ピーターラビット(映画)

登録日:2018/10/08 Mon 18:47:00
更新日:2024/10/17 Thu 22:53:55
所要時間:約 5 分で読めます





ケンカするほど、好きになる。


概要

『ピーターラビット(原題:Peter Rabbit)』は2018年に公開されたアメリカ・オーストラリア・イギリス合作のコメディ映画。配給はソニー・ピクチャーズ エンタテインメント。
監督はミュージカル映画『ANNIE/アニー(2014年版)』のウィル・グラック。

ビアトリクス・ポター原作の世界中で愛されている絵本シリーズ『ピーターラビット』初の実写化作品*1
主題歌は「I Promise You」。

人間のキャラクターは俳優が演じ、動物のキャラクターは3DCGで表現されている。
質感・動き共に本物と見紛う程可愛らしい。
また、一部原作調の絵によるアニメシーンも存在する。

原作を蔑ろにはしておらず、ちゃんとしたファミリー向けのハートフルなコメディ映画……だが、ピーター達アニマルの害獣っぷりもきちんと描写されており、尚且つトーマスに仕掛ける悪戯が非常に危険で殺意に溢れたものになっている。
プライベート・ライアン』も参考にしているためアクションもばっちり。何故あれを参考にしたのか。
更に、トーマスがピーター達に仕掛けるトラップも殺傷力が高いものばかりで、「お互い完全に殺しにかかっている」との感想が続出した。
その作風は誰が呼んだか「うざぎ版アウトレイジ」「マッドマックス 怒りの湖水地方」。流石に殺傷などの過激描写はないが殺伐さは大体あってる。
ブラックコメディ映画としても見ることができ、メッセージ性も強いため、総合的には子供から大人まで十分楽しめる映画となっている。
作品のノリとしては『ホーム・アローン』シリーズがイメージと近いかも知れない。

興行成績も好調で、特にイギリスではディズニー・ピクサーの『リメンバー・ミー』を超えて2018年で最も人気を集めたファミリー映画となった。
続編の制作も決定し、キャストも続投で『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』のタイトルでイギリスでは2020年に、アメリカと日本では2021年に公開された。


あらすじ

ピーターは世界で一番幸せなウサギ。たくさんの仲間に囲まれ、画家のビアという心優しい大親友もいる。
亡き両親のことを想うと寂しいけれど、ビアの存在がすべてを吹き飛ばしてくれる。
ところがある日、大都会ロンドンから潔癖症で動物嫌いのマグレガーが隣に引っ越してきたことで、ピーターの生活は一変!
今までの幸せを守りたいピーターと、あの手この手で動物たちを追い払おうとするマグレガーとの争いはエスカレート。
さらにビアへの“恋心”も絡まって思わぬ大事件に発展!ピーターはあるミッションを秘めて、初めてのロンドンへ向かうのだが――。
(公式サイトより)


登場人物

  • ピーター
CV:ジェームズ・コーデン/吹き替え:千葉雄大
本作の主人公。青いジャケットがトレードマークの世界一有名なウサギ。
気の良いお調子者かつ妹達からは頼れる兄貴分。
マグレガーおじさんが居なくなり喜んでいたのも束の間、トーマスがやって来たことで状況が一変。
更にトーマスは大好きなビアと恋仲になり、嫉妬の末に殺意を持って排除を目論むようになる。

+ ピーター達が仕掛けた悪戯(?)の例
  • トラばさみで両手や尻を挟む。
  • ピタゴラスイッチ的連鎖トラップを仕掛ける。
  • トーマスの仕掛けた電気フェンスの電流をいじって逆に感電させる。
  • トーマスにアナフィラキシーショック目的でアレルゲンのブラックベリーを食わせる。*2
…etc.

ちなみに吹き替えを担当した千葉氏は『天装戦隊ゴセイジャー』にてゴセイレッド/アラタを演じていたが、
2021年にはトーマスの吹き替え担当である浅沼氏も『機界戦隊ゼンカイジャー』にてゼンカイジュラン/ジュランの声を担当する事になったため、
意図せずしてゴセイレッドVSゼンカイジュランの戦隊レッド対決という構図が出来上がる事態になった。

  • トーマス・マグレガー
演:ドーナル・グリーソン/吹き替え:浅沼晋太郎
本作の言わばもう一人の主人公。
ロンドンの百貨店「ハロッズ*3」の玩具部門に勤めている男。マグレガーおじさんの又甥。
昇進を目指している野心家で、拘りが強く常軌を逸した言動や行動を取ったりもする。*4
動物嫌いで潔癖症だが性格そのものは心優しく、職場では子どもやプレゼントを考える客達に親身に接している。
無能な同僚にコネだけで副支配人のポストを奪われたことで錯乱したために停職処分を受け、職場への復讐を決意。
ハロッズの近くにハロッズよりも人気の玩具屋を作ることを夢見るようになる。ハロッズの玩具部門はかつてピーターの海外製の粗悪なぬいぐるみ(もちろん無許可の海賊版)を輸入・販売して原作者ポターの不興を買ったことがあり、それを意識した設定と考えられる*5
復讐の資金源にするため、おりよく相続した大叔父の家を売却しようと考え、家の確認にウィンダミアを訪れてしばらく滞在することになる。
これが血で血を洗う動物達との死闘のはじまりとは知らずに…。
過激な行動とは裏腹に家をぐちゃぐちゃにされ何回も死に瀕している(+怪我多数)という本作中最大の被害者でもある。

  • ビア
演:ローズ・バーン/吹き替え:渋谷はるか
本作のヒロイン。マグレガー家の隣に住む画家の女性。
ウサギを欠点の無い完璧な生き物と称し、マグレガーおじさんからピーター達を守り、ピーター達とよくお喋りをしている。
心優しいと言えば聞こえは良いが、近所の畑の被害をとことん見て見ぬふりする無責任な女性であることが描写されている。
ピーター含む動物達の頭の良さには気づいていない。
肝心の画家としての腕はいまいちで、常人には理解し難いセンスの絵を描く。
一方で息抜きで描いたウサギ達の絵は凄まじく上手い。というか原作の絵そのもの。
引っ越してきたトーマスと関わる内に恋仲になるが……。
モデルは原作者のビアトリクス・ポター。

  • モプシー
CV:エリザベス・デビッキ/吹き替え:木下紗華
ピーターの三つ子の妹で長女。黄色のジャケットが特徴。
長女であることをよく強調し、フロプシーを弄る。

  • カトンテール
CV:デイジー・リドリー/吹き替え:下田レイ
三つ子の一匹。緑のジャケットが特徴。
三匹の中で一番血の気が多く野性的。
ピーターほど悪意の強い悪戯をしていないのに視聴者から一番やべー奴との声が多い。
やたら高所から飛び降りたがる。

  • フロプシー
CV:マーゴット・ロビー/吹き替え:清水理沙
三つ子の一匹。赤のジャケットが特徴。
他二匹と違って愛嬌があり、言葉が丁寧。
中の人はナレーションも担当している。メタ発言多め。

  • ベンジャミン
CV:コリン・ムーディー/吹き替え:吉田ウーロン太
ピーター達の従兄弟で良き相棒。茶色のジャケットが特徴。また、原作とは違い垂れ耳である。
ピーターの行動を諫めながらも何だかんだで一緒に危ない橋を渡る。

  • ピグリン・ブランド
CV:ユエン・レスリー/吹き替え:魚建
紫のジャケットが特徴の豚。
ダイエットを心掛けているらしいが口だけで、事ある毎にあらゆるものを食いまくる。

  • ティギーおばさん
CV:シーア/吹き替え:堀越真己
エプロンが特徴のハリネズミ。
感電おかまいなしに電気フェンスに塗られたピーナッツバターを舐める剛の者。

  • トミー・ブロック
CV:サム・ニール/吹き替え:ー
深緑のジャケットが特徴のアナグマ。
トーマスから動物達が隠れる中、一匹だけ謎の行動を取り続けるあわてんぼう。

  • JWルースター二世
CV:ウィル・ライヒェルト/吹き替え:千葉繁
幕間に登場する雄鶏。
吹き替え版では中の人恒例のハイテンション演技のため存在感が凄い。

  • マグレガーおじさん
演:サム・ニール/吹き替え:糸博
原作にも登場する、ピーター達を捕まえてパイにしようとする虐める意地悪なおじさん。
実の所畑を荒らす害獣と戦っているだけである。
78年に渡る不摂生が祟って本作冒頭でご臨終。

  • ピーターの父
CV:ブライアン・ブラウン/吹き替え:東地宏樹
原作でマグレガーおじさんにパイにされ食べられた(調理はマグレガー夫人が担当)お父さん。
ビアの絵や回想で登場する。

  • ピーターの母
CV:レイチェル・ウォード/吹き替え:杉山滋美
本作では既に亡くなっており、こちらも絵や回想で登場する。


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最終更新:2024年10月17日 22:53

*1 ミュージカル・バレエ映画としては1971年の『ピーターラビットと仲間たち/ザ・バレエ』が存在する。

*2 アレルギーの話が出た際にベンジャミンから注意が入ったが、明確な殺意の元に悪戯を実行した。ちなみに実行者はフロプシー。さすがにヤバいシーンだったため批判が寄せられ、配給のソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが謝罪する事態になった。

*3 ロンドンに実在する、イギリス最大の老舗高級百貨店。

*4 トイレの清潔さを証明するため便器の水を飲もうとする等。

*5 なお、これをきっかけとしてポターはピーターのぬいぐるみを型紙から直々に起こして作成し、その特許を取得している。ポターは「世界で初めて自身が創造したキャラクターの権利を主張・取得した人物」であり、またこれが現在まで続くピーターラビットグッズの嚆矢となった。