エーディン(FE)

登録日:2011/12/22 Thu 00:57:48
更新日:2025/02/26 Wed 17:18:27
所要時間:約 11 分で読めます





出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS


概要


CV:石村知子(FEヒーローズ)


クラス:プリースト→ハイプリースト
固有スキル:なし


主人公シグルドが住むシアルフィ領の隣、ユングヴィ領を治めるユングヴィ公リングの次女。兄弟に姉ブリギッドと弟アンドレイがいる。シグルドとは幼なじみの仲。

かつ聖弓イチイバルを使った弓使いウルの血を引く。が、彼女自身は傍系かつ非戦闘員のプリーストなので全く扱えない。
ユングヴィが南西の隣国ヴェルダンに侵略され、彼女が連れ去られたことから主人公シグルドは彼女を救い出すために出撃を決意。「聖戦」の物語はかくして始まる。

これだけ見るとヒロインはどう見てもエーディン。
しかし主人公は彼女を救出後に別の美女を引っ掛けてスピード結婚してしまうため、絡みは全くない。
結局、旅の中で生き別れた姉に会えるかもという理由からシグルド軍についていく。

しかし、ヴェルダンの筋肉王子ガンドルフが嫁にしたがり、キモメンゲラルドがよだれを垂らしそうになるほどの美貌の持ち主で、シグルド軍の男を引っ掛けていく魔性の女。ディアドラにシグルドのことを話したのも彼女である。
アゼルミデェールジャムカデュー、と次々フラグを立てていく。
こういう女は同性には嫌われそうだが、指揮官の妹にしてお兄ちゃん子のエスリンにリターンの杖を渡してご機嫌をとったりとその辺も抜かりはない。

結婚してもアゼルやクロードからレスキューの杖を貢がれたりと相変わらずだが、ミデェールやジャムカには勇者の弓を恵んだりと面倒見も良い。
でももっと早くに勇者の弓を出してほしかったとは全国のミデェールの談。
しかし生まれた息子は何故か青い髪であり、ドズルのいい男、もしくは嫁が消えた後のすけこまし発言が目立つリーダーとの浮気疑惑がチラついてしまう。

道中で姉と再会したものの直後に失脚して帰れなくなったシグルド軍と共にシレジアで冬籠もりした後は、内乱に便乗してやってきた弟に焼きを入れ、バーハラの虐殺で壊滅するまでシグルド軍について行った。


第2部では多くの戦士たちが死亡するか生死不明になっており*1、子供たちの会話などで判明した女性陣の行方については

アイラ…生死不明だが彼女の性格上絶望的。小説版では死亡。
ラケシス…生還しレンスターでフィンの保護の元出産。レンスターに来たのはフィンが仲間(恋人の場合もある)である他に義姉とその息子のことも気がかりだったためだが会うことが出来なかった。子供達を育てるが、レンスター城崩落の際、フィンと子供達を連れて脱出、逃亡生活を送る。その後、戦争の情勢を知り息子デルムッドの安否を確認する為に単騎でイザークへ。途中砂漠で消息を絶つ。
シルヴィア…バーハラ後にコープルを生むまでは生きているが、のち行方不明。
フュリー…生還するが後に隠れ家で病死。息子が夫(現在も活動中)を探したりしてくれていたが、待ち続けたまま生涯を閉じる。
ティルテュ…生還しシレジアで夫と生活するが、見つかってしまい娘と共に連れ戻された。兄ブルームは妹の保護をしたつもりだった様だが、兄嫁のヒルダに娘共々容赦なく虐待されて多少は生き永らえたものの死亡。生き別れた息子と再会も出来なかった。
ブリギッド…生死不明だがトラキア776よく似た人が登場する。

とやはり悲惨なものばかりであるが、そんな中エーディンは

レスター「…それで、母上は?」
ラナ「ティルナノグの修道院で働いておられます」

修道院で働いておられます

修道院で働いておられます

なんとも美人薄命を真逆で行く魔性の女である…が、やはり大抵の場合は夫は失っている。未婚の可能性もあるけど。
少なくとも修道院に入る前は、10年以上は母親としてセリス達を守り、育てていた様子。
これらは包囲されリーダーのシグルドも戦いの直後油断させたところでの卑劣な攻撃による神器ブッパで真っ先に死亡…と、絶望的な状況だったにもかかわらず結構な間抵抗が続いていたらしいため、その間に女性達は子供と一緒に率先して逃がされたためと思われる。


ちなみに娘のラナは浮き名をはせた母親に似ず、序盤のフラグはセリス様一筋である、
そのため意識しないで進めると、足並みの揃いやすさや会話イベントの少なさから普通にセリスとひっつく。
奪われた主人公のヒロインの座は娘の代でリベンジしたと言えるかもしれない。小姑のユリア付きだが。
ある意味母親とは違う道を進んでいる芯の通った素朴で一途な優しい乙女だが、お兄ちゃん子のユリア(当時はライバル)にリライブの杖を渡したりと…あれ?この図どこかで見たような…
独身生活が長くなると終章手前でファバルとフラグを立てる。それでもうまくいかず独身のままエンディングを迎えるとラナのみ後味の悪い別れになる。

なお、フィンレヴィンが夫の場合は一家全員生きているという珍しいパターンになる。
しかしフィンはEDでもリーフに付き従ってレンスターへ戻り、レヴィンは姿を消してしまうので結局夫と再会する事無く物語は終了してしまう。
レヴィンの場合は子供編開始までの間に顔を合わせていた可能性が高いが。

名前の元ネタはケルト神話の同名人物からと思われる。
ちなみに神話での夫の名前はミディールだが、彼とは紆余曲折の末に結局離婚し別の男と再婚している。
ミデェール涙目。

ユニットとしての性能


○初期値と成長率、CCボーナス
プリースト LV3
HP-28(50+20)
力-0(20)
魔力-13(30)+5
技-8(20)+3
速さ-9(30)+2
運-11(30+30)
守備-1(20)+2
魔防-10(5)+1
移動-5
武器LV-杖B→炎C雷C風C杖A
血統-ウル傍系
スキル-なし

ステータス的にはまさしく杖を振るために生まれてきた女。
プリーストらしく魔力と魔防の初期値が高めで、HP、魔力、そして特に運の伸びに非常に優れているが他は普通か微妙。まあ杖さえ振っていれば育っていくので、育成自体はそんなに難しくはないはず。
クラスチェンジすると魔法が使えるようになるが、杖レベルがAという以外劣化セイジで扱える魔法も最下級の物のみ、かつスキルもないため戦闘には不向き。
闘技場でも、使える魔法の中で最も使い勝手のいいウインドを持っていても中盤以降はあっさり負けやすい。
ガチで使うならアーダンから追撃リングを強奪するくらいは必要だが、そこまでする価値は勿論ない。

カップリング


結婚相手は本人がスキルを全く持たないため厳選が求められる。
と言っても娘のラナは母と同じく杖を振るだけなので特に問題はない。魔防の伸びなさが母譲りなので終盤はダークマージの横やりに注意する必要はある。
問題は息子のレスターで、攻撃回数増加のスキルを持たない父親、力成長率を提供できない魔法系の父親だと一人泣く羽目になる。
更に武器継承が無いと勇者の弓やキラーボウなどの強力な弓は8章まで手に入らない。その場合、ブリギッドの鋼の弓を手放しておくと7章で道具屋に並ぶので多少マシになる。

上記の事情から安全牌。レスターが弓を継承出来る上にスキルも成長率も優秀。
悪く言うと「ちょっと強いミデェール」にしかならないが、安定して活躍できる。

ミデェールに次ぐ次点。弓を継承できて、ミデェールより力が上がりスキルに爆発力がある。
その代わり追撃が無く、技の伸びも良くないので肝心な時に攻撃を外すことも。

能力値・スキルがミデェールのほぼ上位互換でHPも上がって、ラナもにも良し。武器継承に難が有るだけの惜しいベストカップルだ。

聖戦で極めて稀な最後まで家族全員が生還するカップル。結局再会出来ないが…。
追撃と祈りという役に立つスキルを継承できるうえに運が非常に上がりやすいため回避能力のポテンシャルが高め。
また、他物理父の”ラナの魔力が上がらない”という問題もフィンならば親子会話イベントでカバーできるのもポイント。
武器継承の問題でレスターの運用で若干の癖は出るものの、CC後のラナが前線戦力としてカウントできるようになるダークホース。
ちなみにフィン視点ではラナはエーディンに瓜二つらしい。あとレスターの青髪の理由も立つ。

二人の場合、前述したように恋人会話によって本来は10章で初めて手に入るレスキューを4章or5章で入手可能。
しかしアゼルの場合、確かに追撃は持っているしラナは魔力も伸びてかなり優秀になるが、レスターの力が不足する。
また、せっかく手に入れたレスキューも初期杖レベルBのラナには継承できないので、クロードをフュリーかシルヴィアとくっつけたうえで彼に売り渡しておく必要があり、子世代での入手は8~9章になってしまう。

クロードの場合、魔力と魔防の伸びは良いのだが、力が低いうえに両親共にスキル無しという形になるため、ラナは最高のプリーストになれるのだが、レスターの攻撃能力が見るも無惨なことになる。
バルキリーの杖も何故か使えもしないレスターが継承する事になり、完全に無駄になってしまう。
ラナに譲ってあげればいいのに…。
ただしこの組み合わせの場合、ブラギ血統で杖レベルの上がったラナが6章開始直後からリザーブやレスキューを継承して使えるので、クリア後の高評価を目指すにあたって非常に優位に立てるという利点もある。
この場合、戦力が事実上1人減ってしまうのをどうカバー出来るかが鍵になる。

いずれにしても非常に変則的な運用になってしまうので、手放しで勧められるカップリングでは無いのだが。

値切りでラナが安心して杖でのレベリングに勤しめる。特にお金に乏しい序盤を安心して進められる。
成長率も均等に高いのでステータス面では兄妹揃って安定したステータスになるので、『ラナは』、早い段階から補助の主軸になれる。
…………レスター?スキルは「値切り」しかありませんが何か?
太陽剣?弓兵に何を求めておられるので?

レスター目当てに肉弾戦型の父親を選ぶとラナのHPや力までモリモリ上がる。特にジャムカだと顕著。
下手すると魔法系なのに力が魔力を凌駕する事まである。
この時のラナを通称「ラナオウ」と呼ぶ。
可憐なシスターのイメージを崩したくない人は気をつけよう。

余談

FEシリーズの小ネタのひとつに「けだもの」発言というものがある。
ほとんどの場合において、女性ユニット(かわいい)が男の敵ユニット(キモメン)に対して発する言葉である。
「紋章の謎」のユミナから始まったこのネタ、「聖戦」でもしっかり登場する。
発言者は誰かというと、そうエーディンである。物語序盤にキモメン野郎に連れ去られる際にこのセリフを言う。連れ去られたあとどうなったんだろうっ…ふう
ただ途中までは拉致や戦争で忙しく、最終的には牢屋に入れられていた*2&ジャムカの手引きですぐデューと脱走したので、そちら方面の扱われ方はまだ普通になかったと思われる。

男性ユニットからの人気や貢ぐ貢がれるのイベントが目立つのでネタとして魔性の女と言われるが、彼女の性格が悪いとかそういうわけではない。
『聖戦』の最大の売りと言えるフリーカップリングが可能な最初の女性ユニットで、やや悪く言えばその仕様をいち早く伝える模範教材ポジションも担うため、か弱そうでモテモテイメージの支援職にした方が分かりやすく納得しやすい、という按配なのではなかろうか。
回復役の都合上、誰かが傷付けば回復して隣接状態でターンエンドするのは自然な成り行きなので、地道なレベリングと思って励んでいたら早々にゴールしてしまうのは誰もが通った道だろう。

裏設定としてエーディンは幼いころ生き別れた姉の生存を信じていて何としてでも探し出して神器を託そうとしていた(リング卿ではなく傍系の彼女がイチイバルを所持していた理由)。
その強い使命感から身を固めるなどの気持ちがなかったのでこんな感じになったとも言われている。
そのためか流石にゲーム中では普通に恋人を作れるものの、本編開始前やブリギッド加入前の3章までの会話では彼女の周囲の反応が浮ついている割に彼女自身が浮ついている話がほぼない。

なおユングヴィ当主のリング卿もイザークへの遠征に際してもイチイバルを神器を扱えないエーディンに託したままでいることからこの考えに同意&信頼しており、ウルの血筋のこともだがアンドレイには後を任せたくなかったことがうかがえる。これではアンドレイが腹を立てるのも止むを得ないのかもしれない。
もっともそれより以前にアンドレイの性格面(残虐で好戦的で正義心も薄い)を危惧していたからこそ父と険悪だったと思われるので、逆恨みとまではいかずとも自業自得だったとは思われる。

可憐なシスターである彼女のどこに、あんなくそ目立って重たい…じゃなくて、イチイバルを持ち歩き続ける要素があったのか。エスリンと揃って謎である。


いずれにせよ「聖戦」の開幕を彩り、誰もが強い印象を残したであろう彼女だが、外部作品ではいまいち影が薄い。
サイファ』では聖戦の初期収録弾から登場はしているが低レアリティ止まり。登場キャラが限られている他のクロスオーバーでは当然出番なし。
顕著なのが『ヒーローズ』で、自身と子供達、従者ミデェールまで含めて2024年までは未実装。姉は逆に、本人も記憶喪失後も、子供たちまでも揃っているというのに……
やはり神器を持てなかったことが子供たちにまで尾を引いたのと、良くも悪くもFE王道すぎるシスター枠で競合ヒロイン達に先行されてしまうのが悪かったのだろうか。


そして、迎えた2025年…。



ヒーローズ


戦いは人の中のケダモノを呼び覚ましてしまうのでしょうか。

神よ、彼らにどうか人間としての心を……


出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、
2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS


2025年1月、ようやくの登場を果たす。同月は彼女に加え響心英雄のブリギット、更にはミデェールとユングヴィ家が中心の実装となった。
無属性の杖装備ユニット。イラストはロマサガ2のリメイクのキャラクターデザインを担当していたあんべよしろう氏。
ガチャ枠のあと一人はデューなのもあって「想いを集めて」では原作通りのモテモテエーディンが描写されたり、モテの秘密を探るためシャーロッテドロテアが寄ってきたり。

ちなみに、CVの石村知子氏は「柊美冬」や「鶴野恭子」名義で大体95~00年頃に活躍していた方で、
2010年くらいからは少なくとも表舞台での活動は皆無にもかかわらず2025年になってまさかの起用。
まるで当時のキャストを久しぶりに呼んだように見えるが、もちろんエーディンに声がついたのはこれが初めてである。一体どういう縁でこのキャスティングに……?

武器スキルは『ユングヴィの聖杖』。
敵は反撃不可、奥義が発動しやすい(発動カウント-1、奥義発動カウント最大限の下限は1)
周囲5マス以内の味方の隣接マスに移動可能
応援、移動系補助を使用した時、自分と対象に【多感】、「自分から攻撃時、絶対追撃」、【再移動(1)】を付与(1ターン)
周囲3マス以内に味方がいる時、戦闘中、攻撃、魔防が戦闘開始時の魔防の20%+6だけ増加、ダメージ+魔防の20%(範囲奥義を除く、加算後に杖のダメージ計算が適用)
自分の最初の攻撃前に奥義発動カウント-1

Aスキルは自分から攻撃した時または周囲3マス以内に味方がいる時、戦闘中、自身の攻撃、魔防が周囲2マス以内の味方の人数×2+8だけ上昇(最大12)、
杖は他の武器同様のダメージ計算になる『攻撃魔防の布教』。
Bスキルは自軍ターン開始時および敵軍ターン開始時、敵同士で2マス以内にいて、かつ魔防が自分より1以上低い敵の速さ、魔防-6、【不和】を付与(敵の次回行動終了まで)
戦闘中、敵の速さ、魔防が減少。減少値は、敵の周囲2マス以内にいる【不和】が付与された敵の数(戦闘相手を含む)✕2+4(最大10)、自分が与えるダメージ+自分の魔防の15%(範囲奥義を除く)の『速さ魔防の不和』。
Cスキルはターン開始時、自分と最大HPが自分より1以上低い味方歩行は、奥義発動カウントが最大値なら、奥義発動カウント-1(同系統スキル複数の時、効果は累積する)の『歩行の鼓動4』。

ステータスは攻撃と魔防に優れるが、守備が低い。Cスキルの関係かHPも高い。

少し離れた位置の味方の隣接マスへワープで移動し、攻撃や回復が可能。
更に補助スキルがマジックシールドであるため、補助効果に加えて再行動もできる。
移動そのものは1マスに制限されるが、ここでもワープ移動は生きているのでより離れた位置へ再度すっ飛べる。
攻撃面も、ただでも高い攻撃と魔防をより強化し、魔防依存のダメージ上乗せもあって、強力な相手を打ちのめせるだけの強さは十分ある。

まとめればバージョン9世代らしい高火力とフットワークの超攻撃派杖ユニット。そのおかげで「おまかせ」にするとガンガンいきすぎるのが欠点と言えば欠点。
味方を足場にワープで突っ込み1体倒して、返しのターンで倒されてしまうのがお約束。
暴走してケダモノの手にかからないよう慎重に指示してあげよう。
城の中で捕らえられた原作再現要素なんてなかった。




あなたたちはケダモノです
…神よ、どうかこの項目に
活動としての追記・修正を…

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最終更新:2025年02月26日 17:18

*1 ゲーム本編では語られていないが、男性は女性を逃がすためにも率先して戦ったため全員死んだとされている。

*2 まともな収容場所が無かった、あるいは用意できていなかったものと思われる。盗賊で普通に罪人であるデューと近くだったし。