登録日:2012/01/05 Thu 17:22:43
更新日:2025/04/02 Wed 17:25:07
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――これが貴様への刑罰だ……侵入者
24時間苦しみ……そして本物の
地獄へ堕ちろ
【プロフィール】
本名:マゼラン
異名:監獄署長、地獄の支配者
年齢:45歳→47歳
身長:491cm
肩書:
インペルダウン監獄副署長(22年前)→署長(2年前)→副署長
悪魔の実:ドクドクの実(
超人系)
出身:
偉大なる航路
誕生日:10月9日(10←ド、9←ク、ドクの実)
星座:天秤座
血液型:X型(現実だとA型)
初登場:単行本54巻・第528話・『海侠のジンベエ』
主な上司:
ハンニャバル
主な部下:サディちゃん、サルデス、ドミノ
好物:毒のスープ、フグの刺身(毒抜きなし)
CV:星野充昭
【概要】
海底大監獄
インペルダウンの署長であり、実質的な最高責任者。
超人系悪魔の実「ドクドクの実」の能力者。
署長のハンニャバル以上の巨漢で、真っ黒なコートを着用し、悪魔を彷彿とさせる翼と角を身に着けている。
22年前は副署長、エース処刑騒動の頃には既に署長として活動。
その2年後には責任を取って副署長に降格している。
【人物】
性格は真面目で看守達には信頼されているが、部下(主にハンニャバル)に恵まれてないと毒舌をはいたりする。
無意味に囚人を痛めつける行為はしない良識的な人物だが、彼には直接囚人を処刑できる権限を与えられているため、獄中の規律を乱す囚人に対しては後述の能力によって容赦なく「刑」を執行して処刑している。
彼の能力は恐ろしく凶悪だが反動(あと普段の食事)による下痢で毎日10時間もトイレに引きこもり、それでもしっかり8時間は睡眠をとり、食事と休憩を差し引いたら実際の1日の勤務時間は4時間ほどしかない。
そのためにハンニャバルやLEVEL6の囚人たちには「ゲリ野郎」というアレなあだ名で罵倒されることもある。
しかしその強力な能力と統率力からいざとなればやはり頼りになり、実働時間が4時間しかないのに署長の座を許されているだけの実力と実績を持っている。
ハンニャバルが虎視眈々と自分の地位を狙っているので
「おれにはなんて心ない部下がついてしまったんだ」と毒舌をはいているものの、内心ハンニャバルの正義感を認めており、次期署長は彼しかいないとも考えている。
ハンニャバルもまた、内心マゼランのことを大変頼りにしている。
ただ男の性か、単なる美女の悪誘には微動だにせずとも、「世界一の美女」こと
ハンコックの色仕掛けにやられたりした。
「ぶひゃーたまんねー!」
ただし人格者ではあるが緊急時には部下を攻撃に巻き込むことは微塵も躊躇わない。
マゼランが出撃するのを知りながら退避もしないバカの責任は取るつもりはないというスタンスであり、逃げ遅れて毒攻撃に巻き込まれた部下は「おれの戦闘範囲に入って来るなバカ者」と一蹴している。
【能力】
おれには お前ら全員を この場で処刑する権限と
その能力があることを忘れるな………!!!
超人系悪魔の実『ドクドクの実』の毒人間。
吐息は毒ガスとなり、汗や唾液さえも猛毒の毒液と化し、肉体から基本ゼリーのような粘性を有した毒液を分泌可能となった。
その他、「毒物を直接摂取しても平気」「毒が大好物」とまさに毒の権化。
毒は自然物なので自然系でもいいはずだが、
「毒を生成し操る能力」であって「毒そのものに変化する」わけではないのが理由だろう。
そのため毒は生み出せてもそれと同化したりはできない。
因みにこの実の自然系バージョンが
ガスガスの実である。
戦闘では全身から紫色の強力な毒を分泌し、その毒を操り攻撃を行う。
生成できる毒は催涙程度の物から致死性の神経毒まで、その形態も気体、液体、固体と多種多様。
粘性を利用して巨大な毒の塊を生み出し通路などに詰め、逃げ道を塞ぐ小技も可能。
おまけに全身を毒でコーティングすることができ、この能力は
ルフィなどの
直接攻撃を使う相手には非常に有効。
少しでも触れたら毒が全身に回ってしまうため、下手に肉弾戦を仕掛ければ逆に相手が毒に蝕まれ致命傷を負うが、あくまで能力は超人系。
自然系と違って『実体』があるため打撃自体は普通に通用する。
しかし、
- 全身の毒のコーティング
- ルフィのJET系の技の直撃を受けても問題としないマゼラン自身のタフネス
もあってか、ルフィらの猛攻を受けても足止めがせいぜいで、致命的なダメージは受けることはなかった。
インペルダウンが屈強な海賊達への監獄として機能しているのは、彼の強力な能力と基礎戦闘力によるところも多い。
もちろん本人の戦闘力自体も群を抜いているが、一番恐ろしいのはインペルダウンという「地形」との相性の良さだろう。
マゼラン本人の機動力は「毒の道」頼りなところが大きく、開けた屋外ならば倒すまでは行かずとも「マゼランから逃げる」だけならばなんとかなる可能性は出てくるのだが、インペルダウンという巨大な閉鎖空間においては限られた逃げ道を次々と潰されつつ、背後から巨大な毒の塊がジワジワと迫ってくる…という恐ろしい事態になる。
監獄署長という立場上、インペルダウンの構造も知悉しており、「地の利」を完全に握っているというのも大きい。
また、「気体毒」の厄介さも相当なものであり、人間が呼吸する生き物である以上戦闘範囲内にいては被害は避けられない。
殺傷力は相当なものだが、戦略的には「攻め」より「守り」に向いた実力者とも言えるかもしれない。
なお、その性質上戦闘に使うと広範囲に毒が広がり無意識の内に味方まで被弾してしまう危険もあるため、マゼランの戦闘域には来ないように忠告している他、万一被弾した場合に備えて一応署内には各種の解毒薬も用意されている。
ただし複数の毒が重複した場合には解毒が出来なくなってしまうそうなので危険度は高い。
なお蝋で毒液を弾いて無効化してしまう「ドルドルの実」との相性は劣悪で、蝋の防御性能を貫けないため相性が悪い。
だが毒ガスの他、あらゆる物質を侵食する「地獄の審判」ならば対応可能。
攻防共に隙の少ない凶悪極まりない能力だが、その真価は純粋な殺傷力に加え、毒によって状態異常を引き起こして体力と身体機能を蝕み、ジワジワだが確実に弱体化させつつ無力化していく点にある。
「過剰な覇気」で能力の干渉を無効化する例も出たが、仮にドクドクの毒が「生成されたら悪魔の実の能力と切り離される自然物」であるとしたら、たとえ熟練の覇気使いですらドクドクを防ぐ手段は限られるという凶悪さが成立してしまう。
マゼラン自身の技量もあってか、作中では終始圧倒的な存在として見られており、読者の中でも明確な強者として扱われている。
しかし欠点もあり、毒を食べられはするが、消化まではしきれないため、「多量の毒物の摂取」及び「過度の毒の技の使用」で
超長時間に及ぶ下痢を起こす。
毒を以って毒を制しているようで制していない。
超能力物ではよくあるデメリットの中でもワーストクラスに嫌な奴だろう…。
この手の過剰な能力の例によって正確なコントロールも難しい。
一方、能力がすでに絶大な威力や侵蝕性を持っているためか、「
武装色の覇気」は習得していない。
これは覇気の伴わないルフィの打撃や砲弾が通用していることからでも明らか。
見聞色・
覇王色については不明。
SBSによれば幼少期からこの能力を持っていたようで、花を枯らしてしまうことに涙していた。
技
身体から多量のゲル状の猛毒液を分泌、その毒液を三つ首の竜の形にして操り攻撃を行う。
さすがにホロホロの霊ほどではないにしろ自由自在に伸ばし飛ばせるため、高速飛行可能な生き物より厄介な追尾性能を誇る。
毒液は麻痺性の神経毒で、毒竜に呑まれて毒を浴びてしまえば全身が瞬く間に痺れて動けなくなり、死ぬほどの激痛を味わいながらやがて死に至る。
液状の身体を持つため高温の炎には弱いが、物理攻撃を受ければ衝撃で毒竜を構成する毒液が撒き散らされるため、攻撃相手へのカウンターとしても活用可能。
その性質上首と頭1つだけを具現化して腕から放つなど小器用な使い方も可能だったりと、利便性の高さから作中で最も使用した技。
粘性を有する毒の唾液を風船ガムの要領で膨らませそのまま撃ち出し、遠隔操作で破裂させる技。
直接的な殺傷力は無いが、球内部には毒ガスが充満しており破裂すると毒ガスを広範囲に撒き散らす。
可燃性なのか火に触れると爆発する描写もあるためいざとなったらそれで攻撃もできる。
一応ガスマスクを付ければ毒の影響からは逃れられる。
劇中では「催涙くしゃみガス」なる毒ガスを周囲に撒き散らした。
目標地点に「毒竜」の頭を伸ばしたままマゼラン自身が毒液の中に潜り込み、そのまま「毒竜」の首の中をホースに水を流す要領で高速移動し離れた位置に短時間で移動する。
移動距離の限界は不明だが足場や階段が繋がっていない場所へもすぐに移動出来るため、署内での追跡では便利な技となっている。
口から毒の塊を連射で飛ばす。
蜘蛛の形をした霧状の毒ガスを口から吐き出し、毒により聴覚や視覚を奪う技。
アニメでは風圧などで吹き飛ばしてもマゼランの意思ですぐに敵に纏わり付き復活する描写が描かれていた。
マゼラン最大の技であり奥の手。
マゼランに同調して動く禍々しい
ゴーレムを作り出し移動や攻撃を行う。
ドクロのような顔つきはまさに地獄からの使者。
この時の毒は
暗い赤色で、たとえ衣服だろうが石だろうが蝋だろうが毒が一滴でも接触すれば最後、驚異的な速度でその物質に浸透。
毒が触れた物質とその物質に接触していた敵を丸ごと毒で汚染する。
Mr.3に
「感染」とまで例えられるその性質上、毒に侵された者が他者に触れればその相手も「毒の巨兵」の毒に侵されてしまい被害が連鎖的に拡大してゆく。
その為一滴でも「毒の巨兵」に触れてしまえばアウトとなる。
加えて巨兵自体も高いパワーを誇り、インペルダウンの石造りの壁をぶち抜くほどの怪力を有している。
ただし、能力者自身が立っている場所も侵食される上に毒性も強く、取り扱いは極めて難しい。
このため、「インペルダウン自体を崩壊させ兼ねない禁じ手」としてマゼランは「最後の奥の手」としている。
「周囲の物質を侵食して毒化させ、無差別に広がっていく」という性質から、一部では「ドクドクの実」の覚醒能力ではないかという考察も上がる。立ち位置や実力的に覚醒を会得していてもおかしくはないが…
装備
ルフィとの格闘戦で使用。
取り外した頭の角飾りを両手に装着して突きを放つ。
角は猛毒に覆われており、命中すれば監獄を形作る岩石さえも溶かす故にカスリ傷でも致命傷に繋がる。
アニメでは角を振るう事で周囲に岩を溶かす猛毒を撒き散らす危険な使い方も見せている。
【作中の活躍】
◇偉大なる航路編
インペルダウン編
インペルダウンに
エースの面会にやってきたハンコックとモモンガ中将を案内させる。
この時にルフィが侵入した情報がマゼランに入ってきそうになったが、ハンコックの機転でそれを聞き逃してしまう。
ハンコックが去った後、ルフィ侵入の事態を知り、LEVEL4「焦熱地獄」にて捕縛のために対峙。
ルフィの捨て身の攻撃に少し驚くも、猛毒で一切寄せつけずあっさり瀕死に追い込み、そのままLEVEL5「極寒地獄」に投獄した。
サー・クロコダイル・
クザンに次ぎ3人目のルフィを完全に下した人物である。
ただしこの戦闘後は毒の使い過ぎで酷い下痢を起こした。
その後、エースの身柄を
海軍に明け渡した後、復活したルフィと、別行動だった
バギーとMr.3の暴動の鎮圧に向かう。
バギーによるLEVEL2の暴動をほぼ鎮圧後、ルフィと革命軍の幹部
イワンコフらがいるレベル4へ向かう。
そしてLEVEL4にて侵入してきた
黒ひげ海賊団を毒竜で一撃で仕留め鎮圧。
LEVEL3でイワンコフ、レベル2の階段にてイナズマを毒で仕留める快進撃を続けていく。
そしてルフィらに毒竜を使うが…
Mr.3「キャンドル壁ッ!!!!」
Mr.3のドルドルの実の能力による蝋の壁に毒竜は制止された。
ドルドルの能力でルフィは両手と両足にキャンドルの鎧をつけて再度マゼランと激突。
また他の囚人たちもキャンドルの盾付きの砲台の援護でマゼランを押し返す。
予想外の反撃を受けたマゼランは切り札の「地獄の審判」を使用、ルフィらを追い詰めるものの、復活したイワンコフや、
ジンベエが呼んだ
ジンベエザメの群れ、そして
Mr.2ボン・クレーの活躍により、ルフィと多くの囚人たちを逃がしてしまう。
最終的にはボン・クレーにまんまと一杯食わされ激昂。
と毒手でボン・クレーにトドメを刺そうと振りかぶりフェードアウトした。
だが事件はこれだけで終わらず、
黒ひげ海賊団の討伐のために釈放した看守長シリュウの裏切り、そしてシリュウの持っていた解毒薬で復活した
黒ひげがレベル6の囚人達を解放した事でインペルダウンは壊滅状態になる。
マリンフォード編
解放されたレベル6の凶悪な囚人達にはさすがのマゼランも敵わなかったらしく脱獄を許す。
終戦後、ブランニュー少佐の報告によれば、瀕死の重傷を受け、今回の失態で自決しかねない程の精神状態になっていたとのこと。
なお、扉絵連載により、ボン・クレーは無事に生き延びてLEVEL5.5「ニューカマーランド」を仕切っていることが確認された。
◇新世界編
2年後の新世界編では、騒動の責任を取る形で所長から副所長に降格となった模様。
凶悪犯の大脱獄を起こしてしまったため降格どころかクビ、投獄、最悪処刑されてもおかしくなく、上記精神状態では自決を避けても職務復帰が難しいはずだが、真面目な人柄と能力を見込んで政府側が処分を抑えた可能性が高い。
自決を「くだらんこと」と切り捨てたセンゴクも何らかのフォローをしたのかもしれないし。
黒ひげ海賊団との戦闘によるものか、顔に大きな傷痕が出来た他、背中の羽も一部人工物で補修されている。
一方で副所長だったハンニャバルは署長に昇進したため、結果的に立場が入れ替わったことになる。
立場が変わったこともあり、以前は野心に満ちていたハンニャバルも素直にマゼランを頼りにし、慕っている様子。
本編には未登場だが、扉絵連載のタイトルでサディちゃんに惚れられていることが判明した。
よかったね。
そしてエッグヘッド編で久々の登場を果たす。
収監されているドフラミンゴの近くで、ベガパンクが世界に向けた配信を聞いており 「確かに先日の海面1Mの上昇で監獄はパニックになった。世界が沈むならどのくらいだ?」と問いかけた。
【余談】
名前の由来は勿論冒険家のフェルディナンド・マゼランから。
勘違いされやすいが彼は世界一周の最中にフィリピン征服に失敗して戦死しており、人類初の世界一周を果たしたのは「マゼランの部下」である。
しょっちゅう腹を下している彼のために署長用の椅子(
トイレ兼用&小窓付き)もある。
なんだか情けない感じもするがオムツでは到底足りないだろうし、間に合わずに漏らしたりしたらその方が大惨事だから仕方ないね。
署長の椅子を狙うハンニャバルも「私この椅子いりません」とツッコまざるをえなかった。
非道な海軍人もいる中で真っ当な正義感を示す人柄と、ルフィがなすすべもなく敗北する毒使いとしてのインパクトもあってキャラクター人気は低くない様子。
また、弱く見られがちだった
毒の使い手のイメージを破壊してくれた。
新たな四皇が判明してからは迎撃とはいえ四皇三名を投獄・戦闘不能等にしており、結果論ではあるが先見の明があったといえる。
これも結果論ではあるが大脱獄は大失態の度合いがより強くなってしまった…
「くたばるんじゃないぞ。 おれの項目の追記、編集はお前しかいないんだ」
最終更新:2025年04月02日 17:25