小嶋元太

登録日:2015/07/19 Sun 08:20:04
更新日:2025/09/09 Tue 22:25:25
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小嶋元太とは、『名探偵コナン』の登場人物。


CV:高木渉

●目次

【概要】

主人公・江戸川コナンのクラスメイト。帝丹小学校1年B組在籍。
また、コナン・円谷光彦吉田歩美灰原哀を巻き込んで結成した少年探偵団自称団長でもある。

コラム『青いペン軸』によると、探偵団の三人は一般公募でつけられた名前なので元ネタは本作の多くのキャラクターのように小説家やその作品ではない。
作者によると『ドラえもん』で言うところのジャイアン(剛田武)のポジションだとか。


【人物】

一人称は「オレ」。
二人称は、両親には「父ちゃん」「母ちゃん」。探偵団の面々のことは灰原のみ苗字、他の3人は下の名前の呼び捨て。
阿笠博士のことは単に「博士」、毛利蘭鈴木園子のことは下の名前に「姉ちゃん」、担任である小林澄子若狭留美には苗字に「先生」を付けて呼ぶ。
それ以外の大抵の相手には「オメー」「アンタ」など。

好奇心は人一倍旺盛で、その好奇心が災いして重大な犯罪に巻き込まれた事も何度かあった。
だが、ここぞという時には団長らしく頼りになる場面もあり、特に劇場版『天国へのカウントダウン』での活躍は必見。
アニメオリジナルエピソードでは、『仮面ヤイバー殺人事件』などのエピソードのように好奇心旺盛な性格である元太がいなかったら完全犯罪が成立していたものがある。
また、特別編ではコナン&元太のコンビで事件を解決したエピソードもいくつか存在する。

また短気で飽きっぽく、大人相手でも滅多に敬語は使わない。コナン以上に生意気である。
典型的なガキ大将タイプでもあり、初期の頃は自分をバカ扱いする光彦の事をよく殴っていた*1
コナンの事を「子分」扱いしてはいるものの、実際は元太が団長の立ち位置となっている。

一方、力自慢だが走る事と水泳は苦手。また勉強も不得意だが、後述の通り特定の分野については詳しい。

探偵団の中で最も子供っぽいように思えるかもしれないが、実家が酒屋を経営しているからか結構現実的な思考を見せることもあるほか、時たま相手がドキッとするような鋭い指摘をする侮れない場面も。
最初はガキ大将的なキャラだったからか比較的度胸も据わっている。

光彦と同じく、幼稚園の頃から歩美の事が好きだが、彼女からは「世話のやける息子や弟」のような扱いを度々受けている。
ただ、近年は恋愛感情があるような描写はあまりなくなっている。

◆容姿

小学1年生にして体重が40kgもあり、引きの絵でも一目で彼だとわかるほどの肥満体型*2
坊主頭で10円ハゲがあり、三角おにぎりのような頭の形をしている。ちなみに初期の頃はアゴのラインが分かりづらかった。
その体型を利用されて、『闇に消えた麒麟の角/キッドvs四神探偵団』では怪盗キッドの変装のターゲットになった事も。

◆推理力

知識はともかくとして推理力に関しては小一であることを考えても微妙で、基本的にはボケ役。
特に聞き間違いはもはや持ちネタになっていて、それに他メンバーが突っ込んで訂正するのが十八番。

好奇心で自身の首を絞めることが多いものの、明確な目標の元にいざ行動に移す段階になると大体的確に動くために侮れない。
友人の光彦はその年齢に見合わぬ知識量などから読者(視聴者)からよく天才だと称されているが、元太については天才ではないが順応性が高いと言えるだろう。

意外なところでは、『大怪獣ゴメラ殺人事件』では三段論法を披露し、それがコナンに事件を解決させるヒントになったこともある*3

他にも、観察力は意外と高い。アニオリ、原作共に容疑者と思しき人物をマークして言動の特徴を報告するシーンは結構ある。しかし思考回路がお粗末なので自分で推理してもトンチンカンな結果になりやすいのが欠点か。
逆に、コナンの推理力があってこそ彼の観察力が役に立つ、とも言える。そういった意味では指示を受けて捜査にあたるこの人のような捜査官向きなのかもしれない。


◆好物

さて、元太を語るうえで欠かせないのが「うな重」である。*4
元太の中のご馳走イコールこれで、宝を手に入れた暁にはそれを使って世界中のうな重を食べまくるのが夢らしい*5
また価値の基準にもなっているようで、途方も無い金額を耳にした時にはまずうな重何杯分かを考えて換算するのがお約束になっている。

うな重が好きすぎるあまり、劇場版『漆黒の追跡者』ではうなぎの粘土細工を作ったり七夕の願いに「うなじゅうはらいっぱいたべたい」と書いたりした事もあった。
……が、今までそれにありつけたシーンは一切登場していない。この事に関しては元太は泣いていい。
近年ではうなぎの匂いを嗅ぎ分ける能力まで身につけ、『緋色の弾丸』ではそのおかげで誘拐された鈴木財閥会長の保護に役立ったこともある。
また夢オチではあったが、OVA10弾では高校2年生になっても変わらずうな重が好きで、うな重を早弁しようとして周りに匂いが充満しているところを光彦に相変わらず突っ込まれてもいた。

そんな冬の時代を長い間(?)味わってきた元太だが、アニメオリジナルエピソードの第803話『火の用心の落とし穴』にて遂にうな重(しかも特上)を食べる事ができた。
原作だと107巻までの時点でもまだうな重にありつけていないけどよかったね元太くん!
同じ日テレ系のグルメ番組『満天☆青空レストラン』とのコラボ企画であるアニメオリジナルエピソード『元太のうなぎ捕物帖』では、うな重が好きなだけにそれに関する知識だけはかなり豊富である事が判明。コナンを凌駕するほどのうなぎに関する雑学を幾つか披露し、それが鍵を握る事件の解決にも貢献している。

一方でうな重以外の物を食べるシーンは多く、ご馳走を前にすると思わず短絡的になってしまう食いしん坊である。
つまみ食いもする事があり、アニメオリジナルエピソードの『吹雪に消えた恋人』では、元太のつまみ食いで完全犯罪を阻止した事もあった*6

しかし、『大岡紅葉の挑戦状』では、「エビの殻を剥いたら手が痒くなる」ことから甲殻類アレルギー持ちの疑いが浮上。まだ確定ではないが、もしアレルギーなら食いしん坊ながら今後食生活を気をつけなければならないかもしれない*7


【両親・親戚】

両親は上記のとおり酒屋を経営しており、岐阜県には伯父が住んでいる。
おばあちゃん子でもあるようで、祖母や母親の言いつけはきちんと守っているいい子。
祖母の1人は既に他界しており、祖母の遺品である古い目覚まし時計を大切にしている。

母親は作中の回想でよく登場するがフルネームは不明。体型は元太と同じく太めなので元太は母親似と言える。
父親の名前は元次と言い、痩せ型でカッコいい人物。ちなみに太めの眉毛は父親からの遺伝のようだ。
江戸っ子気質で曲がった事が大嫌いな熱血漢だが、一度だけ殺人事件の容疑者になった事がある*8
劇場版『天国へのカウントダウン』で10年後(高校生時)の元太の姿が登場するシーンがあるが、原作者曰くあれはあくまで予想図なので、将来は父親のようにカッコいい人物になるとの事。実際、OVA『10年後の異邦人』でも高校生姿が登場しているが、こちらは劇場版よりも若干凛々しく描かれていて、体格も太っている感じではなくガッシリ系の体格となっている。実は大器晩成型だったらしい。


【余談】

吉本新喜劇の元座長である川畑泰史氏が元太によく似ており、新喜劇内でも似ている事をよくネタにしていた。
この事は作者公認のようで、2017年には作者が川畑氏に直筆のサイン色紙を送っている。
コナン「大人なのに元太に似てるって……」

作中屈指のリアクション要員でもあるため、オリジナルでド派手な建物や乗り物の多く出てくる劇場版は元太の「すっげー!!」「でっけー!!」という台詞から始まるケースが非常に多く、もはやお約束を確立しつつある。
しかし、爆発は春の季語だからか劇場版の宿命か、元太が驚き褒め称えた建物や乗り物はかなりの高確率で破壊される運命にある*9
コナンがネタ的な意味で死神と呼ばれるように、元太はある意味では破壊神である。

黒幕候補としてネタ的な意味で名前があがる1人*10。理由は実家が酒屋で、黒の組織のコードネームが酒にちなんだものであるから。

某ロボットアニメにて、最終回(の名を借りた声優座談会のような何か)において元太と同じ高木渉氏が演じるキャラクターが他局の番組にも関わらず元太のモノマネをしていた。
もはやモノマネではなく本人なので当然怒られていた。


「追記・修正って、うな重何杯分だ?」

この項目が面白かったなら……\すっげー!/

最終更新:2025年09月09日 22:25

*1 後にそういった描写は無くなっていった。

*2 『大都会暗号マップ事件』にて。

*3 『大怪獣ゴメラ殺人事件』にて。ただし、彼の解釈というか知識が理由で結論は「間違い」ではあったが。

*4 ただしうな重が好物の一つというだけであって、一番かどうかは分からない

*5 『大都会暗号マップ事件』にて。

*6 なお、つまみ食いではなかったが、『探偵たちの鎮魂歌』や『探偵団と二人の引率者』等でも元太が飲み物や食べ物を落とした事で決定的な証拠が生まれた事がある。

*7 エビに触れても何も起きていない『回転寿司ミステリー』では言及されていない為、話の都合上設定されたか回転寿司の後で発症したと考えられる。

*8 『犯人は元太の父ちゃん』にて。

*9 念のため言っておくが100%というワケではない。

*10 まぁ、阿笠博士や光彦など主要登場人物のほとんどが大なり小なり挙げられている程度のネタであるが