心音の視点でプレイするなど、
事実上のトリプル主人公となっている。『4』もダブル主人公のようなものといえなくもないが
正式な複数主人公は、次作『6』の成歩堂・王泥喜が初となる。

評価

前作がシリアスダークな意欲作かつ粗の多さが目立ったため、次回作に当たる本作の発売そのものが危ぶまれていた。
が、実際にフタを開けて見ると
  • 暗さ一掃した旧作に近い雰囲気、むしろ心音の性格もあって過去イチ明るいとも言える
  • アホの子なので前作ばりに支離滅裂な言動をとるキャラクターもいるが、心情に原因がありゲーム内で論理的に指摘出来る
  • 劇中設定と相性が悪い裁判員制度は実装されず、裁判パートでは言い掛かりに近い「みぬく」システムは探偵パートに限定
など、批判された要素の問題点が適切に処理されており、「(当時)散々だった評判からよく持ち直した」と評価されている。

3DS移行に伴うCGもよく出来ており、継続登場したキャラの馴染みのあるモーションが滑らかに動くのも好評を得ている。

新システムの「ココロスコープ」「カンガエルート」もそれぞれ高く評価されている。
ココロスコープは「喜怒哀"驚"」がカラフルに彩られており、かつペナルティなしにも関わらず正解も分かりやすいものばかりのためストレスになりにくい。心がイカれた人物もいるが基本的には論理的思考に基づいており、証人の行動原理を読み解きながら事件の解明に繋げられる。
カンガエルートについても、裁判が進むにつれて状況が二転三転しやすい本シリーズなので、犯人視点で事件をおさらいしつつ真相を探っていける点でゲームをより深く理解できる。

また、従来作同様に個性オーバーフローなキャラクター達によるキレのあるボケとツッコミは健在。心音はキャタツ派
伏線も巧妙に仕掛けられており、3DCG化を活用した芸コマなネタもある。


反面、難易度は全体的にかなり優しめに設定されており、骨太な推理を楽しみたい人には少しあっさり味に感じられやすい。

加えて、逆転裁判定番のお楽しみ要素とも言える「調べる」が常在でなくなってしまった点は批判されやすい。
寄り道する意義が失くなったことで探偵パートがやや淡白に感じられる人もいる。
また、「カガク操作」が失くなったのも痛手。追加システムがいずれもロジック系だったために、ミニゲーム的な楽しみが減ったのは残念なポイント。
制作側も把握したのか、次回作では復活していつでも調べられるようになった。

ゲーム内の話とは少し逸れるが、新ハードになったものの新システムはいずれも凝ったものではなく、「4と同じDSで出しても良かったのでは」という意見も出ている。
これも次回作では3Dアニメを活かした新システムや、3DCGモデリングで動くショートイベントが追加されたことで解消されている。

エピソード一覧


  • 第1話:逆転のカウントダウン
  • 第2話:逆転の百鬼夜行
  • 第3話:逆転学園
  • 第4話:星になった逆転
  • 第5話:未来への逆転
  • 特別編:逆転の帰還

本作のみ時系列が多少変則的になっており、第2話→特別編→第3話→第4話(法廷1日目)→第1話→第4話(探偵1日目以降)→第5話の順となっている。



登場人物


我らが元祖主人公。外見・内面共にいいトシして旧三部作に近く、『4』でのダルホドの面影はほとんどない。
特別編『逆転の帰還』でのみ、ちょっとダルホドっぽい。
なお、オドロキくん弄りは素でやっていた模様。

頑張った割に微妙に不遇だった前作主人公。一応今作は主人公じゃない。
包帯まみれの先行イラストから、本気で死ぬんじゃないかリストラを危惧されたりと発売前は色々と心配されていた。
実際はちゃんと主人公らしい扱いを受けている。一応主人公じゃないのに。
それどころか終盤では前作の未熟っぷりが嘘のような活躍をするなど、全体的にダークホース気味。

ヒロインにして第3の主人公的ポジション。
新人弁護士であり、感情豊かな才女。‥‥のはずが色気より食い気な体育会系に。
終盤ではユガミ検事との因縁が明らかに。

ナルホドくんの養女のマジシャン。今回は基本的に空気。
ボイスドラマではついに被告人になった。

旧三部作にも登場した霊媒師のタマゴで、成長して登場。
時系列的には頭の方にあたるDLCでも登場しており、「4」以降のキャラとはそこで初対面になっている。

本作での主なライバル検事。通称「ユガミ検事」。殺人犯であり囚人の身ながら現役の検事として裁判に挑むいうムジュンの塊。
外見に反してナルホドくんより一回りほど年下。

「ジャスティス!」が合言葉の熱血刑事。
ユガミ検事の相棒であり、彼を更正させようと真剣に考えている。

『逆転検事』シリーズでの功績によるものか検事局長に就任し、メガネをかけるようになった。
年を取ったはずなのに美形化した。

前作のライバル検事。「4」のED通りバンドは解散した。
今回は直接対決はしない。それどころか完全に協力者ポジション。また色々燃やされる憂き目に合う。

シリーズでお馴染みの萌えキャラ。
今回、イトノコ刑事亜内検事(兄)が登場しないため、成歩堂に次ぐ数少ない皆勤キャラにもなった。

  • 森澄しのぶ
心音の幼なじみ。裁判官を志す高校3年生。
2話以外の全てのエピソードに登場しているが、1,3話は被告人になるという凄まじい不運の持ち主*2
3話の事件で王泥喜に惚れてしまう。


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最終更新:2025年06月16日 15:11

*1 後に発売されたコンピレーションソフト『逆転裁判456 王泥喜セレクション』も同様にCERO:C判定

*2 1話は12月、3話は10月の話なのでその間わずか2ヵ月である