登録日:2018/06/10 Sun 06:46:51
更新日:2024/10/17 Thu 18:44:12
所要時間:約 20 分で読めます
『スカルマン(THE SKULL MAN)』は07年にフジテレビ系列の土曜深夜枠で製作、放映されたアニメ作品。
製作会社はボンズ。
4月28日~7月21日まで放送。
全13話。
石ノ森章太郎のマンガ作品
『怪奇ロマネスク劇画 スカルマン THE SKULL MAN』のアニメ化作品だが、原作コミック、及び原作コミックの正式な続編として描かれた島本和彦によるマンガ作品
『スカルマン THE SKULL MAN』とも違う、シリーズ構成の出渕裕らの独自のイメージで設定されたオリジナル要素の強い作品となっている。
原作の『スカルマン』は所謂
『仮面ライダー』のイメージ原案となったキャラクターであり、上記の島本和彦による続編作品に仮面ライダーを彷彿とさせるキャラクターが登場していた他、反対に『仮面ライダー』シリーズに
スカルマンをモチーフとするキャラクターが登場したりしている。
本作のスカルマンもバイクに乗るなど、仮面ライダーを意識したデザインや設定は込められているものの、物語自体のイメージでは仮面ライダーよりも
『サイボーグ009』を意識した展開が多くなっている。
……というより、明確に009のキャラクターをモチーフとした登場人物が登場し、これまでに描かれてきた009の設定には繋がらないものの、009に繋がる物語として構成されているのが特徴。
また、石ノ森原作の児童向けアニメながら、本格的なSF描写により後の多くのクリエイターに影響を与えた
『空飛ぶゆうれい船』のキャラクターをモチーフにした登場人物も多く、同作に出渕やメインスタッフの誰かに思い入れがあったことを想像させる。
本放送開始前の4月1日に本作の設定で描かれた特撮ドラマ『スカルマン~闇の序章~』が放映されている。
本作の前夜祭的特番と位置付けられており、実写とCGアニメが混ざった構成となっている。
単独でソフト化されているが、本TVシリーズの第0話的にセットで扱っている場合も多く見かけられる。
【物語】
かつての世界大戦の後の混乱により、二つに分断されてしまった日本。
東京でスクープ専門のトップ屋をやっている御子神隼人は、父の死を契機に影の首都とも呼ばれる大伴市から出てきた過去を持っていた。
その大伴市で政治家や官僚、女優といった有力者の怪死事件が相次いでいることと、その怪死事件に髑髏の仮面を被った怪人=“骸骨男”の影があることを知った隼人は、7年ぶりに大伴市へと帰郷して特大スクープを物にしてやろうと目論む。
大伴市へ向かう列車。
軍が不法侵入者を探す混乱の中で無理矢理に同行を申し出てきたカメラマンを名乗る少女、間宮霧子と共に大伴市への帰還を果たす。
そして、隼人が深夜の町で目撃したのは人間から変貌する怪物=“ガ號”と、それを始末する骸骨男=スカルマンの姿であった。
【用語解説】
■大伴市
本作の舞台。
日本の某所にあると設定される架空の地方都市。
かつては“神楽”と呼ばれる小さな山村だったが、ある時を境に巨大企業大伴グループが開発に乗り出し、現在の様な巨大都市と化した。
尚、神楽村自体は既にダムの底に沈められている。
分断後の日本経済を復興させた立役者ながら、現在では大伴市のみの独自の法律やシステムが働く治外法権、別の国とも言える様相を呈しており、国民証を持たない市民以外は立ち入りが制限されている。
市民も深夜0時以降の外出を禁じられる等、徹底した管理体制が敷かれている。
■白鈴會
大伴市で隆盛を誇る宗教団体。
大伴グループとは密接な関係にある。
市の前身である神楽で発見された古代遺跡に関わる信仰を持ち、大伴市の誕生にも関わる当該遺跡は會の聖地となっている。
信者は翼を象ったペンダントを身に付けている。
元々は遺跡を調査する研究プロジェクトが発端だったらしい。
創始者は優秀な研究者転じて宗教家となった神楽辰之。
教団設立後の辰之は
番場壮吉を名乗っていたとの情報も。
辰之は息子の辰男ともども、何者かの襲撃により殺害されている。
現在は辰之の妻で、死別後は黒潮豪蔵の正妻となった黒潮(神楽)沙羅が代表を務めている。
基本的な活動は市の清掃活動など、社会福祉への貢献といった慈善事業であるが……。
信者も知らない団体自体の最終目標は聖地である遺跡の力により“新人類”に生まれ変わることである。
■津軽紛争
大戦後の混乱の中で日本人民共和国と大日本共和国に分裂した日本で、二国間の国境である津軽海峡を挟んで起きている紛争のこと。
過去に二度勃発しており、劇中では三度目の開戦の気配が濃くなりキナ臭くなっている。
北と南に分断された日本は、それぞれに西側諸国とUUからの介入を受けている模様。
■南亜戦争
数年前まで東南アジア地域で起きていた大規模な戦争。
神崎芳生が従軍していた戦場でもある。
現実世界の
ベトナム戦争がモチーフと思われ、このことから物語の時代設定も昭和40年代頃の雰囲気に纏められている。
数々の軍事的な秘密実験の舞台でもあったらしく、これらの話題は劇中にも暗い陰を落としている。
■BG(ブレイン・ギア)
謎の多国籍企業。
その影響力は巨大で各国と繋がりを持ち、日本では大伴グループと協力関係にある。
その高圧的な態度には黒潮豪蔵も忸怩たる思いも抱いているようだが……。
【登場人物紹介】
■御子神隼人(声:保村真)
スクープ記事専門のトップ屋。
生まれ故郷の大伴市で奇怪な事件が起きていることを知り、軽い気持ちで帰郷する中で自らの出生にも関わる因縁に巻き込まれていく。
大伴市を経済で牛耳る大伴コンツェルンの会長、黒潮豪蔵の部下であり、家族ぐるみの付き合いをしていた御子神駿の息子であり、豪蔵のことを「小父さん」と呼んで慕い、現在でも豪蔵からの配慮を受けている等、怪しい立場や職業にありながらも身柄を保障されていた様な部分もある。
自他共に認める平凡な男のようだが、過去の記憶にはっきりしない部分もあり……?
事件に深入りしていく中で豪蔵の心配をよそに、多くの人間から邪魔者として追われていくようになる。
名前は『空飛ぶゆうれい船』の主人公“滝隼人”からとされる。
■間宮霧子(声:川澄綾子)
本作のヒロインで、カメラマンを名乗る少女。
偽造パスポートを利用して大伴市へと潜入しようとしていたが、不法侵入者を探す混乱の中で本物のパスポートを持つ隼人に無理矢理に同行する形で大伴市へ入る。
正体は反体制運動家の組織に育てられた孤児で、自らも活動の経験があった。
大伴市に来たのも兄と慕っていた神晃一が潜伏しているとの噂を聞いたためであった。
見た目は華奢で小柄だが、カメラと共に晃一に教えられた格闘技の使い手でもある。
■神崎芳生(声:加藤正之)
隼人の
幼なじみの若い神父で、南亜戦争で従軍神父として兵士の心のケアに当たっていた事もある。
教会兼孤児院の出身で、現在は自分が代表として孤児達の面倒を見ている。
隼人との再会を喜んではいるが……。
孤児院を手伝いに来る黒潮真耶とは深い交流がある模様。
■黒潮真耶(声:折笠富美子)
黒潮豪蔵の娘。
黒潮コンツェルンの令嬢でありながら、頻繁に孤児院を訪れては子供達と交流している。
神崎芳生とは互いに想いを寄せあう仲のようだが……。
母親の沙羅が主導する宗教組織“白鈴會”の巫女でもある。
■真行寺麗奈(声:根谷美智子)
ライダー姿の謎の美女。
大型
バイクを駆って現れることが多い。
犬の怪物に変身する。
■真行寺徹郎(声:田坂秀樹)
謎の美青年。
麗奈の弟。
姉と同じく犬の怪物に変身する。
■新條剛(声:関智一)
大伴警察の若い刑事。
帰郷した隼人の監視を申し付けられる中で噂話と思っていた“骸骨男”の起こす事件に触れて自分の信じていた世界が揺らいでいくことになる。
隼人とは如月奈美の件などを通じて喧嘩友達のようになっていくが……。
名前は『ロボット刑事』の新條強から。
■立木恭一郎(声:堀勝之佑)
私立探偵。
飄々とした人の好い雰囲気をまとった五十絡みの紳士だが、大伴市へは何らかの目的を持ってやって来たらしく、当事者である隼人達自身も気づいていない事情を知っているような素振りも。
名前は『スカルマン』の立木探偵から。
■黒潮豪蔵(声:阪脩)
大伴グループのトップで、同コンツェルンの会長。
名前は『空飛ぶゆうれい船』の黒潮会長から。
■黒潮沙羅(声:小宮和枝)
豪蔵の妻。
百鈴會の指導者。
娘の真耶を新たな時代を拓く存在としようとしている。
■船越英明(声:秋元洋介)
大伴グループ専務。
豪蔵の古くからの腹心。
■埴輪儀助(声:辻親八)
大伴警察署長。
周囲からの評判は最悪。
大伴市の治安を統制する見返りに、可能な限りの権力を誇示しており、人気女優の鬼塚結衣を愛人にしたりもしていた。
名前は『空飛ぶゆうれい船』の埴輪国防長官から。
■石動寛治(声:大塚芳忠)
青年将校。
日本軍少佐。
■鬼塚結衣(声:大原さやか)
人気女優。
不本意ながら埴輪に囲われており、自分を卑下していた。
“偽の骸骨男”に殺害される。
■烏丸小夜子(声:かかずゆみ)
結衣の付き人で、純粋な目で彼女に憧れており、結衣も自分の境遇と比して汚れていない彼女を大事に思っていた。
芳生と同じ教会の出で、隼人とも顔見知りだった。百鈴會の信者。
結衣を守るために鳥の怪物へと変身して暴走するが、本物の骸骨男に殺される。
■宇佐神明(声:吉野裕行)
大伴製薬の研究員。
何かを掴んでいるようで、自ら隼人に接触した他、入手した「神の声」の解析を進め、それを利用して自らの立身を図ろうとしていた。
偽の骸骨男に殺害される。
■如月奈美(声:井上喜久子)
隼人の行き付けの食堂のおばちゃんの姪で、おばちゃんからは娘のように可愛がられている。
結婚して大伴市を出ていたが離婚して出戻り、食堂で働きはじめたところで隼人と再会を果たした。
隼人にとっては憧れの年上のお姉さんであり、かつては青臭い夢として将来の約束を語っていたが、再会によって本気の告白をされることとなる。
また、隼人と関わりを持つようになっていた新條にも一目惚れされており、新條もプロポーズを考えていた。
実は離婚の理由は七五三を前に子供を亡くしたことであり、夫にとって彼女は子供を生む道具でしかなかったからであった。
その傷心を
埋める為に百鈴會に入信していたが、狐の怪物へと変身。
隼人に救いを求める手紙を託していたが、その手紙はおばちゃんから間違って新條に手渡され、隼人は彼女の想いを知らぬままに彼女が怪物と化すところを目撃することになってしまった。
最後は本物の骸骨男に始末される。
■神晃一(声:松田賢二)
霧子の探し人で、かつては反体制運動の闘士であった。
テロの失敗により大伴市に逃げ込んだ後に利用価値を認められて匿われたのか、百鈴會の信者となっていた。
偽のスカルマンの正体であり、骸骨男出現の混乱の陰で依頼主の指定した邪魔者を始末していた。
最後はガ號と戦う羽目になった所を本物の骸骨男に救われるも、利用価値が無くなったとして百鈴會のエージェントに始末される。
■アルカード・ヴァン・ヴォグート(声:石塚運昇)
ブレイン・ギア極東支配人の肩書きを持つ大柄な白人男性。
ビジネスパートナーである大伴グループとの交渉に当たっていた。
本部からの
指令の声(声:家弓家正)の下、大伴市で起ころうとしている“何か”を予測して動いており、ある“者”を捕獲しようとしている。
名前とモデルは『
サイボーグ009』のバン・ボグート。
■ヘレン(声:雪乃五月)
ヴォグートの秘書。
名前とモデルは『サイボーグ009』のプワ・ワーク人(地底人類)のヘレン。
■スカルマン(声:土田大)
大伴市に出現するようになった髑髏を思わせる仮面に黒いロングコート姿の怪人物。
劇中では基本的に“骸骨男”とのみ呼称される。
“ガ號”と呼ばれる人間が変身する獣の特性を持つ怪物を殺害している。
また、人間を殺したように見える場合でも如月奈美の例のように、対象は実は“ガ號”である人物のようである。
変身した“ガ號”を相手にしても引けを取らない程に高い身体能力を誇る正に怪人であるが、再生能力等は持っておらず、負傷した場合の回復力は常人程度であるのが弱点と言えば弱点。
上着の袖が変形して拳を覆う“ブラスナックル”
袖の内側に両端に刃が付いた伸縮性の槍“スカルスピア”
襟の部分に“スカルナイフ”といった装備を隠し持つ。
スカルスピアの刃は“スカルニードル”としても使用可能。
移動時は大型バイク“スカルマシン”を駈る等、装備が充実している。
多彩な技を使いこなすのは“技の1号”だからか?
■偽のスカルマン
第3夜より登場して隼人達と視聴者を混乱させた偽の骸骨男。
骸骨男出現の混乱に乗じて、黒幕達が邪魔者を始末するために送り込んだ殺し屋で、鬼塚結衣や宇佐神明を殺害した。
本物と違うのはマフラーを着用していないことと、銃を使うこと。
また、あくまでも姿を似せただけなのでプロではあるが超人的な身体能力までは持っていない。
本物と同様に大型バイクを使用するが形状も違っている。
■GRO/ガ號
ブレイン・ギアと大伴グループが軍事兵器として研究を進めている生物兵器。
南亜戦争の頃には既に実戦投入されている。
正式名はGROだが、日本側はガ號と呼んでいる。
原作版のガロがモチーフだが、ただの怪物扱いである。
■サークス(SIRKS)
作戦遂行の為にヴォグートがブレイン・ギア本部から呼び出した現代最強のサイボーグ部隊。
名称からサーカスに掛けており、メンバーは
道化師の様な意匠を施されている。
【主要登場人物達の更なる詳細】
■神楽辰男/御子神隼人
御子神隼人は惨劇の場から逃がされ、御子神駿に引き取られてからの名前であり、本名は
神楽辰男。
神楽辰之の息子にして
真の仮面の継承者であり、豪蔵らも父親と共に死んだと思っていた男であった。
御子神駿が辰男を助けて息子としたのは、共同研究者である辰之への報いだったのかもしれない。
尚、御子神駿もガ號計画の秘匿の為に豪蔵の指示で殺された模様である。
ただし、人物紹介等では神楽辰男であるとされているものの、劇中ではそうだと明言まではされていない。
己が何者なのかを最後まで彼自身が知ることはなかったが、骸骨男で“あった”神崎芳生から死の間際に仮面を引き継ぎ、二人目の骸骨男にして
“真のスカルマン”となる。
この展開から隼人の名前は『仮面ライダー』の
一文字隼人にも掛けた名であり、更に職業が記者なのも一文字の設定からと予想されている。
中の人も隼人が変身したスカルマンについて“力の2号”と言っていたが、上記の様に、本来は
オリジナルと呼ぶべき存在である。
本名である神楽辰男の名前は、正に『
スカルマン』の主人公である千里竜生(神楽達男)から。
■神崎芳生
先代の神父が託されていた髑髏の仮面=神楽村遺跡から発見されたオーパーツを身に付けた彼が骸骨男の正体であった。
従軍時の地獄のような光景から信仰を失いかけるも、黒潮真耶との出会いにより信仰を取り戻しており、彼女の願い通りに百鈴會が増やし続けているガ號狩りを開始していた。
しかし、ヴォグートが呼び寄せたサークス部隊との戦いの中で傷付き、百鈴會の最終目標の為に真耶が連れ去られるのを阻止することに失敗。
更には痕跡を追ってきたサークスに教会を攻撃され、瓦礫の下敷きとなってしまう。
仮面を被った影響か隼人の正体にも気づいていたようで、隼人だけには仮面を渡さないと語っていたものの、最後は自分の記憶毎に隼人に仮面を託すこととなった。
■間宮霧子
晃一を失った後、自分を匿ってくれた隼人への想いを自覚するようになるが、隼人には茶化されたり奈美の存在があったりで中々気づいてもらえなかった。
しかし、奈美の殺害の件で隼人がお訪ね者になった際に気持ちを打ち明け、最後の戦いを前に隼人と結ばれる。
エンディングでは隼人との子供を生んでいるが、その赤ん坊は島村ジョーにそっくりである。
■新條剛
奈美を失った後で手帖を置いて隼人を追うが、本心では隼人が犯人でないと理解していた。
立木に諭される中でサークス部隊による攻撃に巻き込まれ、なし崩し的に最終決戦へと突入。
姿を消した隼人の代わりに霧子と孤児院の子供やおばちゃんを救い、更には傷ついていた麗奈をも救う。
戦いの後は大伴市を捨てて立木の探偵事務所に雇われたようで、同僚となった麗奈にデレデレとした様子を見せていたことから、今は麗奈に惚れてる模様。
■真行寺麗奈
■真行寺徹郎
姉弟揃ってGRO=ガ號に改造されて南亜戦争に投入されるも、戦後には行方不明となりブレイン・ギアの管理を離れた“ロストナンバー”となっていた。
終戦時に神崎芳生と出会って大伴市に連れてこられたらしく、恩人の芳生がスカルマンとして活動すると、自分達も“骸骨の僕”を名乗り、ガ號狩りに協力するようになった。
麗奈は芳生に想いを寄せていたようだが叶わず、上記のように戦いの後で新條と共に立木の事務所に迎え入れられている。
■立木恭一郎
本名は左門寺恭一郎。
かつては軍隊で埴輪儀助の部下だったが埴輪により家族を失っており、最後には混乱の中で恨みを晴らす。
大伴市へ潜入したのは私怨のみならず、政府に依頼された諜報員だからでもあった。
今回の騒動のほぼ全容を掴むことは出来たが“黒き幻影”の存在までは予測することが出来ず、最後は交差点の途中で見慣れた影に刺殺される。
■黒潮豪蔵
実は、物語に於ける殆ど全ての陰謀の発端であったが、全てが豪蔵の計画通りに進んでいた訳ではなかった。
親友であった神楽辰之の襲撃を埴輪に指示したのも豪蔵だったが、惨殺は埴輪の暴走が招いたものである等、黒幕ではあるが、それ故に自らの行いには後悔の念が常に付いて回っていたようである。
神楽辰之が死んだ後で彼の妻子=沙羅と真耶を引き取り、真耶には実の娘のように愛情を注ぐなど、企業人としての悪辣な行いの反面、個人としては優しい性格が見え、隼人への心配も本心からのものであり、自らの秘密を知られても尚、隼人を自らの命を危険に晒してまでも逃がした。
最後は暴走した“息子”である正樹に殺害される。
■黒潮真耶
旧姓は神楽真耶。
沙羅の願いと正樹の野望により、遺跡より発掘された有翼器と融合させられ、新人類を誕生させる為の装置の基部とされてしまい、人としての命を失う。
最後は新人類の力を制御出来ずに暴走した正樹を倒した骸骨男が生き別れた兄であることを悟りつつ、その手で殺されることで苦しみから解放される。
名前は『スカルマン』の千里竜生の妹である千里麻耶から。
■神代正樹
実は豪蔵の隠し子で、表向きは従う振りをしていながら、秘かに実権を握る為の準備を進めていた。
豪蔵の腹心であった船越や野心家の若年将校である石動とも協力関係を結んでおり、最終決戦となった12/24日の夜に石動や船越が動いたのと同時に協力関係にあった沙羅を亡き者にし、自らが真耶の力で新人類になろうとするが、制御装置を欠いた不完全な変身であった為に、急激な細胞分裂により肥大化したおぞましい怪物と化してしまう。
最後は秘められた力を解放した骸骨男の一撃を心臓部に受けて肉体が崩壊した。
【黒き幻影】
ブレイン・ギアの真の理念として御名を掲げられる謎の秘密結社。
多国籍企業であるブレイン・ギアを隠れ蓑に、世界の紛争のバランスを取り、引き起こされた戦争に於いては数々の兵器の実験を行う死の商人である。
BGの略は『サイボーグ009』の
ブラックゴースト(黒い幽霊団)と同じである。
■アルカード・ヴァン・ヴォグート
“黒き幻影”の最高幹部の一人。
最終決戦にて正樹の手引きで大伴市の掌握を狙った石動寛治の率いるクーデター軍の前に立ちはだかり、サイボーグとしての本性を顕して石動ら主導者を殺害。
石動等が奪取しようとしていた核弾頭を奪い去る。
残りの部隊もブレイン・ギアの甲殻類型ロボット群により掃討された。
全ての戦いの後で目標だった“彼”の遺体を回収する。
漫画版ではアニメ本編では不明瞭であった部分が補完されており、最初から“彼”の捕獲を目的として大伴市にやって来た他、本来は倒される筈の無いサークスが倒されたことから“彼”が“あの方”だと確信した模様。
■01(声:森久保祥太郎)
サークスのリーダー。
格闘戦を得意としており、似たような装備を使う芳生の変身した骸骨男との戦いを優位に進めていた。
しかし、隼人の変身した骸骨男には力及ばず、ボディを引き裂かれて爆散させられる。
■02(声:茶風林)
索敵能力に長け、火炎放射を主武装にしている。
残忍な性格の持ち主で逃げ回る相手を焼くのが趣味。
教会を焼き討ちするが、隼人が変身した骸骨男に瞬殺される。
■03(声:岩田光央)
水中能力に長ける。
専用武器は水中銃で徹郎に深手を負わせる。
■04(声:飛田展男)
砲撃戦に長け、後方支援を得意とする。
サークスの中では最も情緒が不安定で、人間だった頃の自らの名前を思い出したがっている。
芳生は改造前の彼に戦場で出会っていた。
芳生より明かされた本当の名前はジャック・グッドマン。
混乱の中で戦闘放棄し、芳生の変身した骸骨男に遭遇。
名前を教えてもらい救われた後で、介錯されるかの如く倒された。
■05(声:大塚明夫)
大柄で圧倒的なパワーに長ける。
同じく怪力を誇る徹郎と激突した。
「ハッタリだけはハリウッドばり」と言っているが、こんな世界でも映画産業は発展しているのだろうか?
別に潜入が得意ではない。
■ガモ博士(声:加藤精三)
サークスの製作者。
モデルは『サイボーグ009の、001の父親であるガモ博士。
アンニュイで発言が回りくどく、自分に酔っているような部分も。
自分の作った“道化”の力に自信を持っていたようで、サークスがヴォグードにより“彼”を捕獲する為の捨てゴマとして使われ、実際に骸骨男との戦闘で全滅させられた時には酷いショックを受けていた。
※サークスのモデルは言わずと知れた00ナンバーサイボーグだが、モデルと番号や持っている能力は一致していない。
また、ヴォグートやサークスの声優は01年の『サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER』に於けるモデルとなったキャラクターと同じになっている。
ただし、雪乃五月は003のモデルとなったキャラクターが登場していない為にヘレン役となっている。
■GRO/ガ號
元はスカルマンの仮面の力を解析する中で生まれた存在の様で、大伴市では百鈴會の信者が秘かに改造され、若しくは以前に改造されていたが利用出来ない為に放置された結果、無自覚のまま多くが市民として潜伏していた。
殆どは麗奈や徹朗と同様に犬や狼を思わせる姿に改造されていた。
百鈴會が改造した信者に渡すペンダントの羽の部分を外すことで発生する特殊な音波「神の声」を聴くことで変身するが、制御外にあるロストナンバーのみは自分の意思で変身可能である。
ガ號全体のデザインの共通として額に第3の眼があり、これが弱点になっている模様。
■真のスカルマン(声:土田大)
第11夜のラストから負傷した芳生に代わって隼人が変身したスカルマン。
スカルマン2号、ソフトの最終巻では真なるスカルマンとも呼ばれている。
漫画版では過去の神楽夫妻の惨劇の場からスカルマスクを持ち出したのは、仮面の意志に動かされた隼人=辰男自身だったことが示唆されている。
芳生が変身していたスカルマンとの違いはコートが無くなりライダースーツのみになったことである。
戦闘能力は芳生が変身していた時とは比較にならない程に高く、芳生や麗奈達では散々苦労して相討ちや深手を追いながらやっと数を減らせた程の相手であったサークスの残りメンバーを余裕で倒してしまった程。
コートが無くなった為に徒手空拳が主な攻撃方法となり、スカルニードルはチャップスから取り出して拳の指に挟んで使用していた。
隼人自身は何の訓練も学習もしてこない人生を送ってきたはずだが、これには仮面に記録される芳生やそれ以前の装着者の記憶の他、矢張り彼の正体が神楽辰男であることが関係していると思われる。
巨大な怪物と化した正樹との戦いでは、開口部を覆うことで使用可能となる“真の力”(発動させた瞬間から周囲の時間が停止状態に近くなるまで遅くなる現象が起きているために加速装置だと思われる)を発動させて正樹を倒すが、その力を生身の肉体で使った反動により隼人もまた命を落とすこととなった。
その遺体は、戦いの後でブレイン・ギア(BG)=黒き幻影に回収されて改造手術を受けることになる。
尚、本来はスカルマスクは新人類となって強大な力を得た者が制御の為に身につける為の物であったらしく、真の力を解放した隼人が絶命したことや、新人類となった正樹が暴走して怪物となってしまったのも、両者が互いを欠いた不完全な存在だからであった。
尚、原作『スカルマン』の新人類とは人類の次なる段階として出現する一種の超能力者や超人を指すものであるため、本作での解釈とは微妙に食い違うものとなっている。
■BG総帥/スカール(声:若本規夫)
最終夜のエピローグにて登場。
最終決戦で死亡した御子神隼人=神楽辰男の肉体がブレインギアに回収された後に、改造手術を受けて復活させられた……と思われる存在。
……黒き幻影は、戦いの結果をも見越していたのだろうか?
これにより本来の手順を踏んで新人類となった場合と同じく、人間を越えた肉体を得て、仮面の力を完全に引き出せるようになったものと思われる。
仮面の色が黒くなり、開口部も常に閉じられた状態=人間の部分の覗かない怪物の様な
髑髏の顔になっている。
スカールの名は字幕放送から登場。
モデルは『サイボーグ009』のブラックゴーストの表向きの総帥で、最強のサイボーグの一人であるスカール様から。
肉体の損傷が激しかったのか、完全な機械に近いサイボーグというスカール様の設定に倣ってなのか、改造後のBG総帥は歩く際にも機械音がしている。
エピローグでのこの展開は余りに衝撃的で
バッドエンドとして紹介されていることも。
この後『009』に続くと彼は真の総統の内部で暴れ回ったために総統にブチギレられて処刑というしょっぱすぎる末路を迎える事になる
尚、アニメ版『スカルマン』がマニア層向けだった為かあまりフィーチャーされていないのだが、アニメ『ケロロ軍曹』に登場した
シュララ(CV:若本)が、改造後に本作のスカールと同じ台詞を呟いている。
【主要スタッフ】
- 原作 石ノ森章太郎
- 監督 もりたけし
- シリーズ構成・スカルマン&GROデザイン 出渕裕
- キャラクターデザイン・総作画監督 柴田淳
- メカニックデザイン 佐山善則
- コンセプチュアルアート 草剪琢人
- 音楽 鷺巣詩郎
- OP「ひかりのまち」歌 TOKIO / 作詞・作曲 甲斐よしひろ / 編曲 西村智彦
- ED「明日は明日の君が生まれる」歌 Chocolove from AKB48 / 作詞 秋元康 / 作曲 藤末樹 / 編曲 齋藤真也
- アニメ=009エピソード・ゼロ、漫画=石ノ森ヒーローのオリジンって感じで差別化されてた感じ -- 名無しさん (2018-06-10 07:44:00)
- スカールが玉座に座っていると思われる間に改造された隼人がスカールの手先になってると思しき描写があるからスカールと隼人が同一人物かどうかは曖昧なんじゃなかったっけ。 -- 名無しさん (2018-06-10 08:35:28)
- ↑隼人が改造されてる描写があり、中の人のインタビューでも声が若本さんに変わっちゃって…とか言ってるので、あれはスカールの素顔(はやっぱり隼人)という解釈になってるのかと。 -- 名無しさん (2018-06-10 08:41:11)
- 隼人と霧子の子供がどう見ても009なんだよな。この後生き残った関係者皆殺し→サイボーグ計画始動→サイボーグ化した息子に引導渡されるとかバッドエンドすぎる -- 名無しさん (2018-06-10 08:57:40)
- スかルマンの中の人がニンジャブルー -- 名無しさん (2018-06-10 10:11:36)
- 仮面ライダーWの風都とミュージアム、財団Xの関係はこのアニメの大伴市と白鈴會、BGの関係をイメージしているような気がするけど考えすぎだろうか -- 名無しさん (2018-06-10 16:39:24)
- OPがTOKIOとかなり豪華 -- 名無しさん (2018-06-10 19:08:42)
- 決着はつけるもスカルマン=隼人死亡→黒き幻影に遺体回収されてスカールに改造→009へ続くってホントすげえラストだった -- 名無しさん (2018-06-10 22:10:51)
- 要するにスターウォーズでいうエピソード1~3にあたる内容を009の世界観でやった作品って感じなんだろうか -- 名無しさん (2018-06-11 00:57:47)
- まあ結果的にはそうなんだけど、放送中はそこらへん一切触れてなくて単体作品としてしっかり成立していたところに、最終話Cパートの30秒で若本声の黒スカルマン=スカール出して視聴者に衝撃与えたからある意味伝説になってる -- 名無しさん (2018-06-11 01:24:49)
- 公式サイトがドメイン切れで訳分からんサイトになってるから用語解説は超助かる! -- 名無しさん (2018-06-11 09:00:27)
- ↑2 実際リアタイであのシーン観て、うおお!ってなったよ。 -- 名無しさん (2018-06-11 10:56:12)
- ただ、これを009の前日談とすると噛み合わない点多いから009の世界観でやったスカルマンというよりはアニメ版スカルマンの世界観で始まる009と言った方が正しいのでは。まぁ、009もメディアごとにオリジン異なるから気にしたら負けかもしれないが -- 名無しさん (2018-06-11 11:34:21)
- 原作や続編の島本版とは別にアニメをコミカライズしたMEIMUによる漫画版もあるのでちょっとややこしい -- 名無しさん (2018-07-03 20:53:34)
- 04の名前はジャック・グッドマンじゃなかったっけ -- 名無しさん (2018-07-10 08:56:59)
- 立木レポートが気になってるけど読める場所無いかな -- 名無しさん (2018-12-10 04:44:27)
- 009の前日談とするとサークスから00ナンバーまで技術進歩し過ぎだなってなる。スカルマスク確保して加速装置やその他の技術が進歩したとかそういうことなのかな -- 名無しさん (2021-10-29 00:27:20)
- アニメ放送の前に一話だけやってた実写版は本当にスカルマンのスーツが格好良くてな…あれが動く所をもう一度見たい -- 名無しさん (2022-03-06 02:28:13)
- 戦闘能力的に原作に近いのは偽スカルマンだったりする -- 名無しさん (2023-03-21 00:03:21)
最終更新:2024年10月17日 18:44