見聞色の覇気(ONE PIECE)

登録日:2023/05/02 22:46:00
更新日:2024/04/22 Mon 16:00:06
所要時間:約 8 分で読めます




これを高めれば
視界に入らない敵の位置
その数…更には
次の瞬間に相手が何をしようとしているかを
読み取れる



見聞色(けんぶんしょく)覇気(はき)とは、漫画『ONE PIECE』に登場する、武装色の覇気覇王色の覇気に並ぶ「覇気」の一種。



【概要】

◆効果

相手の「気配」を強く読み取ることができる覇気。
これを修得すれば、広範囲の相手の気配を感じたり、相手の動きの気配を読んで直後の行動を予測したりすることができる。
また、人物によっては相手の感情を読み取ることが可能。
レイリー曰く、「“気のせい”の延長上に『見聞色』はある…!!」とのこと。

空島スカイピアで出てきた「心綱(マントラ)」は同一の概念である。

◆修得者

生まれつき持っていたり、なにかのショックで覚醒したりする者も多く、そうした者は
  • “声”が聞こえる(消えていく)
  • 人々の悲しみの“声”が勝手に聞こえる
感覚を覚える為、非常に感受性が強く、戦いや動乱に対して敏感となる。

作中ではマリンフォード頂上戦争でコビーが極限状態に追い詰められ、その時に見聞色に目覚めるシーンがある。
その際には自分の頭を抱えながら、「わかんない………!!!悲しい………!!! 頭の中から…“声”が…一つ…一つ…消えていくんだ…!!!」と、犠牲者が次々に増えていくのを感じ取っていた。

「“声”が消える」という感覚は、エネルが「20も声が消えた」と言っている場面で少なくとも眼前のカマキリは生きている為「意識を失う」ことを指すと考えられるが、アイサやコビーがこの感覚を訴えた状況は本気の殺し合いだったことから「死」によるものであった可能性もある。
両者の感覚に違いがあるのかも不明。

劇場版やTVSPでは、発動すると目が赤く光る演出がされている。

◆戦闘面

相手の意志・気配を読む技だが、それによって概ね
  • 相手の感情を読み取る力
  • 相手の動きを先読みする力
  • 相手が遠くにいてもその位置を察知できる力
の三種類の技術を使い分けられる。
894話でのシルバーズ・レイリー曰く、ルフィは「生き物の感情を感じ取る力に長けている様だ」とのこと。
上級者は三種類全ての技術を扱えるとはいえ、どれを最も得意とするかは人それぞれだと言える。

相手の気配や動きを見抜くことで、攻撃を先読みして危機を回避することができる。
勿論敵の回避行動を先読みして敵の逃げた先へ的確に攻撃することも可能。
バーンディ・ワールドと戦ったテレビスペシャル『3D2Y』によれば、更に鍛えれば光の速さによる攻撃にも対応することができるとのことで、実際シルバーズ・レイリーは黄猿を足止めしてみせた。
そしてレイリーによれば「世界の強者には『少し未来が見える』という者もいる…!」とルフィに語っており…。

また、意識を集中すれば一定の範囲にいる人数や気配の数を察知する事ができ、視界に映らない相手も認知することができる。
才能の強い者であれば、数百m先の人の位置を正確に感じ取ったりできる

エネルは「ゴロゴロの実」による放電能力で電波をスカイピア全土に飛ばすことができる上、攻撃範囲も広くスカイピア全土のどこにでもピンポイントで攻撃することができる。
彼は覇気で位置を把握して電波で会話を聞くという合わせ技で、反乱分子がいないか常に監視し、自分に対する不平・不満を言う者を見つけては的確に雷を落として裁きを下していた。

◆弱点




そうか!!“跳弾”っ!!
壁で跳ね返った(パンチ)にはルフィの意志がない

見聞色は冷静でなきゃあ
発動しねェもんなァ…!!


精神に依拠する能力であるため、心が揺れ動けば先読みを始めとする精度は鈍るし、あくまで自分の感覚の延長線上で感じ取る力なので、無意識化であろうと予測不可能な場所からの不意打ちにも弱い。
劇中では、大爆発に心を乱した森のサトリやチョッパーとの戦いで動揺した空番長ゲダツが周囲の探知や先読みに失敗している。

他者がこちらを狙ってきた銃弾・砲弾や改造人間パシフィスタの行動ぐらいは先読みできるものの、意思・感情を読む力なので、意志や気配が一切介在しない事象にも弱い。
『ゴムゴムの銃乱打』が通じないエネルに対し、ルフィはエネルに背を向けて壁に拳を叩き込むことで「跳弾」を発生させ、直接狙わないことで逆に回避をすり抜けて対処した。
意志が介在しなければ先読みできないため、相手が本当に心の底から何も考えてなければ、敵も自分も完封される
ルフィは「ゴムゴムのボー」としてボーッとして何も考えず反射神経のみで敵の攻撃を避けることで、先読みして回避すら封じる心網対策を施したが、これについては「ボーッとしているから自分も攻撃できない」と即座にやめた。
劇中ではカタクリがホールケーキ城のふもとで大爆発した爆弾についても予知は出来なかった様子*1

また、予知に基づいて行動したことによって「何が引き起こされるか」までを予知することはできない。
例えば相手が攻撃を避けることを予知して、避けた先へ向かって予め攻撃を放ったしても、その攻撃を当たる瞬間更に避けられることを攻撃前に予知することはできない。

ある程度の集中が必須であるため常時張り巡らせられるものではなく、「発動」「解除」の形を取らなければならない。
集中すればするほど当然ながら気疲れを併発し、体力を削るなど代償も少なからずある。
使い手であっても未使用では大多数と変わらない状態となり周囲への探知も鈍いようで、モネや万国でのペドロなどこの覇気の使い手に対しても戦闘態勢でなければ隠れて偵察に成功した者もかなりいる。

逆に、四皇クラスともなれば七武海の能力でも影響下に置けないほどの「武装色の覇気」を常にまとっているように、例えば白ひげなどは既に治療用チューブを付けている闘病中にあって、鼻ちょうちんを膨らませるほど熟睡していても自然系の特性を併用した闇討ちをあっさり察知するほどの持続性と練度を誇る。
だが、その白ひげもマリンフォード頂上決戦では心を許した身内とはいえ正面からの不意打ちを受けてしまっていることから、使い手のコンディションに強く左右される技術であることもまた窺えよう。

身も蓋もないが、混沌とした状況の中では先を読んだところで正確な対処ができず、あるいは多数の状況にあって読みきれず、結果としてどうしようもないということもしばしば発生する。
決して魔法のようにあらゆる状況を思いのままに読み取るものではない。
別の方法でカバーすれば隙を生じることは少ないが、逆に言えばこの欠点をどうカバーできるかで使用者の実力が問われる「技術」なのである。

未来予知(未来視)



ああ おれは変形して効率よく避けてるだけ

「覇気」で未来を見れば可能だ


見聞色を極限まで鍛えると、気配の先読みから行動を予測できる特性が高じてほんの少し先(数秒先)の未来を見ることができ、予知のレベルで「感知」「無意識に予測」できる者がいる。

劇中ではシャーロット・カタクリがその力に目覚めており、彼は「モチモチの実」の能力と予知能力を併用して攻撃を的確に予知し、流動化を利用して効率よく変形する事で、「武装色の覇気」を用いた攻撃でも覇気の強さ関係なしに無力化してしまう。
ルフィもまた、カタクリとの戦いを経て、予知の見聞色を習得している。

また、カイドウがルフィとの戦いの中、「盗人上戸」で「見聞色の未来予知」を真似した。

赤髪のシャンクスは、キッドから放たれる攻撃で傘下の海賊達が壊滅する様を予知し、すかさず先手を取って自ら全力の攻撃でキッドとキラーを一撃で仕留めてしまった。

なお、
  • 動揺すると先読みができなくなる
  • 意思が全くこもってない事象は読めない
という「見聞色の覇気」の弱点自体は変わっていない。

カタクリは常用することで数手先を視て優位に立ち回る強みを持つが、同時に通常の見聞色より深い集中を要するため消耗も激しい。
地力がそもそも四皇最高幹部な彼がそこまで長時間戦いっぱなしになる相手はそういないのでほぼ起こり得ないことではあるが、ルフィとの戦いではおよそ半日に及ぶ戦いで消耗させられていた。
加えて彼自身ストレスがたまりやすい生活をしているので、15時を挟んでしまうと彼独自のリラックス法を挟まなければフラストレーションが溜まり決着を焦る欠点も生んでいる。

変わったところではカタクリはルフィの「ギア4」の時間制限を迎えて元に戻った姿を視ている。
初めて見る能力にその応用戦闘法のデメリットまで読み取る洞察力は凄まじいの一言だが、なぜその姿になるかまでは分からないのでつい(脅しのつもりが)口にしてしまい、本人も把握していなかったタイムリミットをみすみす教えてしまう結果となった。
珍事といえば珍事だが、未来視ゆえの弊害の事例の一つと言えよう。


【見聞色を得意とする人物】

エネル…探知範囲はスカイピア全域
アイサ(生まれつき)
コビー
サンジ
オトヒメ(生まれつき)
ウソップ
レベッカ
シャーロット・カタクリ(未来視)
ルフィ(万国編以降、未来視)
カイドウ(盗人上戸による未来視)
シャンクス(未来視)
ヤソップ
パトリック・レッドフィールド…ゲームオリジナルキャラ(独自設定として記憶すら読み取れる)


【余談】

万物の声

海賊王ゴール・D・ロジャーは「万物の声が聴けた」と言われ(海王類の言葉が聞こえるなど)、ルフィや光月モモの助もその才覚の片鱗を見せているが、この覇気との関係性は不明。
また、モモの助がゾウと下記の様な視界共有をしていたがこれについても関連性は不明。
更にモモの助のみがゾウへの意思伝達と命令を可能にしていた。

映画『ONE PIECE FILM RED

現実世界と別世界にそれぞれいる血縁のつながった者同士が、お互いの気配や感情の動きを波長を合わせながら感じ取り、見聞色の覇気を介しての視界共有による意思疎通を取ることができている。
現実世界ではカタクリとヤソップが、ウタワールドにいるブリュレとウソップとの視界共有をした。ウソップとヤソップの親子による連携により、両世界からのトットムジカへの同時攻撃を行うことができた。

ゲーム『ONE PIECE アンリミテッドワールド レッド』

生まれつき見聞色の強すぎるパトリック・レッドフィールドが相手に触れて記憶を読み取る技を披露している。
これと筆が食べた幻獣種の悪魔の実『イヌイヌの実モデル“化狸”』を組み合わせることで、ルフィ達の記憶の中にある強敵を再現して出現させた。
なお、原作では見聞色の使い手が他人の強い感情を感じる場面はあるが、他人の記憶を読み取る明確な場面はない。

六式「紙絵」

回避技の「紙絵」とポジションが被っているが、「紙絵」は
  • 肉体を変形させる「軟泥(スライム)
  • 残像を残す「残心」
といった見聞色とはまた違った派生技もある他、おそらく「紙絵」と見聞色の併用も可能。



追記・修正は遠くの人物の気配を感じ取ってからお願いします。

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最終更新:2024年04月22日 16:00

*1 カタクリの先読みを単なる未来予知として描写していたアニメ版では予知できていたこととなった。