やまびこのぼうし(DQ)

登録日:2011/11/13(日) 00:05:24
更新日:2025/05/01 Thu 10:53:46
所要時間:約 3 分で読めます





「はぐりんは イオナズンを となえた!」


「じゅもんが やまびことなって こだまする!」


「はぐりんは イオナズンを となえた!」



「やまびこのぼうし」とは『ドラゴンクエスト』シリーズに登場する頭部防具。
漢字で表記すれば「山彦の帽子」。

■概要

守備力作品で共通して25ポイント。
決して高い数字ではなく、耐性も一切ついていない。

が、これを装備していると、

戦闘時に呪文を使用することで呪文発動後にもう一度同じ呪文が連続で発動する

という、チートじみた効果を得られる。
しかも、消費するMPは1回の発動分のみ。
ただ、移動中に呪文を使用しても上記の効果は発動しない。

初登場は『DQ5』で、本作含むいずれの作品も非売品となっている。
MP0で発動できる特技が台頭したせいで冷遇されるようになった呪文の救世主とでも言うべき存在。
しかし、『ファイナルファンタジー』の「連続魔」と異なり、2回それぞれ違う呪文をとなえることは不可能。
また、2回発動は強制である点にも注意(それで困ることはまず無いと思うが)。
それでも十分強いし、消費MPは1回分で済むというのも決して無視のできないメリットである。


前述の通り守備力はいまひとつであり、耐性も一切ついていない。
頭部防具の耐性は基本的に補助呪文の耐性なので、耐性面はそこまで気にはならないが、
打たれ弱いキャラだと普通に「おうごんのティアラ」や「メタルキングヘルム」等を優先されることも。
しかし、重い兜を装備できないキャラクターには、これでもまあまあな守備力となる。


装備する場合は、雑魚戦はイオナズン×2やメラゾーマ×2等の超火力で速攻を目指すのが定石。
しかしその場合はMP消費が激しくなり、「しあわせのぼうし」でカバーしようにもどちらも頭部防具であり付け替えが面倒……というジレンマ。
ボス戦では前述の超火力戦力に加え、スクルト×2やベホマラー×2も地味に便利。
熟練者になると、対象者にマホカンタ発動→山彦マホカンタ発動→反射されて使用者にマホカンタ→2人にマホカンタが掛かる……等も可能。


入手時期が大抵ストーリー終盤〜クリア後となる為、応用性は意外と高くないが、
それでも呪文愛好家のプレイヤーに夢を見させてくれる魔性の防具であると言えよう。


■各作品のやまびこのぼうし

ドラクエⅤ

「エビルマウンテン」四階の宝箱から手に入る。モンスターでは「あくましんかん」が稀にドロップ。
主にに装備させてイオナズン×2やメラゾーマ×2を狙うのが定石か。
仲間モンスターの中では、ほぼ確実に先行してイオナズン×2やベギラゴン×2をぶっ放せるはぐりん、ガチガチの耐性で安定してバギクロス×2を放てるジュエルが便利だろう。
とはいえ終盤はぐりんは殴られると一撃で昇天するのでリスキーではあるが。
SFC版では3人パーティーだったこともあり、これがあるとないとではラストダンジョンのサクサク度が大きく異なってくる。
また裏ボスは一定確率で眠る為、ラリホーマ×2をやらせることもある。これはジュエルでもできる。


だがPS2版ではなんと削除された。続くDS版でも復活は果たせず。
PS2版以降はパーティが4人に増えたので、強すぎると見なされたのかも知れない。それなら何でたたかいのドラムは残したんだと言いたいが、おそらくこれは敵が使ってくるため。
とはいえ、魔法系キャラの生命線のみが削除されたことで物理優遇の戦闘バランスがさらに悪化してしまい、現在でもリメイクの批判点としてよく挙げられる。
因みにデータ上には名前は存在しているが、チート等で無理やり装備してもやまびこの効果は無いため、開発途中で断念したと推測される。
むしろ現在では「開発中にやまびこ効果を再現できなかったので断念したのでは?」という憶測もある。


ドラクエⅥ

隠しダンジョンで手に入る。モンスターでは「ブースカ」と「メタルキング」が低確率でドロップするので、運が良ければラストダンジョンやその手前で入手可能。
この頃からあからさまな特技優遇が始まるが、メラゾーマ×2やイオナズン×2はギガスラッシュにタメを張れるくらい強力。
ベホマラー×2は回復量も十分であり、キラーマジンガやブルサベージが犇めく裏ダンジョンではスクルト×2も地味に有用。
また使い道がないと言われがちなミナデインも×2によっていくらかは使えるようになったり、ザオリク×2によって一度に2人を蘇生できるようになった。
職業システムがあるので火力面は横並びと言えるが、その上で特に活用しやすいのはキングスだろう。HPとMPが高く格闘場での活躍も期待できる。
更に下の世界のダーマ近辺に出現エリアがあるため頑張れば転職後早期に仲間にすることも可能。頑張れば。
仲間モンスターならアンクルやカダブウも役立つ。はぐりんも続投している。
『5』と異なりリメイクのDS版『6』にも健在。バーバラミレーユチャモロが暴れることになった。ただしミナデイン×2とザオリク×2はできなくなってしまった。


ドラクエⅦ

隠しダンジョンで手に入る。モンスターでは「あんこくまどう」が低確率でドロップ。
しかし、今作は『6』以上の特技優遇で有名。
「どとうのひつじ」や「つるぎのまい」「アルテマソード」等のインフレ技が登場しているほか、
回復に関しても、ある手段を利用することで「せかいじゅのしずく」が最大37個になるまで買えてしまう。
確実に入手できる時期の関係もあってか、『7』ではかなり空気。
実際はベホマラー×2の回復やイオナズン×2の雑魚狩りとしては普通に役に立つ。
前述した世界樹のしずくも非常に面倒な手順を踏む必要があるため、あくまで裏技と思うべき。
実は「しっぺ返し」で呪文を受けて反撃した時も適用される。
とはいえやはりクリア後、しかも最強のボスである神さま撃破後という非常に遅い時期の装備なことがネック*1
リメイクではすれちがい石板を使えばあんこくまどうを早期に出現できるため、理論上は前半でも入手できる。ただし、あんこくまどうをボスにした場合のドロップは復活の杖になるため、雑魚モンスターの方をひたすら狩らないといけない。
しかもベホマラー×2も、勇者がベホマズンを習得できるようになった上にプラチナキングの心の量産も可能になったため、そこまで価値がなくなってしまった。
一応、ルカニの低下倍率が50%になったため重ねがけしたい時は役に立つし、バイキルトも山彦分は対象がランダムになっているので運が良ければ2人分かけることもできる。
ちなみにミナデイン×2はPS版でのみ可能であり、逆にザオリク×2はリメイク版でのみ可能である。


ドラクエⅧ

ここから未登場となる。
まあ、本作で一番山彦の帽子が似合うであろう某レディは双竜打ちしてる方が強いので、これがあっても微妙だったかも。


ドラクエⅨ

帽子は登場しなかったが、自分や仲間に呪文二回の効果を与える特技「山彦の悟り」が登場。
補助技の例に漏れずターン経過で効果が切れてしまうが、
装備ではないので頭装備を自由に変えられるというメリットもある。


……あれ?なんか呪文だけじゃなくて帽子も冷遇されてない?
(実際はチートになりかねないアイテムなので自粛してるだけなんだろうけど)

事実、9以降は魔法も賢さで火力が出るように調整され、特技もMPを消費するなどバランス調整されており、初出の5や6と違って確定でやまびこ発動は色々まずいことになる。
そのためか、補助技などで帽子ではない形で効果は再現されている。

11ではベロニカ専用*2で「やまびこの心得」という低確率で発動する特性として登場。
もし本作で帽子があった場合、メラガイアーやイオグランデを使えるベロニカの火力がえらいことになっていた可能性が大。しかも11は戦闘中に任意で装備の入れ替えが出来るのでなおさら。
実際に「心得」が運良く発動した時の火力は目を見張るものがある。
またスクルトやマジックバリアの仕様が変わっている本作では「心得」で重ねがけが発動すると「凍てつく波動」からの立て直しも容易。

そして…

ドラクエⅢ(HD2D版)

Ⅶのリメイクから12年ぶりに登場。
本作では特技が導入された一方、メラガイアーなどの後発作品の最上位呪文は追加されていないので、バランス調整の意図もあっての実装と思われる。
最速でラーミア復活後に入手できるようになっており、現在の仕様となったスクルトなどの全体バフ・デバフの重ねがけ*3や、
多くのボスに通用するようになったラリホー2連打、そして当然攻撃呪文2連発とこれを装備した魔法職が大きく活躍できるようになる。

発動中2回行動になる特技「ビーストモード」との差別化点は以下の通り。
  • ビーストモード
    • 特技であるため発動に1ターン+MP消費が必要。また素早さバフが付随する
    • 魔法を含む全ての行動に対応
    • 魔法・特技を使用した場合2回分のMPを消費する
    • ターン経過で解除される、重ねがけでターン延長は出来ないので一手間はかかる
  • やまびこのぼうし
    • 発動に行動権・MPを消費することはないが、頭の装備枠を取る*4
    • 魔法のみに対応
    • 1回分のMP消費で魔法を2連打可能
    • 魔法使い・賢者・遊び人以外は装備不可
ちなみにビーストモードとは併用可能。燃費こそ悪化するものの1ターンに魔法4連打という無法を働ける。
ただ、攻撃面に関してはビーストモードを習得している=魔物呼びも習得しているということでもある。
実際は補助関係に使うことになることが多い。

クリア後を含めて2つ入手できるが、クリア前の1つは宝箱でもなくフィールド上のキラキラなので知らなければ見逃しがち。
ラーミアを入手した後は怪しい場所をくまなく捜索してみよう。


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うぃきこもりのことばが やまびことなって こだまする!

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最終更新:2025年05月01日 10:53

*1 宝箱があるのもあんこくまどうが出現するのも、神様を最低三回倒した後に行ける「更なる異世界」

*2 厳密には「目覚めしセーニャ」も習得可能

*3 ただし単体対象のものはやまびこ分の対象も固定なため、2人同時には不可能

*4 過去作よりも優秀な頭装備が増えている上にこの帽子の防御力は低め。それでも装備する価値は全然あるのだが