スキル(モンスターハンター)

登録日:2018/11/01 Thu 18:11:12
更新日:2022/02/14 Mon 14:20:15
所要時間:約 33 分で読めます




モンスターハンター』シリーズにおける「スキル」とは、大雑把に言えば「装備(主に防具)の組み合わせによって特殊な追加効果を得られる」というもので、所謂「パッシブスキル」である。
外伝作品でもMHFはMH2のシステムが元になっているので当然存在するほか、MHSTでもメインシリーズと同名のものや、MHST固有のシステムに由来するものが登場している。
ただしメインシリーズやMHFとMHSTではパッシブスキルの対である「アクティブスキル」に対する名称の扱いが異なり、MHSTでは戦闘中に使える特技の総称として「アクティブスキル」の表記が普通に存在しているのに対し、メインシリーズでは一部は何かしらのカテゴリ名が付くこともあれど、「スキル」と付くことはまず無い。

『モンスターハンター』シリーズは言うまでもなく「モンスターを狩るゲーム」である。
よってゲーム内に多くのモンスターが登場するのだが、実はゲームクリアをするためだけなら、その内のごく一部を、しかも1~2回狩るだけで済む。
90種類を超えるモンスターラインナップを誇るMHXXであっても、ハンターランク上限解放までに倒すべきモンスターはその内49種、討伐数にして85体でしかないのである。

ではなぜハンター(プレイヤー)達はクリアに必要のない膨大な種類のモンスターを、延々と日々繰り返し狩り続けるのか。
それは「強い装備を作る(=キャラを強くする)ため」であり、強い装備とは何かというと、「強い武器」、そして「良いスキルを得られる防具」なのである。
ハンターは「いいスキルの為にモンスターを狩る」のであり、そういう意味では「スキル」こそがまさしくモンハンという作品の(ハクスラ的な面の)根本であるとも言えるだろう。

ちなみに他に理由を挙げるとすれば称号や勲章のコンプリートもある。
MHXXの場合、サイズが記録されるモンスターの最大金冠と最小金冠のコンプリートでそれぞれ勲章があり、称号に至っては69種の大型モンスターの狩猟数が条件のもので延べ3750体(50体×54種+30体×35種)だし、そもそもHRを上限の999まで上げないと解放されない称号もある。
フルコンプリートまでの道程では、それだけ膨大な回数の狩猟を積み重ねる必要がある。

【スキルシステムの歴史】

モンスターハンター』(初代)

現在から見れば隔世の感があるが、この時点でのスキルシステムは現在の物と大きくことなり、「一式装備の中からいくつか装備することで、特殊な効果が発動する」というシステムだった。
この為複数のスキルを同時発動するということはできず、表記されない隠し効果であることもあって、どちらかというと「装備を一式そろえた時のオマケ効果」のような扱いを受けていた。

『モンスターハンターG』

SPによるスキルシステムがこの作品で初登場し、以後シリーズのスタンダードとなった。

『モンスターハンター ポータブル』

食事によって装備品のスキルとはまた別種のスキルを一時的に得られる「ネコスキル」が初登場し、これも定着する。

『モンスターハンター2』

武器や防具にとりつけてSPを微調整できる「装飾品」システムが初登場し、スキル自由度は飛躍的に向上した。
また装飾品を搭載するための「空きスロット」の概念も登場し、これらも以後シリーズのスタンダードとなる。

『モンスターハンターポータブル 2nd』

装着すると二度と外せないという使い捨て式だった装飾品が、ゼニー(金)を消費することで着脱可能となった。

『モンスターハンター3』

武器や防具とは別枠でSPを得られるアクセサリ「護石(お守り)」システムが初登場し、スキル自由度がさらに向上。
同時に、炭鉱夫らによる終わらない採掘作業が幕を開けることになる。

『モンスターハンターポータブル 3rd』

これまで有料だった装飾品の着脱が無料となり、またマイセットが装飾品の装備状態も記憶するようになった。
これにより、様々なスキルを使い分けることが容易となった。

モンスターハンター:ワールド

最初から世界同時展開を想定した初のタイトルであり、とっつきにくさの代表格だったスキルシステムが先に挙げた通り根本から一新された
具体的に言うと「SP」の概念が消滅しており、それぞれの装備品は過去作のような組み合わせではなく、それぞれ単体でスキルが発動するようになった。これに伴いマイナススキルは事実上消滅。
ただしその分スキル1つ当たりの効果量は下がっており、過去作レベルの効果に到達するには同じスキルをいくつも積み重ねなければならいことが多い。
つまり従来型のSPシステムとの比較で言えば、SPが消滅したというよりは、スキルのランクが細分化されて発動ラインが消滅した(あるいは超大幅に緩和された)という方が正確かもしれない。
装飾品と護石のシステムも大幅に変更されており、全体的に初心者に対してやさしい作りになっているが、一方で装飾品を揃えているか否かでスキル・ビルディングの自由度が大きく変わってしまうのは否めない。

【MHXX以前の作品における仕様】

モンハンに登場する防具には、一部を除き「スキルポイント(SP)」という数値が設定されている。
このSPを防具の組み合わせによって一定数値にまで上げることで、スキルが「発動」し、その効果を得ることができる。

スキルの一般的な発動ラインはSP+10で、攻撃力アップや防御力アップの様にレベルが複数あるものに関してはSP+10で小、SP+15で中、SP+20で大といった具合に5刻みでレベルがアップしていくことが多い。

例を挙げてみよう。

頭「アニヲタXヘルム」
SP……耐粘+2 達人+3 速射+1
胴「アニヲタXメイル」
SP……耐粘+2 達人+5 速射+1
腕「アニヲタXアーム」
SP……耐粘+2 達人+1 速射+2
腰「アニヲタXフォールド」
SP……耐粘+2 達人+4 速射+3
脚「アニヲタXグリーヴ」
SP……耐粘+2 達人+2 速射+2

この組み合わせで防具を装備した時、耐粘のSPが+10に達することで「粘着無効(糸や重油などによる拘束効果を無効化する)」、達人のSPが+15に達することで「見切り+2(クリティカルヒット率が中程度アップ)」が発動することになる。

ここで注意すべきは、この装備では速射のSPが+9までしかないこと
速射はSP10に達することで「連発数+1(ライトボウガンの「連射」で発射される弾が1回当たり1発増える)」が発動するのだが、この場合は発動ラインの10にまで達していないため、その効果を得られない。

発動していないスキルのSPは+1であろうが+9あろうが全くの無意味になるため、SPを無駄にしないためには一部を別の装備に変えてみたり、装飾品(後述)を使ったりして発動ラインに到達するよう微調整を行う必要がある。

……とまあ、なるべく端折って書いてはみたが、それでも結構面倒くさいビルディングシステムであることがお分かり頂けるだろう。
しかもそんな複雑な仕様でありながら、何故かゲーム内での説明やチュートリアルがほとんどなく、初心者はこのシステムを全く理解しないままゲームを進めてしまうことも多い。

特に多いのは「SPの数値を、そのままステータス補正値と勘違いしている」タイプで、つまり攻撃+5を「攻撃SP+5」ではなく「攻撃力+5」と思い込んでいるプレイヤー。

例えば

頭「地雷ヘルム」
SP……攻撃+1 防御+4 
胴「ふんたーメイル」
SP……攻撃+3 耐暑+5
腕「ゆうたアーム」
SP……氷耐性+6
腰「ハチミツフォールド」
SP……攻撃+2 防御+2 ハチミツ+5
脚「くださいグリーヴ」
SP……攻撃+2 火耐性+8

見ての通り、スキルの発動ラインである+10に到達しているSPが一つもなく、ベテランプレイヤーから見れば「???」な装備である。
しかし初心者の場合はこれが「攻撃力+8、防御力+6、耐暑値+5、氷耐性値+6、火耐性値+8、ハチミツ値(?)+5」に見えてしまうという悲劇が往々にしてあるのだ。

特にネットプレイの敷居が大きく下がったMH4以降この傾向は著しく加速しており、エンディングどころかそれ以降ですら「スキルが1個も発動していないハンター」「全く無意味なスキルがついているハンター」が多くみられるようになっている。

【関連システム&用語】

・「装飾品」
RPG的な意味でのアクセサリとは異なり、モンハンのそれは装備品に取り付けるオプションパーツ的なもの。
SPを増減させるため(MHWorldでは直接スキルを発動させるため)だけに存在するパーツであり、それ以外の効果は持たない。
MHWorldでは護石と立場が逆転し、錬金もしくはクリア報酬でしか入手できなくなった。

・「スロット」
武器や防具、護石(後述)に存在する「装飾品取り付け穴」のこと。
装備によってそれぞれスロットの数は異なり、最少は0、最大は3。
MHWorld以降ではスロットにレベルの概念があり、入れられる装飾品レベルの上限が決まっている。

「護石」
武器や防具とは別枠に存在する、スキル調整のための第三の装備。
詳しくは項目参照。

・「ネコスキル」
キッチンスキル、食事スキルとも呼ばれる。
モンハンではクエストへの出発前に食事をとることで一時的なステータスアップ効果を得ることができるのだが、これに加えて一定の確率で発動する特殊なスキル。
装備品で得られるスキルとは枠、ラインナップ共に異なり、専用の独自効果を持っているものが多い。

・「死にスキル」
スキルが発動しているが、武器や戦うモンスターとの組み合わせのために、その効果が意味を成していない状態のこと。
例えば「氷属性の武器を装備している状態で、火属性攻撃強化を発動」とか「バインドボイスを使ってこない敵を相手にしているのに、聴覚保護を発動」とか。
数自体は少ないが、「一応プラス効果だがどこにも使い所を見出せないスキル」も死にスキルと呼ばれる。有り体に言えば産廃。

・「必須スキル」
特定の武器や武器種を使う際、あるいは特徴的なモンスターと戦う際など、特定の状況で「絶対に必要不可欠、ないとお話にならないレベル」とされるスキルのこと。
典型例で言えばガンランスを使う際のガード性能+や、ボウガンを使う際の反動軽減/ブレ軽減など。
ただしこうした表現にありがちなことだが、何を持って「必須」とみなすのかは個人によって異なってくる。

・「5スロスキル」
装飾品を5個(=装備品のスロットを5つ)使うだけで発動できるスキルのこと。
装飾品で発動できるスキルとしては最も(スロット負担的な意味で)低コストであり、枠が微妙に余った時などに調整して発動させることも多い。

・「複合スキル」
2つ以上のスキルの効果を、1つの枠で同時発動することができるスキル。
有名な例で言えば、「真打(斬れ味レベル+1と攻撃力アップ【大】)」、「剛弾(通常弾・連射矢威力UP+貫通弾と貫通矢威力UP+散弾と拡散矢威力UP)」など。

・「マイナススキル」
プレイヤーにとって不利な効果が発動するスキル。
SPは+だけではなく、-の数値が設定されているものもある。この-SPが一定の数値に達すると、通常のスキル同様にマイナススキルが発動してしまうのだ。
例えば攻撃力であれば、攻撃力SPが-10になることで「攻撃力ダウン【小】」が発動し、攻撃力が10低下してしまう。

・「スキル(MHF)」
MHFは完全オンラインゲームである都合上アップデート(=性能インフレ)を繰り返しているため、他作では類を見ない複雑怪奇なシステムを構築するに至っている。
具体例としてはこの辺りを参照。
スキル(MHF‐G)
秘伝防具(MHF‐G)
覇種(MHF‐G)
G級武器(MHF-G)
G級防具(MHF‐G)


【スキルラインナップ】

(※注意)
シリーズを通して実装されたスキルは膨大な数に上るため、ここで紹介するのはごく一部である。
また項目の体裁上、見やすいようにいくつかのカテゴリに分類しているが、ゲーム内でこうした区分はない。

体力・スタミナ系スキル


防御系スキル


攻撃系スキル


剣士系スキル


ガンナー系スキル


探索系スキル


アイテム系スキル


その他のスキル


ネコスキル



追記珠【1】
必要スロット  1
追記力     1

修正珠【1】
必要スロット  1
修正力     1

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最終更新:2022年02月14日 14:20