オレさまが くろうして 用意した デデデグランプリで!
カービィの かつやくする すがたを 何度もみせられ!
あっさりと ゆうしょうを わたして たまるかーっ!
……デラックス山もりケーキをかけたバトル大会、という触れ込みは建前に過ぎない。
大会を開催した本当の動機は憎きライバルのカービィを打ち負かすこと、ただそれだけ。
無数のニセモノカービィで溢れたデデデグランプリそれ自体が、実態はカービィを倒すためだけに私財をすべて投げ打ってまで用意した復讐の舞台だったのである。
目的を考えると、ニセモノの強さはオリジナルよりわざと弱く作られている可能性が高い。
カービィが最後のプラチナリーグにまで勝ち上がり、決勝戦の過酷な4連戦を全勝され、負け惜しみに1対1の対決を宣言した後の兵士2人とチームを組んでの1対3バトルロイヤルを仕掛ける卑怯もラッキョウもない策も功を成さず失敗。
遂にブチ切れたデデデ大王は上記の台詞の後に「オレさまの "とっておき" を 見せてやる…」と意味深な言葉を残し、城の奥に撤退。
本当に最後の挑戦状を受け取ったカービィも、決着をつけるべく後を追うのだった。
辿り着いたそこは、デデデ大王が居座っていた玉座の間。
だが、あのカービィプリンターは手回し役のワドルディを除いて忽然と消えていた。
玉座の奥にあるエレベーターに乗り込み、最上階の特設リングに到着したカービィ。
そこに待ち受けていたのは、カービィプリンターと合体した巨大ロボに乗り込むデデデ大王の姿であった……
デデデ大王が用意した"とっておき"の切り札。ストーリーモードのラスボス。
種目の一つである「VSロボボンカース」と同じ形式で戦うが、体力バーはひときわ長い上に腹巻き模様の特別仕様となっている。
見た目は彼を模した一頭身体型の巨大なロボット。
登場時にわざわざ格好いい合体シーンを見せつけてくれる。
男のロマンをよく分かってらっしゃる
赤いガウンの鎧が目立つ他、左腕は元のそれより巨大なハンドル、右腕はハンマー、そして背中には二基のロケットランチャーを装備している。
そして、腹巻き部分にあたる中心部には肝心要となるカービィプリンターが埋め込まれており、ハンドルを回すことでニセモノのカービィを生み出す。
広義的に見れば、ある意味カービィプリンターがラスボスといった所である。
透明なレンズで覆われた頭部に乗り込むデデデ大王といい、そのどこかコミカルな造形は
世界征服を企むタマゴ体型の科学者のデザインセンスを思わせる。
コックピットを剥き出しにして透明なガラスで囲んでいるため、
マリギャラにおける
クッパJr.の使役ロボット感もある。
ちなみにデデデ大王がロボットに乗り込んで戦うのは
『カービィボウル』のデデデロボ以来23年ぶり。
アニメ版をカウントするならリョウリガーZ以来14年ぶりである。
ストーリーのないサブゲーム作品をカウントするならば、『
あつめて!カービィ』の「カービィマスター」の
HR-D3(仮)以来6年ぶり。
戦闘開始直後は、困ったことにこちらの攻撃がデデ・デデデンZに届かない。
しかし、暫く経つと……
バンダナワドルディが助けに現れ、砲撃のための大砲をステージ上に投げ落としてくれる。
以降、強い攻撃を当てるか体力をゼロにしてダウンさせた敵カービィを、大砲の弾にして発射し、大ダウンさせてダメージを与えていくことになる。
(命中した敵カービィは消滅するが、すぐに次の個体が補充される)
大ダウンを引き起こした後は頭部を足場に打ち付けて倒れるため、直接攻撃するチャンスが生まれる。
最初は一発当てるだけで大ダウンするが、復帰後は流石にそれなりの回数が必要になっていく。
大砲は床のへこみによる電流に触れたり、デデ・デデデンZの攻撃を受けたりすると跳ね上がってしまい、その間は使用不可になる。
詰め込んだ敵カービィも外に飛び出てしまうので注意。ハンマーを上手く誘導するのがコツ。
デデ・デデデンZは体力が一定値を下回るごとに、場に放つ敵カービィの数が最大3体まで増えていく。
本体の攻撃パターンも増えていき、最初はハンマーだけであったのが薙ぎ払いビームも追加される。
ここまではロボボンカースと同じなのだが、最終的にはステージの大部分をロックオンした大量のミサイルを放つようになる。
発射前に照準が一つずつ浮かび上がり、何処かしら必ず安全地帯が一つ(たまに二つ)空くため、まとわりつく敵カービィを蹴散らして素早く避難したい所。
敵カービィの構成はファイター、ボム、トルネイドの3種類で固定されている。
対近距離、対中距離、そして無敵の突撃要員と実にバランスの取れた組み合わせ。この3体が揃い踏みする終盤はまともに戦うと袋叩きにされてにっちもさっちもいかない。お願いだからワドルディも大砲投げるだけじゃなくて一緒に戦ってください
特に、接近戦のエキスパートであるファイターは他2種と比べても明らかに攻撃的であり、回復できない体力がこいつのせいでどんどん削られていく。
長引くほど不利になるため、確実にダウンさせて大砲に投げ入れていこう。
ウィップやパラソルだとダウンさせなくても射程圏内なら掴めるので、他コピーと比べて簡単に投げることができる。
更にハンマーなら火力も申し分ない上に、殆どの攻撃が敵カービィをとてもダウンさせやすいので、これまた簡単に掴んで投げ飛ばせる。
ただし、どのみち前哨戦の1対3バトルロイヤルを乗り越える必要があるので、話はそこからと言える。
死闘の末に討ち果たすと、デデ・デデデンZは大爆発。
いつもの如く城の屋根を突き破り、哀れデデデ大王はお星様に。
エントランスに墜落したカービィプリンターも粉々に砕け散り、ニセモノのカービィ達は跡形もなく消滅したのであった。
本作のデデデ大王はこれまでになく「カービィを倒すこと」に執着しており、勝つために手段を選ばなかったり
過去に類を見ないレベルで子供っぽさ、もとい往生際の悪さを見せつけたりしている。
性格的には
つばさ文庫版シリーズの彼に近いものがある。
カービィプリンターで(ニセモノとは言え)同じカービィに頼ってまで倒そうとした辺り、本当にカービィに勝ちたくてたまらなかったという事なのだろう。
その覚悟の表れは己の財産をつぎ込んだ所にも見て取れる他、ラストバトルのBGMもデデデ大王のテーマにグリーングリーンズや本作のテーマ曲のサビを混ぜて壮大感を演出した良曲であり、まさに往年のライバル同士の譲れない戦いを表現している。