大鳳(艦これ)

登録日:2014/11/26 Wed 02:22:40
更新日:2024/01/19 Fri 23:59:19
所要時間:約 23 分で読めます





「今日はいい風……。正規空母・大鳳、出撃します!」

「さぁ、やるわ! 第六○一航空隊、発艦始め!」


イラストレーター:島田フミカネ
CV:能登麻美子

本項目では、ブラウザゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』における装甲空母「大鳳」について解説する。
史実上の航空母艦に関しては記事中でも少しばかり紹介するが、全てに言及するわけではないことを先んじて留意していただきたい。


概要


太平洋戦争末期に進水してから僅か三ヶ月足らずで轟沈してしまった不遇の空母をモチーフにした航空母艦娘。
図鑑ではNo.153、156(改修後)に入る。
艦種は「装甲空母」となっているが、実際のゲームの処理上の扱いは大体一航戦・二航戦・五航戦・雲龍といった正規空母と同等である。空母なのでなおのことボーキ大食い。
史実上所属はミッドウェー後の一航戦なので、赤城や加賀達とは面識が無さそうだ。

2013年12月24日のアップデートにて「タウイタウイサーバ開設記念艦」として実装。
時を同じくして導入された大型艦建造による入手が可能になった。
しかし現状恒常的な入手方法はその大型艦建造以外にない。
2020年夏にイベント海域でのドロップが解禁されたが、これも激難海域、掘りに連合艦隊が必要であり、「ここで掘れる提督なら大鳳を持っている方が普通」と言った状態。
未だに彼女の着任と引き換えに多くの資材が溶けている。特に彼女は鋼材などと異なり回復の難しいボーキサイトを大量に突っ込まないと手に入らないと言う難点もある。
本項目をご覧になられる提督諸氏も、くれぐれもご利用は計画的に。


艦娘としての性能は「装甲空母」の名の通り装甲値がトップクラス(改装前79→改装後84)。
砲撃戦火力も高く、改装後も全空母中最強(4959)だったが、現在は飛龍改二にその座を譲っている。
艦載機総搭載数については、改装前は最低(18/18/18/7、計61)だが、
Lv40で改造を施すと爆発的に増加し、加賀に次ぐ第2位の値(30/24/24/8、計86)を獲得する。

ここまで大幅に増加する理由は艦載機を露天駐機しているからとのことである。つまり野晒し雨曝し。
史実上他の空母でもある程度は実践されていたらしいが、米英には標準装備だったカタパルトデッキが付けられなかったこともあって発着艦に支障が出ており、あまり実用的ではなかったようだ。
ちなみに艦これの大鳳には改装後、そのカタパルト射出装置が増設される。
史実で活躍の場がなかった烈風や流星を持ってきてくれる胸熱も併せて、if改装の例と言えよう。
彼女も「烈風と流星……この編隊を見たかったの……!」とご満悦だ。

しかし、幸運値はなんと全艦娘中最下位に記録される2。
改装してもなおパッショーネのヒットマンが尻尾巻いて逃げ出しそうな 4 。
それまで最不幸艦と名高かった火遊び戦艦陸奥を下回る。
まるゆや海防艦やかぼちゃを使って最大まで上げてもたったの39プリンツ・オイゲン改未改装の瑞鶴素の運未満である。
これは2013年12月の実装当初から2016年8月までワースト1
現在はイタリアから来た自称正規空母に抜かれたものの、初期値の方は未だにワーストを死守していたが、2019/1/22メンテの上方修正により運上限値は最下位へ逆戻りとなった。
ちなみに空母の運は実際にはあまり影響がなかったのだが、現在は夜襲カットイン&噴進砲改二の存在によりわりと深刻だったりする。
…せっかく夜襲カットインをしやすいスロット配分なのだが…

また、回避最大値もブービーであり、155まで上げても73までしか上がらない
どれくらい低いかというとレベル99金剛型改二雲龍型改とどっこい、99で回避69になる一航戦らと比べてもたったの4しか変わらない。
2016年秋イベント「発令!艦隊作戦第三法」報酬として実装されたSaratogaが回避最低値を更新して最下位は脱却したが、その後Saratogaに改二が来たため再びワーストに逆戻り。
Saratoga Mk.Ⅱ Mod.2よりはわずかに高いが、上記のように運も低いので実際の回避項の最下位は大鳳である。
ちなみに増設して噴進砲改二を装備してもLv99で回避キャップに到達できないのは全正規空母中彼女だけ。
後半海域になれば大和型だろうと容赦なくワンパンしてくるこのゲームで、回避が低いというのは無視できないデメリットである。
とはいえ、低回避を理由に彼女を外せるのはよほど空母戦力に余裕がある提督しかいまい。

そして彼女の最大の特徴と言えば、空母として珍しい特異的行動能力。
「中破」状態でも攻撃行動が可能という破格の性能を有する。
これが可能なのは大鳳以外では2015年秋に実装された翔鶴改二甲&瑞鶴改二甲、
2017年秋に実装されたSaratoga Mk.Ⅱ Mod.2、
2021年夏イベントの突破報酬艦として実装されたVictoriousしかなくそれまでは大鳳が唯一無二であった。

「中破」状態でも攻撃行動が可能という破格の性能を有する。

どういうことかよくわからないって?
仕方ない、詳しく説明しよう。

艦これにおける空母は、自身に搭載した艦載機によって相手に攻撃を加える艦種なのだが、ダメージを受けた場合、被害状況の如何でその後の昼戦での行動が大きく左右される。
端的に言うと「中破」以上では艦載機を飛ばせなくなってしまう
そう、攻撃が出来なくなってしまうのだ。

空母は敵艦への攻撃を艦載機に任せる面が強く、その他直接的な攻撃方法を持たない。
よって「中破」状態になったが最後、現実的には甲板が破損してしまったせいで艦載機の離発着が不可能になり、完全な置物と化してしまう。
その後続く戦闘フェイズは回避に専念して貰うしかないし、そのまま進軍しても次の場面では最初の航空戦にしか参加できない。
高火力を誇る空母の欠点にして最大の難点の一つがこの特性なのである。
残りは夜戦が一部の空母を除いて出来ない(突入したら回避か壁役になる)ことと、補給や入渠の際に資材をバカ喰いするところか。

だよねえ赤城さァん!?

損害率による状態変化についてはこちらの記事もご参照あれ。

では大鳳が他の空母と違うところとはどんな点か。
そう、彼女は「中破」でも攻撃可能なのだ。
前述した通り彼女は回避と運が極めて低く、レベル99でも回避がキャップまで到達しない。
だが、被弾を避けられない代わりに、たとえ大ダメージを負っても「中破」状態に留まってくれれば反撃の余地があるのだ!

嬉しいよ霧島さァァん!!

ただ流石に「大破」状態になったら攻撃も不可能になり、他の空母と同じようにただのカカシになる。
とはいえ、大破状態になったら戦艦などでも攻撃力ガタ落ちでダメージソースとしての期待はできないので、大破で動けるのは高望みというものだろう。
それに改装後の弾薬・燃料補給量は加賀を上回り、性能の代わりに燃費が犠牲になってしまう。
しかも史実で索敵を疎かにしてしまっていた事に由来して索敵値は軽空母を含めた空母艦娘中最下位。改造してもグラーフに次いでブービー。
彼女自身は強力な空母だが、入手にも運用にも大量の資材を消費することも考慮に入れるならば、いっそ真面目に運用しないで他の空母でお茶を濁すのも一策。
搭載量は加賀が上回っているし、今のところ大鳳なしでクリアできない海域はない。
最近は史実艦特効が重要な海域が多いにもかかわらず、大鳳の場合は史実艦として出番がありそうなのがマリアナ沖海戦しかない。
入手に関して言えば、翔鶴・瑞鶴の改二甲の方が特定任務をこなしてレベル上げすれば確実にできる分楽と言える(燃費は大鳳以上だが)。
大型艦建造で出たらラッキーくらいに思おう。

2023年夏のアップデートで艦艇の速度にアップデートが入り、高速A群である大鳳は新型高温高圧缶☆7以上を1つ載せるだけで高速+化が可能になった
つまりたぁびんを載せていた枠に別の装備を載せられるようになったという事で、装備の幅を広げられるようになった。
とはいえ補強増設には載らないので、空母の生命線であるメインスロットは結局1つ潰れてしまう。

なお、残念な事に翔鶴・瑞鶴の改二甲、Victorious改とは異なり橘花改・噴式景雲を始めとしたジェット艦載機は装備できない(偵察機の試製景雲は装備可能)。あら残念。
大鳳改の時点では、まだカタパルトや甲板がジェット機の運用に耐える設備ではないようだ。ここは大鳳改二に期待しよう。
…と言い続けられてはいるが、改二は愚か限定グラすら2024年1月現在も来ておらず(というよりも2期への更新以降、島田フミカネ先生による新規追加自体がない*1)、来るとは思えない…





お、おいよせやめ……!?

彼女の最初にして最後の描き下ろし(1期アニメ最終話のアイキャッチ)から実に8年以上経つが、艦これのサ終のその時まで希望は捨てないでおきましょう。
というか、今や日本戦艦は大和型含め全員改二になり、日本の正規空母も一航戦も二航戦も五航戦も改二が来ていて残りは大鳳と雲龍型だけ、他にはあの雪風も改二実装済みと
未だ実装されないアイツ以外では日本の大型艦最後の大物目玉改二として扱われる可能性も。他にも大物目玉改二になりそうなのは宗谷もいるけど、彼女は立ち位置が特殊過ぎるし

最近の「イベントに深くかかわる艦娘の改二をイベント直前に実装する」という傾向から、大鳳に改二が実装されるとしたら、おそらく……
そもそも史実の橘花の初飛行は終戦直前の1945年8月で、翔鶴型も大鳳も既に撃沈され、艦載機化計画は愚か実用化する余裕自体がなかったのは禁句である。
そもそも現状のジェットはぶっちゃけ使いどころがほぼ無いロマン兵器とか言ってたら、遂に噴式機に敵対空射撃回避力が実装されてしまった

さらに不遇な点としてもう1つ、運営の挨拶ツイートはその日にちなんだ記念日や元ネタとなった艦の進水日、大海戦が起きた日を紹介する事が多いのだが、彼女は運営から「進水日」について触れられた事が一切ない*2
これについて考えられる理由は極めてシンプル。彼女の進水日は1943年4月7日

…そう、この日は『艦これ』のバックボーンとなる艦の史実を語る上で欠かすことのできない海戦の1つと被ってしまっていた。

4月7日は、彼女が進水してからちょうど2年後の1945年、大和らが沈んだ坊ノ岬沖海戦が起きた日なのである。

なのでこの日のC2機関のツイートは「世界最大の戦艦・大和、二水戦旗艦・矢矧が共に喪われた日」「艦と共に喪われた坊ノ岬沖海戦戦没者を慰霊する日」として取り上げられがちで、この日が「大鳳の進水日」である事が取り上げられた事はない…。
同様の問題は進水日が彼女と同じサラトガでも発生している。果たして、彼女(ら)の進水日が取り上げられる日は来るのだろうか。

大鳳とガスと爆発とマリアナ沖大炎上


艦娘の艤装をエンジンとすれば燃料はやはりガソリン!
そこに来て大鳳と言えば、ガスである。
そして燃料漏れや引火、更には爆発。
彼女はそれらに対するトラウマと恐怖を雄弁に語り、二度と繰り返すまいと心掛けている。


「え? ガスが溜まりやすい……ですって……? 失礼しちゃう。こ、今度は絶対に大丈夫!」
「えっ? 遠くで爆音が!? 怖い……怖いですね。火の用心です……」
「はっ! ばっ、爆発!? 燃料庫は? 燃料は大丈夫!?」


というのもそれは、マリアナ沖海戦にて潜水艦アルバコアの放った、たった一発の魚雷が引き起こした不運の連鎖により、まさかまさかの初陣轟沈となってしまった過去に起因する。
「帝国海軍機動艦隊の切り札」「不沈空母」と美辞麗句を積み重ねて建造された彼女がまさに壮大な出オチの如く為す術なく海中に没するとは、
一体誰が予想出来ただろう。

日本近海の荒天や塩害対策のため密閉型格納庫を採用していた帝国海軍。
大鳳もその例に漏れず、自慢の最新式格納庫は通気口の少ない密閉型であった。
それが最悪の結末を招いたのである。かいつまんでご説明しよう。

  • 「アウトレンジだから攻撃されない」と勘違い及び油断しきってしまい、護衛駆逐艦を含めた乗員が総員帽振れで攻撃隊を見送るなど索敵が疎かになってしまう
  • 被雷により艦載機用ガソリンタンクが損傷、亀裂が走り燃料が漏洩
  • 同時に故障したエレベーターの修理に人員を回し、その間に格納庫内に気化したガソリンが充満
  • 火花の一つでも上げれば即爆発の状態で作業が進むわけがなく、エレベーターの修理を断念
  • 発着艦を優先して机や箱を積んで航空甲板の「穴」を埋める応急処置を施す
  • しかし艦内最大の開口部を塞いでしまい、換気効率は激烈に悪化
  • 気化燃料が充満する劣悪な環境下で防毒マスクも付けながら窓や扉を開放、格納庫の壁に穿孔までする
  • だが、故障していなかった別の艦載機用エレベーターが上がりきった瞬間、遂に引火(火元は諸説あり)
  • だいばくはつ。工作員もほぼ全滅の状態で火災を止める手立ては無く、そのまま転覆

総括:……何だよこの展開……
なお、アルバコアが大鳳を狙って撃った魚雷は6発あり、そのうち4発は直撃軌道を逸れていた。
残りの1発が実際に彼女を襲ったのだが、彗星・小松幸男兵曹長機が直前に体当たりをかましたことで片方を食い止めている。
結果的に沈んでしまったとはいえ、母艦の無事の代償に命を散らした彼がいなければ、現代まで伝わる大鳳の悲劇はより陰惨な内容になっていたに違いない。
艦これにおける大鳳も「あの彗星のこと? そうね。忘れたことはないわ」と彼を偲んでいる。


おわかりいただけただろうか。……まあ、つまり、そういうことなのだよ。
大鳳は艦これでもガスが溜まりやすいのだ。
そう、ガ ス が 溜 ま り や す い 。
お 腹 の 中 に ガ ス が 溜 ま り や す い 女 の 子 な の だ 。
例を挙げよう。これとかこれとか。
サクサクッと見つかるではないか。ここがアニヲタwikiの素晴らしいところだ。


――いけないいけない……
僕としたことが、真面目な解説を加えた傍から……
Be Cool ……フラットにいこうじゃないか。そう、彼女の航空甲板のように……
そういうのは二次創作の項までの辛抱だろう……?

クンカクンカ スー ハー
クンカクンカ スー……エ゙ンッ!!

ガソリンの揮発臭が織り成す、芳醇なハーモニー……!
新しい艦娘の獲得は、全ての鎮守府にとって、何よりも有意義な作業だ!!
本項目をご覧の皆様も……その通りだとお思いのはず……!


でも実は翔鶴やレキシントンも気化した燃料に引火したことから大爆発を起こし、轟沈した過去があるのだが……
何故大鳳だけ取り上げられているのだろうか……解せないなあ……これは解せない……


キャラクターデザイン


イラストは『ストライクウィッチーズ』『ガールズ&パンツァー』のキャラクター原案を務めた島田フミカネ氏が担当。
氏は彼女のデザインで艦これに初参加となったが、その後ドイツ艦のデザインも手掛けている。
「正規空母は弓道着モチーフ」の法則を打ち破り、焦げ茶色の防具とスパッツ、スパッツが特徴的。
そう、スパッツである。健康的だ。蒸れそうだ。ガソ……汗をよく吸っていそうだ。
もみあげを長くしつつ切り揃えた黒茶髪のショートボブが風に舞う。

全体像から見るに小柄で華奢な体格だが、実は自主的なトレーニングを欠かさないスポーティな行動派であるため、
意外に筋肉質で引き締まったスマートボディだと言えよう。
上半身のインナーは一部の生地がなく、露わになった腋と素肌とあばら骨が眩しい。
フミカネ氏曰く、これは意図的に作られた開口部*3とのこと。よくわかってるじゃないか!


また、「そんなに甲板の色が気になるの?」と言いつつ顔が近くて逆に照れるほど提督ご執心の航空甲板については、
改装前は木製、改装後は木製にラテックス加工を施したものとなっている。
彼女が使用する艦載機投射用装備は世界最古の機械式兵器こと諸葛弩。クロスボウと言ったほうがなじみやすいだろうか。
デフォルトの立ち絵で手に持っているマガジンは、改修後には航空甲板の溝に装填する。
和弓でも陰陽術でもカラクリでもなく、待機状態で矢になっている艦載機を密閉パッケージに格納する方式は前述した密閉型格納庫を表しており、
ひいては彼女のトラウマに繋がっている。

この諸葛弩に関しては最新鋭空母の特色というわけではなく、フミカネ氏も「訓練期間短くてもとりあえず前に飛ばすだけはできる」と言及しており、
艦載機の投射能力は一・二・五航戦のような熟練者の扱う和弓式に水をあけられていることを示唆している。
そのため和弓を持たせると使い方がわからず困り果ててしまうらしい。
実際、諸葛弩は連射は効いても射程と命中と本体の耐久に問題のある武器で、まさに「矢を前に飛ばすだけの武器」である。



「ああっ! ね、燃料が! 引火に気をつけないと!」


はいはい中破中破。
この状態でもまだ艦載機を飛ばすことが出来るのだから装甲空母って本当にすごい。

……さて、ご用意し仕った画像をご覧になっていただいただろうか。
当時の日本海軍においてもかなり大型の航空母艦だった……のに!
大鳳は潔くロリと認めざるを得ない体格ッ!
その可愛らしくこぢんまりとした姿は一部の軽空母と同等、最早駆逐艦並みである。
つまり大鳳は正規空母の中でも圧倒的……ッ、圧倒的ちっぱい……ッッ!


いや、一向に構わないんだけどね!




性格


「提督! あなたと勝利を刻むって言ったでしょう? 負けないわ!」


ヒロインである。
嘘じゃないよ。本当だよ。嘘を吐く理由が何処にある?
改修前は生真面目で勇ましい印象。
改修後は一層柔らかく朗らかな声に変わり、提督と仲が深まったことを窺わせる。
もう一度言わせていただこう。ヒロインである。

提督に対しては最初から好感度が高く、全幅の信頼を寄せている。
律儀でしっかり者な彼女だが、提督の前ではうっかり屋なところも見せ、恥ずかしがりながらも最新式密閉型格納庫やハリケーン・バウ*4を至近距離で自慢してくるなど、
純情まっしぐらな台詞で悶えさせてくれる。
放置されると不貞腐れたりいじけたり怒ったりもする艦娘が多い中、大鳳は余裕を持って優雅に待っていてくれる。完全に提督LOVE勢の一角だ……思わぬ嫁候補に、感謝……


「提督が、貴方がいるから、今の私は安心してます。ほんとです」
「もうこんな時間? 提督といると時間が経つのが早い。不思議」
「提督は飲み過ぎると……あら? フフ、寝顔は可愛いのね。フフフ」


トレ!!! ビアンッ!!!
何だこのヒロインは!?
左右の耳で広がるシィィィィンフォニィィィィイ!!
能登かわいいよ能登。

こういったデレ全開の台詞はベッタベタな恋愛小説のヒロインと称しても遜色ないほどで、解釈によっては九割九分九厘告白だと断定してもいいくらいである。
というかもう告白しているだろう、これは。んんん、もう!
ケッコン時の台詞は……君の耳で確かめたまえ。砂糖吐くから。


時報では日課の走り込みや筋トレを提督にさえ課し、艦隊指揮開始前から疲労させることも。
ただし提督も彼女のシゴキで体力が付いてきた模様。
ちなみにこの時報において、艦娘の持ち回りで食事にカレーを用意することが判明している。
大鳳カレーは提督も文句無しの出来映えらしい。

また、天津風ばりに「いい風ね」という台詞が随所に散りばめられているのは、
太平洋戦争当時の日本海軍の空母が向かい風や航行中の時に艦載機を発艦させる手法を採用していたからであり、乗組員らが風の動向に気を配っていたことに由来する。
でも少し……この風、泣いてます。

戦闘開始時にはミッドウェー後の機動部隊編成法に則した「第六〇一航空隊」*5へ号令を掛ける。
小松兵曹長の乗っていた彗星に言及したり、タウイタウイ泊地のことを気にしたり、
先輩である瑞鶴も怒りを露にする「七面鳥」に対して汚名返上を宣言したりなど、史実ネタも盛り沢山。

実装から2年以上の間追加ボイスがなく、提督にしか言及しないため他の艦娘との交流関係も不明であったが、
追加ボイスにて史実で新・一航戦の僚艦だった翔鶴型との交流がある事が明らかになっている。しかし何と彼女、焼き芋を焼いている。

焼き芋を焼いている

大事なことなので2回言いました。流石に提督の目の前で屁をこいてしまうような女性の品位にかかわる事態はなかったが…
翔鶴も同じように米潜カヴァラに雷撃され、ガスへの引火で沈んでいる史実を持つ。トラウマは大丈夫だったのだろうか?


二次創作での扱い


先走って前述してしまった通り、ガスネタに定評がある。
……うん、これはもう説明する必要はないよね! 爆発オチとか最低だしね!
陸軍憲兵が監視する日本国海軍鎮守府に下ネタなんて概念も存在しない。いいね?
そんなことよりも注目するべきは各提督との絡みであろう。
非実在合法的幼児体型な容姿や実際のゲーム上での台詞から提督の心を射止める場合が多く、イチャイチャ度数は極めて高い……が、
全体的に見るとまだまだぎこちない……否、数は少なめ……か? 描けば出る。

また、その名前から曙、雲龍辺りと並んで大相撲ネタが使われることも。漢字が違うので曙と比べると数はかなり少ないが。

アニメでの本格登場は本編最終回終了5分前。(彼女らしきシルエットはその前に出ていたが、公式サイトなどでも特に予告はされていなかった)
主力が苦戦する中で救援に現れ、制空権を奪い返すという美味しい役回り。
しかも直前まで行方不明だった提督がこの時戻ってきたため、提督は大鳳建造のために戦線離脱していたのではないか?という噂まで流れることとなった。
しかしそれ以降はほぼ空気だった…

また、龍驤瑞鳳と一括りになった「RJ・ZH・TH」のトリオとして描かれることも多い。
貧乳ちっぱい平坦装甲ネタであることは勿論言うまでもない。かなりまな板だよこれ!!



フラットα・龍驤 フラットβ・瑞鳳 フラットγ・大鳳


結成!!!


フ ラ ッ ト 3


こんな風に書くと特殊部隊みたいでカッコイイじゃあないか……!
ちなみに「フラット3」は本来サッカー用語で守備陣形とオフサイドトラップを活用する戦術名。
詳しく説明すると途方もないことになるからここではカットするよ。

あ、名誉隊員は瑞鶴ね。


か、カルマート(落ち着きたまえ)……ッ!



米潜水艦アルバコア

さて、史実において彼女をマリアナの海へ葬り去った米潜水艦アルバコア(USS Albacore,SS-218)であるが、
これがまた「海上護衛戦」著者である大井篤氏が「腕利き」と称する恐るべき伏兵であった。

1942年12月、マダン上陸作戦に従事していた軽巡洋艦「天龍」を撃沈。護衛にいた駆逐艦「涼風」「磯波」の爆雷攻撃から逃げ切った。
「悪ィな…」「てやんでーい!」「当たって!」
1943年2月、マヌス島沖で駆逐艦「大潮」を大破・航行不能に陥らせる。この後、大潮は第八駆逐隊の僚艦「荒潮」に曳航されるも、曳航中にこの損傷が元で沈没した。
「大丈夫じゃないかな…」「あらあら…(#^ω^)」なお、荒潮は前述したマダン上陸作戦にも参加し被雷した天龍の救援を命じられていた(実際に救援に行ったのは涼風)。つまり、荒潮は天龍の仇を討てずに八駆の僚艦を失う事になったのである…なんという残酷な運命か。
1943年11月には米潜水艦「スキャンプ」の雷撃で損傷していた軽巡洋艦「阿賀野」を追撃・撃沈するよう命令されるも、
この時は護衛*6の爆雷攻撃に阻まれ失敗している。
「阿賀野姉!」「全然遅い!」「邪魔じゃけェ!」「負けるかァーッ!」
1944年1月、パラオ諸島東方で駆逐艦「漣」を撃沈し、その僚艦であった駆逐艦「曙」からの59発に及ぶ爆雷攻撃をかわしている。
「メシマズ…」「マグロは嫌いよ!」
そして1944年6月、マリアナ沖海戦で大鳳に命中弾を与え、それが原因で大鳳は初陣でその命を散らした。この後駆逐艦「初月」らから爆雷攻撃を受けているが、これもかわしている。
「やれる事を全力でやった…」
…この記事を読むような提督なら、もうお気づきではないだろうか?



どれもこれも『艦これ』で見たことある名前しかいないじゃねぇか



名前を見ただけで、すぐ艦娘の姿が浮かんでくる事だろう。
そう、アルバコアの名は艦娘のモデルとなった艦達の史実を辿れば幾度も出てくる為、嫌でも提督の記憶に刻み込まれてしまいやすいのだ。
未だに『艦これ』実装が果たされていないエンタープライズもよく出てくると思うが

そんなアルバコア以上に大きな戦果を残している潜水艦、そしてそれを操るエースが多数いたのだから、その恐ろしさは推して知るべしである。
とはいえその中でも中~大型の空母を撃沈した潜水艦は流石に世界的にも希少であり、アルバコアを除けば
  • 米潜「カヴァラ(USS Cavalla)」→空母「翔鶴」
  • 米潜「アーチャーフィッシュ(USS Archerfish)」→空母「信濃」
  • 米潜「レッドフィッシュ(USS Redfish)」→空母「雲龍」
  • 独潜「U-29」→空母「カレイジャス」(HMS Courageous)
  • 独潜「U-73」→空母「イーグル」(HMS Eagle)
  • 独潜「U-81」→空母「アーク・ロイヤル」(HMS Ark Royal)
  • 日潜「伊19」→空母「ワスプ」(USS Wasp,CV-7)イク、大金星なのね!
  • 日潜「伊168」(当時は伊68)→ 空母「ヨークタウン」(USS Yorktown,CV-5)イムヤにお任せ!

くらいのものである。見たことあるメンツがいますね…


なお、アルバコア自身も終戦まで生き残ることはできず、1944年11月7日に新たな獲物として狙いを定めた特設掃海艇・第七福栄丸に逆に機雷源へと誘いこまれてしまい、
津軽海峡で触雷・沈没、乗組員全員が戦死。永遠の哨戒(Eternal Patrol)へ向かってしまった。
ちなみに第七福栄丸は終戦まで生き延びて戦後は元の商船として活躍していた幸運船である。
なお、アルバコアは2022年になって船体が発見されたが、大鳳はマリアナの深海の『どこか』に未だ未発見のまま眠り続けている。



「万全の追記と修正があれば、クソ項目などとは言わせないわ!」

画像:艦隊これくしょん -艦これ-
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最終更新:2024年01月19日 23:59

*1 最新のフミカネ先生による限定グラは17年夏のろーちゃん里帰り水着mode、新艦娘に至っては実に15年11月のグラーフ・ツェッペリンにまで遡る。ただし、大鳳が来た当初は限定グラがあるのは特別な一部だけ、という感じで一般的ではなく「艦娘に限定グラがあって当たり前」になっていったのは2期中期に入ってC2機関所属の星灯り氏らが加わるようになってから。外部の有名絵師によって生み出された、1期の初期も初期に実装された彼女と事情が根本的に異なる点には留意する必要があるだろう…

*2 戦没日である6月19日=マリアナ沖海戦については触れられた事がある

*3 氏のtwitterでの非公式発言より:「艦の外周を完全に密閉にしちゃうと、攻撃を受けた際の衝撃や爆風に逃げ場がなくなるので、意図的に開口部を設けてこれに対処しています。それがわき。ものが女の子なので、体温高いのに重装備で放熱用という解釈が」

*4 飛行甲板と艦首が一体になった形式の艦首。現代でもポピュラーなエンクローズドバウと同じ形式。装甲空母は装甲化した航空甲板の重量の都合で低重心化しており、普通の艦首だともろに波に頭から突っ込んでしまう

*5 全体指揮に支障を来しやすい空母単体での航空機部隊運用を廃止し、特定の空母に属さない形で再編成された最初の部隊。この編成法によって各空母にまたがって発着艦を行うことが円滑化した

*6 日本側の記録は確認できていないが、この時阿賀野を護衛・曳航していた艦は軽巡洋艦「能代」「長良」、駆逐艦「浦風」「藤波」「早波」「初月」「涼月」が該当する