バラミクロン

登録日:2016/01/25 Mon 13:24:52
更新日:2025/06/18 Wed 22:31:27
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緊急事態発生!超力基地、壊滅!!

オーレンジャー、変身不能!?

このまま、地球はバラノイアの手に墜ちてしまうのか!?

ナレーター:田中信夫


バラミクロンとは、スーパー戦隊シリーズ第19作『超力戦隊オーレンジャー』に登場した怪人。

マシン帝国バラノイア皇帝・カイザーブルドントと皇妃マルチーワが、地球に最後の総攻撃を仕掛けるために送り込んだマシン獣の一体。
その後述する能力とそれによって引き起こした大惨事から、「スーパー戦隊史上最悪の怪人」としてファンの間でも高い知名度を誇る。


【概要】

登場話は第45話「壊滅!!超力基地」と、第46話「地球最後の日!!」。

球体状のロボットが数珠のように連結した体と、ドラゴンのような頭部を持った異形の龍(見方によっては芋虫)のような外見という、今まで登場したマシン獣の中でもかなり異色な姿を持つ。

そのボディは分離可能で、球体型マシン獣となって相手を翻弄する事もできる。
バラナイトメアやバラリベンジャーのような個体と違い、自我を持たない完全なマシンであり、ある意味バラノイアが目指した究極の機械ともいえる。


【戦闘能力】

頭部から発射する赤い破壊光線と突進攻撃、分離しての攪乱戦法などを用い、オーブロッカーとレッドパンチャー2体相手に出来るほどには基礎スペックも高い。

だが、バラミクロンがチートと呼ばれる所以はこんなものではない。
それは……


三浦「やはりこれは…! 暗黒素粒子!!」


暗黒素粒子

バラミクロンの口から緑色に輝く光の渦のように放出される素粒子で、このマシン獣最大の目玉機能にして「最悪」と呼ばれる所以。
かつて『光戦隊マスクマン』に登場した「暗黒粒子」と似た名前を持つが、あちらが「太陽の光を覆い尽くす」というものだったのに対し、こちらはより悪質かつ速効性が高い。


その能力とは……



全ての機械の機能を問答無用で狂わせる。


というもの。
  • 目覚まし時計や掃除機といったごく小規模な日用家電
  • 新幹線や発電所などの都市機能の根幹を担う施設
  • 超力による変身システムやオーレンジャー達が所持する巨大ロボ
……といったあらゆる機械を狂わせ、最後には機能停止させてしまうのである。

この素粒子の厄介な点は光の粒子より小さく、質量も0(!?)であることからあらゆる場所に侵入が可能であるところだろう。

さらに街に振り撒かれた暗黒素粒子は、風に乗って超力基地にまで飛んできており、基地機能を一部混乱させる事態に陥らせた事から有効範囲も尋常じゃないくらい広い事がうかがえる。
その性能の一貫性ははっきり言って対処のしようがなく、一度喰らってしまったら大打撃どころではない。


有機生命体には何の影響もないのが唯一の救いかも知れないが、様々な機械の恩恵を受けている文明社会に生きる我々人類にとってはまさに天敵と言っても過言ではなく
さらに言えば機械技術を使用する歴代スーパー戦隊にとっても「一発でも浴びればアウト」という厄介すぎる能力に正面から立ち向かうのは難しいだろう。
ただし、構成員が全員ロボットであるバラノイアの面子にも当然ながら暗黒素粒子は効く為に、もし巻き込まれれば甚大な被害を受けかねない。
その為、バラノイアとしても完全に取り扱い注意な存在である。
なお、後続作品におけるギンガイオーガオキングのような有機生命体や精霊というパターンのロボなら問題はないと思われるが、
炎神達蛮機族ガイアークキカイノイドのような無機生命体・機械生命体の場合はどの程度の効果があるのかは不明。  


【活躍】

第45話「壊滅!!超力基地」

物語開始早々に暗黒素粒子を撒き散らし、街を大混乱に陥れる。
そして、この混乱に乗じてバラノイアが総攻撃を開始し、オーレンジャーを挑発。

三浦参謀長の制止を振り切って出撃したオーブロッカーと対峙する。
暗黒素粒子を警戒するオーブロッカーに初めは優位に立つも、レッドパンチャーの奇襲を受ける。

しかし、その直後の分離戦法に2大ロボは翻弄され分離はオーブロッカーの専売特許だろうに、暗黒素粒子を浴びて成す術無く操られてしまう。
この時安室奈美恵の「Body Feels EXIT」をバックに踊り狂う2大ロボという非常にシュールな絵面とシリアスな笑いを生み出した。

脱出したオーレンジャーはバラミクロンに白兵戦を挑むが敵うはずもなく、さらにカイザーブルドント夫妻の横槍もあって瞬く間に暗黒素粒子を喰らい、変身機能を失ってしまった。

そして、機能停止したオーブロッカーを解析したバラノイアは超力基地の所在を特定。
大量に押し寄せたバラクティカとタコンパスの空爆と基地に侵入したバーロ兵の猛攻によって基地はあっという間に制圧。
辛うじてオーレンジャーロボとタックルボーイを隠した三浦参謀長も、崩れゆく基地の瓦礫に巻き込まれて消息を絶ち、超力基地は完全に壊滅してしまった。

その頃、オーレンジャー達も徐々にバーロ兵に追いつめられていき……


第46話「地球最後の日!!」

バラミクロンの脅威は、その後も続く。
オーレンジャーの絶体絶命の危機に駆けつけたキングレンジャーとドリンの乗るキングピラミッダーをほぼ出オチで返り討ちにし、さらにキングレンジャーをも変身不能に追いやった。

もはや打つ手なしかと思われたその時、ドリンの祈りによって超力の故郷から呼び寄せられたクリスタルによって、キングピラミッダーの機能が回復。
それにオーレンジャーを乗せて地球から脱出させた後、ドリンの渾身の超力放射の一撃によって、遂にバラミクロンは消滅した。

だが、その隙を突いたマルチーワのマルチアローがドリンの体を貫き、彼女をに追いやってしまう。
それによって地球から自然の力が全て失われてしまい、オーレンジャーもいなくなった地球は完全にバラノイアに征服されるという最悪な展開を迎えてしまった……

バラミクロン撃破後の暗黒素粒子のふるまいについては特に説明はないが、半年後の場面でバラノイアが普通に活動していることや音声放送機器などが使えていることから、
戦隊のお約束的にバラミクロンが倒されたことで散布された暗黒素粒子の影響はなくなった、あるいは散布が止まり時間を置いて影響が消えていったものと思われる。

ただし直後にドリンの死により超力が失われたため、超力を原動力とするオーレンジャーの装備やロボの力は理由を変えて使用不能なままとなっている。

そして続く第47話「立て輝け甦れ!!」にて、半年後にオーレンジャー達は超力を取り戻して地球に帰還し、バラノイアと最後の決戦を行うこととなる……(ちなみに三浦参謀長は基地壊滅後、辛うじて生き延びており、オーレンジャー帰還までの間、レジスタンスの指導者として活動していた)。


【総評】

最終的に敗れはしたものの、東京の都市機能を根こそぎ破壊し、戦隊側の戦力を全て喪失させ、
倒されてなお地球の環境を死滅させてバラノイアが地球を侵略する決定打を作った
という絶望的な展開をたった1体で引き起こしたといえば、いかにバラミクロンがとんでもない存在か理解できるだろう。

前述のように半年後、バラノイアは超力を取り戻したオーレンジャーと最後の決戦を行うことになるのだが、オーレンジャーとキングレンジャーはバラミクロン相手に全く太刀打ちできなかった。
つまり、バラノイアの地球侵略成功のほとんどの功績がこのマシン獣にあると言っても過言ではない。

バラノイアはバラミクロンを量産していたら、復活したオーレンジャーを再び無力化できたろうが、
結局量産しなかったのは、暗黒素粒子のコストが半端なかったからか、あるいは万が一暴走した場合の自軍への被害を考慮してなのかは定かではない。




追記、修正は暗黒素粒子を克服した人がお願いします。

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最終更新:2025年06月18日 22:31