赤木リツコ

登録日:2018/08/25 Sat 17:27:20
更新日:2025/01/30 Thu 19:23:44
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最近の男というのは、須らく自分にしか興味ないのよ。


赤木(あかぎ)リツコとは、『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズ及び『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』に登場するキャラクターである。

プロフィール

生年月日:1985年11月21日
年齢:30歳
血液型:B型
声優:山口由里子

人物

特務機関NERV(ネルフ)本部にて技術開発部技術局第一課に所属する女性。
E計画の中心人物としてEVAの開発に携わっており、スーパーコンピューター「MAGI」の管理も任されている。
同僚の葛城ミサト加持リョウジは大学時代からの友人。
直属の部下である伊吹マヤからの信頼は厚い。原作でもちょいちょい片鱗が見えるが、彼女からは尊敬や憧れ以上の同性愛に近い感情を抱かれている。

MAGI開発者の赤木ナオコ博士の娘。
ネルフの総指令である碇ゲンドウとは愛人関係であり、彼が極秘で推し進めている「人類補完計画」にも加担している。
その関係で一般職員には知らされていないネルフの秘密も多く知っており、劇中でミサトから追及されることもしばしば。

眉毛は太く、左目の泣きボクロが色っぽいクールビューティ。髪型はセミロングで、大学時代から金色に染めている。
勤務中は紫のハイネックシャツ、黒のタイトスカート、ストッキングを着用し、その上に白衣を着ている。

コーヒー好きであり、デスクワーク中もよくホットコーヒーを欠かさず飲んでいる。
ヘビースモーカーでもあり、デスクにある灰皿は常に彼女の口紅付きの吸殻で一杯になっている。
猫の小物を集めるのが趣味。猫を飼っていた事もあるが、祖母に預けた後で死亡してしまったらしい。

冷静沈着かつ理知的な人物で、現実的な思考を持つ。
不測の事態にも冷静に対処できるが、基本データに基づいて判断するため、時には碇シンジ等のEVAパイロットの心情や人命を軽視した非情な作戦を発案することもある。
そのため感情で動きがちなミサトと作戦の方針で衝突するケースも多いが、自らの職務には誇りを持って取り組んでおり、自分の失敗は全て自分で拭おうとする強い責任感も持っている。
プライベートでは一転してとっつきやすい面も見せるものの、その際も常にクールに振舞っており、加持と一緒にミサトをからかったりする事もある。

MAGIの管理等ネルフの技術的な側面を一手に引き受けているだけあって、技術者としての能力は一流。
普段はEVAやMAGIのメンテナンス、シンクロ実験等で得たデータの整理を行っているが、使徒殲滅作戦の時にはミサトへの献策・戦術指南も行えるなどハイスペックな人物。
それがもっとも発揮されたのが使徒イロウル戦であり、イロウルにネルフのシステムが侵食されそうになった際はプログラムの処理速度を遅くするようオペレーター達に迅速な指示を出し、対策を立てるための時間を稼いだ。
さらに僅かな猶予の中でイロウルの特徴を把握し専用の自滅促進プログラムを作成、それを送り込んでイロウルを自壊させることに成功する。
ぶっちゃけこの時リツコがいなければネルフは確実に壊滅しており、イロウル戦は彼女の能力の高さを示す彼女が主役のエピソードとなっている。マヤが惚れるのもわかる


劇中での活躍

TVアニメ版

初登場はEVA初号機の格納庫。サキエル襲来時にわけも分からずネルフに呼び出されたシンジに、EVA初号機に乗るよう躊躇なく指示した。……当然シンジからは「嫌だ」と拒否されたが。
しかし、彼が搭乗を決意し感覚だけを頼りに初号機を動かした時は「動いた……」と素直に驚いていた。もとより無茶な頼みだったのは承知の上だったのかも知れない。
その後も作戦補佐として数々の使徒殲滅作戦に携わっていく。
意見の食い違いによってミサトと衝突する場面も多かったものの、上記のイロウル侵入時には持ち前の技術力を駆使してEVAを一切使用する事無く使徒を殲滅したり、シンジが初号機に取り込まれた際にはサルベージ計画の指揮を執るなど、作中通して活躍は多かった。

+ 過去
2003年。この頃はまだ高校生であったが、まだネルフがゲヒルンだった頃にゲンドウや冬月コウゾウと出会っている。
第2東京大学に進学した時にミサトや加持と知り合い、良き友人となった。
大学卒業後はゲヒルンへの正式入所が内定。だがふとした事でナオコがゲンドウの愛人である事を知ってしまう。
それ以降はナオコに対し複雑な感情を抱くようになり、ナオコを“科学者”としては尊敬しつつも、“女”としては嫌悪するようになった。
2010年。MAGIシステムが無事完成するが、ナオコがとある事件によって自らの命を絶つ。そのすぐ後でゲヒルンがネルフとして再編され、MAGIの管理を任されるようになる。
それと同時にゲンドウの計画に加担するようになり、ほどなくしてゲンドウと男女の関係を持つようになった。
ちなみにMAGIはナオコの「科学者」「母親」「女」の3種類の人格が移植された人格移植OS第一号である。
言わばナオコの頭脳そのものでもあるためリツコのMAGIに対する思い入れは誰よりも強く、たまにMAGIをナオコと同一視し「母さん」と呼びかける事もある。

……しかし、ミサトがネルフの暗部を知った頃から、彼女に不信感を持たれるようになってしまう。
そしてゼーレから尋問された際、自分はゲンドウから愛されてなどいなかった事を思い知らされ、報復としてターミナルドグマにあった大量のレイの“容れ物”を全て破壊する凶行に走る。
その後はネルフの一室に幽閉され、ゲンドウから「君には失望した」と冷たく突き放された。

旧劇場版

ゼーレがネルフのシステムにハッキングを仕掛けてきた際、MAGIにプロテクトを掛けるために拘束から解かれ、ハッキングを阻止。捨てられてなおゲンドウのために動いた。
と思いきや、戦略自衛隊にネルフ本部が襲撃されている最中、セントラルドグマ最深部でゲンドウを待ち構え、なんとMAGIを自爆させて心中しようとする。
しかしMAGIの中にあった「ナオコの女としての人格」が自爆を拒否した事で心中は失敗。最後の最後でMAGIの中の母に裏切られてしまう。
母に失意をぶつけるのも束の間、ゲンドウから拳銃を向けられ……。

「赤木リツコ君。君は本当に……」*1

ゲンドウから言葉をかけられた後、彼女は「嘘つき」と返し、そのまま彼に射殺されてしまう。
劇中での出番はここで終わり。以後はゲンドウに顧みられることもなく、何とも報われない人生となってしまった。

漫画版では撃たれた後もまだ死んでおらず、レイに逃げられたゲンドウの首を背後から撃ち「嘘つき…あなたが愛したのは…あの人だけでしょ」と、一矢報いた形で死亡している*2

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

基本設定は特に変わっていないが、ゲンドウと愛人関係である事は特に示唆されていないのが大きく違う点。
旧作以上に仕事の虫であるようで、プライベート時でも制服でいる時が多い。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

『破』から14年が経過した『Q』では旧ネルフスタッフを中心に結成された反ネルフ組織「WILLE(ヴィレ)」の戦艦「AAA ヴンダー」の副長を務めている。
年齢は44歳。髪型はベリーショートとなっている。
ゲンドウのいる現ネルフと対立する立場となっているため、旧作ほどゲンドウと親密な関係にはなっていないようである。

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

引き続きヴィレの副長として登場。
冒頭のパリ解放作戦では伊吹マヤや北上ミドリといったヴィレクルーと共に、L結界封印柱の復元作業を行う。
直後にNERVの冬月副司令が大量のエヴァMark.04シリーズを送り込んできたものの、マリと連携しつつ作業を強行、
ちなみにこの時、Mark.04シリーズが放ってきた陽電子砲に耐えるためにエヴァ8号機が戦艦をバリアにするのだが、リツコはなんと険しい顔で衝撃にもビクともせず仁王立ちしていた。

+ ネタバレ注意
物語中盤、親友のミサトに対して 「そう簡単にリョウちゃんへの思いは断ち切れないわね」 と問いかけたり、ヴンダーへ戻ってきたシンジ 「息子と同じく会わないの?」 と言ったりと、ミサトのことを気にかけている様子が多い。
本作最大の山場である 『ヤマト作戦』 前にはミサトは「25分で作業を中断、30分で出撃します」と通達したのに対し、リツコは「20分で作業を中断、25分で出撃します」とまさかのさらに時間を早めるという無茶振りも見せていたり。

ヤマト作戦本番では、旧南極に突如現れた冬月副司令が搭乗するNHGシリーズ(通称NERVヴンダー)の二番艦『エアレーズング』や、その後さらに現れた三番艦『エルブズュンデ』に対して、「やはり完成していたの!?」と驚きまくっている。
旧南極で『黒き月』を使った新たなる槍の作成を目撃した際はガフの部屋の向こう側=マイナス宇宙についても発言するなど、持ち前の知識を活かした解説キャラとしての出番が多い。
そして上記NHGシリーズの四番艦『ゲベード』が現れないことに唯一疑問を持った瞬間、ヴンダーはゲベードによって串刺しにされてしまう。

そしてヴンダーの甲板上に現れた本作の黒幕、碇ゲンドウとミサトと共に対峙。ゲンドウが喋り始めたその瞬間に銃を撃って顔のバイザーに直撃。さらに数発撃ち込んでゲンドウの頭部を完全に破壊する。旧劇場版以前とは違い、彼に一切の未練も甘さもない姿を見せた。
……が、ゲンドウは既に人間を捨てた不死の怪物となっていた為、排除は失敗。ゲンドウもリツコに特別の対応を見せることもなく、ミサトと同列の扱いで接した。

その後、父と相対する覚悟を決めたシンジと対面。シンジのプラグスーツを彼に渡すと、ミサトと共にロンギヌスの槍・カシウスの槍に代わる新たな槍、 『ガイウスの槍』 を創るために奔走する。
リツコ「サンプルはさっきのものしかないのよ?」*3
ミサト 「リツコには充分でしょ」
リツコ「無茶言うわね」
……そしてヴンダーの脊髄部分を使い、本当にガイウスの槍を創ることに成功する。ミサトの命を賭けた特攻もシンジによるネオンジェネシスもまずこの前提が無ければ成り立たず、地味ながら間違いなく作中屈指のファインプレー。
リツコだけでなくマヤたちの尽力もあったとは言え、この人冬月先生に次ぐほどのチートなのでは?

最後はミサトから「息子や生き残った人々のことをお願い」と想いを託され、リツコも「分かってる……ミサト、ベストを尽くすわ」と返した。必ず、といった表現は使わず、ベストを尽くすという言い方が彼女らしい。
親友と最後の会話をした後、戦線を離脱した。

ネオンジェネシス後の動向は不明。
シンジ曰く「時間も世界も変えない」とのことなので、人間関係などは変わらず、エヴァンゲリオンがいなくなった世界でマヤや元ヴィレクルー達と楽しくやっているのかも知れない。
彼女にその気があるなら、今度こそいい男を見つけてほしいものである。


他作品での活躍

新世紀エヴァンゲリオン2

各主要人物に個別シナリオが用意されている本作。
彼女にも「女は炎」というシナリオが用意されているが、そのシナリオは……

ゲンドウとの関係に嫌気がさしてきたリツコが
「もし自分がゲンドウだけのものではなくなったら彼はどのような顔をするのだろう」と思い立ち、
主要男性キャラを手当たり次第に色香で虜にしていく

……という驚愕の内容となっている。
「手当たり次第に」とは比喩でもなんでもなく作中の男性キャラほぼ全員が対象であり、成人男性はもちろん未成年であるシンジ・トウジケンスケどころか使徒であるカヲルをもその美貌で惑わしていく。使徒を……喰ってる……
また、女性キャラだが自身に好意を抱いているマヤに手を出す事も出来る。
最終目標は復讐の対象であるゲンドウを屈服させる事。あのゲンドウがリツコの前に跪き、言いなりになっている姿は一見の価値あり。

新世紀エヴァンゲリオン タイピング-E計画

1999年に発売されたPC用タイピングゲーム。例の太鼓の画像の元ネタである。

アニヲタ諸君は 胸にサラシ、頭にねじり鉢巻きを巻いて大太鼓を叩く爽やかな表情のリツコ という画像を見た事が無いだろうか?
何故太鼓なのか、何故サラシにねじり鉢巻きなのか、何故そんなシュールな絵にエヴァ初号機の覚醒シーンの台詞が妙にマッチするのか……という色んな意味で笑いを誘う通称『 太鼓リツコ 』である。
件の画像は、本作のおまけステージの一つをクリアすると見る事ができる。
つまり 「太鼓を叩くリツコ」の画像はコラやファンアートなどではなく、れっきとした公式絵なのである。
ただし「人の域に留めておいたエヴァが本来の姿を取り戻していく~」という台詞の文字の部分だけは非公式に後から追加されたコラなので注意。

ともあれ「クールで知的」を地で行く彼女が祭りの恰好で大太鼓を叩く、しかも やらされている風でもなく普通に良い顔をしている という画はあまりに面白過ぎる構図であり、相当なインパクトを残している。
「リツコと言えば太鼓、太鼓と言えばリツコ」 という印象の視聴者も少なくなく、中には太鼓リツコのコスプレでDECISIVE BATTLE*4に合わせて太鼓を叩く動画を動画サイトに投稿した者までいる。
ある意味、最も有名なギャップ萌えと言えるのかもしれない。


スーパーロボット大戦シリーズ

現実的な思考の持ち主であるため、ニュータイプの能力やロム・ストールの合身等、論理だけでは説明出来ないものを目の当たりにする度に
「非常識」「非論理的」等と口にしている
その反面、猫好きであるので猫の姿をしたファミリア(使い魔)のクロとシロに興味を示し、
「ファミリアという非現実的なものを認める事になるけど」と突っ込まれると「可愛いからいいの」と返した事もある。
ストーリーでは原作どおり終盤でゲンドウに撃たれて死亡する事が多いが、ゲンドウを見限ってプレイヤー側に付き生き残る展開もあったりする(F完結編)。




ここに並ぶレイと同じ物には魂がない。ただの入れ物なの。

だから壊すの。憎いから。


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最終更新:2025年01月30日 19:23
添付ファイル

*1 無音声なので何と言ったかは不明。ただし声優の山口さんは庵野監督から唯一あの発言の中身を知らされているらしい。ちなみに漫画版では「愛していた」となっている。

*2 撃たれる前に「嘘つき」とは返していない

*3 冬月が見せた黒き月を使った槍の作成方法のこと。

*4 ヤシマ作戦等でお馴染みの作戦中のBGM