登録日: 2014/06/19 (木) 23:06:57
更新日:2025/03/25 Tue 11:46:09
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ある町に、ジペットという人形作りのお爺さんがいました
ジペットお爺さんには、子供がいませんでした
そこで、子供の代りにピノキオという操り人形を作ったのです
その夜、女神様が現れて
ピノキオを操り糸がなくても動けるようにしてくれました
女神様は言いました
―ピノキオ―
―あなたがいい子でいたら、いつか本当の子供にしてあげましょう―
―もの言うコオロギのジェミニィ―
―あなたをピノキオの良心にします―
―ジェミニィの言うことをよく聞いて、いい子になるのですよ―
―ピノキオ……―
そして、ピノキオは……
『
人造人間キカイダー THE ANIMATION』は、その名の通り石ノ森章太郎原作『
人造人間キカイダー』のアニメ版。
2000年10月から2001年1月までキッズステーションで放送された(全13話/第8話は総集編)。
アニメーション制作は、RADIX(現:ラディクスエースエンタテインメント)&スタジオOX。
●概要●
本作は石ノ森先生の萬画版を基に2000年当時の空気風にアレンジ、シャドウ出現と共に消化不良に終わったジローとミツコの悲恋を軸に物語が展開される。
スーパーバイザーは石ノ森プロの早瀬マサト、キャラデザは後の『
サイボーグ009(平成版)』にも参加する紺野直幸、そして監督は『
メダロット』の岡村天斎。
オープニング曲および劇判を『
金田一少年の事件簿』『
ケイゾク』などの実写ドラマを手掛けた見岳章、ミツコ役およびエンディングテーマをほっちゃんこと
堀江由衣が歌い上げ、物語をドラマチックに盛り上げる。
脚本・構成には『
リューナイト』『
ガンダムW』の面出明美、演出には『
吸血姫美夕』『
魔法騎士レイアース』や後の
続編OVAシリーズの監督を務める元永慶太郎、『マシンロボ』シリーズのはばらのぶよし、絵コンテには『
MRR』の神戸守などが参加している。
●ストーリー●
それは、激しい雷雨の晩の出来事だった。
光明寺ミツコが弟のマサルに『ピノキオ』の絵本を読み聞かせる中、彼女の父たる光明寺伝博士が古城の中である研究を進めていた。
シリンダーの中に映る人影、迸る電流、泡立つ溶液、そして……画面に映し出される「ERROR」の文字。
やがて……異形の侵入者が現れ、城が炎に包まれた。
翌朝、ギターを背負った青ジャケットの青年が森の中で目覚める。
自身が何者かわからずに彷徨う青年は、ただの人間とは異なっていた。
トラックを片手で押し、飛行機のラジコンを取るためにと大木をへし折る尋常ならざる力を持つ彼は謎の円盤の襲撃を受ける。
一方、ミツコは父の研究室でとあるメモリースティックを手にする。
画面に映ったのは
ロボットと呼ぶには精巧すぎる図面と謎の回路と父からのメッセージだった。
運命に導かれるかのように青ジャケットの青年――ジローは父のメッセージに従い城跡を訪れたミツコと出会う。
サイにも似た鋼鉄のロボットに襲われ苦戦するジローに、ミツコは両肩にあるスイッチを押すように促す。
スイッチを押したジローは戦闘モードに変形、圧倒的な戦闘力でロボットを破壊した。
燃え盛る炎が照らし出す青い右半身と赤い左半身。左半身からむき出された機械のパーツ。
ヒトであってヒトでない、ロボットであってロボットでない異形の姿。
父はなぜ襲われたのか?良心回路(ジェミニィ)とは何か?ジローはなぜ生まれたのか?そして、ミツコは…?
いま……重い十字架を背負わされた子たちの旅が始まる。
●登場人物●
ジロー/キカイダー(声:
関智一)
本作の主人公。光明寺博士の手で生み出された
人造人間。
両肩のスイッチを押すことでヒトを模した姿からキカイダーにチェンジするが、
不完全な良心回路と
左右非対称の醜い真の姿に苦悩しながらダークと戦い、良心回路を成長させていく。
必殺技は実写版や萬画版と同じく、両腕を交差して放つ『デンジ・エンド』。
使用時には叫ばなかったり、息を吸うかのように『デン…ジ・エンド…!』と呟くのがポイント。
背中のギターには光明寺博士が良心回路の設計図の入ったメモリースティックを忍ばせていた。
光明寺ミツコ(声:
堀江由衣)
本作のヒロイン。
ロボット工学者である父の研究の産物たるジローに最初は懐疑的だったが、彼の孤独な心を知り彼の力にならんと奔走する。
ゴールデンバットに連れ去られた際、アジト内で父の日記を入手。
長兄の死、ギルとの遭遇、自身の出生の秘密など、知りたくもなかった真実を知り苦悩するが、やがてそれと向き合う事を決意する。
母が作ってくれた
ココアが好きだった。
光明寺マサル(声:
小林由美子)
ミツコの弟。ミツコと違いジローを兄と慕い、子ども扱いされるのを嫌っている。
いつも明るく元気に振る舞うが、本来は秘めた悲しみを姉に悟られまいとやせ我慢していた。
まだ幼いということもあり、ジローとハカイダー(博士)がダーク本部に潜入した際は悦子共々半平の車の留守番となり、早く大人になりたいと悔し涙を流す。
声のエクセル小林こと小林由美子は岡村監督作品で『メダロット』で枝豆を演じていた。
服部半平(声:キートン山田)
実写版と同じくコメディリリーフを担当する私立探偵。
ミツコの頼みを受け悦子と共にジローを探索、
後にダークの存在を知りジローとミツコの頼みを受けマサルを引き取るが、結局彼の行動力に振り回されることに。
猿飛悦子(声:小桜エツ子)
服部半平の助手を務めるメガネっ子。
モデルは石ノ森先生原作の『さるとびエッちゃん』のエッちゃんこと猿飛エツ子から。
萬画版にも登場するが、アニメ版とは違い一回だけの登場だった。
光明寺博士(声:
飯塚昭三)
本名:光明寺伝。ミツコとマサルの実父であり、ジローら人造人間の父でもある。
第1話冒頭のキカイダー起動実験の事故で死んだと思われていたが人質という形でハカイダーの頭脳部に組み込まれてしまう。
しかし、最終話で一時的に意識を覚醒させハカイダーの肉体を乗っ取りジローと共にダーク本部に潜入するという実写版のファンが泣いて喜ぶ展開をやってのける。
第7話の日記によると、息子の一郎の死後にギルと千草と遭遇、人造人間の開発資金を援助するというギルの承諾を受けたことが悲劇の始まりだった、と記されている。
光明寺一郎(声:伊藤祐介)
ミツコとマサルの腹違いの兄。実写版および萬画版のタローにあたる。
かつて父と共に人造人間の研究・開発に携わっていたが、ギルの策略によりプロトタイプの起動実験に生じた事故に巻き込まれて死亡する。
プロフェッサー・ギル(声:小川真司)
本名:ギル・ヘルバート。秘密結社
ダークを支配する非情の科学者で、人間も機械も己の道具としか見なさない。
光明寺博士を利用して人造人間を生み出し、それらを破壊の道具にせんと目論む。
杖も兼ねた笛から奏でる超音波はダークの人造人間だけでなく、ジローの不完全な良心回路をも操らせるが、
良心回路という枷を失ったキカイダーの力を恐れている、ということをサブローに見透かされてしまう。
ゴールデンバット(声:
若本規夫)
第6話と第7話にて登場。
光明寺博士の手により良心回路を組み込まれた人造人間第1号であり、
機械とも人間とも知れぬ理不尽な生まれを憎み、善にも悪にも染まれぬ己の心を憎んでいる。
シェイクスピアの悲劇とモーツァルトやワグナーなどのクラシックをたしなむ、など独自の美学を持ち併せている。
ジロー/キカイダーをおびき寄せるためにミツコをさらうが、出生の秘密を知り自身と同じ境遇に共感する彼女の涙を見て変化が…。
クウヤ、カイト(声:菅沼久義/二役)、リク/シルバーベアー
第8話に登場する双子の人造人間とクマ型ロボット。
萬画版では『ア』(クウヤ)、『ヌ』(カイト)、『イ』(リク)という名前だった。
常盤の森でジローとミツコを追って一人飛び出したマサルと『ともだち』になるが、ギルの命令に従いジロー抹殺に動く。
坂本千草(声:
高山みなみ)
ミツコとマサルの実母にして、ギルの
スパイだった女。
幼かったミツコと赤ん坊だったマサルを捨てた、とミツコに思い込まれていた。
『真っ赤に燃える太陽が夜に支配される瞬間』を誰かを愛する瞬間に似ている、と幼いミツコと共に常盤の夕暮れの空を見つめた。
萬画版ではすぐにフェードアウトしたが、本作ではミツコとマサルと雪降る故郷の街で再会。
ギルに従う忠実なスパイとしての感情と任務とはいえ生まれてしまった母としての感情の狭間で苦悩する。
サブロウ/ハカイダー(声:
小杉十郎太)
光明寺博士により作り出された人造人間にして、ジローの弟的存在。
第7話、十字剣を投げつけゴールデンバットを介錯する形で初登場。
第10話にて、不敵な笑みを浮かべた顔から稲妻にも似た痣を浮かばせてチェンジ。
必殺武器のハカイダーショットも萬画版のビームショットガンと同じ形状になっている。
ギルに従いながらも己の手でキカイダーを破壊する事に執着し、ギルの笛にも似た音色の口笛でジローの良心の枷を外し、性能を最大限に引き出したキカイダーの破壊を目論む。
やがて、キカイダーの心の支えであるミツコや自身に授けられた光明寺博士の脳がキカイダーの枷になると思い、それらをも破壊しようとするが…。
量産型ハカイダー
光明寺博士が作り出した今までの人造人間やハカイダーの戦闘データを利用してギルが開発した「命令通りに動く機械」。
自我も搭載されていない。
フードに映る機械系統、両腕・両足・そして腹部の肋骨にも似たラインが黄色いのが特徴で、戦闘力もオリジナルハカイダーに勝るとも劣らない。
※推奨
BGM:Jiro`s Guitar(part 1)
wiki篭りの作った項目…それは、データにすぎなかった。
懐かしい記憶だった。哀しい思い出もあった。思い出すと切なかった。
しかし、それは画面に映ったただの文字だった。
そして……僕は、項目の変更を決めた。
次回、人造人間キカイダー THE ANIMATION
『青い追記 赤い修正』
- さすがに熊公の名前は変更されてたか。そういや漫画版にはギンガメ出てたけどいつの間にかフェードアウトしてたな -- 名無しさん (2014-06-20 00:17:43)
- 1期はほっさん2期はミッチー -- 名無しさん (2014-06-20 00:21:25)
- ↑ヒロインのこと? -- 名無しさん (2014-06-20 00:31:45)
- これを最初に見たせいでキカイダーが特撮ではなくアニメだけの作品だと思ってしまった -- 名無しさん (2014-06-20 00:57:21)
- 俺は機械だ…キタカイダーーーーー!!!!って叫んでたのが印象に残ってるな -- 名無しさん (2014-06-20 01:05:51)
- ↑第2話だっけか。「僕は…僕は…!キカイダーッ!!」もだけど、ラストの「それっていい命令?悪い命令?どっちだっていい…僕は、狂った機械だから…」とひとりミツコさんの下から去るのがつらくてなあ -- 名無しさん (2014-06-20 01:12:14)
- キカイダー01のアニメ版についての記事も欲しいな -- 名無しさん (2014-06-20 01:21:10)
- ↑2「僕は・・・機械なんだー!!」って叫んでたら名前がキカイナンダーになってたかと思うと -- 名無しさん (2014-06-20 02:00:43)
- この絵柄で原作版仮面ライダーやって欲しいな。1号編はショッカー、2号編はゲルショッカーに分けて、バトンタッチは脳死じゃなくて重体で治療のためにヨーロッパに行き、 -- 名無しさん (2014-06-20 02:14:20)
- ミス↑終盤に合流して欲しい。後シリーズか化してEVEまでやって欲しい。 -- 名無しさん (2014-06-20 02:16:54)
- ↑個人的に「いつもふたりだ。ふたりでショッカーと戦おう…!」のシーン無くして漫画版は語れない気がするから、本郷には脳だけになっちゃっていただきたい。 -- 名無しさん (2014-06-20 11:40:13)
- ↑そしてテレビの前の子供たちが「え? 本郷死んだ?」ってなるんだなw -- 名無しさん (2014-06-20 14:54:58)
- ジロー役の関智一はオファーが来た際『実写版の復刻作品』だと勘違いした挙句『やっぱメガネはするんですよね!?』などと興奮してわけのわからないことを口走ったそうな・・・wアニメだから! -- 名無しさん (2014-06-20 15:21:32)
- ミツコとマサルは01にも出ても良かったかな。中盤でジローと再会して仲違いが起こる、和解せずに二人ともシャドウにさらわれ、改造か洗脳されて01と00と共に殺されるという役回りで。でもそうなったら余計ジローが報われなくなるなこりゃ -- 名無しさん (2014-06-21 09:57:43)
- ↑悲劇と悪趣味の違いがよくわかってないな。原作にも無い最期を勝手に演出するのは爆死フラグだぞ -- 名無しさん (2014-06-21 10:07:14)
- せめてアニメ01ではイチロー兄さん達は生きて欲しかった -- 名無しさん (2014-06-21 11:01:00)
- ↑2 うーん…でも結末はどうであれジローと絡んで欲しかったなあ。 -- 名無しさん (2014-06-22 19:14:45)
- OP曲「Theme of gemini」とEDソング「Destiny」は名曲 -- 名無しさん (2014-06-23 01:11:27)
- ↑8 本郷と一文字のテレパシー通信はヨーロッパで治療中に行っているという設定でいける -- 名無しさん (2014-06-23 22:07:10)
- エンディングソングがなかったら、もっと重々しい作品になっていた。 -- 名無しさん (2015-02-08 11:42:36)
- スパロボに参戦する日は来るのだろうか -- 名無しさん (2015-11-28 23:18:31)
- ↑なんかそれだとペガス出て来ないテッカマンブレードとかイクサーロボ出て来ないイクサー1みたいな感じになりそうだからいっそのことあれらとボーグマンとかサイボーグ009とかサムライトルーパーとかタイバニとか集めての等身大ヒーロー大戦を・・・爆死フラグだこれ! -- 名無しさん (2015-11-28 23:52:01)
- ↑2 物語終了設定での参戦は勘弁してやって欲しい…ジローは嫌という程戦ったから…彼の平穏な暮らしを祈る -- 名無しさん (2017-01-17 22:02:44)
最終更新:2025年03月25日 11:46