登録日:2022/06/07 Tue 23:42:06
更新日:2025/04/15 Tue 13:40:29
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画像出典:『カービィボウル』任天堂 HAL研究所 1994年9月21日発売
まったく新しい世界の証明をしてみせよう。
見た事もない世界をあのカービィが大冒険!
どう転がるかはキミの頭と腕次第!
スリリングボールアクション
カービィボウル
スーパーファミコンで新登場!
対戦プレイも盛り上がる!
あ~やられた!悔し~…
それでも、カービィは回っている。
どこかの教授(ガリレオ・ガリレイ?)が人を集め、ピサの斜塔の上で実験を行う所から始まる。
そのまま落ちる鉄球に対してカービィはパラソルでゆっくりと落ちていき、そのままゲームの紹介に繋がる。
最後に法王との対戦プレイに負けて帰る中、あの名言を引用する教授の前にカービィが現れて…。
概要
公式曰く「
ゴルフとビリヤードが合わさったゲーム」であり、
カービィをボールのようにショットして様々なコースを駆け巡り、カップインを目指す。
1人用モードのほか、2人で対戦するモードもあり、2人プレイ対応なのも「カービィ」シリーズでは初の試みとなっている。
のちにバーチャルコンソールや「
Nintendo Classics」にて配信されたほか、『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』の海外版にも収録された。
ストーリー
カービィはある日、
プププランド中の星が徐々に減っていることに気付く。
いよいよ星が残り一つになった日、カービィが監視していると、星を奪っていく
デデデ大王を発見。
いつもの夜空を取り戻すために、カービィは天空に浮かぶデデデ大王の城へと立ち向かっていくのであった……
詳細ルール
基本編
ゴルフ
ゲームのようにカービィを「ゴロ」または「フライ」でショットして、ホール上に配置されている敵に触れて倒していきながら、ゴールカップにカップインするのが基本的な流れ。
ただし、ゴールカップは最初は出現しておらず、ホール上の敵が残り1体になった時、その敵がゴールカップに変化する。
各ホールで1打目でカップインすると
ホールインワンとなり、ひとり用モードでは、ホールインワンするとカービィの残機が1つ増える。
本作ではこの方法でしか残機が増やせないので、積極的にホールインワンを狙っていこう。
ショットする前にガイドラインを操作して、ショットの方向やスピンをかけたり、「フライ」で打つ場合はその高さなどの調整ができる。
ショットの方向を決めたら、つぎにパワーを決めるとカービィがショットされる。
なお、ショットしたり、カービィが一部の障害物にふれるたび、カービィの「バイタリティ(体力)」が減ってしまう。当然、闇雲にショットするのは好ましくない。
バイタリティが0になるか「OB」になると1ミスとなる。バイタリティは敵を倒した時やカップインした際に回復できる。
残りのバイタリティが少なくなると、ショットの前にカービィが息を切らせたようなモーションが挿入される。かわいそうだが、かわいい。
ちなみにゲーム内にはデモプレイを見るモードが別途用意されている。
実演つきでゲームのルールやテクニックを説明してくれるので、誰でもルールを理解しやすい。
応用編
なるべく少ない打数でカップインするには、これらのテクニックをいかに上手く使い分けられるかが重要となる。
ひとり用モードでは、これらを併用すれば各ホールで3打以内のカップインが可能。
ショットの際にはパワー調整の他にカーブとスピン(フライのみ)も調節できる。カービィの軌道調整には必須のテクニック。
なお、ショットの方向調整のさいに表示されるガイドラインは最大パワーでショットした場合の軌道である点には注意。
ショット後、カービィが動いている間にAボタン(「
がんばれボタン」)を押すと、カービィの移動距離をちょっとだけ増やすことができる。
ゴロの際に連打すると移動距離が少しのび、バンパーに当たって跳ね返される瞬間やフライでバウンドした時にタイミングよく押すと跳ね返りが大きくなる。
あとちょっとで敵やカップに届きそう、そんなときに使おう。
つづける →がんばるとは関係ない
カービィのゲームではおなじみの「
コピー能力」も本作に登場。
能力を持った敵を倒すと、それに応じたコピー能力を入手することができる。
本作のコピー能力は全10種類。コピー能力はミスしなければ次のホールに持ち越すことができるので、記録更新はどのコピーを持ち越すのかを考えてショットするのがミソ。
コピー能力の詳細な仕様は
こちらを参照。
ホール上には数々の障害物や仕掛けが配置されている。これらはまとめて「ヤクモノ」と呼ばれている。
【ヤクモノの例】
水がたまっているところ。池ポチャした場合は脱出が困難。
スピンや「がんばれ」ボタンなどを併用すると水切りショットとなり、水面を跳ねることができる。
ホールにスイッチが設置されている場合、カービィがスイッチを踏むたびに池の水を消したり出現させたりできる。
トゲが敷き詰められている。カービィが触れるとバイタリティが1つ減るほか、勢いも落ちてしまう。
乗るとカービィが終点まで自動で運ばれる。乗っている時の効果音がかわいい。
乗ると別の位置にある対応したパネルにカービィがワープする。
赤と青の2種類あり、赤が入った時の方向に出るのに対し青はパネル上の矢印の方向に出る。
上記のヤクモノとは別に「
ウィスピーウッズ」、一定間隔で雷を落とす「
クラッコ」、無敵の「
ゴルドー」が障害物として登場することもある。
ゴルドーやクラッコ本体、クラッコが下に落とす雷に触れるとカービィのバイタリティが減ってしまうため、注意が必要。
ウィスピーウッズやクラッコは「スパーク」能力を使用して体当たりすると破壊可能。
ゲームモード
1PLAY GAME
ひとりプレイ専用のモード。なるべく少ない打数でホールを順番にクリアしていく。
全部で8つの「コース」があり、1つのコースは8つのホールで構成されている。
8つのホール全てを通してクリアするとそのコースはクリアとなり、つぎのコースをプレイできるようになる。
このモードでは、カービィのバイタリティの最大値は4つとやや少なめ。
最初のホールでホールインワンできても、次のホールでパワーがわずかに足りず1打増やし、そのまた次で角度が逸れて挽回に2打……となると、あっという間にバイタリティが尽きてしまう。
バイタリティがなくなるか「OB」すると、残機を1つ失うので注意。
残機がすべてなくなると
ゲームオーバーとなり、そのコースの最初のホールからやり直しとなる。なかなかシビアである。
8つのコースを全てクリアすると、デデデ戦専用コースに挑戦できる。
このモードではコースクリア時の合計打数がスコアとして記録され、各コースで定められた打数以下でクリアすると金、銀、銅のいずれかのメダルがもらえる。
記録更新を狙おうとすると奇想天外なショットをノーミスで要求されることもあり、カービィシリーズの中でも完全クリアの難易度はかなり高い。
さらに、ある条件を満たすと「
エキストラコース」がオープン。
ホールの地形はノーマルコースと同じだが、敵の配置やカービィの初期位置が変わっており、殆どのホールでノーマルコースとはまた違ったショットが求められる。
VSデデデ
見事全コースを制覇するとデデデコースに挑戦できる。
このパターゴルフ系のゲームシステムでどう決着をつけるのかと思いきやまさかの直接対決である。
なお、デデデ戦は常に最大パワーでショットすることができる。燃えるな!
ちなみに説明書には「できるだけたくさんのストックを持ってから臨むこと」と書いてあり、実際デデデ戦ではダメージを受けると問答無用で残機が1つ減ってしまう特別ルールになっている。
さて、いざコースに入るとデデデは開幕大ジャンプし「メカデデデ」なる巨大マシンに搭乗してバトルが開始する。もちろん専用BGM付き。
ゲームシステムの都合上アクション的に凝ったことは出来ないので、メカデデデの攻撃パターンは極めて単調で、プチデデデを用いた直接攻撃…だけ。
ハンマーを振り回したりとかはしないし、吸い込んだりもしてこない。
ただしジリジリとにじり寄ってきて、カービィのいるラインに到達されるとなんか加熱してそうなアクション&エフェクトで地面にダメージが発生し続けて詰み状態になる。
到達=敗北という構図はヨッシーアイランドのラスボスをイメージしてもらえばかなり近い。
詰み状態になる前にデデデに体当たりをし続け、ノックバックとダメージを稼いで見事体力を0にすると勝利…なのであるが、異様なほどHPが高く、殆どノータイムで体当たりをし続けてもプチデデデにちょっと妨害されただけでかなり詰みが近くなる。
プチデデデは体当たりされるタイミングでカービィを発射することで回避可能だが、回避を優先して発射間隔を調整したりすればその時点で雲行きが怪しくなり、もちろん攻撃を受ければもっと遅れが生じる。かなり運も絡む。
このように極限に単調な癖にごり押しが過ぎて難しいと言うカービィシリーズでは非常に珍しい理不尽系のクソボスなのだが…
この「メカデデデ」、実はシリーズ最弱のボスとして名高い。
実はメカデデデには弱点が設定されており、「フライで頭部にヒットさせる」ことでゴロでの体当たりより大きくダメージを与えることが出来る。
撃破までに必要なヒット数は圧巻の4回。
たったの4回。
そう、メカデデデとのラストバトルは「フライという手札に気付けるかどうか」の勝負であり、あのクソみたいな理不尽さもそこに辿り着くための導線なのである。
きっちり最後までアクションパズルゲーだった。
説明書の脅しはもうトラップだと思おう。
エクストラ版でもこの致命的な弱点は変わらないのでフライを飛ばせばクリアできてしまうし、もうタネも割れているので、ここまでエクストラを頑張ったプレイヤーへの発散の場として機能している。
まずないと思うが、フライに気付けずに勝ってしまい、エクストラ版のメカデデデとゴロで勝負しようものなら100%敗北の負けイベントと化してしまうので注意。
2PLAY GAME
ふたりで対戦するモード。
1Pはピンクのカービィ、2Pは黄色のカービィ(いわゆるキービィ)を操作する。
全4種類の対戦専用コースをプレイし、獲得した星の数を競う。
はじめにプレイするコースをえらび、ダイスの出目の大きさで先攻・後攻を決めてから、ゲームを開始する。
ゲーム開始前にガイドラインの表示の長さや、ショット時のパワーの最大値の変更などでハンディキャップをつけることも可能。
敵は倒すと「星」になり、この星の数を多く稼いでカップインするのが目的。
ひとつのコースは8つのホールで構成され、8ホール終了時点でより多くの星を稼いだ方の勝ちとなる。
星は他プレイヤーのものに触れると自分のものにでき、ゴールカップ付近のものに触れると一気に2つもゲットできる。
なお、カップインすると両プレイヤーがつぎのホールに移り、つぎのホールの先攻はカップインしたプレイヤーとなる。
このモードでは、各カービィのバイタリティの最大値は6つ。
カービィ同士がぶつかると、互いにバイタリティを1つ消費&所持コピー能力を交換してしまう。
また、OBした場合はバイタリティを2つ消費&コピー能力を失ってしまう。
さらに、コピー能力で相手を攻撃すると、相手のバイタリティを2減らすことができる。
バイタリティがすべて無くなるとゲームオーバーや負けにはならないが、つぎのターンは1回休みになってしまうので注意。
なお、「1PLAY GAME」である条件を満たすと、「2PLAY GAME」のエキストラコースも解禁される。
カービィボウルの原型『Special Tee Shot』
もともと本作はカービィとは無関係のゲームとして開発されていた。開発当時は『
Special Tee Shot』と呼ばれており、開発も任天堂情報開発本部主体で行われていた。
実際に1990年代初頭のアメリカのゲーム雑誌に掲載されていたりする。
だが開発途中でHAL研も開発に加わり、カービィのゲームにすることになって、現在の『カービィボウル』となった。
のちに『Special Tee Shot』は
サテラビューにて配信されることになったが、現在はサテラビューの
サービス終了に伴い半ば幻のゲームとなっている。
カービィボウルの原型なだけあり、基本ルールこそ同一だが、
- 敵がおらず、ゴールカップは既定の位置に最初から出現している
- 「コピー能力」はないが、より強力なショットを打てるアイテムがある
- 波打つ床や水溜まりなど、カービィボウルにはないヤクモノが登場
- カーブやスピンを調整する際はルーレットで決め、微調整がしづらい
- 加えて「がんばれボタン」もない
- 実際のゴルフと同じく「風」の概念がある
などといった相違点があり、似て非なるゲームに仕上がっている。
余談
有志により、エミュレータを用いた「
Aボタン、Bボタン、上キーの3つのボタンのみで全コース制覇を目指す」というとんでもないやりこみプレイが行われたことがある。
こちらはエキストラコース含め、完走を達成している。
何を間違ったのか「このレギュレーションで人力クリア」まで達成されてたりする。
「
RTA in Japan Online 2020」にて取り上げられた際には話題となった。
これに限らず、打数短縮に向けた研究が日々行われており、さながら学会の様相を呈している。
ツールアシスト込みで、128ホール中123ホールはホールインワンが可能なことが確立されている。
さらには「上、R、A」(45度単位で方向転換可能だがコピーなし)でのクリアも達成されている。流石にこちらはツールアシストのみだが。
追記・修正は全コース金メダルを取ってからお願いします。
- この項目まだなかったのね。今はSwitchのどこでもセーブや巻き戻しでクリアするなら楽だけど当時はEX出すのも大変だった…。 -- 名無しさん (2022-06-07 23:56:22)
- こういう視点でティーゴルフを行うコンピュータゲームは既にあったからそれで路線転換したんだろうか -- 名無しさん (2022-06-07 23:59:15)
- Aボタン、Bボタン、上キーの3つのボタンのみで全コース制覇を目指す」の人も凄かったが『保証対象外』の人も別のベクトルで凄かった -- 名無しさん (2022-06-08 00:03:38)
- ステージ難易度がクッソ高い分、デデデ戦は完全に消化試合のウィニングラン -- 名無しさん (2022-06-08 00:08:50)
- 懐かしい -- 名無しさん (2022-06-08 00:14:08)
- ↑3 何が面白いって「3つのボタン」の人が丸4年挑み続けた難題を解決したのが保証対象外の人が見つけた「池のふち」だったのが -- 名無しさん (2022-06-08 00:26:41)
- 発売前の宣伝ビデオが凄くシュールで面白い。加藤精三さんが淡々とした口調でゲームの説明するヤツ -- 名無しさん (2022-06-08 01:01:24)
- 全コース制覇どころか「総打数200打以内かつウィスピ―ウッズを一体も倒さずにEXデデデ撃破」の領域まで到達している模様>3ボタン縛りプレイ -- 名無しさん (2022-06-08 01:21:17)
- え!?ゲームキューブでカービィボウルを!? -- 名無しさん (2022-06-08 08:19:14)
- ↑2ウィスピーウッズは途中からね。表面の一部はどうあがいても破壊せざるをえないって検証まで出してたし -- 名無しさん (2022-06-08 13:18:03)
- この記事なかったんか…学会ができるほど本当によくできたゲームだよ -- 名無しさん (2022-06-08 15:56:09)
- トリセツ内のあらすじでストーリーモードは夢の泉と後日談と分かる -- 名無しさん (2022-06-08 22:05:22)
- ↑3 どのホール?検証についてもご教授願う -- 名無しさん (2022-06-09 01:43:06)
- これストーリーあったんだ… -- 名無しさん (2022-06-09 10:41:41)
- 三つのボタンでプレイできるように、エアライドも必要なのはボタンとスティックだけでいいから、コンセプトは似てるのかも -- 名無しさん (2022-06-09 14:50:48)
- ↑カービィボウルを3つのボタンでプレイできるゲームかのように仰るとは……手練の学会員とお見受けする -- 名無しさん (2022-06-09 20:33:21)
- 対戦モードは中々の友情破壊ゲームだった。★の取り合いガン無視して最終的にお互いを場外ホームランさせるゲームと化す -- 名無しさん (2022-06-09 22:08:08)
- シリーズ30周年からかSwitch Onlineで他のSFC作品と共に完全クリア済みのSP版が一気に追加されてびっくり。 -- 名無しさん (2022-06-10 19:46:58)
- ↑9 「総打数200打以内かつウィスピ―ウッズを一体も倒さずにEXデデデ撃破」はできるらしいよ。ここにリンク張るのは悪いかなと思うのでご本人の2018年11月2日のツイート参照。 -- 名無しさん (2022-06-13 17:22:53)
- メカデデデのBGMがグルメフェスにもあってヒストリーオブデデデに続いて2回目のアレンジかな。 -- 名無しさん (2022-08-11 21:37:33)
- ↑Avalancheでもデデデ大王戦でアレンジされてたので3回目だね、ゲーム外なら30周年フェスのデデデ大王メドレー(グルメフェスにも入ってるが)にもあるから計4度目になる -- 名無しさん (2023-01-20 21:26:40)
- コース8のbgmすき -- 名無しさん (2024-08-21 08:58:56)
最終更新:2025年04月15日 13:40